医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

セチリジン塩酸塩錠5mg「PH」

持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤

1錠 10.1円

添付文書番号

4490020F1110_1_15

企業コード

480209

作成又は改訂年月

2023年5月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤

承認等

販売名

セチリジン塩酸塩錠5mg「PH」

販売名コード

4490020F1110

販売名英字表記

CETIRIZINE HYDROCLORIDE Tablets 5mg “PH”

販売名ひらがな

せちりじんえんさんえんじょう5mg「PH」

承認番号等

承認番号
21900AMX00277000

販売開始年月

2007年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
セチリジン塩酸塩錠

販売名

セチリジン塩酸塩錠10mg「PH」

販売名コード

4490020F2116

販売名英字表記

CETIRIZINE HYDROCLORIDE Tablets 10mg “PH”

販売名ひらがな

せちりじんえんさんえんじょう10mg「PH」

承認番号等

承認番号
21900AMX00278000

販売開始年月

2007年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
セチリジン塩酸塩錠

一般的名称

セチリジン塩酸塩錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分又はピペラジン誘導体(レボセチリジン、ヒドロキシジンを含む)に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者

組成・性状

組成

セチリジン塩酸塩錠5mg「PH」
有効成分
日局セチリジン塩酸塩 5mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、酸化チタン
セチリジン塩酸塩錠10mg「PH」
有効成分
日局セチリジン塩酸塩 10mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、酸化チタン

製剤の性状

セチリジン塩酸塩錠5mg「PH」
剤形フィルムコーティング錠
色調白色
大きさ
大きさ(直径)
6.1 mm
大きさ(厚さ)
2.9mm
質量88 mg
識別コードPH771
セチリジン塩酸塩錠10mg「PH」
剤形フィルムコーティング錠
色調白色
大きさ
大きさ(直径)
7.1mm
大きさ(厚さ)
3.0mm
質量119mg
識別コードPH772

効能又は効果

〔成人〕
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症
〔小児〕
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法及び用量

〈10mg錠〉
通常、成人にはセチリジン塩酸塩として1回10mgを1日1回、就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mgとする。
〈5mg錠〉
〔成人〕
通常、成人にはセチリジン塩酸塩として1回10mgを1日1回、就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日20mgとする。
〔小児〕
通常、7歳以上15歳未満の小児にはセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 腎機能障害患者では、血中濃度半減期の延長が認められ、血中濃度が増大するため、クレアチニンクリアランスに応じて、下表のとおり投与量の調節が必要である。
    成人患者の腎機能に対応する用法・用量の目安
    クレアチニンクリアランス(mL/min)
    ≧80
    50~79
    30~49
    10~29
    推奨用量
    10mgを1日1回
    10mgを1日1回
    5mgを1日1回
    5mgを2日に1回
    腎機能障害を有する小児患者では、各患者の腎クリアランスと体重を考慮して、個別に用量を調整すること。
  2. 重度の肝機能障害患者では、低用量(例えば通常用量の半量)から投与を開始するなど慎重に投与すること。
  3. 高齢者では、低用量(例えば5mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
  2. 効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
〈アレルギー性鼻炎〉
  1. 季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
    痙攣を発現するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)
    投与しないこと。高い血中濃度が持続するおそれがある。
  2. 中等度又は軽度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス10mL/min以上60mL/min以下)
    高い血中濃度が持続するおそれがある。

肝機能障害患者

高い血中濃度が持続するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

  1. 2歳以上7歳未満の小児に対してはセチリジン塩酸塩ドライシロップを投与すること。
  2. 低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

慎重に投与し、異常が認められた場合は減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テオフィリン
テオフィリンの薬物動態に変化はないが、本剤の曝露量の増加が報告されている。
機序は明らかではないが、本剤のクリアランスが16%減少する。
リトナビル
本剤の曝露量の増加(40%)及びリトナビルの曝露量のわずかな変化(-11%)が報告されている。
リトナビルにより本剤の腎排泄が阻害される可能性が考えられる。
中枢神経抑制剤
アルコール
中枢神経系に影響を与える可能性がある。
中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。
ピルシカイニド塩酸塩水和物
両剤の血中濃度が上昇し、ピルシカイニド塩酸塩水和物の副作用が発現したとの報告がある。
機序は明らかではない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹、発赤等)があらわれることがある。
  2. 痙攣(頻度不明)
  3. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等の肝機能障害(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気等)、黄疸があらわれることがある。
  4. 血小板減少(頻度不明)

その他の副作用

0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気、倦怠感
頭痛、頭重感、ふらふら感、しびれ感、めまい、浮遊感
不眠、振戦、抑うつ、激越、攻撃性、無力症、錯感覚、幻覚、不随意運動、意識消失、健忘、自殺念慮、悪夢
消化器
口渇、嘔気、食欲不振
胃不快感、下痢、消化不良、腹痛、腹部不快感、胃痛、口唇炎、便秘、口唇乾燥感、嘔吐、味覚異常、口内炎
腹部膨満感、食欲亢進
循環器
動悸、血圧上昇、不整脈(房室ブロック、期外収縮、頻脈、発作性上室性頻拍、心房細動)
血液
好酸球増多
好中球減少、リンパ球増多、白血球増多、白血球減少、単球増多、血小板増加、血小板減少
過敏症
発疹、蕁麻疹、浮腫、かぶれ、そう痒感、血管浮腫
多形紅斑
結膜充血、霧視
眼球回転発作
肝臓
ALT上昇、AST上昇、総ビリルビン上昇
Al -P上昇
腎臓・泌尿器
尿蛋白、BUN上昇、尿糖、ウロビリノーゲンの異常、頻尿、血尿
排尿困難、遺尿、尿閉
その他
耳鳴、月経異常、胸痛、ほてり、息苦しさ
関節痛、手足のこわばり、嗅覚異常、鼻出血、脱毛、咳嗽、体重増加、筋肉痛

臨床検査結果に及ぼす影響

アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3~5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。

過量投与

  1. 症状
    錯乱、散瞳、落ち着きのなさ、鎮静、傾眠、昏迷、尿閉があらわれることがある。
  2. 処置
    本剤の特異的な解毒剤はなく、また本剤は透析で除去されない。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 成人
    健康成人にセチリジン塩酸塩錠10mgを単回経口投与した場合、速やかに吸収され、投与約1.4時間後に最高血漿中濃度(Cmax)214.5ng/mLに達し、血漿中濃度消失半減期は約7時間であった。また、20mgを単回経口投与した場合、投与量の増加に伴ってCmaxの上昇、AUCの増大が認められた。健康成人に1日1回20mgを7日間連続経口投与した場合、蓄積性は認められなかった。
    表16-1 成人におけるセチリジン塩酸塩錠単回投与時の薬物動態パラメータ
    投与量
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    T1/2
    (hr)
    AUC
    (mg・hr/L)
    10mg
    1.44
    ±0.18
    214.5
    ±12.5
    6.73
    ±0.81
    2.0
    ±0.1
    20mg
    1.50
    ±0.13
    438.1
    ±39.5
    6.79
    ±0.66
    3.9
    ±0.3
    (平均値±標準誤差、n=8)
  2. 小児
    日本人の通年性アレルギー性鼻炎患児又は皮膚疾患患児を対象とした臨床試験5試験、570例から得られた血清中濃度値994点を用い、母集団薬物動態解析(非線形混合効果モデル法、NONMEM)を行った。その結果、体重が共変量として認められ、2~6歳の小児(本年齢層における体重の中央値:18.0kg)の全身クリアランス(CL/F)は1.64L/hr、分布容積(V/F)は11.9L、7~14歳の小児(同:31.0kg)のCL/Fは2.11L/hr、V/Fは17.7Lと推定された。また、セチリジン塩酸塩2.5mg 1日2回投与時の定常状態時最低血清中濃度(Css min)及び最高血清中濃度(Css max)は、それぞれ58±25ng/mL及び214±50ng/mL(平均±標準偏差注)、以下同様)と推定され、セチリジン塩酸塩5mg 1日2回投与時のCss min及びCss maxは、それぞれ100±40ng/mL及び308±74ng/mLと推定された。
    注)1000例の血清中濃度推移をシミュレーションしたときの推定値
  3. 生物学的同等性試験
    セチリジン塩酸塩錠5mg「PH」及びセチリジン塩酸塩錠10mg「PH」とジルテック錠5及びジルテック錠10を、クロスオーバー法によりそれぞれセチリジン塩酸塩として10mg健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
〈セチリジン塩酸塩錠5mg「PH」〉
表16-2 薬物動態パラメータ
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-24
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
セチリジン塩酸塩
錠5mg「PH」
3466.4
±478.3
442.5
±87.7
0.74
±0.29
8.66
±1.63
ジルテック錠5
3396.3
±711.5
418.4
±89.0
1.43
±0.97
6.54
±1.56
(Mean±S.D.、n=11)
図16-1 血漿中セチリジン塩酸塩濃度
 
〈セチリジン塩酸塩錠10mg「PH」〉
表16-3 薬物動態パラメータ
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-24
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
セチリジン塩酸塩
錠10mg「PH」
3828.2
±849.9
487.5
±115.6
0.91
±0.40
8.71
±1.60
ジルテック錠10
3802.8
±725.4
493.9
±126.9
0.91
±0.30
8.25
±2.24
(Mean±S.D.、n=20)
図16-2 血漿中セチリジン塩酸塩濃度
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって、異なる可能性がある。

分布

  1. 血漿蛋白結合率
    14C標識-セチリジン0.1、1及び10μg/mL濃度のin vitroにおけるヒト血漿蛋白との結合率は、平均92%(90.7~92.5%)であった(平衡透析法)。

代謝

健康成人に1日1回セチリジン塩酸塩20mgを7日間連続経口投与した場合、血漿中に酸化的脱アルキル体がわずかに認められた。

排泄

健康成人にセチリジン塩酸塩10mg又は20mgを単回経口投与した場合、24時間後までに投与量の約50%が未変化体として尿中に排泄された。また、健康成人に1日1回20mgを7日間連続経口投与した場合、未変化体の1日投与量に対する尿中排泄率は、1日目は24時間後までに約58%、7日目は約70%であった。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス:7~60mL/min)にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、腎機能正常者に比べ血清中濃度は持続し、血清中濃度消失半減期の延長が認められた(外国人デ-タ)。
    表16-4 腎機能障害患者におけるセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
    クレアチニン
    クリアランス
    (mL/min)
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    T1/2
    (hr)
    AUC
    (mg・hr/L)
    >90
    0.9
    ±0.2
    313
    ±45
    7.4
    ±3.0
    2.7
    ±0.4
    31~60
    1.1
    ±0.2
    356
    ±64
    19.2
    ±3.3
    6.9
    ±1.8
    7~30
    2.2
    ±1.1
    357
    ±172
    20.9
    ±4.4
    10.7
    ±2.4
    (平均値±標準偏差、n=5)
    また、血液透析患者(n=5)にセチリジン塩酸塩10mgを透析開始3時間前に経口投与した場合、血清中濃度消失半減期は平均19.3時間で延長が認められた(外国人データ)。
  2. 肝機能障害患者での体内動態
    原発性胆汁性肝硬変患者にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、肝機能正常成人に比べ、血清中濃度消失半減期の延長、Cmaxの上昇、AUCの増大が認められた(外国人データ)。
    表16-5 肝機能障害患者におけるセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
    投与量
    (被験者、例数)
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    T1/2
    (hr)
    AUC
    (mg・hr/L)
    10mg
    (肝機能正常成人、
    n=14)
    1.0
    ±0.5
    384
    ±103
    7.4
    ±1.6
    3.3
    ±0.9
    10mg
    (原発性胆汁性肝硬変
    患者、n=6)
    1.0
    ±0.4
    498
    ±118
    13.8
    ±1.8
    6.4
    ±1.6
    (平均値±標準偏差)
  3. 高齢者
    高齢者(年齢:平均77歳、クレアチニンクリアランス:平均53mL/min)にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、成人(年齢:平均53歳、クレアチニンクリアランス:平均87mL/min)に比べ、血清中濃度消失半減期の延長とCmaxの上昇が認められ、これらの薬物動態パラメータの変化は、腎機能の低下によるものと考えられた(外国人データ)。
    表16-6 高齢者におけるセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
    投与量
    (被験者、例数)
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    T1/2
    (hr)
    AUC
    (mg・hr/L)
    10mg
    (成人、n=14)
    1.0
    ±0.5
    384
    ±103
    7.4
    ±1.6
    3.3
    ±0.9
    10mg
    (高齢者、n=16)
    0.9
    ±0.3
    460
    ±59
    11.8
    ±5.4
    5.6
    ±1.8
    (平均値±標準偏差)

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈アレルギー性鼻炎〉
  1. 国内後期第Ⅱ相試験(二重盲検比較試験、成人)
    セチリジン塩酸塩10mgを1日1回2週間投与したとき、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は53.8%(21/39例)であった。
    副作用発現頻度は13.0%(6/46例)であり、主な副作用は眠気4.3%(2/46例)であった。
  2. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、成人)
    セチリジン塩酸塩10mgを1日1回4週間投与したとき、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は47.9%(45/94例)であった。
    副作用発現頻度は5.5%(6/110例)であり、主な副作用は眠気3.6%(4/110例)であった。
  3. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、小児)
    セチリジン塩酸塩ドライシロップ[2歳以上7歳未満:1回0.2g(セチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回0.4g(セチリジン塩酸塩として5mg)を1日2回]あるいはプラセボを2週間投与した。総合鼻症状スコア(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉、鼻内そう痒感)の変化量(解析対象122例)を下表に示した。その結果から、プラセボに対する本薬の優越性が検証された。
    表17-1 全治療評価期間における総合鼻症状スコア注1)の変化量
    例数
    ベース
    ライン
    評価期間
    全治療
    評価期間
    変化量注2)
    平均値
    (標準偏差)
    平均値
    (標準偏差)
    平均値
    (標準偏差)
    調整済み平均値注3)
    (標準誤差)
    セチリジン
    塩酸塩
    122
    6.66
    (1.26)
    4.79
    (1.96)
    1.87
    (1.79)
    1.85
    (0.18)
    プラセボ
    117
    6.84
    (1.52)
    5.51
    (2.04)
    1.33
    (1.79)
    1.25
    (0.18)
     
    セチリジン塩酸塩
    vsプラセボ
    点推定値注3)
    95%信頼区間注3)
    p値
    0.60
    [0.15~1.05]
    p=0.0087
    注1)a)総合鼻症状スコアが10を超える患児は組入れから除外
    注2)b)変化量={ベースライン評価期間(治験薬投与開始日の前3日間)-全治療評価期間}
    注3)c)ベースライン評価期間スコア及び年齢層を共変量とした共分散分析により算出
    副作用発現頻度は9.8%(12/122例)であり、主な副作用はALT増加5.7%(7/122例)、AST増加1.6%(2/122例)であった。
  4. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、小児)
    セチリジン塩酸塩ドライシロップ[2歳以上7歳未満:1回0.2g(セチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回0.4g(セチリジン塩酸塩として5mg)を1日2回]を12週間投与した。総合鼻症状スコアのベースライン評価期間からの変化量の推移(平均値±標準偏差、解析対象36例)は、投与4週時:2.81±2.62、投与8週時:3.66±2.75、投与12週時:3.40±3.01であり、効果は投与終了時まで減弱することなく、安定していた。
    副作用発現頻度は2.8%(1/36例)であり、主な副作用は白血球数増加2.8%(1/36例)であった。
〈蕁麻疹〉
  1. 国内後期第Ⅱ相試験(二重盲検比較試験、成人)
    セチリジン塩酸塩10mgを1日1回投与したとき、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、47.9%(34/71例)、64.9%(48/74例)及び71.6%(48/67例)であった。
    副作用発現頻度は10.8%(9/83例)であり、主な副作用は眠気4.8%(4/83例)であった。
  2. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、成人)
    セチリジン塩酸塩10mgを1日1回投与したとき、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、56.4%(53/94例)、71.3%(77/108例)及び82.2%(88/107例)であった。
    副作用発現頻度は15.9%(21/132例)であり、主な副作用は眠気10.6%(14/132例)であった。
  3. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、成人)
    セチリジン塩酸塩10mgを1日1回投与したとき、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、46.7%(14/30例)、53.2%(33/62例)及び72.9%(43/59例)であった。
    副作用発現頻度は4.4%(3/68例)であり、主な副作用は眠気2.9%(2/68例)であった。
〈湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症〉
  1. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、成人)
    セチリジン塩酸塩10mgを1日1回2週間投与したとき、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は、湿疹・皮膚炎群で65.9%(81/123例)、痒疹群で57.7%(30/52例)、皮膚そう痒症で74.5%(41/55例)であった。
    副作用発現頻度は全体で5.5%(13/236例)であり、主な副作用は眠気3.4%(8/236例)であった。
〈蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒〉
  1. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、小児)
    アトピー性皮膚炎を対象とした二重盲検比較試験において、セチリジン塩酸塩ドライシロップ[3歳以上7歳未満:1回0.2g(セチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回0.4g(セチリジン塩酸塩として5mg)を1日2回]あるいはケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ[3歳以上7歳未満:1回0.6g(ケトチフェンとして0.6mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回1g(ケトチフェンとして1mg)を1日2回]を2週間投与した。そう痒の重症度の変化量(解析対象134例)を下表に示した。その結果から、ケトチフェンフマル酸塩に対する本薬の非劣性が検証された。
    表17-2 全治療評価期間におけるそう痒の重症度の変化量
    例数注4)
    ベース
    ライン
    評価期間
    全治療評価
    期間
    変化量注5)
    平均値
    (標準偏差)
    平均値
    (標準偏差)
    平均値
    (標準偏差)
    調整済み平均値注6)
    (標準誤差)
    セチリジン
    塩酸塩
    134
    2.41
    (0.52)
    1.96
    (0.64)
    0.45
    (0.67)
    0.43
    (0.05)
    ケトチフェン
    フマル酸塩
    126
    2.40
    (0.52)
    1.88
    (0.63)
    0.52
    (0.62)
    0.51
    (0.05)
     
    セチリジン塩酸塩
    vsケトチフェンフマル酸塩
    点推定値注6)
    95%信頼区間注6)
    -0.08
    [-0.22~0.06]
    注4)a)変化量が算出可能な被験者数
    注5)b)変化量={ベースライン評価期間(治験薬投与開始日の前3日間)-全治療評価期間}
    注6)c)ベースライン評価期間のそう痒の重症度及び年齢層を共変量とした共分散分析により算出
    副作用発現頻度は2.7%(4/148例)であり、主な副作用は傾眠1.4%(2/148例)であった。
  2. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、小児)
    蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症を対象とした試験において、セチリジン塩酸塩ドライシロップ[2歳以上7歳未満:1回0.2g(セチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回0.4g(セチリジン塩酸塩として5mg)を1日2回]を12週間投与した。そう痒の重症度の治療期開始日からの変化量の推移(平均値±標準偏差)は、投与4週時:0.83±0.79、投与8週時:0.97±0.90、投与12週時:1.03±0.90であり、効果は投与終了時まで減弱することなく、安定していた。
    副作用発現頻度は1.4%(1/73例)であり、傾眠1例であった。

その他

  1. 眠気に対する影響(小児)
    国内4つの小児臨床試験の併合解析の結果、セチリジン塩酸塩の眠気の発現率は1.0%(5/480例)と低かった,,,
    小児通年性アレルギー性鼻炎に対するプラセボを対照とした二重盲検比較試験の結果、セチリジン塩酸塩の眠気の発現率は1.0%未満(1/122例)であり、プラセボ(0/117例)と同程度であった。

薬効薬理

作用機序
ヒスタミンH1受容体に選択的に結合することにより、ヒスタミンの作用を阻害する。
ヒスタミンH1受容体拮抗作用
摘出臓器(ヒト気管支平滑筋)のヒスタミン反応を濃度依存的に抑制した。また、ヒスタミン誘発皮膚反応及びヒスタミン誘発鼻症状を抑制し、その作用は速効的かつ持続的であった(ヒト),
ヒスタミンH2、ドパミン、アセチルコリン、セロトニンの各受容体に対する親和性は低く(ラット、モルモット)、中枢神経系におけるヒスタミンH1受容体への影響が少ない(ラット)。
好酸球に対する作用
好酸球に対しin vitro及びin vivoにおいて遊走抑制を示し、好酸球活性化の指標であるスーパーオキサイド産生を抑制した(ヒト),
メディエーター遊離抑制作用
ヒト肺切片からのロイコトリエン及びプロスタグランジンD2遊離を抑制した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
セチリジン塩酸塩(Cetirizine Hydrochloride)
化学名
2-(2-{4-[(RS)-(4-Chlorophenyl)(phenyl)methyl]piperazin-1-yl}ethoxy)acetic acid dihydrochloride
分子式
C21H25ClN2O3・2HCl
分子量
461.81
性状
白色の結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
水溶液(1→10)は旋光性を示さない。
化学構造式

包装

〈セチリジン塩酸塩錠5mg「PH」〉
100錠[10錠(PTP)×10]
〈セチリジン塩酸塩錠10mg「PH」〉
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]

主要文献

1
笹 征史 他:臨床薬理 1995;26:509-522
2
日本人小児を対象とした母集団薬物動態解析(ジルテックドライシロップ/錠:2009年4月22日承認、申請資料概要2.7.2.2)
3
キョーリンリメディオ株式会社社内資料:
セチリジン塩酸塩錠5mg「PH」・10mg「PH」の生物学的同等性試験に関する資料
4
水野佳子 他:基礎と臨床 1994;28:1951-1961
5
Matzke G R, et al.:Ann Allergy. 1987;59:25-30
6
Awni W M, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1990;38:67-69
7
Simons F E R, et al.:J Clin Pharmacol. 1993;33:949-954
8
奥田 稔 他:耳鼻咽喉科展望 1994;37:754-779
9
奥田 稔 他:耳鼻咽喉科展望 1995;38:116-136
10
斎藤博久:臨床医薬 2010;26:141-154
11
斎藤博久 他:臨床医薬 2010;26:127-139
12
吉田彦太郎 他:基礎と臨床 1994;28:2107-2129
13
吉田彦太郎 他:基礎と臨床 1994;28:2131-2145
14
吉田彦太郎 他:基礎と臨床 1994;28:2163-2173
15
吉田彦太郎 他:基礎と臨床 1994;28:2147-2162
16
中川秀己 他:臨床医薬 2010;26:155-167
17
中川秀己 他:臨床医薬 2010;26:169-181
18
小児アレルギー性鼻炎を対象とした二重盲検比較試験(ジルテックドライシロップ/錠:2009年4月22日承認、申請資料概要2.7.6.3)
19
非臨床試験の概要文及び概要表・緒言(ジルテックドライシロップ/錠:2009年4月22日承認、申請資料概要2.6.1)
20
Advenier C, et al.:J Allergy Clin Immunol. 1991;88:104-113
21
Simons F E R, et al.:J Allergy Clin Immunol. 1990;86:540-547
22
Braunstein G, et al.:Br J Clin Pharmacol. 1992;33:445-448
23
内田昌子 他:基礎と臨床 1994;28:1795-1812
24
Snyder S H, et al.:Ann Allergy. 1987;59:4-8
25
Okada C, et al.:Int Arch Allergy Immunol. 1994;103:384-390
26
Fadel R, et al.:Clin Allergy. 1987;17:373-379
27
Fabre J M, et al.:Allergy. 1995;50:362-365

文献請求先及び問い合わせ先

キョーリンリメディオ株式会社 学術部
〒920-0017 金沢市諸江町下丁287番地1
TEL 0120-960189
FAX 0120-189099

製造販売業者等

製造販売元
キョーリンリメディオ株式会社
富山県南砺市井波885番地
販売元
杏林製薬株式会社

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL