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閲覧履歴

タケルダ配合錠

アスピリン/ランソプラゾール配合剤

1錠 33.4円

添付文書番号

3399102F1026_2_04

企業コード

400061

作成又は改訂年月

2022年8月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

873399

薬効分類名

アスピリン/ランソプラゾール配合剤

承認等

販売名

タケルダ配合錠

販売名コード

3399102F1026

販売名英字表記

TAKELDA Combination Tablets

販売名ひらがな

たけるだはいごうじょう

承認番号等

承認番号
22600AMX00522

販売開始年月

2014年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

アスピリン・ランソプラゾール配合錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対する過敏症の既往歴のある患者
  2. アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩を投与中の患者
  3. 消化性潰瘍のある患者[アスピリンのプロスタグランジン生合成抑制作用により胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させることがある。]
  4. 出血傾向のある患者[アスピリンにより血小板機能異常が起こることがあるため、出血傾向を助長するおそれがある。]
  5. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重篤なアスピリン喘息発作を誘発させることがある。]
  6. 出産予定日12週以内の妊婦

組成・性状

組成

タケルダ配合錠
有効成分
1錠中:アスピリン  100mg
有効成分
ランソプラゾール  15mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、炭酸マグネシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、タルク、酸化チタン、メタクリル酸コポリマーLD、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、マクロゴール6000、モノステアリン酸グリセリン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、無水クエン酸、クエン酸トリエチル、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、カルメロース、クロスポビドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

タケルダ配合錠
外形
大きさ
大きさ(直径)
10.0mm
大きさ(厚さ)
約5.4mm
質量437mg
色・剤形
白色~帯黄白色の素錠で赤橙色~暗褐色の斑点がある。(腸溶性細粒を含む有核錠)

効能又は効果

下記疾患又は術後における血栓・塞栓形成の抑制(胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往がある患者に限る)
  • 狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)
  • 冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後

用法及び用量

通常、成人には1日1回1錠(アスピリン/ランソプラゾールとして100mg/15mg)を経口投与する。

重要な基本的注意

脳梗塞患者への投与にあたっては、他の血小板凝集を抑制する薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する患者への投与は慎重に行い、投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 薬物過敏症の既往歴のある患者
  2. 血液の異常又はその既往歴のある患者
    アスピリンは血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。
  3. 出血傾向の素因のある患者
    アスピリンは出血を増強させるおそれがある。
  4. 気管支喘息のある患者(アスピリン喘息を有する場合を除く)
    アスピリン喘息でないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重篤な喘息発作を誘発させることがある。
  5. アルコールを常飲している患者
    アスピリンはアルコールと同時に服用すると、消化管出血を誘発又は増強することがある。
  6. 手術、心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者
    アスピリンは手術、心臓カテーテル検査又は抜歯時の失血量を増加させるおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎障害又はその既往歴のある患者
    アスピリンは腎障害を悪化又は再発させるおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 肝障害又はその既往歴のある患者
    アスピリンは肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。また、肝障害のある患者ではランソプラゾールの代謝、排泄が遅延することがある。

妊婦

  1. 出産予定日12週以内の妊婦
    投与しないこと。アスピリンでは、妊娠期間の延長、動脈管の早期閉鎖、子宮収縮の抑制、分娩時出血の増加につながるおそれがある。海外での大規模な疫学調査では、妊娠中のアスピリン服用と先天異常児出産の因果関係は否定的であるが、長期連用した場合は、母体の貧血、産前産後の出血、分娩時間の延長、難産、死産、新生児の体重減少・死亡などの危険が高くなるおそれを否定できないとの報告がある。また、ヒトで妊娠末期に投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。さらに、妊娠末期のラットに投与した試験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。
  2. 妊婦(ただし、出産予定日12週以内の妊婦は除く)又は妊娠している可能性のある女性
    治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。アスピリンでは、動物試験(ラット)で催奇形性作用があらわれたとの報告がある。妊娠期間の延長、過期産につながるおそれがある。ランソプラゾールでは、動物試験(ラット)において胎児血漿中濃度は母動物の血漿中濃度より高いことが認められている。また、ウサギ(経口30mg/kg/日)で胎児死亡率の増加が認められている。

授乳婦

授乳を避けさせること。アスピリンでは、母乳中へ移行することが報告されている。ランソプラゾールでは、動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に腎機能、肝機能などの生理機能が低下しているため、副作用があらわれやすい。

相互作用

ランソプラゾールは主として肝薬物代謝酵素CYP2C19又はCYP3A4で代謝される。
また、ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進又は抑制することがある。

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アタザナビル硫酸塩
レイアタッツ
アタザナビル硫酸塩の作用を減弱するおそれがある。
ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用によりアタザナビル硫酸塩の溶解性が低下し、アタザナビルの血中濃度が低下することがある。
リルピビリン塩酸塩
エジュラント
リルピビリン塩酸塩の作用を減弱するおそれがある。
ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用によりリルピビリン塩酸塩の吸収が低下し、リルピビリンの血中濃度が低下することがある。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テオフィリン
テオフィリンの血中濃度が低下することがある。
ランソプラゾールが肝薬物代謝酵素を誘導し、テオフィリンの代謝を促進することが考えられている。
タクロリムス水和物
タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。また、腎障害が発現することがある。
ランソプラゾールが肝薬物代謝酵素におけるタクロリムスの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。
アスピリンと腎障害の副作用を相互に増強すると考えられている。
ジゴキシン
メチルジゴキシン
左記薬剤の作用を増強する可能性がある。
ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用によりジゴキシンの加水分解が抑制され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する可能性がある。
イトラコナゾール
チロシンキナーゼ阻害剤
ゲフィチニブ
ボスチニブ水和物
ニロチニブ塩酸塩水和物
エルロチニブ塩酸塩
アカラブルチニブ
セリチニブ
ダサチニブ水和物
ダコミチニブ水和物
ラパチニブトシル酸塩水和物
カプマチニブ塩酸塩水和物
左記薬剤の作用を減弱する可能性がある。
ボスチニブ水和物との併用は可能な限り避けること。
ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用により左記薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
酸化マグネシウム
酸化マグネシウムの緩下作用が減弱するおそれがある。
ランソプラゾールの胃酸分泌抑制作用による胃内pH上昇により酸化マグネシウムの溶解度が低下するためと考えられる。
メトトレキサート
メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。高用量のメトトレキサートを投与する場合は、本剤から他のアスピリン製剤への一時的な変更を考慮すること。また、メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化器障害等)が増強されることがある。
ランソプラゾールによるメトトレキサートの血中濃度上昇の機序は不明である。
アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したメトトレキサートと置換し、遊離させる。また、アスピリンはメトトレキサートの腎排泄を阻害すると考えられている。
抗凝固剤
クマリン系抗凝固剤
ワルファリンカリウム
クマリン系抗凝固剤の作用を増強し、出血時間の延長、消化管出血等を起こすことがあるので、クマリン系抗凝固剤を減量するなど慎重に投与すること。
アスピリンは血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝固剤と置換し、遊離させる。また、アスピリンは血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する。
抗凝固剤
血液凝固阻止剤
ヘパリン製剤
ダナパロイドナトリウム
第Xa因子阻害剤
リバーロキサバン等
抗トロンビン剤
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等
トロンボモデュリン アルファ等
左記薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
アスピリンは血小板凝集抑制作用を有するため、左記薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
チクロピジン塩酸塩
シロスタゾール
クロピドグレル硫酸塩
トロンボキサン合成酵素阻害剤
オザグレルナトリウム
プロスタグランジンE1製剤、E1及びI2誘導体製剤
ベラプロストナトリウム等
サルポグレラート塩酸塩
イコサペント酸エチル等
左記薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
アスピリンは血小板凝集抑制作用を有するため、左記薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
血栓溶解剤
ウロキナーゼ
t-PA製剤等
左記薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
アスピリンは血小板凝集抑制作用を有するため、左記薬剤との併用により出血傾向が増強されるおそれがある。
糖尿病用剤
ヒトインスリン
トルブタミド等
糖尿病用剤の作用を増強し、低血糖を起こすことがあるので、糖尿病用剤を減量するなど慎重に投与すること。
アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤と置換し、遊離させる。また、アスピリンは大量で血糖降下作用を有する。
バルプロ酸ナトリウム
バルプロ酸ナトリウムの作用を増強し、振戦等を起こすことがある。
アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したバルプロ酸ナトリウムと置換し、遊離させる。
フェニトイン
総フェニトイン濃度を低下させるが、非結合型フェニトイン濃度を低下させないとの報告があるので、総フェニトイン濃度に基づいて増量する際には臨床症状等を慎重に観察すること。
アスピリン(高用量投与時)は血漿蛋白に結合したフェニトインと置換し、遊離させる。
フェニトイン
フェニトインの作用を増強する可能性がある。
フェニトインの代謝、排泄が遅延することがランソプラゾールの類薬(オメプラゾール)で報告されている。
副腎皮質ホルモン剤
ベタメタゾン
プレドニゾロン
メチルプレドニゾロン等
アスピリン(高用量投与時)との併用時に副腎皮質ホルモン剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されている。また、消化管出血を増強させることが考えられている。
機序は不明。
リチウム製剤
リチウム中毒を起こすことが報告されている。
アスピリン(高用量投与時)は腎のプロスタグランジンの生合成を抑制し、腎血流量を減少させることにより、リチウムの腎排泄を低下させることが考えられている。
チアジド系利尿剤
ヒドロクロロチアジド等
ループ利尿剤
フロセミド
左記薬剤の作用を減弱させることが報告されている。
アスピリンは腎のプロスタグランジンの生合成を抑制して、水、塩類の体内貯留が生じ、利尿剤の水、塩類排泄作用に拮抗するためと考えられている。
β遮断剤
プロプラノロール塩酸塩
ピンドロール等
ACE阻害剤
エナラプリルマレイン酸塩等
左記薬剤の作用を減弱させることが報告されている。
アスピリンは血管拡張作用を有する腎プロスタグランジンの生合成、遊離を抑制し、血圧を上昇させることが考えられている。
ニトログリセリン製剤
ニトログリセリンの作用を減弱させることがある。
アスピリンはプロスタグランジンの生合成を抑制することにより、冠動脈を収縮させ、ニトログリセリンの作用を減弱させることが考えられている。
尿酸排泄促進剤
プロベネシド
ベンズブロマロン
左記薬剤の作用を減弱させることがある。
アスピリン(高用量投与時)は左記薬剤の尿酸排泄に拮抗する。
非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤
インドメタシン
ジクロフェナクナトリウム等
アスピリンとの併用により出血及び腎機能の低下を起こすことがある。
機序は不明。
イブプロフェン
ナプロキセン
ピロキシカム
スルピリン
アスピリンの血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告がある。
血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられている。
炭酸脱水酵素阻害剤
アセタゾラミド等
アセタゾラミドの副作用を増強し、嗜眠、錯乱等の中枢神経系症状、代謝性アシドーシス等を起こすことが報告されている。
アスピリンは血漿蛋白に結合したアセタゾラミドと置換し、遊離させる。
ドネペジル塩酸塩
アスピリンとの併用により消化性潰瘍を起こすことがある。
コリン系が賦活され胃酸分泌が促進される。
シクロスポリン
腎障害が発現することがある。
アスピリンと腎障害の副作用を相互に増強すると考えられている。
ザフィルルカスト
アスピリンとの併用によりザフィルルカストの血漿中濃度が上昇することがある。
機序は不明。
プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2受容体拮抗剤
ラマトロバン
セラトロダスト
ヒト血漿蛋白結合に対する相互作用の検討(in vitro)において、アスピリンにより左記薬剤の非結合型分率が上昇することがある。
左記薬剤がアスピリンと血漿蛋白結合部位で置換し、遊離型血中濃度が上昇すると考えられている。
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
フルボキサミンマレイン酸塩
塩酸セルトラリン等
皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症状(胃腸出血等)が報告されている。
SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、アスピリンとの併用により出血傾向が増強すると考えられている。
アルコール
消化管出血が増強されるおそれがある。
アルコールによる胃粘膜障害とアスピリンのプロスタグランジン合成阻害作用により、相加的に消化管出血が増強すると考えられている。
ジアゼパム
ジアゼパムの作用を増強する可能性がある。
ジアゼパムの代謝、排泄が遅延することがランソプラゾールの類薬(オメプラゾール)で報告されている。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)(いずれも頻度不明)
  2. 汎血球減少、無顆粒球症、再生不良性貧血、溶血性貧血、顆粒球減少、血小板減少、貧血(いずれも頻度不明)
  3. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがある。
  4. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剝脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)
  5. 間質性肺炎(頻度不明)
    発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  6. 尿細管間質性腎炎(頻度不明)
    急性腎障害に至ることもあるので、腎機能検査値(BUN、クレアチニン上昇等)に注意すること。
  7. 出血(頻度不明)
    脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがある。
  8. 喘息発作(頻度不明)
  9. 消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍(いずれも頻度不明)
    アスピリンにより下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔、狭窄・閉塞を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがある。
  10. 視力障害(頻度不明)

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
蕁麻疹、発疹、そう痒
浮腫、多形紅斑
皮膚
亜急性皮膚エリテマトーデス
肝臓
AST、ALT、Al-P、γ-GTPの上昇
LDHの上昇
血液
好酸球増多
貧血、血小板機能低下(出血時間延長)
消化器
便秘、下痢、腹部膨満感、口内炎、悪心#、大腸炎(collagenous colitis等注2)を含む)#
口渇#、腹痛#、胃部不快感#
嘔吐、胸やけ、食欲不振、カンジダ症、味覚異常、舌炎、口唇腫脹、胃腸障害、吐血、食道炎
精神神経系
頭痛、めまい
眠気、うつ状態、不眠、振戦、興奮
循環器
血圧低下、血管炎、心窩部痛
呼吸器
気管支炎、鼻炎
その他
結膜炎
腎障害#、舌・口唇のしびれ感#、難聴#
発汗、発熱、女性化乳房、倦怠感注3)、脱力感、四肢のしびれ感、角膜炎、かすみ目、耳鳴、筋肉痛、関節痛、脱毛、過呼吸注3)、代謝性アシドーシス注3)、低血糖注3)、低ナトリウム血症、低マグネシウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、総コレステロール、尿酸の上昇
注1)発現頻度は、アスピリンとランソプラゾールを併用した臨床試験又は製造販売後調査の結果に基づく(そのうち製造販売後調査は#)。その他の臨床試験や自発報告等で認められている副作用の頻度は不明としている。
注2)下痢が継続する場合、collagenous colitis等が発現している可能性があるため、速やかに本剤の投与を中止すること。腸管粘膜に縦走潰瘍、びらん、易出血等の異常を認めることがあるので、下血、血便が認められる場合には、適切な処置を行うこと。
注3)このような場合には投与を中止すること(アスピリンの血中濃度が著しく上昇していることが考えられる)。

過量投与

  1. 症状
    アスピリンでは、耳鳴、めまい、頭痛、嘔吐、難聴、軽度の頻呼吸等の初期症状から血中濃度の上昇に伴い、重度の過呼吸、呼吸性アルカローシス、代謝性アシドーシス、痙攣、昏睡、呼吸不全等が認められる。
  2. 処置
    催吐、胃洗浄、活性炭投与(ただし、催吐及び胃洗浄後)、輸液注入によるアシドーシス是正、アルカリ尿促進(ただし、腎機能が正常の場合)、血液透析、腹膜透析を必要に応じて行う。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 本剤は有核錠の外層に腸溶性の細粒を含み、内核も腸溶性であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用させること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. ランソプラゾールの長期投与中に良性の胃ポリープを認めたとの報告がある。
  2. ランソプラゾールの投与が胃癌による症状を隠蔽することがある。
  3. 低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発リスクは、ヘリコバクター・ピロリ感染陽性及び加齢により高まる可能性のあることが臨床試験により示唆されている。
  4. 海外における複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターによる治療において骨粗鬆症に伴う股関節骨折、手関節骨折、脊椎骨折のリスク増加が報告されている。特に、高用量及び長期間(1年以上)の治療を受けた患者で、骨折のリスクが増加した。
  5. 海外における主に入院患者を対象とした複数の観察研究で、プロトンポンプインヒビターを投与した患者においてクロストリジウム・ディフィシルによる胃腸感染のリスク増加が報告されている。
  6. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
非臨床試験に基づく情報
  1. ラットにランソプラゾールを52週間強制経口投与した試験で、50mg/kg/日群(臨床用量の約100倍)において1例に良性の精巣間細胞腫が認められている。さらに、24ヵ月間強制経口投与した試験で、15mg/kg/日以上の群において良性の精巣間細胞腫の発生増加が、また、5mg/kg/日以上の群において胃のカルチノイド腫瘍が認められており、加えて、雌ラットの15mg/kg/日以上及び雄ラットの50mg/kg/日以上の群において網膜萎縮の発生頻度の増加が認められている。精巣間細胞腫及び網膜萎縮については、マウスのがん原性試験、イヌ、サルの毒性試験では認められず、ラットに特有な変化と考えられる。
  2. In vitroの試験において、アスピリン等のグルクロン酸抱合により代謝される薬剤が抗ウイルス剤(ジドブジン)のグルクロン酸抱合を阻害したとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    〈アスピリン〉
    1. 健康成人24例(CYP2C19の遺伝子型がEM)にアスピリン/ランソプラゾールとして100mg/15mg(配合錠投与)又はアスピリン(腸溶錠)として100mg及びランソプラゾール(OD錠)として15mg(併用投与)をクロスオーバー法により朝食絶食下に1日1回投与した時のアスピリンの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは次のとおりである。
      Cmax
      (ng/mL)
      Tmax
      (h)
      AUC(0-inf)
      (ng・h/mL)
      T1/2
      (h)
      配合錠
      670.6±327.5
      4.0(1.0-9.5)
      910.2±345.4
      0.5±0.2
      単剤併用
      792.8±608.7
      4.5(1.0-9.5)
      994.3±510.1
      0.5±0.1
      n=24、平均値±標準偏差、※中央値(最小値-最大値)
    〈ランソプラゾール〉
    1. 健康成人230例(CYP2C19の遺伝子型がEM)にアスピリン/ランソプラゾールとして100mg/15mg(配合錠投与)又はアスピリン(腸溶錠)として100mg及びランソプラゾール(OD錠)として15mg(併用投与)をクロスオーバー法により朝食絶食下に1日1回投与した時のランソプラゾールの血漿中濃度推移及び薬物動態学的パラメータは次のとおりである。
      Cmax
      (ng/mL)
      Tmax
      (h)
      AUC(0-inf)
      (ng・h/mL)
      T1/2
      (h)
      配合錠
      457.1±163.8
      1.5(0.5-5.0)
      1,090±520.4
      1.2±0.4
      単剤併用
      406.8±149.0
      1.5(1.0-5.0)
      1,009±486.2
      1.2±0.4
      n=227、平均値±標準偏差、※中央値(最小値-最大値)

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人12例(CYP2C19の遺伝子型がEM)にアスピリン/ランソプラゾール配合錠として100mg/15mgを朝食開始30分後に投与した時、朝食絶食下投与と比較してアスピリンのCmaxは2%減少、AUCは7.1%減少、ランソプラゾールのCmaxは27.9%減少、AUCは10.7%減少した。

分布

  1. 蛋白結合
    アスピリンの代謝物である[14C]サリチル酸を250μg/mLの濃度でヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は約79%であった。また、[14C]ランソプラゾールを0.5μg/mLの濃度でヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は96.4%以上であった(in vitro)。

代謝

  1. アスピリンは主に消化管や肝臓で加水分解されサリチル酸に代謝され、サリチル酸はグルクロン酸抱合やグリシン抱合を受けて代謝される。
  2. ランソプラゾールは主にCYP2C19及びCYP3A4により代謝される。CYP2C19には遺伝多型が存在し、日本人をはじめとするアジア系のモンゴル人種では約10~20%がPMであると報告されている,

排泄

健康成人12例(CYP2C19の遺伝子型がEM)にアスピリン/ランソプラゾール配合錠として100mg/15mgを朝食絶食下又は朝食開始30分後に投与した時、24時間後の尿中排泄率はアスピリン及びサリチル酸として71.2~72.8%であった。また、ランソプラゾール代謝物の尿中排泄率は2.0~2.3%であり、ランソプラゾール未変化体は検出されなかった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈低用量アスピリン投与時におけるランソプラゾールの胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制〉
  1. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験)
    低用量アスピリン(1日81~324mg)の長期投与を必要とし、かつ胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往歴を有する成人患者を対象としたランソプラゾール群(1日1回15mg経口投与)と対照群との二重盲検比較対照試験の結果、中間解析時におけるKaplan-Meier法により推定した治療開始361日時点の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の累積発症率は、ランソプラゾール群9.5%(95%信頼区間:0.00~23.96)、対照群57.7%(95%信頼区間:29.33~85.98)であり、対照群に対するハザード比は0.0793(95%信頼区間:0.0239~0.2631)(logrank検定:p<0.00001)であった。また、最終解析時におけるKaplan-Meier法により推定した治療開始361日時点の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の累積発症率は、ランソプラゾール群3.7%(95%信頼区間:0.69~6.65)、対照群31.7%(95%信頼区間:23.86~39.57)であり、対照群に対するハザード比は0.0989(95%信頼区間:0.0425~0.2300)(logrank検定:p<0.0001)であった。
    最終解析時におけるKaplan-Meier法による胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の累積発症率
    上記、二重盲検比較試験後に非盲検下でランソプラゾールを継続あるいは対照群をランソプラゾールに切り替えて、1日1回15mgを24週間経口投与した長期継続投与試験において、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の発症は認められなかった。
    副作用発現頻度は16.2%(55/339例)であり、主な副作用は便秘4.1%(14例)、下痢3.2%(11例)であった。

薬効薬理

作用機序
〈アスピリン〉
  1. アスピリンは低用量で血小板シクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)活性を阻害することから、トロンボキサンA2の生成を抑制し血小板凝集能抑制作用を示す。このアスピリンの血小板COX-1に対する作用は不可逆的で血小板の寿命である7~10日間持続することから、アスピリンを反復投与すると血小板機能は累積的に抑えられ、血栓・塞栓形成の抑制作用を示す。
〈ランソプラゾール〉
  1. ランソプラゾールは胃粘膜壁細胞の酸生成部位へ移行した後、酸による転移反応を経て活性体へと構造変換され、この酸転移生成物が酸生成部位に局在してプロトンポンプとしての役割を担っているH,K-ATPaseのSH基と結合し、酵素活性を抑制することにより、酸分泌を抑制すると考えられる,,,

有効成分に関する理化学的知見

〈アスピリン〉
一般的名称
アスピリン(Aspirin)
化学名
2-Acetoxybenzoic acid
分子式
C9H8O4
分子量
180.16
性状
白色の結晶、粒又は粉末で、においはなく、僅かに酸味がある。エタノール(95)又はアセトンに溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けやすく、水に溶けにくい。水酸化ナトリウム試液又は炭酸ナトリウム試液に溶ける。湿った空気中で徐々に加水分解してサリチル酸及び酢酸になる。
化学構造式
〈ランソプラゾール〉
一般的名称
ランソプラゾール(Lansoprazole)
化学名
RS)-2-({[3-Methyl-4-(2,2,2-trifluoroethoxy)pyridin-2-yl]methyl}sulfinyl)-1H-benzimidazole
分子式
C16H14F3N3O2S
分子量
369.36
性状
白色~帯褐白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。N,N-ジメチルホルムアミド溶液(1→10)は旋光性を示さない。結晶多形が認められる。
化学構造式

包装

100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]、
140錠[14錠(PTP)×10、乾燥剤入り]

主要文献

1
社内資料:アスピリン/ランソプラゾール配合錠の薬物動態試験成績
2
社内資料:蛋白結合に関する検討
3
社内資料:ランソプラゾールの代謝に関する検討
4
千葉 寛:日薬理誌. 1998;112:15-21
5
Sugano K. et al.:J.Gastroenterol. 2011;46:724-735
6
社内資料:ランソプラゾールの臨床試験成績
7
グッドマン・ギルマン薬理書(第11版). 廣川書店;2007:1889-1890
8
Satoh H. et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther. 1989;248:806-815
9
Nagaya H. et al.:Jpn.J.Pharmacol. 1991;55:425-436
10
Nagaya H. et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther. 1989;248:799-805
11
Nagaya H. et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther. 1990;252:1289-1295

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