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閲覧履歴

ホリナート錠25mg「JG」

還元型葉酸製剤

1錠 586.3円

添付文書番号

3929004F2064_1_04

企業コード

580591

作成又は改訂年月

2024年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873929

薬効分類名

還元型葉酸製剤

承認等

販売名

ホリナート錠25mg「JG」

販売名コード

3929004F2064

販売名英字表記

Folinate Tablets

販売名ひらがな

ほりなーとじょう25mg「JG」

承認番号等

承認番号
22900AMX00381000

販売開始年月

2017年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ホリナートカルシウム錠

警告

  1. ホリナート・テガフール・ウラシル療法は、テガフール・ウラシル配合剤の細胞毒性を増強する療法であり、本療法に関連したと考えられる死亡例が認められているので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験を有する医師のもとで、「2.禁忌」、「9.特定の背景を有する患者に関する注意」の項を参照して適応患者の選択を慎重に行い実施すること。
  2. 本療法において重篤な下痢が起こることがあり、その結果、致命的な経過をたどることがあるので、患者の状態を十分観察し、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、脱水症状があらわれた場合には補液等の適切な処置を行うこと。
  3. 本療法において劇症肝炎等の重篤な肝障害、重篤な骨髄抑制が起こることがあり、その結果、致命的な経過をたどることがあるので、定期的(少なくとも1クールに1回以上、特に投与開始から2クールは、各クール開始前及び当該クール中に1回以上)に臨床検査(肝機能検査、血液検査等)を行うなど患者の状態を十分観察し、副作用の早期発見に努めること。また、肝障害の前兆又は自覚症状と考えられる食欲不振を伴う倦怠感等の発現に十分に注意し、黄疸(眼球黄染)があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  4. 本療法とテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、本療法との併用を行わないこと。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制の増悪により重症感染症を併発し、致命的となることがある。]
  2. 下痢(水様便)のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こし、致命的となることがある。]
  3. 重篤な感染症を合併している患者[骨髄抑制により感染症が増悪し、致命的となることがある。]
  4. 本剤の成分又はテガフール・ウラシル配合剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  5. テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及び投与中止後7日以内の患者
  6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

組成・性状

組成

ホリナート錠25mg「JG」
有効成分
(1錠中)
日局 ホリナートカルシウム水和物
(ホリナートとして25mg)
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、部分アルファー化デンプン、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

ホリナート錠25mg「JG」
色・剤形
淡黄白色の錠剤
外形・大きさ・重量
表面
裏面
側面
直径
8.0mm
厚さ
3.5mm
重量
180mg
識別コード
JG F45

効能又は効果

〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉
結腸・直腸癌に対するテガフール・ウラシルの抗腫瘍効果の増強

効能又は効果に関連する注意

〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉
術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

用法及び用量

〈ホリナート・テガフール・ウラシル療法〉
通常、成人にはホリナートとして75mgを、1日3回に分けて(約8時間ごとに)、テガフール・ウラシル配合剤と同時に経口投与する。
テガフール・ウラシル配合剤の投与量は、通常、1日量として、テガフール300~600mg相当量(300mg/m2を基準)を1日3回に分けて(約8時間ごとに)、食事の前後1時間を避けて経口投与する。
以上を28日間連日経口投与し、その後7日間休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。

用法及び用量に関連する注意

本療法は食事の影響を受けるので、食事の前後1時間を避けて投与すること。

重要な基本的注意

  1. 重篤な下痢・腸炎等が起こることがあり、致命的な経過をたどることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 劇症肝炎、重篤な骨髄抑制が起こることがあり、致命的な経過をたどることがあるので、定期的(少なくとも1クールに1回以上、特に投与開始から2クールは、各クール開始前及び当該クール中に1回以上)に臨床検査(肝機能検査、血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
  3. 感染症・出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 骨髄抑制のある患者(重篤な骨髄抑制を除く)
    骨髄抑制が増強するおそれがある。
  2. 感染症を合併している患者(重篤な感染症を除く)
    骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。
  3. 心疾患又はその既往歴のある患者
    症状が悪化するおそれがある。
  4. 消化管潰瘍又は出血のある患者
    症状が悪化するおそれがある。
  5. 耐糖能異常のある患者
    耐糖能異常が悪化するおそれがある。
  6. 水痘患者
    致命的な全身障害があらわれるおそれがある。
  7. 前化学療法を受けていた患者
    下痢、骨髄抑制等の副作用が増強されるおそれがある。

腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 肝障害又はその既往歴のある患者
    肝障害が悪化するおそれがある。

生殖能を有する者

小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。テガフール・ウラシル配合剤を投与された女性において奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、動物実験で催奇形作用の報告(妊娠ラットで胎児の骨格変異、化骨遅延等が認められている)がある。

授乳婦

授乳しないことが望ましい。テガフール・ウラシル配合剤の動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

小児等

副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しているので、特に消化器障害(下痢、口内炎等)、骨髄抑制があらわれやすい。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤
(ティーエスワン)
早期に重篤な血液障害や下痢、口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本療法を施行しないこと。
ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェニトイン
フェニトイン中毒(嘔気・嘔吐、眼振、運動障害等)が発現することがある。必要に応じてフェニトインの血中濃度を測定し、フェニトインの用量調節を行い、注意して投与すること。異常が認められた場合には本療法を中止するなど適切な処置を行うこと。
テガフールによってフェニトインの代謝が抑制され、フェニトインの血中濃度が上昇する。
ワルファリンカリウム
テガフールがワルファリンカリウムの作用を増強することがあるので、凝固能の変動に注意すること。
機序は不明である。
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射
消化管障害、血液障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
副作用が相互に増強される。
葉酸代謝拮抗剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム等)
これらの薬剤の作用が減弱することがある。
ホリナートによって葉酸代謝拮抗作用が減弱するためと考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 骨髄抑制(頻度不明注1))、溶血性貧血等の血液障害(頻度不明注1)
    汎血球減少、無顆粒球症(症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)、白血球減少、血小板減少、貧血、出血傾向、溶血性貧血等があらわれることがある。
  2. 劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明注1)
  3. 肝硬変(頻度不明注1)
    長期投与においてAST、ALTの明らかな上昇を伴わずに肝硬変があらわれることがあるので、プロトロンビン時間延長、アルブミン低下、コリンエステラーゼ低下、血小板減少等が認められた場合には投与を中止すること。
  4. 脱水症状(頻度不明注1)
    激しい下痢があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。
  5. 重篤な腸炎(頻度不明注1)
    出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等があらわれることがあるので、激しい腹痛・下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  6. 白質脳症等を含む精神神経障害(頻度不明注1)
    白質脳症(意識障害、小脳失調、認知症様症状等を主症状とする)や意識障害、失見当識、傾眠、記憶力低下、錐体外路症状、言語障害、四肢麻痺、歩行障害、尿失禁、知覚障害等があらわれることがある。
  7. 狭心症(頻度不明注1))、心筋梗塞(頻度不明注1))、不整脈(頻度不明注1)
    狭心症、心筋梗塞、不整脈(心室頻拍等を含む)があらわれることがあるので、胸痛、失神、息切れ、動悸、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  8. 急性腎障害(頻度不明注1))、ネフローゼ症候群(頻度不明注1)
  9. 嗅覚脱失(頻度不明注1)
    嗅覚障害があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがある。
  10. 間質性肺炎(頻度不明注1)
    間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を行い、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。
  11. 急性膵炎(頻度不明注1)
    腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  12. 重篤な口内炎(頻度不明注1))、消化管潰瘍(頻度不明注1))、消化管出血(頻度不明注1)
  13. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明注1))、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明注1)
  14. ショック(頻度不明注1))、アナフィラキシー(頻度不明注1)
    発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
頻度不明注1)
血液
赤血球減少、血色素減少、ヘマトクリット値減少、好中球減少、好酸球増多、リンパ球減少
好塩基球増多
平均赤血球容積(MCV)増加
肝臓
肝機能障害(AST、ALTの上昇等)、総ビリルビン上昇、Al-P上昇
黄疸、脂肪肝
腎臓
蛋白尿
腎機能障害(BUN、クレアチニンの上昇等)
血尿
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、口内炎、便秘、味覚異常
腹痛、心窩部痛、腹部膨満感、胃不快感、胃重感、舌炎、口唇炎
胸やけ、口角炎、口渇、胃炎、嚥下困難、腹鳴
精神神経系
倦怠感
頭痛、頭重感、耳鳴
眩暈、しびれ、興奮、末梢性ニューロパチー
皮膚注2)
色素沈着
皮膚炎、皮膚の乾燥、手足症候群
皮膚びらん、角化、紅潮、光線過敏症、水疱、DLE様皮疹、爪の異常、脱毛、浮腫
過敏症
発疹、そう痒
蕁麻疹、発赤
循環器
動悸、胸痛、胸内苦悶感、心電図異常(ST上昇等)
その他
総蛋白低下、LDH上昇、発熱、血糖値上昇、糖尿、血清ナトリウム低下、血清カルシウム低下
頻尿、血清カリウム上昇、血清カリウム低下、血清クロール上昇、血清クロール低下、血清カルシウム上昇
血痰、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、無月経、関節痛、灼熱感、結膜充血、咳・痰、血清尿酸値上昇、女性型乳房、筋肉痛、CK上昇
注1)テガフール・ウラシル配合剤又はレボホリナート・フルオロウラシル療法において認められた副作用のため、本療法においては頻度不明。
注2)色素沈着、皮膚炎等の皮膚障害は手のひら、足裏等に発現しやすいとの報告がある。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤と併用されるテガフール・ウラシル配合剤を投与した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。
  2. フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損等の患者がごくまれに存在し、このような患者にフルオロウラシル系薬剤を投与した場合、投与初期に重篤な副作用(口内炎、下痢、血液障害、神経障害等)が発現するとの報告がある。
  3. 葉酸の投与により、ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血(悪性貧血等)が隠蔽されるとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    日本人癌患者44例にホリナート25mgを経口投与後の血中ホリナート濃度は、投与1.5~3時間後に最高値(473.6±214.0ng/mL)に達し、半減期は7時間であった。
    また、活性型葉酸(5-MTHF)は投与0.3~5時間後に最高値(468.0±193.0ng/mL)に達し、半減期は3.1時間であった 。
  2. 生物学的同等性試験
    ホリナート錠25mg「JG」とユーゼル錠25mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ホリナートとして25mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体注) 濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された 。
    注)ホリナート(dl体)の光学活性体であるレボホリナート(l体)を測定した。
    薬物動態パラメータ
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC0-480
    (ng・min/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (min)
    T1/2
    (min)
    ホリナート錠25mg「JG」
    944.06±307.07
    12.43±5.85
    38.1±15.9
    103.2±53.5
    ユーゼル錠25mg
    986.14±355.29
    13.40±6.60
    37.9±13.7
    112.0±64.7
    (Mean±S.D., n=43)
    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

吸収

  1. 食事の影響
    癌患者25例にクロスオーバー法で、空腹時及び食後(高脂肪食摂取後)にホリナート30mg及びテガフール・ウラシル配合剤(テガフール200mg相当量)を投与した場合、空腹時に比べて食後投与時のウラシルのAUC、テガフールから変換されたフルオロウラシルのAUCはそれぞれ66%、37%減少し、ホリナートのAUCは61%上昇した。一方、テガフールのAUCには著明な変化は認められなかった (外国人データ)。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

本療法は国内外のブリッジング試験(国内:44例、外国:45例)及び外国臨床試験で検討されたものである 。
  1. 国内第Ⅱ相試験(ブリッジング試験)
    結腸・直腸癌患者44例を対象に本療法※1を実施した結果、奏効率は36.4%(16/44例)であった 。
    副作用評価可能症例数は44例であり、主な副作用は次のとおりであった 。
    副作用
    発現率
    副作用
    発現率
    下痢
    (グレード3)注1)
    38.6%
    (9.1%)
    口内炎
    (グレード3)
    34.1%
    (4.5%)
    食欲不振
    31.8%
    悪心
    29.5%
    倦怠感
    29.5%
    色素沈着
    18.2%
    白血球減少
    25.0%
    好中球減少
    27.3%
    赤血球減少
    (グレード3)
    50.0%
    (4.5%)
    ヘマトクリット値減少
    40.9%
    血小板減少
    (グレード3)
    4.5%
    (2.3%)
    AST(GOT)上昇
    (グレード3以上)
    29.5%
    (2.3%)
    ALT(GPT)上昇
    (グレード3以上)
    36.4%
    (2.3%)
    総ビリルビン上昇
    (グレード3)
    47.7%
    (2.3%)
    注1)グレード分類は、NCI-CTC(1998年)を基準とした。
    ※1:LV:75mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
  2. 海外第Ⅱ相試験(ブリッジング試験)
    結腸・直腸癌患者45例を対象に本療法※1を実施した結果、奏効率は34.1%(15/44例)であった 。
    副作用評価可能症例数は45例であり、主な副作用は、下痢68.9%(31/45例)、倦怠感66.7%(30/45例)、悪心64.4%(29/45例)、嘔吐31.1%(14/45例)、腹痛26.7%(12/45例)であった。このうちグレード3以上の副作用は、下痢22.2%(10/45例)、腹痛6.7%(3/45例)、悪心及び嘔吐4.4%(2/45例)であった 。
    ※1:LV:75mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
  3. 海外第Ⅲ相試験
    結腸・直腸癌を対象にホリナート・フルオロウラシル療法(ホリナート注射剤とフルオロウラシル注射剤の併用療法、5-FU/LV)と本療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法、UFT/LV)との生存期間の同等性検証を主目的とした非盲検デザインの比較試験を実施した。結果は以下のとおりで、生存期間はUFT/LVと5-FU/LVで同等であった,
    生存期間
    病勢進行までの期間
    UFT/LV※1
    5-FU/LV※2
    UFT/LV
    5-FU/LV
    例数
    409
    407
    409
    407
    中央値(月)
    [95%信頼区間]
    12.4
    [11.2,13.6]
    13.4
    [11.6,15.4]
    3.5
    [3.0,4.4]
    3.8
    [3.6,5.0]
    ハザード比※3
    [95%信頼区間]
    0.964[0.826,1.125]※4
    0.823[0.708,0.958]※5
    層併合ログランク
    検定※6
    p=0.630
    p=0.011
    ※1 LV:75mg又は90mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
    ※2 LV:20mg/m2/日と5-FU:425mg/m2/日を週5日間連日静脈内投与し、その後23日間休薬を1クールとする注2)
    ※3 ハザード比(5-FU/LV:UFT/LV)
    ※4 95.6%信頼区間
    ※5 95.1%信頼区間
    ※6 層別因子:前補助療法の有無、ECOG PSの0,1対2、測定可能病変の有無
    注2)本試験における5-FU/LVは国内で承認されているレボホリナート・フルオロウラシル療法の用法・用量と異なる
  4. 海外第Ⅲ相試験
    結腸・直腸癌を対象にホリナート・フルオロウラシル療法(ホリナート注射剤とフルオロウラシル注射剤の併用療法、5-FU/LV)と本療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法、UFT/LV)との病勢進行までの期間の優越性検証を主目的とした非盲検デザインの比較試験を実施した。結果は以下のとおりで、病勢進行までの期間はUFT/LVと5-FU/LVで有意差は認められなかった 。
    生存期間
    病勢進行までの期間
    UFT/LV※1
    5-FU/LV※2
    UFT/LV
    5-FU/LV
    例数
    190
    190
    190
    190
    中央値(月)
    [95%信頼区間]
    12.2
    [10.4,13.8]
    10.3
    [8.2,13.0]
    3.4
    [2.6,3.8]
    3.3
    [2.5,3.7]
    ハザード比※3
    [95%信頼区間]
    1.144[0.920,1.424]
    0.941[0.753,1.175]
    層併合ログランク
    検定※4
    p=0.226
    p=0.591
    ※1 LV:90mg/日とUFT:300mg/m2/日(テガフール相当量)を併用連日28日間経口投与し、その後7日間休薬を1クールとする
    ※2 LV:20mg/m2/日と5-FU:425mg/m2/日を週5日間連日静脈内投与し、その後30日間休薬を1クールとする注3)
    ※3 ハザード比(5-FU/LV:UFT/LV)
    ※4 層別因子:前補助療法の有無、ECOG PSの0対1,2
    注3)本試験における5-FU/LVは国内で承認されているレボホリナート・フルオロウラシル療法の用法・用量と異なる

薬効薬理

作用機序
テガフール・ウラシルはフルオロウラシルのプロドラッグであるテガフールにフルオロウラシルの分解阻害作用を有するウラシルをモル比1:4(テガフール:ウラシル)で配合した抗悪性腫瘍剤である。ホリナートの光学活性体(l体)であるレボホリナートはBiochemical Modulationによりフルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。フルオロウラシルは活性代謝物であるフルオロデオキシウリジン一リン酸(FdUMP)が、チミジル酸合成酵素(Thymidylate synthase:TS)と結合し、TS活性を阻害することにより、チミジル酸合成を抑制しDNA合成を阻害する。レボホリナートは細胞内で還元され、5,10-CH2-THFとなる。この5,10-CH2-THFはFdUMP、TSと強固な三元複合体(Ternary complex)を形成し、TSの解離を遅延させることにより、フルオロウラシルの抗腫瘍効果を増強させる。従って、ホリナートとテガフール・ウラシルの併用により、テガフールの分解産物であるフルオロウラシルの抗腫瘍効果が増強される 。
抗腫瘍効果増強作用
  1. in vitro試験
    ヒト結腸癌細胞(COLO205)に対して、レボホリナートとして0.006μM濃度のホリナートを用いたin vitro試験で、フルオロウラシルの抗腫瘍効果増強作用が認められている 。
  2. in vivo試験(併用投与による抗腫瘍効果増強作用)
    ヒト結腸癌細胞(KM20C、KM12C、Co-3)を移植したヌードマウスに対し、ホリナート(20mg/kg/day)とテガフール・ウラシル(テガフール20mg/kg/day)の併用でテガフール・ウラシル単独投与群に比較して抗腫瘍効果増強作用を示す,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ホリナートカルシウム水和物
(Calcium Folinate Hydrate)
化学名
Monocalcium N-(4-{[(2-amino-5-formyl-4-oxo-1,4,5,6,7,8-hexahydropteridin-6-yl)methyl]amino}benzoyl)-L-glutamate hydrate
分子式
C20H21CaN7O7xH2O
性状
白色~淡黄色の結晶性の粉末である。
水にやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
化学構造式

取扱い上の注意

アルミピロー包装開封後は湿気をさけ遮光して保存すること。

承認条件

結腸・直腸癌に対するホリナート・テガフール・ウラシル療法の有効性及び安全性の更なる明確化を目的とした十分なサンプルサイズを持つ無作為化比較試験を国内で実施すること。

包装

42錠[21錠(PTP)×2]

主要文献

1
Shirao, K. et al.:J. Clin. Oncol. 2004;22(17):3466-3474
2
社内資料:生物学的同等性試験
3
Damle, B. et al.:Clin. Cancer Res. 2001;7(3):517-523
4
臨床試験の経緯と概略(ユーゼル錠:2003年7月17日承認、申請資料概要 ト.1)
5
ブリッジング試験(ユーゼル錠:2003年7月17日承認、申請資料概要 ト.3)
6
Douillard, J. -Y. et al.:J. Clin. Oncol. 2002;20(17):3605-3616
7
臨床第Ⅲ相試験(ユーゼル錠:2003年7月17日承認、申請資料概要 ト.2.(1))
8
Carmichael, J. et al.:J. Clin. Oncol. 2002;20(17):3617-3627
9
作用機序(ユーゼル錠:2003年7月17日承認、申請資料概要 ホ)
10
ヒト結腸癌細胞株COLO205における5-fluorouracilの抗腫瘍効果に対するLV及び5-methyltetrahydrofolateの効果増強濃度検討(in vitro)(ユーゼル錠:2003年7月17日承認、申請資料概要 ホ.1.(5))
11
ヒト結腸癌株KM20Cのヌードマウス皮下移植モデルにおけるUFTの抗腫瘍効果に対するLV併用投与による効果増強用量の検討(ユーゼル錠:2003年7月17日承認、申請資料概要 ホ.1.(1))
12
ヒト大腸癌株のヌードマウス皮下移植モデルにおけるUFTの抗腫瘍効果に対するLV併用投与による効果増強の検討(ユーゼル錠:2003年7月17日承認、申請資料概要 ホ.1.(2))

文献請求先及び問い合わせ先

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