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閲覧履歴

デタントールR錠3mg

1日1回型α1遮断降圧剤

1錠 33.6円

添付文書番号

2149015G1023_1_16

企業コード

170033

作成又は改訂年月

2022年6月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872149

薬効分類名

1日1回型α1遮断降圧剤

承認等

販売名

デタントールR錠3mg

販売名コード

2149015G1023

販売名英字表記

Detantol R tablets

販売名ひらがな

でたんとーるRじょう3mg

承認番号等

承認番号
20700AMZ00013000

販売開始年月

1995年5月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

デタントールR錠6mg

販売名コード

2149015G2020

販売名英字表記

Detantol R tablets

販売名ひらがな

でたんとーるRじょう6mg

承認番号等

承認番号
20700AMZ00014000

販売開始年月

1995年5月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ブナゾシン塩酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

デタントールR錠3mg
有効成分
1錠中
ブナゾシン塩酸塩  3mg
添加剤
エチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム、精製セラック、タルク、中鎖脂肪酸トリグリセリド、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール6000
デタントールR錠6mg
有効成分
1錠中
ブナゾシン塩酸塩  6mg
添加剤
エチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム、精製セラック、タルク、中鎖脂肪酸トリグリセリド、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール6000

製剤の性状

デタントールR錠3mg
剤形フィルムコーティング錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
5.6mm
大きさ(厚さ)
3.1mm
質量83mg
識別コードデタントールR3
デタントールR錠6mg
剤形フィルムコーティング錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
7.2mm
大きさ(厚さ)
3.9mm
質量166mg
識別コードデタントールR6

効能又は効果

高血圧症

用法及び用量

通常、成人にはブナゾシン塩酸塩として1日1回3〜9mgを経口投与する。ただし、1日1回3mgから開始し、1日最高投与量は9mgまでとする。

重要な基本的注意

  1. 投与初期又は用量の急増時等に起立性低血圧に基づく立ちくらみ、めまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する人には注意を与えること。
  2. 起立性低血圧があらわれることがあるので、臥位のみならず立位又は坐位で血圧測定を行い、体位変換による血圧変化を考慮し、坐位にて血圧をコントロールすること。
  3. 投与初期又は用量の急増時等に立ちくらみ、めまい、悪心、また、胸部不快感、呼吸困難等があらわれることがある。その際は仰臥位をとらせるなどの適切な措置を講ずること。また必要に応じて、患者の合併症、既往歴等を十分に考慮のうえ、昇圧剤の投与等の対症療法を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

腎機能障害患者

  1. 腎機能障害のある患者
    最高血中濃度が上昇することがある。

肝機能障害患者

  1. 肝障害のある患者
    本剤は主として肝で抱合を受けて糞中に排泄されるので、肝機能の低下している患者では血中濃度が上昇するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

次の点に注意し、少量(3mg/日)から開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
  • 一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞が起こるおそれがある)。
  • 肝・腎機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。
  • 十分に経過観察を行い、慎重に増量するなど注意すること。なお、過度の降圧が認められた場合には、減量又は投与を中止するか、他の降圧剤への変更を考慮すること。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
利尿剤
他の降圧剤
作用が増強されるおそれがあるので、減量するなど注意すること。
相加的な降圧作用の増強による。
リファンピシン
本剤の作用が減弱することがある。
相手薬剤の肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の血中濃度が低下することがある。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
バルデナフィル塩酸塩水和物
シルデナフィルクエン酸塩等
併用により症候性低血圧があらわれるとの報告がある。
相手薬剤の血管拡張作用により、本剤の降圧作用が増強されるおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 失神(0.1〜5%未満)、意識喪失(0.1%未満)
    失神、意識喪失(多くは一過性の血圧低下による)があらわれることがあるので、そのような場合には本剤の投与を中止し、仰臥位をとらせるなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
めまい、頭痛、不眠、倦怠感、眠気、耳鳴、頭重
しびれ感、意識低下、脱力感
循環器
立ちくらみ、動悸、頻脈、低血圧
胸部圧迫感、胸部不快感、起立性低血圧
消化器
悪心
嘔吐、食欲不振、胃部不快感、下痢、口渇、便秘
腹痛
肝臓
AST、ALT、γ-GTP上昇等
泌尿器
頻尿
夜間尿、尿失禁
過敏症
発疹
瘙痒
その他
顔面潮紅、浮腫、のぼせ
肩こり、発汗、かすみ目
鼻閉、息苦しさ
発現頻度は製造販売後調査を含む。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
薬剤服用時の注意
  1. 本剤をかみくだいて服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って副作用が発生しやすくなるおそれがあるため、本剤はかまずに服用させること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 類似化合物(プラゾシン塩酸塩)で腎及びその他の動脈狭窄、脚部及びその他の動脈瘤等の血管障害のある高血圧患者で、急性熱性多発性関節炎(1例)があらわれたとの報告がある。
  2. α1遮断薬を服用中又は過去に服用経験のある患者において、α1遮断作用によると考えられる術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)があらわれるとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 健康成人における生物学的利用性
    健康成人男子(12名)にデタントール錠1mg2錠及びデタントールR錠6mg1錠を経口投与し血漿中濃度推移を比較した結果、デタントールRの相対的生物学的利用率は81.1%であり、平均滞留時間(MRT)から持続性を有することが示された 。
    ブナゾシン塩酸塩単回経口投与時の薬物動態パラメータ
    製剤
    投与条件
    Cmax
    (ng/mL)
    tmax
    (hr)
    AUC
    (ng・hr/mL)
    R.B.A.
    (%)
    MRT
    (hr)
    デタントールR錠
    6.0mg(食後)
    10.19±1.10
    5.25±0.54
    132.73±15.422)
    81.07±5.98
    13.02±0.66
    デタントールR錠
    6.0mg(空腹時)
    11.38±1.32
    6.00±0.35
    123.03±16.502)
    74.05±5.24
    12.77±0.66
    デタントール錠
    2.0mg(食後)
    22.48±2.41
    0.96±0.16
    54.68±5.721)
    100.00±0.00
    2.60±0.15
    R.B.A.:Relative bioavailability(相対的生物学的利用率)
    MRT:Mean residence time(平均滞留時間)
    1)AUC(0-∞)、2)AUC(0-48h)
    n=12, Mean±S.E.M.
  2. 生物学的同等性
    健康成人(24名)を対象にデタントールR錠3mgと同錠6mgの生物学的同等性を検討した。ブナゾシン塩酸塩として6mgを各々1回経口投与し、血漿中濃度推移を比較したところ両製剤は同等であった。

吸収

  1. 食事効果
    健康成人男子(12名)にデタントールR錠6mg1錠を空腹時及び食後経口投与した結果、食事による影響は認められなかった 。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    高血圧症患者(腎機能正常[NRF]6名、腎機能障害[IRF]5名)にデタントールR錠6mgを1日1回8日間反復経口投与したとき、投与初日ならびに8日目において、腎機能障害患者では腎機能正常患者と比較して、最高血漿中濃度の上昇が認められた 。
    NRF群、IRF群のデタントールR錠6mg単回、反復投与時の薬物動態パラメータ
    Cmax(ng/mL)
    tmax(hr)
    AUC0〜24(ng・hr/mL)
    NRF群
    IRF群
    NRF群
    IRF群
    NRF群
    IRF群
    単回投与
    反復投与
    Mean±S.E.M., n=5〜6
    単回投与と反復投与はpaired t-test
    NRF群とIRF群はStudent's t-test

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

二重盲検比較試験を含む総症例466例の臨床試験成績の概要は次のとおりである(降圧効果はいずれも下降以上であり、判定不能例を除く),,,,
  1. 国内臨床成績(軽症・中等症本態性高血圧症)
    軽症・中等症の本態性高血圧症に対する降圧効果は63.2%(225/356例)であった。本剤単独投与と他剤併用投与を比較した試験では、単独投与例の降圧効果は49.4%(38/77例)、利尿薬併用例73.7%(28/38例)、β遮断薬併用例57.9%(11/19例)であった。6ヵ月以上の長期投与例においても安定した降圧効果を示した。また、二重盲検比較試験では、デタントールR(3〜9mg、1日1回)とデタントール(1.5〜6mg、1日3回分服)を比較した結果、同等の降圧効果、有用性が認められた,,
  2. 国内臨床成績(重症高血圧症)
    重症高血圧症に対する降圧効果は80.6%(25/31例)であった 。
  3. 国内臨床成績(腎障害を伴う高血圧症)
    腎障害を伴う高血圧症に対する降圧効果は69.2%(18/26例)であった 。

薬効薬理

作用機序
ブナゾシン塩酸塩は心血管系のα1受容体を選択的に遮断し、末梢血管抵抗を減少し、降圧作用を示す。
選択的α1受容体遮断作用
ラット輸精管を用いたin vitroの実験で、ブナゾシン塩酸塩はα1受容体を選択的に遮断し、α2受容体には影響を与えない。このため、交感神経末端のα2受容体を介するノルアドレナリンのネガティブ・フィードバック機構を阻害しないため、ノルアドレナリンの過剰放出を起こさない 。また、モルモット腸間膜動脈及び腸間膜静脈を用いたin vitroの実験で、ブナゾシン塩酸塩はα1受容体を選択的に遮断し、高濃度でもα2受容体には影響を与えない 。
降圧作用
ブナゾシン塩酸塩は末梢血管のα1受容体を選択的に遮断し、血管を拡張させ、自然発症高血圧ラット、DOCA・食塩高血圧ラット、腎性高血圧イヌにおいて降圧作用を示す。さらにブナゾシン塩酸塩は、降圧に伴う生体反応である体液性昇圧因子を増加させない,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ブナゾシン塩酸塩(Bunazosin Hydrochloride)
化学名
4-Amino-2-(4-butanoyl-1, 4-diazepan-1-yl)-6, 7-dimethoxyquinazoline monohydrochloride
分子式
C19H27N5O3・HCl
分子量
409.91
性状
ブナゾシン塩酸塩は白色の結晶性の粉末である。
本品はギ酸に極めて溶けやすく、水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約273℃(分解)
分配係数
0.215(水-1-オクタノール系)

取扱い上の注意

  1. PTP包装はアルミ袋開封後、バラ包装は開栓後湿気を避けて保存すること。

包装

〈デタントールR錠3mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、500錠(ボトル、乾燥剤セットキャップ)
〈デタントールR錠6mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
朝野芳郎ら:薬理と治療, 1992;20(12):4939-4945 DTA-0347
2
塩之入洋ら:基礎と臨床, 1993;27(6):2211-2225 DTA-0366
3
石井當男ら:基礎と臨床, 1992;26(13):5047-5068 DTA-0356
4
蔵本 築ら:基礎と臨床, 1993;27(5):1605-1625 DTA-0368
5
金子好宏ら:基礎と臨床, 1992;26(14):5379-5410 DTA-0363
6
石井當男ら:基礎と臨床, 1992;26(14):5349-5363 DTA-0364
7
武田忠直ら:基礎と臨床, 1992;26(14):5365-5377 DTA-0365
8
Shoji T.:Jpn. J. Pharmacol., 1981;31:361-368 DTA-0050
9
Suzuki H. et al.:Gen. Pharmacol., 1987;18(2);171-177 DTA-0176
10
Igarashi T. et al.:Jpn. Circ. J., 1977;41(8):903-911 DTA-0041
11
南 勝ら:基礎と臨床, 1984;18(7):2849-2858 DTA-0048
12
南 勝ら:基礎と臨床, 1985;19(14):6972-6984 DTA-0160

文献請求先及び問い合わせ先

エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
フリーダイヤル 0120-419-497

製造販売業者等

製造販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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