作成又は改訂年月
2009年6月改訂
(第9版、指定医薬品削除)
*
2008年6月改訂
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
2004年9月
薬効分類名
承認等
販売名
アミカシン硫酸塩注射液100mg「サワイ」
販売名コード
承認・許可番号
21700AMX00165000
AMIKACIN SULFATE
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
基準名
規制区分
処方せん医薬品
注意−医師等の処方せんにより使用すること
組成及び性状の表
有効成分・含量 | 添加物 | 剤形・性状 | pH | 浸透圧比 |
1アンプル(1mL)中 日局アミカシン硫酸塩 100mg(力価) | 亜硫酸水素ナトリウム 1mg パラオキシ安息香酸メチル 0.45mg パラオキシ安息香酸プロピル 0.05mg pH調節剤 | 無色〜微黄色澄明な注射液 | 6.0〜7.5 | 約1 (日局生理食塩液に対する比) |
販売名
アミカシン硫酸塩注射液200mg「サワイ」
販売名コード
承認・許可番号
21700AMX00164000
AMIKACIN SULFATE
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
基準名
規制区分
処方せん医薬品
注意−医師等の処方せんにより使用すること
組成及び性状の表
有効成分・含量 | 添加物 | 剤形・性状 | pH | 浸透圧比 |
1アンプル(2mL)中 日局アミカシン硫酸塩 200mg(力価) | 亜硫酸水素ナトリウム 2mg パラオキシ安息香酸メチル 0.9mg パラオキシ安息香酸プロピル 0.1mg pH調節剤 | 無色〜微黄色澄明な注射液 | 6.0〜7.5 | 約1 (日局生理食塩液に対する比) |
禁忌
本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
原則禁忌
本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者〔難聴が発現又は増悪するおそれがある。〕
効能又は効果
<適応菌種>
アミカシンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌
<適応症>
敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎
用法及び用量
[筋肉内投与の場合]
通常、成人1回アミカシン硫酸塩として100〜200mg(力価)を1日1〜2回筋肉内投与する。
小児は、アミカシン硫酸塩として1日4〜8mg(力価)/kgとし、1日1〜2回筋肉内投与する。
なお、年齢及び症状により適宜増減する。
[点滴静脈内投与の場合]
通常、成人1回アミカシン硫酸塩として100〜200mg(力価)を、1日2回点滴静脈内投与する。
小児はアミカシン硫酸塩として1日4〜8mg(力価)/kgとし、1日2回点滴静脈内投与する。また、新生児(未熟児を含む)は、1回アミカシン硫酸塩として6mg(力価)/kgを、1日2回点滴静脈内投与する。
なお、年齢、体重及び症状により適宜増減する。
点滴静脈内投与の場合には、通常100〜500mLの補液中に100〜200mg(力価)の割合で溶解し、30分〜1時間かけて投与すること。
用法及び用量に関連する使用上の注意
腎障害患者
腎障害患者では、投与量を減らすか、投与間隔をあけて投与すること(「慎重投与」の項参照)。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
使用上の注意
慎重投与
腎障害のある患者〔高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。〕
肝障害のある患者〔肝障害を悪化させるおそれがある。〕
重症筋無力症の患者〔神経筋遮断作用があり呼吸抑制があらわれることがある。〕
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者〔ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。〕
重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなりやすく、聴力障害の危険性がより大きくなるので、聴力検査を実施することが望ましい。アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、慎重に投与すること。
本剤を点滴静脈内投与する時には、副作用発生を防ぐため、必ず30分以上かけて投与すること。また、投与後は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。
相互作用
併用注意
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
腎障害を起こすおそれのある血液代用剤 デキストラン ヒドロキシエチルデンプン 等 | 腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。 腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。 | 機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。 |
ループ利尿剤 エタクリン酸 フロセミド アゾセミド 等 | 腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。 |
腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤 バンコマイシン エンビオマイシン 白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン) 等 | 腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。 | 両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明。 |
麻酔剤 筋弛緩剤 ツボクラリン パンクロニウム臭化物 ベクロニウム臭化物 トルペリゾン A型ボツリヌス毒素製剤 等 | 呼吸抑制があらわれるおそれがある。呼吸抑制があらわれた場合には必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。 | 両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。 |
腎毒性を有する薬剤 シクロスポリン アムホテリシンB 等 | 腎障害が発現、悪化するおそれがある。 | 両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。 |
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用 (頻度不明)
次のような副作用があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
ショック:初期症状として、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
第8脳神経障害:耳鳴・耳閉塞感・耳痛・眩暈・難聴等の第8脳神経障害(主として蝸牛機能障害)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
急性腎不全:重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
その他の副作用
| 頻度不明 |
過敏症 | 発疹、そう痒、発熱 |
腎臓 | カリウム等の電解質異常、浮腫、蛋白尿、血尿、血清クレアチニン上昇、BUN上昇、乏尿 |
肝臓 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al‐P上昇 |
血液 | 白血球減少、好酸球増多 |
消化器 | 下痢、悪心・嘔吐 |
ビタミン欠乏症 | ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等) |
投与部位 (筋注の場合) | 注射部位の疼痛、硬結 |
その他 | 頭痛、口唇部のしびれ感 |
上記のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。〕
過量投与
徴候、症状:腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
処置:血液透析、腹膜透析による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。
適用上の注意
筋肉内投与時:筋肉内注射にあたっては、下記の点に注意すること。
筋肉内投与は、やむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。
同一部位への反復注射は行わないこと。
神経走行部位を避けること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
アンプルカット時:本品は、ワンポイントアンプルなので、マークを上にして下方へ折ること。なお、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
β‐ラクタム系抗生物質製剤(カルベニシリン、スルベニシリン等)と本剤との混注により、両剤ともに不活性化されるとの報告がある。それぞれ別経路にて投与を行うこと。
その他の注意
クエン酸で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
聴器毒性:モルモットにアミカシンを筋肉内投与した実験(40、100、200mg/kg、28日間)で、耳介反射の消失を認めるとともに、ラセン器の外有毛細胞の消失が認められたとの報告がある。
腎毒性:ラットにアミカシンを背部皮下投与した実験(25、100、400mg/kg、30日間)で、腎重量増加がみられるとともに近位尿細管の内腔拡張、上皮の扁平化が認められたとの報告がある。
薬物動態
生物学的同等性試験
アミカシン硫酸塩注射液100mg「サワイ」と標準製剤を健康成人男子にそれぞれ1アンプル[アミカシン硫酸塩として100mg(力価)]絶食時単回筋肉内投与(クロスオーバー法)し、血清中アミカシン濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。1)
血清中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
アミカシン硫酸塩として100mg(力価)投与時の薬物動態パラメータ
| Cmax[μg(力価)/mL] | Tmax(hr) | T1/2(hr) | AUC0-6hr[μg(力価)・hr/mL] |
アミカシン硫酸塩注射液100mg「サワイ」 | 6.16±0.87 | 0.5±0.1 | 1.6±0.2 | 13.89±1.32 |
標準製剤(注射剤、100mg) | 5.82±0.64 | 0.5±0.1 | 1.7±0.2 | 14.04±1.20 |
薬効薬理
グラム陽性菌及びグラム陰性菌に広範な抗菌作用を有し、その作用は強力かつ殺菌的である。
ゲンタマイシン耐性菌に対して強い抗菌力を有し、ゲンタマイシン、ジベカシン、トブラマイシンの3剤耐性菌にも有効である。
筋注により血中へよく移行し、特に腎、肺に高濃度認められ、体内で代謝されることなく高濃度で尿中へ排泄される。
腎毒性及び聴器毒性はカナマイシンと同程度で、ゲンタマイシン、ジベカシンより弱い。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
アミカシン硫酸塩(Amikacin Sulfate)
略号
AMK
化学名
3‐Amino‐3‐deoxy‐α‐D‐glucopyranosyl‐(1→6)‐[6‐amino‐6‐deoxy‐α‐D‐glucopyranosyl‐(1→4)]‐1‐N‐[(2S)‐4‐amino‐2‐hydroxybutanoyl]‐2‐deoxy‐D‐streptamine disulfate
分子式
C22H43N5O13・2H2SO4
分子量
781.76
構造式
性状
アミカシン硫酸塩は白色〜黄白色の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
・安定性試験
ガラスアンプルに充てんしたものを用いた長期保存試験(室温、2年間)の結果、通常の市場流通下において2年間安定であることが確認された。2)、3)
包装
アミカシン硫酸塩注射液100mg「サワイ」:10アンプル
アミカシン硫酸塩注射液200mg「サワイ」:10アンプル
*主要文献及び文献請求先
主要文献
1
沢井製薬(株)社内資料[生物学的同等性試験]
2
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]
3
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]
文献請求先
〔主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい〕
沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
フリーダイヤル:0120-381-999
FAX:06-6394-7355
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
沢井製薬株式会社
*大阪市淀川区宮原5丁目2-30