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閲覧履歴

フロリードDクリーム1%

抗真菌剤

1g 11.4円

添付文書番号

2655702N1060_1_06

企業コード

790005

作成又は改訂年月

2021年6月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872655

薬効分類名

抗真菌剤

承認等

販売名

フロリードDクリーム1%

販売名コード

2655702N1060

販売名英字表記

FLORIDⓇ-D Cream 1%

販売名ひらがな

ふろりーどDくりーむ1%

承認番号等

承認番号
21800AMX10717000

販売開始年月

1981年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

一般的名称

ミコナゾール硝酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

フロリードDクリーム1%
有効成分
1g中 日局 ミコナゾール硝酸塩  10mg
添加剤
ポリオキシエチレンセチルエーテル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、軽質流動パラフィン、セタノール

製剤の性状

フロリードDクリーム1%
識別コードMO258
性状
白色のクリーム剤
におい
わずかに特異なにおい

効能又は効果

下記の皮膚真菌症の治療
  • 白癬:体部白癬(斑状小水疱性白癬、頑癬)、股部白癬(頑癬)、足部白癬(汗疱状白癬)
  • カンジダ症:指間びらん症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎、外陰カンジダ症、皮膚カンジダ症
  • 癜風

用法及び用量

1日2~3回患部に塗布する。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンカリウム
ワルファリンの作用を増強することがある(皮膚からの吸収はほとんど認められていないが、外国において、ワルファリンとの併用により出血を来した症例が報告されている)。
ミコナゾール硝酸塩がCYP3A及びCYP2C9を阻害することによると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
皮膚
発赤・紅斑、そう痒感、乾燥・亀裂、丘疹
接触性皮膚炎、びらん、刺激感、小水疱、落屑、腫脹等

適用上の注意

薬剤交付時の注意
本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
薬剤使用時の注意
眼科用として、角膜、結膜には使用しないこと。

薬物動態

吸収

健康人3例の正常皮膚に本剤1回0.5gを1日2回14日間連日塗布した結果並びに足部白癬患者4例の障害皮膚に本剤1回0.5gを1日2回14~21日間連日塗布したときの投与7日目の結果より、皮膚からの吸収はほとんど認められていない。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅱ/Ⅲ相試験及び一般臨床試験
    皮膚真菌症患者を対象に、本剤を1日2~3回塗布した二重盲検試験及び一般臨床試験(29施設、611例)の概要は次のとおりである。
    有効性解析対象560例における疾患名別の効果を下表に示した,,,,,,,,,,,
    疾患名
    真菌学的効果
    <真菌消失率>
    臨床効果注)
    <改善率>
    総合効果注)
    <有効率>
    白癬
    体部白癬
    89%(70/79例)
    98%(49/50例)
    88%(44/50例)
    股部白癬
    93%(63/68例)
    97%(37/38例)
    92%(35/38例)
    足部白癬
    75%(76/101例)
    92%(61/66例)
    82%(54/66例)
    カンジダ症
    指間びらん症
    96%(51/53例)
    100%(34/34例)
    97%(33/34例)
    間擦疹
    95%(72/76例)
    95%(73/77例)
    91%(70/77例)
    乳児寄生菌性紅斑
    96%(53/55例)
    96%(53/55例)
    95%(52/55例)
    爪囲炎
    77%(23/30例)
    80%(24/30例)
    77%(23/30例)
    外陰
    カンジダ症
    100%(20/20例)
    100%(20/20例)
    100%(20/20例)
    皮膚
    カンジダ症
    100%(28/28例)
    100%(28/28例)
    100%(28/28例)
    癜風
    89%(42/47例)
    96%(22/23例)
    96%(22/23例)
    注)二重盲検試験ではアナログスケールにより評価したため、集計から除外

薬効薬理

作用機序
ミコナゾール硝酸塩の抗菌作用,,、生化学的作用,及び超微形態学的作用を検討した結果、ミコナゾール硝酸塩は低濃度では主として膜系(細胞膜並びに細胞壁)に作用して、細胞の膜透過性を変化させることにより抗菌作用を示す。また、高濃度では細胞の壊死性変化をもたらし、殺菌的に作用する,,,,
抗菌作用
  1. 真菌に対する作用
    ミコナゾール硝酸塩は白癬の起因菌である白癬菌属、小胞子菌属、表皮菌属やカンジダ症の起因菌であるカンジダ属をはじめ、アスペルギルス属、クリプトコックス・ネオフォルマンス等の諸菌種に対しても強い抗真菌作用を有する,,
    各種真菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)は下表のとおりであった(in vitro)。
    菌種
    MIC(µg/mL)
    Trichophyton mentagrophytes
    0.16~0.63
    Trichophyton rubrum
    0.32
    Trichophyton violaceum
    0.08
    Microsporum audouinii
    1.25
    Microsporum gypseum
    0.63
    Candida albicans
    0.08~5
    Aspergillus fumigatus
    0.63~1.25
    Cryptococcus neoformans
    0.16~0.63
    培地:Bacto-Yeast Morphology agar
  2. 細菌に対する作用
    Heart infusion agar及びBrain-heart infusion agarを用いた実験では、グラム陽性菌に対するミコナゾール硝酸塩のMICは球菌、桿菌とも2.5~10µg/mLであり、特に嫌気性菌に対しては0.32~0.63µg/mLであるが、グラム陰性菌に対しては感受性は認められない(in vitro)。
感染治療実験
モルモットのT.mentagrophytes感染に対しミコナゾール硝酸塩の1%クリームを1日1回連日塗布すると、投与6日目から症状の消退が認められ、2週間後には組織内の菌は陰性化した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ミコナゾール硝酸塩(Miconazole Nitrate)
化学名
1-[(2RS)-2-(2,4-Dichlorobenzyloxy)-2-(2,4-dichlorophenyl)ethyl]-1H-imidazole mononitrate
分子式
C18H14Cl4N2O・HNO3
分子量
479.14
性状
白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)、アセトン又は酢酸(100)に溶けにくく、水又はジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
化学構造式
融点
約180℃(分解)

包装

チューブ:10g×20本、10g×100本

主要文献

1
福代良一 他:皮膚. 1979;21(3):325-339
2
斉藤文雄:基礎と臨床. 1979;13(4):317-322
3
渡辺 靖 他:基礎と臨床. 1979;13(4):327-334
4
山田 実 他:基礎と臨床. 1979;13(4):323-326
5
藤田恵一 他:基礎と臨床. 1979;13(4):335-340
6
山本一哉 他:基礎と臨床. 1979;13(4):345-348
7
富沢尊儀:基礎と臨床. 1979;13(4):341-344
8
亀田 洋 他:西日本皮膚科. 1979;41(5):986-987
9
田中道雄 他:西日本皮膚科. 1979;41(5):988-989
10
岡島晶子:基礎と臨床. 1979;13(4):349-351
11
眞崎治行 他:西日本皮膚科. 1979;41(5):983-985
12
古沢嘉衛:基礎と臨床. 1979;13(10):348-350
13
江川朝生 他:真菌と真菌症. 1977;18(1):65-72
14
Van Cutsem, J. M. et al.:Chemotherapy. 1972;17(6):392-404
15
青河寛次 他:産婦人科の世界. 1977;29(2):67-71
16
Van den Bossche, H.:Biochem. Pharmacol. 1974;23(4):887-899
17
Sreedhara Swamy, K. H. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1974;5(4):420-425
18
De Nollin, S. et al.:Sabouraudia. 1974;12(3):341-351
19
De Nollin, S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1975;7(5):704-711
20
Van den Bossche, H. et al.:Sabouraudia. 1975;13(1):63-73
21
江川朝生 他:真菌と真菌症. 1979;20(1):10-19

文献請求先及び問い合わせ先

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