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アデホスコーワ顆粒10%

代謝賦活・抗めまい剤

1g 18.6円

添付文書番号

3992001D1059_1_13

企業コード

270072

作成又は改訂年月

2021年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873992

薬効分類名

代謝賦活・抗めまい剤

承認等

販売名

アデホスコーワ顆粒10%

販売名コード

3992001D1059

販売名英字表記

ADETPHOS KOWA GRANULES 10%

販売名ひらがな

あでほすこーわかりゅう10%

承認番号等

承認番号
21800AMX10247

販売開始年月

1970年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物

組成・性状

組成

アデホスコーワ顆粒10%
有効成分
1g中
アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物  100mg
添加剤
結晶セルロース、トウモロコシデンプン、硬化油、精製白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、クエン酸トリエチル、タルク、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、酸化チタン、ゼラチン

製剤の性状

アデホスコーワ顆粒10%
性状
白色の顆粒剤(腸溶性顆粒)である。

効能又は効果

  • 下記疾患に伴う諸症状の改善
    頭部外傷後遺症
  • 心不全
  • 調節性眼精疲労における調節機能の安定化
  • 消化管機能低下のみられる慢性胃炎
  • メニエール病及び内耳障害に基づくめまい

用法及び用量

〈頭部外傷後遺症に伴う諸症状の改善、心不全、調節性眼精疲労における調節機能の安定化、消化管機能低下のみられる慢性胃炎〉
アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物として、1回40~60mgを1日3回経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
〈メニエール病及び内耳障害に基づくめまい〉
メニエール病及び内耳障害に基づくめまいに用いる場合には、アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物として、1回100mgを1日3回経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジピリダモール
ジピリダモールはアデノシン三リン酸(ATP)分解物であるアデノシンの血中濃度を上昇させ、心臓血管に対する作用を増強するとの報告があるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
ジピリダモールのアデノシン取り込み抑制作用により、ATP分解物であるアデノシンの血中濃度が上昇する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1.0%未満
頻度不明
消化器
悪心、食欲不振、胃腸障害、便秘傾向、口内炎
循環器
全身拍動感
過敏症
そう痒感
発疹
精神神経系
頭痛、眠気、気分が落ち着かない
感覚器
耳鳴
その他
脱力感
注)発現頻度は再評価及び顆粒剤の効能追加時における集計に基づく。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
本剤は腸溶性製剤のため、乳鉢等ですりつぶさないこと。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈心不全〉
  1. 国内二重盲検試験
    心不全患者にアデホスコーワ腸溶錠20(アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(以下ATP-2Na)として180mg/日、n=153)又はプラセボ(n=143)を1日3回8週間経口投与した二重盲検試験の結果、アデホスコーワ腸溶錠20の有用性が認められた。副作用は、アデホスコーワ腸溶錠20群で7例(3.9%)認められ、主な副作用は胃腸障害3例であった。
〈頭部外傷後遺症に伴う諸症状の改善〉
  1. 国内二重盲検試験
    頭部外傷後遺症患者にアデホスコーワ腸溶錠60(ATP-2Naとして180mg/日)又はプラセボを1日3回4週間経口投与し、二重盲検クロスオーバー法(A群:アデホス→プラセボ(n=38)、B群:プラセボ→アデホス(n=29))にて検討した結果、アデホスコーワ腸溶錠60の有用性が認められた。副作用は認められなかった。
〈消化管機能低下のみられる慢性胃炎〉
  1. 国内二重盲検試験
    胃の下垂を伴う慢性胃炎患者にアデホスコーワ腸溶錠60(ATP-2Naとして180mg/日、n=84)又はプラセボ(n=77)を1日3回4週間経口投与した二重盲検試験の結果、アデホスコーワ腸溶錠60の有用性が認められた。副作用は認められなかった。
〈調節性眼精疲労における調節機能の安定化〉
  1. 国内二重盲検試験
    調節性眼精疲労患者にアデホスコーワ腸溶錠60(ATP-2Naとして180mg/日、n=19)又はプラセボ(n=30)を1日3回、日局リボフラビン錠1mgを併用して3週間経口投与した二重盲検試験の結果、アデホスコーワ腸溶錠60の有用性が認められた。副作用は認められなかった。
〈メニエール病及び内耳障害に基づくめまい〉
  1. 国内二重盲検試験
    メニエール病を中心とした末梢性耳性めまい患者注)に本剤(ATP-2Naとして300mg/日又は150mg/日注))を二重盲検法により1日3回4週間経口投与し、総合改善度を5段階で評価した結果、改善率(中等度改善以上)は300mg/日群(n=76)が150mg/日群(n=65)に比べて有意に高かった(p<0.05、χ2検定、Fisherの直接確率法)。副作用は、300mg/日群で2/81例(2.5%)、150mg/日群で2/76例(2.6%)に認められ、300mg/日群で口内炎、便秘傾向が各1例(1.2%)、150mg/日群で耳鳴、眠気が各1例(1.3%)であった。
    注)本剤の承認された効能又は効果は「メニエール病及び内耳障害に基づくめまい」であり、用法及び用量は「1回100mgを1日3回経口投与する」である。

薬効薬理

作用機序
ATPはその血行力学的並びに生化学的作用により各組織の代謝を賦活する。
血管拡張・血流増加作用
脳(イヌ、ネコ、健康成人男性)、心臓(イヌ,)、胃(イヌ)、内耳(モルモット,)の血流量を増加する。
代謝賦活作用
脳(モルモット in vitro,)、心臓(イヌ、ウサギ)、内耳(モルモット in vitro)等の代謝活性を増加する。
筋収縮力増強作用
心筋(カエル in vitro)、胃腸管平滑筋(ラット in vitro、健康人)の収縮力を増強する。
神経伝達効率化作用
神経伝達の効率化をはかる(ウシガエル in vitro)。
内耳機能障害改善作用
ストレプトマイシンによる前庭機能障害を抑制する(モルモット)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物
(Adenosine Triphosphate Disodium Hydrate)
化学名
Disodium adenosine-5́-triphosphate(ATP-2Na)
分子式
C10H14N5Na2O13P3・3H2O
分子量
605.19
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、わずかに酸味がある。水に溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式

取扱い上の注意

開封後は湿気を避けて保存すること。

包装

バラ:100g、500g、1kg(アルミ袋)
分包:0.6g×1050包(3包×7×50)、1.0g×600包(3包×10×20)、1.0g×1050包(3包×7×50)、1.0g×1200包(3包×10×40)

主要文献

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文献請求先及び問い合わせ先

興和株式会社 くすり相談センター
〒103-8433 東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
電話 0120-508-514
03-3279-7587
受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日・弊社休日を除く)

製造販売業者等

製造販売元
興和株式会社
東京都中央区日本橋本町三丁目4-14

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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