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プロスタンディン軟膏0.003%

プロスタグランジンE1製剤褥瘡、皮膚潰瘍治療剤

1g 40.4円

添付文書番号

2699705M1038_1_08

企業コード

180188

作成又は改訂年月

2020年9月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872699

薬効分類名

プロスタグランジンE1製剤褥瘡、皮膚潰瘍治療剤

承認等

販売名

プロスタンディン軟膏0.003%

販売名コード

2699705M1038

販売名英字表記

PROSTANDIN OINTMENT

承認番号等

承認番号
21700AMZ00622000

販売開始年月

1997年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

アルプロスタジル アルファデクス軟膏

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 重篤な心不全のある患者[心不全を増強させるおそれがある。]
  2. 出血(頭蓋内出血、出血性眼疾患、消化管出血、喀血等)している患者[出血を助長するおそれがある。]
  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

プロスタンディン軟膏0.003%
有効成分
(1g中)アルプロスタジル  30μg(0.003%)をアルプロスタジル アルファデクスとして含有する。
添加剤
ゲル化炭化水素(基剤)、乳糖水和物

製剤の性状

プロスタンディン軟膏0.003%

効能又は効果

褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍)

効能又は効果に関連する注意

熱傷潰瘍に本剤を使用する場合、本剤の対象は熱傷後の二次損傷により生じた熱傷潰瘍であるので、新鮮熱傷に対しては他の適切な療法を考慮すること。

用法及び用量

症状および病巣の大きさに応じて適量を使用する。
潰瘍周囲から潰瘍部にかけて消毒・清拭した後、1日2回、適量をガーゼなどにのばしてこれを潰瘍部に貼付するか、潰瘍部に直接塗布し、ガーゼなどで保護する。

用法及び用量に関連する注意

本剤による治療は保存的治療であることに留意し、約8週間以上使用しても症状の改善が認められない場合には、外科的療法等を考慮すること。

重要な基本的注意

  1. 本剤は原則として大量投与(1日塗布量として10gを超える)を避けること。しかし、大量投与する場合は、本剤の有効成分であるアルプロスタジル アルファデクスを全身的投与した場合と同様の症状が出現するおそれがあるので、血圧、脈拍等を観察しながら慎重に投与し、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置をとること。
  2. 潰瘍の改善に伴って形成される新生肉芽は、軽微な刺激により新生血管が損傷し、出血症状を招くことがあるので、ガーゼの交換等の処置は十分注意して行うこと。
  3. 褥瘡、皮膚潰瘍の創部では出血傾向が認められることがあるので、本剤を使用して出血傾向が増強した場合は、本剤の使用を中止すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心不全のある患者
    心不全を増強させるおそれがある。
  2. 重症糖尿病患者
    網膜症等、脆弱血管からの出血を助長するおそれがある。
  3. 出血傾向のある患者
    出血を助長するおそれがある。
  4. 胃潰瘍の合併症及び既往歴のある患者
    出血を助長するおそれがある。
  5. 抗血小板剤、血栓溶解剤、抗凝血剤を投与中の患者
  6. 緑内障、眼圧亢進のある患者
    動物実験(ウサギ)で眼圧上昇が報告されている。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。アルプロスタジルには子宮収縮作用が認められている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗血小板剤
アスピリン
チクロピジン
シロスタゾール
血栓溶解剤
ウロキナーゼ
抗凝血剤
ヘパリン
ワルファリン
出血傾向の増強をきたすおそれがある。
観察を十分に行い、用量を調節するなど注意すること。
本剤は血小板凝集能を抑制するため、類似の作用を持つ薬剤を併用することにより作用を増強することが考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1%以上
1%未満
頻度不明
使用部位
疼痛、刺激感
接触性皮膚炎、瘙痒、熱感、落屑、浮腫
出血、発赤、滲出液増加

適用上の注意

薬剤使用時の注意
  1. 本剤には抗菌作用はないので以下について注意すること。
    • 潰瘍面を消毒・清拭後、貼付又は塗布すること。
    • 感染があらわれた場合には、抗生物質を投与するなどの適切な処置を行い、経過を観察すること。
  2. 本剤には薬理作用上、壊死組織を積極的に融解する作用はないので、使用前に必要に応じ壊死組織を除去すること。
  3. 眼科用に使用しないこと。

薬物動態

吸収

角質剥離ラットに単回塗布したとき、投与部位皮膚内に広く分布するが、皮膚表面が最も高濃度で、深度が増すにつれて低下し、投与部位から徐々に吸収される。

分布

角質剥離ラットに単回塗布したとき、投与部位の皮膚内に多く残存するが、吸収されたものは腎臓及び肝臓に多く分布する。

代謝

角質剥離ラットに単回塗布したとき、皮膚、血漿中にPGE1、15-keto PGE1、13,14-dihydro-15-keto PGE1等が認められるが、皮膚組織中では未変化体が約50%であり、血漿中では約2%である。

排泄

角質剥離ラットに単回塗布したとき、24時間後で投与量の約60%は未吸収であり、糞中に雄で4.5%、雌で2.9%、尿中に雄で9.7%、雌で8.6%が排泄される。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 二重盲検比較試験において、褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍、術後潰瘍)に対する本剤の有用性が認められている。
  2. 二重盲検比較試験を含む臨床試験291例において、褥瘡、皮膚潰瘍に伴う自発痛、肉芽形成、潰瘍面積の縮小に効果が認められ、疾患別有効率は次のとおりである。
    疾患名
    有効率(%)
    (有効以上)
    褥瘡
    72.4%
    (55/76例)
    熱傷潰瘍
    88.6%
    (62/70例)
    糖尿病性潰瘍
    76.5%
    (39/51例)
    下腿潰瘍
    73.5%
    (36/49例)
    術後潰瘍
    88.9%
    (40/45例)

薬効薬理

作用機序
本剤は褥瘡、皮膚潰瘍の増悪・難治化の主な原因といわれている病変局所の循環障害を改善し、血管新生作用、表皮角化細胞増殖作用により肉芽形成及び表皮形成を促進する。
薬理作用
  1. 皮膚血流増加作用
    ラット後肢甲部において全身血圧に影響を及ぼすことなく皮膚血流量を増加させる。同様にウサギ耳介皮膚欠損創において皮膚血流量を増加させる。
  2. 血管新生促進作用
    培養ウシ大動脈血管内皮細胞にPGE1を添加すると血管内皮細胞の増殖を促進させる(in vitro)。また、ウサギ耳介動脈結紮による皮膚欠損創において血管新生及び肉芽組織の形成を促進させる。
  3. 表皮形成促進作用
    培養ヒト表皮角化細胞にPGE1を添加すると角化細胞増殖を促進させる(in vitro)。
  4. 創傷治癒促進作用
    1. 熱傷治癒促進作用
      ミニブタ背部熱傷による創傷の平均完治日数を短縮させる。
    2. 皮膚欠損創治癒促進作用
      ウサギ耳介動脈結紮による皮膚欠損創の創傷面積を縮小させる。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
アルプロスタジル アルファデクス(Alprostadil Alfadex)
化学名
7-{(1R,2R,3R)-3-Hydroxy-2-[(1E,3S)-3-hydroxyoct-1-en-1-yl]-5-oxocyclopentyl}heptanoic acid-α-cyclodextrin
分子式
C20H34O5xC36H60O30
分子量
354.48(アルプロスタジルとして)
性状
本品は白色の粉末である。
本品は水に溶けやすく、エタノール(95)、酢酸エチル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
化学構造式
融点
114~118℃(アルプロスタジルとして)

包装

10g(チューブ入)
30g(チューブ入)
10g(チューブ入)×10本
30g(チューブ入)×10本

主要文献

1
Chiang T. S. et al. : Arch. Ophthal. 1972;88:418-420
2
川崎晃義ほか:応用薬理 1979;17:859-880
3
樋口潤哉ほか:動物における薬物動態(社内資料)
4
今村貞夫ほか:臨床医薬 1993;9:2873-2893
5
小野薬品工業:〈褥瘡、皮膚潰瘍〉臨床成績集計(社内資料)
6
白地孝光ほか:西日本皮膚科 1994;56:499-507
7
松本亮二ほか:現代医療 1997;29(増Ⅲ):2234-2242
8
松本亮二ほか:Life Sciences 1993;53:893-900
9
杠 俊介ほか:Eur. J. Plast. Surg. 1999;22:225-229

文献請求先及び問い合わせ先

小野薬品工業株式会社 くすり相談室
〒541-8564 大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
電話 0120-626-190

製造販売業者等

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