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アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液

脳脊髄手術用洗浄・灌流液

1キット 1732円

添付文書番号

3399500G1025_1_07

企業コード

180079

作成又は改訂年月

2023年11月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87339

薬効分類名

脳脊髄手術用洗浄・灌流液

承認等

販売名

アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液

販売名コード

3399500G1025

販売名英字表記

ARTCEREB Irrigation and Perfusion Solution for Cerebrospinal Surgery

販売名ひらがな

あーとせれぶのうせきずいしゅじゅつようせんじょうかんりゅうえき

承認番号等

承認番号
21900AMX01763

販売開始年月

2008年5月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

脳脊髄手術用洗浄・灌流液

組成・性状

組成

アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液
上室液(糖・電解質液)
糖質
ブドウ糖
0.305g
電解質
塩化ナトリウム
1.200g
塩化カルシウム水和物
0.085g
塩化マグネシウム
0.110g
下室液(電解質液)
電解質
炭酸水素ナトリウム
0.970g
塩化ナトリウム
2.375g
塩化カリウム
0.065g
リン酸二水素カリウム
0.075g
混合時
糖質
ブドウ糖
0.61g/L
電解質
Na+
145mEq/L
K+
2.8mEq/L
Mg2+
2.2mEq/L
Ca2+
2.3mEq/L
Cl-
129mEq/L
HCO3-
23.1mEq/L
P
1.1mmol/L

製剤の性状

アートセレブ脳脊髄手術用洗浄灌流液
上室液
pH4.0~4.8
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明の液
下室液
pH7.0~7.8
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明の液
混合時
pH約7.3
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明の液

効能又は効果

  • 穿頭・開頭手術時の洗浄
  • 脊髄疾患手術時の洗浄及び神経内視鏡手術時の灌流

用法及び用量

穿頭・開頭手術時の洗浄、脊髄疾患手術時の洗浄及び神経内視鏡手術時の灌流を目的として使用する。
用時に隔壁を開通して上室液と下室液をよく混合する。
使用量は通常、適量を使用し、術式及び手術時間等により適宜増減する。
なお、上限量は下記を目安とする。
穿頭・開頭手術及び神経内視鏡手術 4000mL
脊髄疾患手術 3000mL

重要な基本的注意

  1. シバリング等が発現する可能性があるため、外袋を開封せずに体温程度に加温し、原則、24時間以内に閉鎖系にて使用すること。
  2. 本剤を穿頭・開頭手術時における術野からの空気の排除の際に洗浄液として使用する場合、脊髄疾患の手術時の洗浄液として使用する場合及び神経内視鏡手術時の灌流液として使用する場合、脳圧が上昇する可能性があるため、投与速度、出入量のバランス等に十分注意して使用すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1~5%未満
頻度不明
消化器
嘔吐
臨床検査
血中アルカリホスファターゼ減少
白血球数増加、血中アルカリホスファターゼ増加、血中クレアチニン減少、血中ブドウ糖増加
その他
体温上昇
悪寒、創合併症

適用上の注意

全般的な注意
  1. 使用時には、感染に対する配慮をすること。
  2. 導入針はゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと。
薬剤調製時の注意
  1. 調製方法
    1. 用時に外袋を開封し、バッグを取り出す。
    2. 必ず下室を両手で押して隔壁を開通させる。
    3. 開通操作後は隔壁が開通していることを確認する。
    4. 上室と下室を交互に押して両液を十分に混合する。
  2. 外袋開封後はpHが上昇するため、速やかに調製し、使用すること。
薬剤投与時の注意
  1. 点滴静注として使用しないこと。
  2. 上室液又は下室液は単独で使用しないこと。
  3. 開放状態ではpHが上昇するため、本剤をステンレス製ビーカー等の別容器に移し替えないで直接手術部位に使用すること。ただし、短時間に大量の洗浄液が必要と判断し、やむを得ず、移し替えて使用する場合は以下の点に注意すること。
    • 常温(15~25℃)で使用し、加温は避けること。
    • ステンレス製ビーカー等の液量が容器容量の半量以上になるように随時本剤を追加すること。
    • 移し替えて6時間が経過した場合は残液を廃棄して、新しい液を使用すること。
    • シャーレのような底の浅い容器への移し替えは避けること。
  4. シリンジ又はシリンジに類似した洗浄器具を用いて洗浄する場合は、本剤を輸液ライン等から採取して手術部位に使用すること。
  5. 容器の目盛りは目安として使用すること。
  6. 使用後の残液は廃棄すること。保存剤を含有していないので、二次汚染のおそれがある。

薬物動態

血中濃度

側脳室-大槽灌流モデルラットに本剤を24時間持続灌流した結果、本剤の灌流中、血液中のK+、Na+及びCl-濃度はほぼ一定の濃度で推移し、いずれの電解質も注入した本剤と同程度の量が灌流排出液中に回収された。

分布

14C標識イヌリンを添加した本剤を側脳室-大槽灌流モデルラットの脳脊髄腔内に持続灌流した結果、放射能は脳脊髄液腔内全域、脳及び鼻腔の篩状板に認められ、本剤による灌流域が確認された。一方、14C標識ブドウ糖を含む本剤で灌流した結果、放射能は主に脳脊髄液腔全域、鼻腔内の篩状板、脳脊髄の実質及びハーダー腺に分布し、脳脊髄液腔より組織への移行が認められた。

排泄

14C標識ブドウ糖を含む本剤を側脳室-大槽灌流モデルラットの脳脊髄腔内に0.35mL/kg/hrの速度で1時間、引き続き非標識の本剤を23時間持続灌流した結果、放射能の主排泄経路は呼気中であり、投与終了までの累積排泄率は呼気中71.9%、尿中4.2%であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験
    穿頭・開頭手術患者102例及び神経内視鏡手術患者15例を対象とした国内第Ⅲ相試験において、手術時に本剤を穿頭・開頭手術患者の洗浄液(50~8750mL)又は神経内視鏡手術患者の灌流液(350~2980mL)として使用した。
    有効性解析対象症例113例(穿頭・開頭手術患者98例及び神経内視鏡手術患者15例)において、洗浄液及び灌流液の性能注)を評価した結果、いずれの患者も「良好」以上であった。
    副作用発現頻度は、穿頭・開頭手術患者では血中アルカリホスファターゼ減少2%(2/98例)、神経内視鏡手術患者では体温上昇13.3%(2/15例)であった。
    注)洗浄液の性能は、術野の洗浄、術野からの空気の排除及び手術凝固装置に対する影響で評価、また、灌流液の性能は、清明な視野の確保、灌流液のベトツキ感及び手術凝固装置に対する影響で評価

薬効薬理

作用機序
本剤は組成・性状をヒトの正常脳脊髄液に近似させた製剤で、脳・脊髄手術時の洗浄・灌流液として使用する。
側脳室-大槽灌流への影響
ラットを用いて側脳室-大槽灌流し、脳波を観察した結果、生理食塩液では全例に突発性異常脳波を認め、5例中1例が死亡したが、本剤ではこのような異常は認められなかった。
脳創傷洗浄への影響
ラットの脳創傷部を本剤により4時間洗浄した。脳組織の比重を比較すると、本剤を用いた場合は乳酸リンゲル液及び生理食塩液に比し脳浮腫の程度が軽度であった。静脈内投与したエバンスブルーの脳組織中への漏出量の比較から、本剤では乳酸リンゲル液及び生理食塩液に比し脳血管透過性の亢進が少なかった。2,3,5-triphenyltetrazolium chloride(TTC)に対する染色性より細胞障害の程度を評価すると、本剤は乳酸リンゲル液及び生理食塩液に比べて軽度であった。

取扱い上の注意

  1. 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  2. 品質保持のためにガスバリア性の外袋で包装しているので、使用時まで開封しないこと。
  3. 外袋を開封する前にインジケーター(炭酸ガス検知剤)の色を確認し、紫色の場合は使用しないこと。
  4. 以下の場合には使用しないこと。
    • 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
    • 容器から薬液が漏れている場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
    • ゴム栓部のシールがはがれている場合
    • 隔壁を開通する前に既に隔壁が開通している場合

包装

500mL 20袋 ソフトバッグ

主要文献

1
㈱大塚製薬工場 社内資料:薬物動態(血中濃度)
2
㈱大塚製薬工場 社内資料:薬物動態(分布)
3
㈱大塚製薬工場 社内資料:薬物動態(分布)
4
㈱大塚製薬工場 社内資料:薬物動態(排泄)
5
塩原隆造,他:新薬と臨床.2007;56(9):1458-1523
6
㈱大塚製薬工場 社内資料:薬効薬理
7
Doi K,et al.:Surg Neurol.2006;66(6):565-572

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
TEL:0120-719-814
FAX:03-5296-8400

製造販売業者等

製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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