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サレックス軟膏0.05%

副腎皮質ホルモン外用剤

1g 18.9円

添付文書番号

2646730M1032_1_12

企業コード

130202

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872646

薬効分類名

副腎皮質ホルモン外用剤

承認等

販売名

サレックス軟膏0.05%

販売名コード

2646730M1032

販売名英字表記

Salex Ointment 0.05%

販売名ひらがな

されっくすなんこう 0.05%

承認番号等

承認番号
21300AMZ00236

販売開始年月

2001年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬

販売名

サレックスクリーム0.05%

販売名コード

2646730N1038

販売名英字表記

Salex Cream 0.05%

販売名ひらがな

されっくすくりーむ 0.05%

承認番号等

承認番号
21300AMZ00237

販売開始年月

2001年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬

一般的名称

ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症、及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)
    [感染症及び動物性皮膚疾患症状を悪化させることがある。]
  2. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
  3. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎
    [穿孔部位の治癒が遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。]
  4. 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷
    [皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。]

組成・性状

組成

サレックス軟膏0.05%
有効成分
1g中
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル  0.5mg(0.05%)
添加剤
パラフィン、流動パラフィン、白色ワセリン
サレックスクリーム0.05%
有効成分
1g中
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル  0.5mg(0.05%)
添加剤
セタノール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、セトマクロゴール1000、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、プロピレングリコール、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤2成分、その他1成分

製剤の性状

サレックス軟膏0.05%
性状・剤形
白色~微黄色、半透明の油性の軟膏剤で、においはない。
本品1gに水10mLを加え、激しく振り混ぜるとき、混和しない。
サレックスクリーム0.05%
性状・剤形
白色~微黄白色のクリーム剤で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。
本品1gに水10mLを加え、激しく振り混ぜるとき、均等に白濁する。

効能又は効果

湿疹・皮膚炎群(手湿疹、進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬、虫さされ、薬疹・中毒疹、痒疹群(ストロフルス、じん麻疹様苔癬、結節性痒疹を含む)、紅皮症、紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)、ジベル薔薇色粃糠疹、掌蹠膿疱症、扁平紅色苔癬、慢性円板状エリテマトーデス、肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫)、特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑、シャンバーク病)、円形脱毛症、肥厚性瘢痕・ケロイド、悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む)、アミロイド苔癬、水疱症(天疱瘡群、ジューリング疱疹状皮膚炎・水疱性類天疱瘡)

効能又は効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

用法及び用量

通常、1日1~数回、適量を患部に塗布する。

重要な基本的注意

  1. 大量又は長期にわたる広範囲の使用[とくに密封法(ODT)]により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
  2. 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
  3. 症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。ラット・ウサギに皮下投与した動物実験で催奇形作用が報告されている ,, ,

小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害をきたすおそれがある。また、おむつは密封法と同様の作用があるので注意すること。

高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に高齢者では副作用があらわれやすい。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 眼圧亢進、緑内障、白内障(頻度不明)
    眼瞼皮膚への使用に際しては、眼圧亢進、緑内障、白内障を起こすおそれがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢下白内障等の症状があらわれるおそれがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
注意・処置
皮膚の感染症
皮膚の真菌症(カンジダ症、白癬等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎・癤等)
ウイルス感染症
密封法(ODT)の場合に起こり易い。このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には本剤の使用を中止すること。
その他の皮膚症状
ざ瘡(痤瘡様発疹、ステロイド痤瘡等)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイド潮紅等)
ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる)、紅斑、紫斑、多毛、色素脱失、色素沈着
魚鱗癬様皮膚変化
特に長期連用に際しては注意すること。このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること。
その他の皮膚症状
刺激感、湿疹(発赤、苔癬化、腫脹、糜爛等)
接触皮膚炎、皮膚乾燥、掻痒
過敏症
皮膚の刺激感、発疹等
下垂体・副腎皮質系機能
下垂体・副腎皮質系機能の抑制
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、きたすことがあるので注意すること。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
患者に化粧下、ひげそり後などに使用することのないよう注意すること。
薬剤投与時の注意
眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。

薬物動態

分布

ラットに3H-標識ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏を経皮投与したところ、塗布部の表皮及び真皮中に未変化体が高い割合で存在した(24時間後73%及び79%)。
また、組織内放射能濃度は投与後8時間から24時間に最高値を示し、肝、腎、副腎及び膀胱に高濃度認められた ,

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルクリームの全国延べ110施設にて実施された比較試験を含む臨床試験において、効果が判定された1,301例(軟膏650例、クリーム651例)の疾患別有効率は、下表のとおりであり軟膏85.4%(555/650)、クリーム83.7%(545/651)であった。
なお1,301例のうち、1,285例(98.8%)が単純塗布であった, , ,
疾患名
有効率(%)(かなり軽快以上/評価症例)
軟膏
クリーム
湿疹・皮膚炎群
91.9(171/186)
88.7(165/186)
乾癬
86.8(92/106)
81.3(87/107)
虫さされ
96.4(27/28)
100(31/31)
薬疹・中毒疹
96.8(30/31)
100(28/28)
痒疹群
93.5(29/31)
83.9(26/31)
紅皮症
93.3(14/15)
81.3(13/16)
紅斑症
100(23/23)
95.5(21/22)
ジベル薔薇色粃糠疹
100(23/23)
92.0(23/25)
掌蹠膿疱症
74.2(23/31)
69.0(20/29)
扁平紅色苔癬
93.8(15/16)
92.3(12/13)
慢性円板状エリテマトーデス
85.7(12/14)
71.4(10/14)
肉芽腫症
78.6(11/14)
72.7(8/11)
特発性色素性紫斑
88.5(23/26)
90.9(20/22)
円形脱毛症
44.4(12/27)
44.8(13/29)
肥厚性瘢痕・ケロイド
35.7(10/28)
64.3(18/28)
悪性リンパ腫
60.0(9/15)
70.6(12/17)
アミロイド苔癬
85.7(12/14)
78.9(15/19)
水疱症
86.4(19/22)
100(23/23)

薬効薬理

作用機序
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルは合成副腎皮質ステロイドであり、グルココルチコイド受容体を刺激することにより抗炎症作用を示す。
血管収縮作用
  1. 血管収縮試験
    健常成人男子を対象とした皮膚血管収縮試験において、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏、クリームの血管収縮作用は、ベタメタゾン吉草酸エステルより強く、ベタメタゾンジプロピオン酸エステルと同等またはそれ以上であった 。
  2. 生物学的同等性試験
    サレックス軟膏0.05%とアンテベート軟膏0.05%を、それぞれ健康成人男子28名に単回経皮投与し、皮膚毛細血管収縮試験を行い、皮膚毛細血管収縮反応により生じた皮膚蒼白化の程度を判定し、統計解析をした結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
    また、サレックスクリーム0.05%とアンテベートクリーム0.05%について同様の試験を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された 。
    4時間塗布後の血管収縮反応の陽性率(%)
    製剤\製剤除去後経過時間(hr)
    2
    4
    6
    24
    サレックス軟膏0.05%
    3.6
    10.7
    28.6
    0
    アンテベート軟膏0.05%
    3.6
    3.6
    21.4
    0
    サレックスクリーム0.05%
    3.6
    7.1
    7.1
    0
    アンテベートクリーム0.05%
    0
    7.1
    17.9
    0
皮膚毛細血管収縮反応の陽性率等は、被験者の選択、血管収縮反応の測定回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
抗炎症作用
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏、クリームは、ラットカラゲニン足浮腫、ラットクロトン油耳浮腫、ラット48時間受動性皮膚アナフィラキシー(PCA)反応等の各種実験炎症モデルに対して明らかな抗炎症作用を示し、その作用は、クロベタゾールプロピオン酸エステルに劣るものの、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル及びベクロメタゾンプロピオン酸エステルとほぼ同等であった ,
抗炎症作用と全身作用の分離
ラットろ紙及びクロトン油肉芽腫形成試験において、30%肉芽腫形成抑制用量と30%胸腺萎縮用量から求めたベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルの抗炎症作用と全身作用の分離度は、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、 ベタメタゾン吉草酸エステル及びベクロメタゾンプロピオン酸エステルのいずれよりも大きかった,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル
(Betamethasone Butyrate Propionate)
化学名
(+)-9-Fuloro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17-butyrate 21-propionate
分子式
C29H39FO7
性状
本品は白色の結晶性の粉末で、においはない。
クロロホルム又は1,4-ジオキサンに極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式

包装

〈サレックス軟膏0.05%〉
10本[5g(チューブ)×10]
50本[5g(チューブ)×50]
50本[10g(チューブ)×50]
500g[ボトル]
〈サレックスクリーム0.05%〉
10本[5g(チューブ)×10]
50本[5g(チューブ)×50]
50本[10g(チューブ)×50]
600g[ボトル]

主要文献

1
竹島 勉ほか:基礎と臨床.1990;24(11):5735-5746
2
竹島 勉ほか:基礎と臨床.1990;24(11):5747-5763
3
今井節夫ほか:基礎と臨床.1990;24(11):5765-5778
4
西条 敬ほか:基礎と臨床.1990;24(11):5779-5787
5
江角凱夫ほか:薬物動態.1990;5(6):883-902
6
江角凱夫ほか:薬物動態.1990;5(6):903-923
7
久木田淳ほか:臨床医薬.1990;6(7):1393-1405
8
久木田淳ほか:臨床医薬.1990;6(8):1693-1713
9
久木田淳ほか:臨床医薬.1990;6(9):1901-1918
10
久木田淳ほか:臨床医薬.1990;6(9):1919-1930
11
川島眞:臨床医薬.1990;6(8):1671-1681
12
岩城製薬株式会社 社内資料(生物学的同等性試験)
13
大森健守ほか:基礎と臨床.1990;24(11):5847-5861
14
大森健守ほか:基礎と臨床.1990;24(11):5863-5868
15
越山良子ほか:薬理と臨床.1993;3(9):1493-1500

文献請求先及び問い合わせ先

岩城製薬株式会社 マーケティング部 学術グループ
〒103-8434 東京都中央区日本橋本町4-8-2
TEL 03-6626-6251 FAX 03-6626-6261

製造販売業者等

製造販売元
岩城製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町4-8-2

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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