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レブコビ筋注2.4mg

ポリエチレングリコール修飾遺伝子組換えアデノシンデアミナーゼ酵素製剤

1瓶 862022円

添付文書番号

3959421A1023_1_02

企業コード

470310

作成又は改訂年月

2022年5月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873959

薬効分類名

ポリエチレングリコール修飾遺伝子組換えアデノシンデアミナーゼ酵素製剤

承認等

販売名

レブコビ筋注2.4mg

販売名コード

3959421A1023

販売名英字表記

Revcovi 2.4mg for intramuscular injection

販売名ひらがな

れぶこび

承認番号等

承認番号
23100AMX00293000

販売開始年月

2019年5月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃で保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)

組成・性状

組成

レブコビ筋注2.4mg
有効成分
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)注)  1バイアル中 2.4mg
添加剤
塩化ナトリウム  12.75mg
リン酸水素ナトリウム七水和物  12.70mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物  3.81mg
容量
1バイアル中 1.5mL
注)本剤は大腸菌により産生した遺伝子組換えタンパク質である。

製剤の性状

レブコビ筋注2.4mg
剤形注射剤(バイアル)
pH6.8~7.0
浸透圧比約1.3
色調・性状
無色澄明、水性注射剤

効能又は効果

アデノシンデアミナーゼ欠損症

用法及び用量

通常、エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)として0.2mg/kgを1週間に1回筋肉内注射する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1回あたりの最大投与量は0.3mg/kgとする。ただし、速やかにアデノシンデアミナーゼ活性を上昇させる必要がある場合には、1回0.2mg/kgを1週間に2回筋肉内注射することができる。

用法及び用量に関連する注意

  1. 本剤投与中は、血清中アデノシンデアミナーゼ(ADA)活性値、リンパ球数等の免疫に関する臨床検査値、臨床症状等を定期的に確認し、患者の状態に応じて投与量を調節すること。投与量の調節については、原則として、4週ごとに検討することとし、1回あたり0.033mg/kgまでの範囲で増減すること。
  2. 通常、本剤の投与は1週間に1回であるが、免疫不全症状が重度であり、速やかにADA活性を上昇させる必要がある場合にのみ、1回あたりの最大投与量を0.2mg/kgとした上で、投与回数を週2回(3~4日に1回: 1週あたりの最大投与量として0.4mg/kg)にすることができる。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物を用いた乳汁移行試験を実施していない。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ビダラビン、ネララビン
本剤がビダラビン、ネララビンの作用に影響を及ぼすおそれがある。本剤との併用は避けることが望ましい。
本剤のADA活性により、ビダラビン、ネララビンが代謝される。
ペントスタチン
ペントスタチンとの併用により、本剤の作用が減弱するおそれがある。本剤との併用は避けることが望ましい。
ペントスタチンのADA酵素の阻害により、本剤の効果が減弱するおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
注射部位
注射部位不快感

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので再使用しないこと。
  2. 他の製剤との混注は避けること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
本剤0.167~0.4mg/kg/週を投与した国内第Ⅲ相試験及び海外第Ⅲ相試験において、抗エラペグアデマーゼIgM抗体が2/10例に認められたが、有効性及び安全性への影響は認められていない。

薬物動態

血中濃度

  1. 反復投与
    1. 国内のADA欠損症患者(2例)に維持用量として本剤0.167又は0.233mg/kgを週1回反復筋肉内投与したときの定常状態での血漿中ADA活性の薬物動態パラメータは下表のとおりであった。
      用量(mg/kg/週)
      0.167
      0.233
      AUCτ(h・μmol/h/mL)
      6279.20
      4430.89
      Cmax(μmol/h/mL)
      41.91
      34.91
      t1/2(h)
      359.59
      226.61
      tmax(h)
      48.0
      27.3
    2. 海外のADA欠損症患者(4例)に本剤0.188~0.224mg/kgを週1回反復筋肉内投与したとき、本剤投与開始後9週時点での血漿中ADA活性の薬物動態パラメータは下表のとおりであった。
      AUCτ(h・μmol/h/mL)
      6880±1450
      Cmax(μmol/h/mL)
      47.9±10.0
      t1/2(h)
      259±161
      tmax(h)
      59.9±13.9
      平均値±標準偏差(N=4)

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験
    遺伝子診断、あるいは臨床症状及びADA活性によりADA欠損症と診断されたADA欠損症患者(4例、3ヵ月~25歳)に本剤0.1~0.267mg/kgを週1回21週間筋肉内投与した注1)。投与量の調節については、①赤血球中Deoxyadenosine nucleotide(dAXP)トラフ値が0.02μmol/mL超、②血清中ADA活性トラフ値が1100U/L未満、③肺炎や下痢等の臨床症状の発現・不変・悪化又は免疫機能や肝機能等の臨床検査値の変動又は異常値、④安全性への懸念、のいずれかに該当した場合に検討することとされた。dAXP及びADA活性の結果は下表のとおりであった。
    生化学検査項目
    時期
    被験者1
    被験者2
    被験者3
    被験者4注1)
    赤血球中dAXPトラフ値(μmol/mL)
    0.125
    <0.002
    -
    -
    21週
    <0.002
    <0.002
    -
    -
    血中dAXPトラフ値
    (μmol/mL)
    0.0952
    0.000407
    0.0107
    0.0293
    21週
    0.00167
    0.00114
    0.00449
    0.00189注2)
    血漿中ADA活性トラフ値
    (μmol/h/mL)
    <9.0
    <9.0
    -
    -
    21週
    28.73
    18.66
    -
    -
    血清中ADA活性トラフ値
    (U/L)
    20.7
    223.7
    884.0
    -
    21週
    1550.6
    998.7
    1482.0
    1451.2注2)
    注1)1例は投与開始時から全身状態が不良であったため、0.2mg/kg/回を週2回投与し、投与開始107日目に中止した。
    注2)投与開始98日目の値
    前: スクリーニング時、21週: 評価期終了時(投与開始148日目)又は中止時
    本試験における安全性評価対象4例において、副作用は認められなかった。
  2. 海外第Ⅲ相試験
    類薬(ADA酵素補充療法剤pegademase bovine、国内未承認)を投与していた免疫不全を伴うADA欠損症患者(3例、19~37歳)に、本剤0.188~0.224mg/kgを週1回21週間筋肉内投与した結果、dAXP及びADA活性は下表のとおりであった 。
    生化学検査項目
    時期
    被験者1
    被験者2
    被験者3
    赤血球中dAXPトラフ値
    (μmol/mL)
    本剤投与開始時
    <0.002
    <0.002
    <0.002
    本剤投与開始21週時
    <0.002
    <0.002
    <0.002
    血漿中ADA活性トラフ値
    (μmol/h/mL)
    本剤投与開始時
    10.9
    10.2
    17.4
    本剤投与開始21週時
    28.2
    31.4
    28.9
    本試験における安全性評価対象6例中2例に副作用が認められた。その副作用は、注射部位疼痛(1例2件)及び注射部位不快感(1例7件)であった。

薬効薬理

作用機序
本剤は、欠損したADAの補充療法として機能し、ポリエチレングリコール(PEG)の付加により生体内からのクリアランスを遅延させる。筋肉内投与された本剤は、血液を循環し、血液中に蓄積したアデノシン及びデオキシアデノシンを代謝する。これらADA基質の細胞内外の平衡化により、細胞内アデノシン及びデオキシアデノシン濃度が正常化され、免疫機能等の改善が図られると考えられる。
薬理作用
ADA欠損マウスにおいて、本剤は脾臓及び胸腺における細胞内アデノシン濃度及びデオキシアデノシン濃度の減少、胸腺及び脾臓重量の回復、T細胞及びB細胞数の回復、生存率の改善効果を示した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エラペグアデマーゼ(遺伝子組換え)(Elapegademase(Genetical Recombination))
本質
エラペグアデマーゼは遺伝子組換えウシアデノシンデアミナーゼ類縁体であり、74番目のCysがSerに置換され、平均約13個のメトキシポリエチレングリコール鎖(分子量: 約5,600)がカルボニル基を介して結合している(PEG結合可能部位Ala1及びLys残基)。エラペグアデマーゼは、356個のアミノ酸残基からなるPEG化タンパク質(分子量: 約115,000)である。

取扱い上の注意

  1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
  2. 冷蔵(2~8℃)で保管し、凍結したものは使用しないこと。

承認条件

  1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

1バイアル

主要文献

1
社内報告: 国内第Ⅲ相試験(ADA欠損症患者). 2019.(2019年3月26日承認、CTD2.7.6.1)
2
社内報告: 海外第Ⅲ相試験(ADA欠損症患者). 2019.(2019年3月26日承認、CTD2.7.6.2)
3
社内報告: 免疫機能改善作用(ADA欠損マウス). 2018.(2019年3月26日承認、CTD2.6.2.2)

文献請求先及び問い合わせ先

帝人ファーマ株式会社 メディカル情報グループ
〒100-8585 東京都千代田区霞が関3丁目2番1号
フリーダイヤル 0120-189-315

製造販売業者等

製造販売元
帝人ファーマ株式会社
東京都千代田区霞が関3丁目2番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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