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エルシトニン注40単位

合成カルシトニン誘導体製剤

1管 460円

添付文書番号

3999401A1200_1_08

企業コード

100898

作成又は改訂年月

2022年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

合成カルシトニン誘導体製剤

承認等

販売名

エルシトニン注40単位

販売名コード

3999401A1200

販売名英字表記

Elcitonin Injection

販売名ひらがな

えるしとにんちゅう40たんい

承認番号等

承認番号
21800AMX10268000

販売開始年月

1981年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

エルカトニン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 妊娠末期の患者

組成・性状

組成

エルシトニン注40単位
有効成分
1アンプル1mL中
エルカトニン 40エルカトニン単位注)
添加剤
酢酸ナトリウム水和物13.6μg/mL、等張化剤、pH調節剤
注)エルカトニンの活性は、日局標準品を基準にして生物学的測定法により測定し、エルカトニン単位で表示されている。

製剤の性状

エルシトニン注40単位
剤形注射剤
pH5.0~6.5
浸透圧比
約1
(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明の注射液

効能又は効果

  • 高カルシウム血症
  • 骨ページェット病

用法及び用量

〈高カルシウム血症〉
通常、成人には1回エルカトニンとして40エルカトニン単位を1日2回朝晩に筋肉内注射または点滴静注する。点滴静注においては希釈後速やかに使用し、1~2時間かけて注入する。なお、年齢および血中カルシウムの変動により適宜増減する。
〈骨ページェット病〉
通常、成人には1回エルカトニンとして40エルカトニン単位を原則として1日1回筋肉内注射する。

重要な基本的注意

  1. 本剤はポリペプチド製剤であり、ショックを起こすことがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。
  2. 長期にわたり漫然と投与しないこと。
  3. 本剤の投与後初期において血清カルシウム濃度あるいは臨床症状の改善がみられない場合には、速やかに他の治療方法に変更すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 発疹(紅斑、膨疹等)等の過敏症状を起こしやすい体質の患者
  2. 気管支喘息又はその既往歴のある患者
    喘息発作を誘発するおそれがある。

妊婦

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性(妊娠末期の患者を除く)
    治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  2. 妊娠末期の患者
    投与しないこと。動物実験(ラット)で、本剤を妊娠末期の母体に静脈内投与すると、血清カルシウムの急激な低下、テタニー様症状の発現が認められたとの報告がある。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
動物実験(ラット)で、乳汁分泌量が減少し、新生児の体重増加の抑制が報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

用量に注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ビスホスホネート系製剤
パミドロン酸二ナトリウム水和物等
血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。
高度の低カルシウム血症があらわれた場合には投与を中止し、注射用カルシウム剤の投与等適切な処置を行うこと。
両剤のカルシウム低下作用により、血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    血圧低下、気分不良、全身発赤、蕁麻疹、呼吸困難、咽頭浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. テタニー(0.04%)
    低カルシウム血症性テタニーを誘発することがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、注射用カルシウム剤の投与等適切な処置を行うこと。
  3. 喘息発作(頻度不明)
  4. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、ALPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹
循環器
顔面潮紅、熱感、胸部圧迫感、動悸
血圧上昇
血圧低下
消化器
悪心、嘔吐、下痢、食欲不振、胸やけ、腹痛
口渇、口内炎、腹部膨満感
神経系
めまい、ふらつき、頭痛
耳鳴、視覚異常(かすみ目等)、しびれ感、口内しびれ感
肝臓
AST、ALTの上昇
電解質代謝
低ナトリウム血症、低リン血症
注射部位
疼痛
発赤、腫脹
その他
浮腫、発熱、悪寒、全身倦怠感
そう痒感、脱力感、咽喉部異和感(咽喉部ハッカ様爽快感等)、あくび
頻尿、発汗、赤血球減少、ヘモグロビン減少、BUN上昇、ALP上昇、乳房肥大、乳房痛、尿白濁
注)発現頻度は使用成績調査を含む

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に配慮すること。
    • 神経走行部位を避けるよう注意すること。
    • 繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えて行うこと。
    • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
  2. 点滴静注にあたっては、以下の点に配慮すること。
    • 本剤を希釈する場合は、通常「日局」生理食塩液を始めとする各種電解質を含む輸液で行うこと(電解質を含まない輸液を使用した場合、本剤の容器への吸着が認められており含量が低下する。)。
    • 含量低下は時間経過と共に大きくなるので、希釈後速やかに使用すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 類薬であるカルシトニン(サケ)の経口剤及び点鼻剤を用いた海外臨床試験(投与期間:6ヵ月~5年)のメタアナリシスにおいて、がんの発生割合はカルシトニン(サケ)群では4.2%(254/6,105例)、プラセボ群では2.9%(135/4,687例)(リスク差1.0%[95%信頼区間0.3, 1.7])であったとの報告がある,
  2. 原発性副甲状腺機能亢進症の場合は、他の原疾患による高カルシウム血症に比べて効果が劣ることが臨床試験により示されている。
非臨床試験に基づく情報
  1. ラット(SD系)に1年間大量皮下投与した慢性毒性試験において、下垂体腫瘍の発生頻度の増加がみられたとの報告がある。
  2. マウスに92週間大量皮下投与した癌原性試験において、癌原性はみられなかったとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 健康成人男子にエルカトニン40単位を単回筋肉内注射したとき、血漿中濃度(ELISA法)は23.3分後にピークに達し、消失半減期は36.6分であった。健康成人男子にエルカトニン10、20、40単位注1)をそれぞれ単回筋肉内注射したときの薬物濃度パラメータは、以下のとおりであった。
    投与量注2)
    Tmax
    (min)
    Cmax
    (pg/mL)
    T1/2
    (min)
    AUC0-∞
    (pg・min/mL)
    10単位
    23.3±5.2
    7.6±2.2
    41.7±8.7
    632±199
    20単位
    21.7±4.1
    24.8±7.8
    35.4±9.8
    1841±422
    40単位
    23.3±5.2
    57.8±11.7
    36.6±4.1
    4640±991
    Mean±SD(n=6)
  2. エルカトニン40単位を90分間かけて点滴静注したとき、点滴中は筋肉内注射時よりやや高い血清中濃度を維持し、点滴終了後の血中からのエルカトニンの消失は速やかであった。
    注1)本剤の承認用法・用量は「高カルシウム血症:通常、成人には1回エルカトニンとして40エルカトニン単位を1日2回朝晩に筋肉内注射または点滴静注する。点滴静注においては希釈後速やかに使用し、1~2時間かけて注入する。なお、年齢および血中カルシウムの変動により適宜増減する。骨ページェット病:通常、成人には1回エルカトニンとして40エルカトニン単位を原則として1日1回筋肉内注射する。」である。
    注2)本剤の活性は、日局標準品を基準にして生物学的測定法により測定し、約6,000エルカトニン単位/mgである。

分布

3H-エルカトニンをラットに筋肉内投与した場合、腎、膵、骨、胃に多く分布する。

代謝

エルカトニンをラット臓器抽出物と反応させた場合、主に腎臓のミクロゾーム画分で代謝される。

排泄

3H-エルカトニンをラットに筋肉内投与した場合、120時間までに尿、糞及び呼気中に44.0%の放射能が排泄される。また、ゲルろ過による尿中排泄物の分析では、尿中にエルカトニン未変化体は認められない。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈高カルシウム血症〉
  1. 国内臨床試験
    種々の病因に伴う高カルシウム血症に対する一般臨床試験の概要は次のとおりであった。
    種々の病因に伴う高カルシウム血症に対する筋肉内注射による有効率は77.6%(59/76)であった,,,,,,,,,,,。また、点滴静注による改善率は64.5%(89/138)であり、原疾患別の改善率は、副甲状腺機能亢進症では44.4%(12/27)、血液系悪性腫瘍では87.2%(41/47)、その他の癌では54.2%(32/59)であった,,
〈骨ページェット病〉
  1. 国内臨床試験
    一般臨床試験において、骨ページェット病に対する有効率は81.8%(9/11)であった,,,

薬効薬理

作用機序
エルカトニンは、主に骨吸収抑制作用により各種の実験的高カルシウム血症に対し血清カルシウム低下作用を示す。
血清カルシウムに対する作用
エルカトニンは、正常動物(ラット、イヌ、ウサギ)及び実験的高カルシウム血症動物(マウス、ラット、ウサギ)の血清カルシウムを低下させる。この作用は哺乳類由来のカルシトニンに比し強力かつ持続的である,,,,,,,
骨吸収抑制作用
エルカトニンは、正常ラット及び担癌家兎において、骨吸収を抑制することにより、骨から血液へのカルシウム遊離を減少させ、血清カルシウム濃度を低下させる。エルカトニンは、ラット及びマウスの骨培養系において、各種骨吸収促進因子による骨からのカルシウム遊離及び骨吸収窩形成を抑制する,,,,,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エルカトニン(JAN)
Elcatonin(r-INN)
分子式
C148H244N42O47
分子量
3363.77
性状
白色の粉末である。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
吸湿性である。
水溶液(1→500)のpHは4.5~7.0である。
化学構造式

包装

10アンプル

主要文献

1
European Medicines Agency. “Assessment report for calcitonin containing medicinal products”.
2
U.S. Food and Drug Administration. “Background Document for Meeting of Advisory Committee for Reproductive Health Drugs and Drug Safety and Risk Management Advisory Committee”.
3
社内資料:エルカトニンのラットにおける皮下投与による12ヶ月慢性毒性試験
4
社内資料:92 week subcutaneous carcinogenicity study in mice
5
社内資料:薬物動態<血中濃度(筋肉内注射時)>
6
社内資料:薬物動態<血中濃度(点滴静注時)>
7
社内資料:薬物動態<体内分布、排泄>
8
墳本 敏彦他:現代の診療.1978;20(12):2223-2227
9
海上  寛他:骨代謝.1979;12:274-281
10
工藤 信一他:ホルモンと臨床.1979;27(2):179-183
11
三方 律治他:癌と臨床.1980;26(5):504-508
12
酒井 天栄他:ホルモンと臨床.1979;27(1):71-76
13
深見 敦夫他:新薬と臨牀.1979;28(1):110-112
14
有吉  寛他:新薬と臨牀.1979;28(4):681-683
15
成瀬 隆吉他:新薬と臨牀.1978;27(12):2213-2214
16
富田 明夫他:内科.1978;42(5):864-868
17
福永 仁夫他:医学のあゆみ.1978;104(7):468-470
18
鳥塚 莞爾他:クリニカ.1978;5(9):641-644
19
福永 仁夫他:臨床と研究.1979;56(11):3629-3636
20
池田 柊一他:臨床と研究.1979;56(4):1259-1261
21
富田 明夫他:基礎と臨床.1994;28(1):31-40
22
富田 明夫他:基礎と臨床.1994;28(1):41-57
23
桐山  健他:基礎と臨床.1994;28(1):59-71
24
土光 茂治他:医学のあゆみ.1978;106(1):33-36
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土光 茂治他:日本整形外科学会雑誌.1979;53(8):937-947
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高橋 貞雄他:臨床整形外科.1980;15(11):1050-1055
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武藤 芳照他:整形外科.1981;32(10):1181-1184
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小谷  勝他:現代の診療.1978;20(12):2217-2221
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墳本 敏彦他:現代の診療.1978;20(10):1695-1700
30
墳本 敏彦他:現代の診療.1978;20(10):1701-1704
31
墳本 敏彦他:骨代謝.1979;12:373-377
32
常田 昌弘他:岐阜大学医学部紀要.1978;26(5):557-569
33
社内資料:薬効薬理<血清カルシウムに対する作用>
34
磯谷 幸宏他:日本薬理学雑誌.1995;105:199-208
35
岩田 剛典他:ホルモンと臨床.1995;43(2):195-198
36
桜田 豊三他:現代の診療.1978;20(12):2213-2216
37
平田 博則他:歯科基礎医学会雑誌.1979;21(1):177-181
38
山本 逸雄他:骨代謝.1979;12:385-391
39
社内資料:薬効薬理<骨吸収抑制作用>
40
Kaji H. et al.:Horm. Metab. Res.1993;25(8):421-424

文献請求先及び問い合わせ先

旭化成ファーマ株式会社 くすり相談窓口
〒100-0006 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号
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東京都千代田区有楽町一丁目1番2号

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