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閲覧履歴

エディロールカプセル0.75μg

骨粗鬆症治療剤(活性型ビタミンD3製剤)

1カプセル 51.9円

添付文書番号

3112006M1022_1_12

企業コード

450045

作成又は改訂年月

2023年1月改訂
(第4版)

日本標準商品分類番号

873112

薬効分類名

骨粗鬆症治療剤(活性型ビタミンD3製剤)

承認等

販売名

エディロールカプセル0.5μg

販売名コード

3112006M1022

販売名英字表記

EDIROL Capsules

販売名ひらがな

えでぃろーるかぷせる0.5μg

承認番号等

承認番号
22300AMX00416

販売開始年月

2011年4月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

エディロールカプセル0.75μg

販売名コード

3112006M2029

販売名英字表記

EDIROL Capsules

販売名ひらがな

えでぃろーるかぷせる0.75μg

承認番号等

承認番号
22300AMX00417

販売開始年月

2011年4月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

エルデカルシトール

禁忌(次の患者には投与しないこと)

妊婦、妊娠している可能性のある女性又は授乳婦

組成・性状

組成

エディロールカプセル0.5μg
有効成分
1カプセル中
エルデカルシトール0.5μg
添加剤
内容物:中鎖脂肪酸トリグリセリド、トコフェロール
カプセル:ゼラチン、D-ソルビトール、カラメル、酸化チタン
エディロールカプセル0.75μg
有効成分
1カプセル中
エルデカルシトール0.75μg
添加剤
内容物:中鎖脂肪酸トリグリセリド、トコフェロール
カプセル:ゼラチン、D-ソルビトール、カラメル

製剤の性状

エディロールカプセル0.5μg
剤形軟カプセル
色調茶白色不透明
外形
(球形)
直径
約6.6mm
質量
約164mg
エディロールカプセル0.75μg
剤形軟カプセル
色調茶褐色透明
外形
(球形)
直径
約6.6mm
質量
約164mg

効能又は効果

骨粗鬆症

効能又は効果に関連する注意

本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。

用法及び用量

通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。

用法及び用量に関連する注意

血清カルシウム値を定期的に測定し、高カルシウム血症を起こした場合には、直ちに休薬すること。休薬後は、血清カルシウム値が正常域まで回復した後に、1日1回0.5μgで投与を再開すること。なお、本剤1日1回0.5μg投与による骨折予防効果は確立していないため、漫然と投与を継続せず、患者の状態に応じ、1日1回0.75μgへの増量又は他剤による治療への変更を考慮すること。

重要な基本的注意

  1. 本剤投与中は血清カルシウム値を定期的(3~6カ月に1回程度)に測定し、異常が認められた場合には直ちに休薬し、適切な処置を行うこと。腎機能障害、悪性腫瘍、原発性副甲状腺機能亢進症等の高カルシウム血症のおそれのある患者では、投与初期に頻回に血清カルシウム値を測定するなど、特に注意すること。
  2. 高カルシウム血症に関連する症状(倦怠感、いらいら感、嘔気、口渇感、食欲減退、意識レベルの低下等)の発現が認められた場合は、血清カルシウム値を測定するなどして慎重に経過観察を行うこと。
  3. 尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者等においては、高カルシウム尿症により病態が悪化するおそれがあるため、尿中カルシウム値を定期的に測定し、高カルシウム尿症が認められた場合は休薬あるいは減量するなど、適切な処置を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 高カルシウム血症のおそれのある患者(悪性腫瘍のある患者、原発性副甲状腺機能亢進症の患者等)
    血清カルシウム値を更に上昇させるおそれがある。
  2. 尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者

腎機能障害患者

血清カルシウム値を更に上昇させ、高カルシウム血症となるおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重度の肝機能障害患者
    重度の肝機能障害患者は臨床試験では除外されている。

生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。やむを得ず投与する場合には、問診及び妊娠検査により妊娠していないことを確認すること。また、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。本剤投与中に妊娠が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットでは胎児の骨格異常及び出生児の腎臓の変化が0.125μg/kg/日(曝露量は臨床推奨用量での曝露量の6.8倍相当)で、出生児の外形異常(四肢、手根の異常)が0.5μg/kg/日(27.0倍相当)で認められている。ウサギでは外形異常(頭蓋裂、口蓋裂、矮小児)が0.3μg/kg/日で認められている。

授乳婦

授乳を避けさせること。ラットで、乳汁中へ移行することが報告されている。ラット出生前及び出生後の発生並びに母体の機能に関する試験において、出生児の腎臓の変化等が認められている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジギタリス製剤
ジゴキシン 等
高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれるおそれがある。
高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。
カルシウム製剤
乳酸カルシウム
炭酸カルシウム 等
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
ビタミンD及びその誘導体
アルファカルシドール
カルシトリオール 等
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
相加作用による。
PTH製剤
テリパラチド 等
PTHrP製剤
アバロパラチド酢酸塩
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
相加作用による。
マグネシウムを含有する製剤
酸化マグネシウム
炭酸マグネシウム 等
高マグネシウム血症があらわれるおそれがある。
他のビタミンD誘導体と同様に腸管でのマグネシウムの吸収を促進させると考えられる。
マグネシウムを含有する製剤
酸化マグネシウム
炭酸マグネシウム 等
ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがある。
血中マグネシウムの増加により代謝性アルカローシスが持続するため、尿細管でのカルシウム再吸収が増加する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 高カルシウム血症(1.5%注1)
  2. 急性腎障害(頻度不明)
    血清カルシウム上昇を伴った急性腎障害があらわれることがある。
  3. 尿路結石(0.9%)

その他の副作用

2%以上
2%未満
頻度不明
消化器
便秘、胃不快感、口渇、胃炎
嘔気、下痢、腹痛
精神神経系
浮動性めまい、味覚異常
肝臓
γ-GTP上昇、AST上昇、ALT上昇、LDH上昇
腎臓
クレアチニン上昇、BUN上昇、尿中血陽性、尿中蛋白陽性
代謝
尿中カルシウム増加(20.3%)、血中カルシウム増加(15.0%注2)
血中尿酸増加、Al-P上昇
血液
ヘモグロビン減少、白血球数減少、貧血、ヘマトクリット減少、赤血球数減少
皮膚
発疹、そう痒症
その他
耳鳴
浮腫
注1)補正血清カルシウム値が11.0mg/dLを超える場合を高カルシウム血症として集計
注2)補正血清カルシウム値が10.4mg/dLを超え11.0mg/dL以下の場合を集計

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 瓶入り包装品を分包する場合、服用時以外薬袋から薬を出さないよう、及び直接光の当たる場所に薬を置かないよう指導すること。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
ラット(SD)に2年間経口投与したがん原性試験において、副腎の褐色細胞腫、腎臓の尿細管腫瘍及び甲状腺のC細胞腫瘍の増加が、臨床推奨用量での曝露量の各々0.7、2.8及び7.0倍相当で認められている。これらの所見は血中カルシウム濃度の高値が長期間持続したことによると考えられた。

薬物動態

血中濃度

〈健康成人〉
  1. 単回投与
    健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき、血清中エルデカルシトール濃度は投与後3.4±1.2hにCmax99.8±12.7pg/mLに達した後、t1/253.0±11.4hで消失した。AUClastは3,947±580pg・h/mLであった(Mean±SD,n=31) 。

    0.75μg単回経口投与時の健康成人男性における薬物濃度推移
  2. 反復投与
    健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを1日1回14日間経口投与したとき、14回目投与時の血清中エルデカルシトール濃度は投与後6.0±2.8hにCmax243.5±28.2pg/mLに達した後、t1/248.7±4.9hで消失した。AUC24hは4,964±597pg・h/mLであった(Mean±SD,n=10) 。
    また、健康成人男性にエルデカルシトールとして0.1~1.0μgを1日1回15日間経口投与注1)したとき、血清中エルデカルシトール濃度は、いずれの投与量においても投与13日後には定常状態に達していた。定常状態における薬物動態パラメータは、Cmax、Cmin、AUC24hともに投与量に比例して増加し、t1/2は投与量によらず一定であり、エルデカルシトールの薬物動態は0.1~1.0μgの投与量の範囲内で線形であった 。
    反復投与により薬物動態パラメータに変化は認められなかった。
    注1)承認された用法及び用量は、「通常、成人にはエルデカルシトールとして1日1回0.75μgを経口投与する。ただし、症状により適宜1日1回0.5μgに減量する。」である。
〈原発性骨粗鬆症患者〉
  1. 反復投与
    原発性骨粗鬆症患者にエルデカルシトールとして0.5、0.75、1.0μgを1日1回48週間経口投与後注1)の定常状態における血清中エルデカルシトール濃度は、投与量の増加に伴い比例的に増加した 。
    定常状態時の血清中エルデカルシトール濃度
    投与群
    12週後
    24週後
    48週後
    合計注2)
    0.5μg
    238.1±80.9
    (n=49)
    249.7±64.4
    (n=48)
    246.0±136.3
    (n=44)
    244.5±96.8
    (N=141)
    0.75μg
    339.7±108.8
    (n=54)
    351.5±95.3
    (n=52)
    306.2±150.1
    (n=47)
    333.4±119.8
    (N=153)
    1.0μg
    514.3±674.5
    (n=53)
    469.9±135.2
    (n=51)
    401.3±140.2
    (n=45)
    465.0±417.1
    (N=149)
    (Mean±SD)
    血清中エルデカルシトール濃度の単位:pg/mL
    n:例数、N:集計に用いた測定ポイント数
    注2)投与12週後、24週後、48週後の集計

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したとき、薬物動態に食事の影響は認められなかった 。
    食事の有無における単回経口投与時の薬物動態パラメータ
    Cmax
    (pg/mL)
    AUClast
    (pg・h/mL)
    空腹時投与注3)
    100.42±11.02
    4,094±445
    食後投与注4)
    95.37±8.89
    3,879±577
    (Mean±SD,n=15)
    注3)10時間以上絶食後投与
    注4)食事摂取30分後投与

分布

  1. 母集団薬物動態解析
    健康成人男性、閉経後女性及び原発性骨粗鬆症患者の計882例において母集団薬物動態解析を実施した。見かけの分布容積は10.5Lであった 。
  2. 蛋白結合
    ヒト血清に1~100ng/mLの濃度範囲でエルデカルシトールを添加したときの蛋白結合率は94.2~96.2%であり濃度によらず一定であった 。また、蛋白結合率に性差は認められなかった(in vitro) 。

代謝

エルデカルシトールをラットに投与したとき、血漿中には主に未変化体が認められ、2位の3-hydroxypropyloxy基の脱離体及び24位の水酸化体も認められた 。ラット、イヌ、サル及びヒトの肝ミクロソームを用いた試験におけるエルデカルシトールの主代謝物は2位の3-hydroxypropyloxy基の脱離体及び3-hydroxypropyloxy基のアルコールの酸化体であり、種差は認められず 、エルデカルシトール主代謝酵素はヒト肝臓のCYPではなかった(in vitro) 。

排泄

健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μgを1日1回14日間経口投与したとき、エルデカルシトール及びその代謝物の尿中への排泄は認められなかった 。雄性ラットに3Hで標識したエルデカルシトールを単回経口投与したとき、投与7日後までに投与放射能の2.63%が尿中に、55.89%が糞中に排泄された 。

特定の背景を有する患者

  1. 肝機能障害患者における薬物動態
    肝機能障害患者10例(Child-Pugh分類 ClassA:8例、ClassB:2例)にエルデカルシトールとして0.75μgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、以下のとおりであった 。
    肝機能障害患者と健康成人男性における単回経口投与時の薬物動態パラメータ
    Cmax
    (pg/mL)
    AUClast
    (pg・h/mL)
    肝機能障害患者
    (Child-Pugh分類 ClassA)
    99.7±19.1
    3,622±731
    肝機能障害患者
    (Child-Pugh分類 ClassB)
    73.9
    (63.1,84.6)
    2,936
    (2,622, 3,250)
    健康成人男性
    99.8±12.7
    3,947±580
    Child-Pugh分類 ClassA:n=8、健康成人男性:n=31(Mean±SD)
    Child-Pugh分類 ClassB:n=2〔Mean(Min,Max)〕
  2. 腎機能及びその他の因子が薬物動態に及ぼす影響
    臨床試験から得られたクレアチニンクリアランス(CLcr) 、年齢 及び性別,,, ごとの血清中エルデカルシトールトラフ濃度を以下に示す。
    「16.3.1 母集団薬物動態解析」に示した母集団薬物動態解析 の結果、CLcr、体重、年齢及び性別は見かけの全身クリアランスに影響を与える因子ではなかった。
    臨床試験から得られたCLcr、年齢、性別の各分類の血清中エルデカルシトールトラフ濃度
    因子
    エルデカルシトール
    投与量、投与期間
    血清中エルデカルシトール
    トラフ濃度(pg/mL)
    (n=例数、N=測定ポイント数)
    CLcr(mL/min)注5)
    0.75μg
    144週間
    10以上30未満
    384.3±145.7(N=17)
    30以上60未満
    322.9±114.8(N=331)
    60以上70未満
    304.8±89.4(N=19)
    70以上
    254.2±81.6(N=15)
    年齢
    0.75μg
    144週間
    75歳未満
    302.3±101.0(N=232)
    75歳以上
    352.5±129.1(N=150)
    性別
    男性
    1.0μg注1)、15日間
    316.1±96.3注6)(n=6)
    男性
    1.0μg注1)、14日間
    289.6±114.1注7)(n=22)
    女性
    1.0μg注1)、12週間
    260.4±55.6注8)(N=80)
    (Mean±SD)
    注5)血清クレアチニン値を用いCockcroft-Gault法により算出
    注6)投与13、14、15日目及び15日目の投与後24時間の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出
    注7)投与13、14日目及び14日目の投与後24時間の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出
    注8)投与2、4、8、12週後の血清中エルデカルシトールトラフ濃度から算出

薬物相互作用

健康成人男性にエルデカルシトールとして0.75μg又はプラセボを1日1回14日間経口投与したとき、CYP3A4の基質であるシンバスタチン及びその代謝物の薬物動態パラメータの幾何平均の比(反復投与後/反復投与前)及び90%信頼区間は、以下のとおりであった 。
エルデカルシトールがシンバスタチン及びその代謝物の薬物動態に及ぼす影響
指標薬
投与群
幾何平均の比(反復投与後/反復投与前)
[90%信頼区間]
AUClast
Cmax
シンバスタチン
プラセボ
0.964
[0.6903−1.3468]
1.158
[0.8766−1.5306]
エルデカルシトール
0.848
[0.6743−1.0654]
0.809
[0.6669−0.9826]
シンバスタチン代謝物(オープンアシド体)
プラセボ
0.874
[0.7535−1.0136]
0.958
[0.7526−1.2185]
エルデカルシトール
0.929
[0.7178−1.2029]
0.894
[0.6302−1.2684]
(n=10)
ヒト肝細胞ならびにヒト肝ミクロソームを用いた検討において、エルデカルシトールによる臨床上薬物相互作用を惹起するCYPの誘導及び阻害は認められなかった(in vitro,

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第III相試験
    原発性骨粗鬆症患者1,054例(エルデカルシトール群528例うち男性9例、アルファカルシドール群526例うち男性15例)における無作為割付二重盲検群間比較試験において、主要評価項目である3年間の非外傷性新規椎体骨折発生頻度は、エルデカルシトール群(1日1回0.75μg)で13.4%、アルファカルシドール群(1日1回1.0μg)で17.5%であり(相対リスク減少率26%)、アルファカルシドールに対するエルデカルシトールの優越性が検証された[層化log-rank検定:P=0.0460(片側)]。また、3年間の非外傷性前腕骨骨折発生頻度は、エルデカルシトール群で1.1%、アルファカルシドール群で3.6%であり(相対リスク減少率71%)、有意差が認められた[層化log-rank検定:P=0.0048(片側)]。3年後の腰椎骨密度平均変化率は、エルデカルシトール群(1日1回0.75μg)で3.4%、アルファカルシドール群(1日1回1.0μg)で0.1%であり、アルファカルシドール群に比較して有意な骨密度増加効果を示した[Student t検定:P<0.001(両側)]。また、3年後の大腿骨骨密度平均変化率においても、エルデカルシトール群で0.4%、アルファカルシドール群で-2.3%であり、有意な骨密度増加効果を示した[Student t検定:P<0.001(両側)] 。
    骨折発生頻度と相対リスク減少率
    骨折発生頻度(3年間)注1)
    (n=有効性評価症例数)
    相対リスク
    減少率
    (P値注2)
    エルデカルシトール群
    (n=526)
    アルファカルシドール群
    (n=523)
    新規椎体骨折
    13.4%
    17.5%
    26%
    (P=0.0460)
    前腕骨骨折
    1.1%
    3.6%
    71%
    (P=0.0048)
    注1)Kaplan-Meier法による推定値
    注2)層化log-rank検定(片側)
    安全性評価対象例数であるエルデカルシトール群528例、アルファカルシドール群526例のうち、副作用は、エルデカルシトール群で227例(43.0%)、アルファカルシドール群で170例(32.3%)に認められた。発現率が5%以上であった副作用は血中又は尿中カルシウム増加であり、血中カルシウム増加はエルデカルシトール群で111例(21.0%)、アルファカルシドール群で69例(13.1%)、尿中カルシウム増加はエルデカルシトール群で134例(25.4%)、アルファカルシドール群で81例(15.4%)にみられた 。

薬効薬理

作用機序
エルデカルシトールは活性型ビタミンD3(カルシトリオール)の誘導体であり、以下のカルシトリオールとしての薬理学的特性を有する。
  • ヒト破骨前駆細胞に作用し破骨細胞の形成を抑制した(in vitro) 。
  • ラットにおいて、小腸でのカルシウム吸収促進(ex vivo) 及び血清カルシウム濃度の増加 が認められた。
  • クル病モデルラットにおいて、骨端軟骨幅指数の低下が認められた 。
  • 卵巣摘出ラットにおいて、骨代謝回転パラメータ値の低下が認められた 。
これらのことから、エルデカルシトールは、主に骨代謝回転を抑制して、骨密度及び骨強度を改善すると考えられる。
薬理作用
  1. 骨密度及び骨強度に対する作用
    1. 卵巣摘出ラットにエルデカルシトールを12カ月間反復経口投与した試験において、エルデカルシトール0.03μg/kg/日の投与は、卵巣摘出による腰椎及び大腿骨の骨密度減少並びに骨強度低下を有意に抑制した 。
    2. 卵巣摘出サルにエルデカルシトールを16カ月間反復経口投与した試験において、エルデカルシトール0.07μg/kg/日投与群の腰椎及び大腿骨骨密度は、卵巣摘出コントロール群を下回らなかった。また、骨強度を低下させるなどの悪影響は認められなかった 。
    3. 卵巣摘出ラット及びサルの骨密度と骨強度の間には正の相関が認められた。
  2. 骨組織像に及ぼす影響
    1. 卵巣摘出ラットにエルデカルシトール0.0075、0.015、0.03μg/kg/日を12カ月間反復経口投与した試験において、骨組織像に異常は認められなかった 。
    2. 卵巣摘出サルにエルデカルシトール0.0175、0.035、0.07μg/kg/日を16カ月間反復経口投与した試験において、骨組織像に異常は認められなかった 。
  3. 骨折治癒に及ぼす影響
    骨折モデルラットにおいて、エルデカルシトール0.015、0.05μg/kg/日の骨折手術前4週間、骨折手術後16週間の反復経口投与は骨折部位の形状及び力学的強度に影響を与えなかった 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エルデカルシトール(Eldecalcitol)(JAN)
化学名
(1R,2R,3R,5Z,7E)-2-(3-Hydroxypropyloxy)-9,10-secocholesta-5,7,10(19)-triene-1,3,25-triol
分子式
C30H50O5
分子量
490.72
性状
白色~淡黄色の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミド及びエタノール(99.5)に溶けやすく、クロロホルムにやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約132℃

取扱い上の注意

アルミピロー包装開封後又はバラ包装外箱開封後は遮光して保存すること。

包装

〈エディロールカプセル0.5μg〉
100カプセル(PTP10カプセル×10)
〈エディロールカプセル0.75μg〉
100カプセル(PTP10カプセル×10)
500カプセル(PTP10カプセル×50)
500カプセル(バラ、脱臭剤入り)

主要文献

1
製剤間のBE試験(ED-112JP)(2011年1月21日承認、CTD 2.7.1.2.4)
2
薬物相互作用試験(ED-111JP)(2011年1月21日承認、CTD 2.7.2.2.2.7)
3
第Ⅰ相反復投与試験(ED-71T-103)(2011年1月21日承認、CTD 2.7.2.2.2.2)
4
後期第Ⅱ相試験(ED007JP)(2011年1月21日承認、CTD 2.7.2.2.2.4)
5
統合母集団薬物動態解析(2011年1月21日承認、CTD 2.7.2.2.2.9)
6
血漿(血清)蛋白結合性(in vitro)(2011年1月21日承認、CTD 2.6.4.4.4)
7
血漿(血清)蛋白結合の性差(2011年1月21日承認、CTD 2.6.4.4.5)
8
in vivo代謝(ラット)(2011年1月21日承認、CTD 2.6.4.5.3)
9
in vitro代謝(2011年1月21日承認、CTD 2.6.4.5.2)
10
代謝関与酵素(2011年1月21日承認、CTD 2.6.4.5.4)
11
尿・糞中排泄(2011年1月21日承認、CTD 2.6.4.6.1)
12
肝機能障害患者での薬物動態試験(ED-301JP)(2011年1月21日承認、CTD 2.7.2.2.2.8)
13
第Ⅲ相試験(ED-209JP)(2011年1月21日承認、CTD 2.5.4.3, 2.7.4.2.1及び2.7.6.14)
14
反復投与でのBA試験(ED006JP)(2011年1月21日承認、CTD 2.7.1.2.3)
15
臨床薬理試験(ED008JP)(2011年1月21日承認、CTD 2.7.2.2.2.5)
16
反復投与時の薬物動態(2011年1月21日承認、CTD 2.7.2.3.2.2)
17
薬物代謝酵素誘導能(2011年1月21日承認、CTD 2.6.4.5.5)
18
CYP酵素に対する阻害作用(2011年1月21日承認、CTD 2.6.4.5.6)
19
薬理試験〈破骨細胞形成抑制活性(in vitro)〉(2011年1月21日承認、CTD 2.6.2.2.1.3)
20
薬理試験〈腸管からのカルシウム吸収促進作用(ラット)〉(2011年1月21日承認、CTD 2.6.2.2.1.4)
21
薬理試験〈血中カルシウム濃度及び尿中カルシウム排泄量に及ぼす影響(ラット)〉(2011年1月21日承認、CTD 2.6.2.2.1.5)
22
薬理試験〈抗クル病作用(ラット)〉(2011年1月21日承認、CTD 2.6.2.2.1.6)
23
薬理試験〈骨粗鬆症モデリング動物(OVXラット)の骨量減少に対する効果〉(2011年1月21日承認、CTD 2.6.2.2.4)
24
薬理試験〈骨粗鬆症リモデリング動物(OVXサル)の骨量減少に対する効果〉(2011年1月21日承認、CTD 2.6.2.2.5)
25
薬理試験〈骨折モデルラットの骨折治癒過程に及ぼす影響〉(2011年1月21日承認、CTD 2.6.2.2.6)

文献請求先及び問い合わせ先

中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
TEL:0120-189706
FAX:0120-189705
https://www.chugai-pharm.co.jp/

製造販売業者等

製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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