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アルメタ軟膏

皮膚外用合成副腎皮質ホルモン剤

1g 24.2円

添付文書番号

2646727M1022_2_04

企業コード

343018

作成又は改訂年月

2020年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872646

薬効分類名

皮膚外用合成副腎皮質ホルモン剤

承認等

販売名

アルメタ軟膏

販売名コード

2646727M1022

販売名英字表記

ALMETA Ointment

販売名ひらがな

あるめたなんこう

承認番号等

承認番号
16300AMZ00505000

販売開始年月

1988年5月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

アルクロメタゾンプロピオン酸エステル

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[これらの疾患が増悪するおそれがある。]
  2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  3. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある。]
  4. 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある。]

組成・性状

組成

アルメタ軟膏
1g中
有効成分
アルクロメタゾンプロピオン酸エステル  1mg
添加剤
流動パラフィン、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、白色ワセリン

製剤の性状

アルメタ軟膏
性状・剤形
微黄白色、半透明のなめらかな半固体である。(軟膏)

効能又は効果

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症を含む)、乾癬、痒疹群(ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む)、虫さされ、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、ジベル薔薇色粃糠疹、紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑)、薬疹・中毒疹、紅皮症、特発性色素性紫斑(シャンバーグ病、マヨッキー紫斑、紫斑性色素性苔癬様皮膚炎)、慢性円板状エリテマトーデス

効能又は効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

用法及び用量

通常、1日1~数回、適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ホルモン剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
  2. 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は、使用を中止すること。
  3. 症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対する、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。

小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。
また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。

高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障(頻度不明)
    眼瞼皮膚への使用に際しては眼圧亢進、緑内障を起こすことがある。
    大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢白内障等があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
皮膚の刺激感
発疹
皮膚
そう痒、接触皮膚炎
皮膚乾燥
皮膚の感染症注1)
細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎・せつ等)、真菌症(カンジダ症、白癬等)、ウイルス感染症
その他の皮膚症状注2)
ステロイドざ瘡、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、ステロイド潮紅・毛細血管拡張)、紫斑
ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑)、魚鱗癬様皮膚変化、多毛、色素脱失
下垂体・副腎皮質系
下垂体・副腎皮質系機能の抑制注3)
注1)このような症状があらわれた場合には、適切な抗菌剤、抗真菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、本剤の使用を中止すること。密封法(ODT)の場合に起こりやすい。
注2)長期連用により、このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ホルモンを含有しない薬剤に切り替えること。
注3)大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により発現した事象。投与中止により急性副腎皮質機能不全に陥る危険性があるため、投与を中止する際は患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
  1. 使用時
    化粧下、ひげそり後等に使用することのないよう注意すること。
  2. 使用部位
    眼科用として使用しないこと。

薬物動態

血中濃度

健康成人3例にアルクロメタゾンプロピオン酸エステル軟膏の30gを1回使用(24時間密封法)し、また健康成人5例に10g/日を5日間使用(20時間密封法/日)し、未変化体であるアルクロメタゾンプロピオン酸エステル及びその主代謝物の血漿中濃度をラジオイムノアッセイにより測定した。血漿中にはアルクロメタゾンプロピオン酸エステルはほとんど検出されなかった。塗布終了後の血漿中からの代謝物の消失は速やかで、薬剤除去48~72時間後には検出限界以下になった。

代謝

16.1に示した臨床試験にて血漿中のアルクロメタゾンプロピオン酸エステル及びその主代謝物を測定した。血漿中では大部分が代謝物として検出されたが、アルクロメタゾン17-プロピオン酸エステルが最も多く、アルクロメタゾン、アルクロメタゾン21-プロピオン酸エステルも検出された。

排泄

16.1に示した臨床試験にてアルクロメタゾンプロピオン酸エステル及びその主代謝物の尿中排泄量を測定した。尿中にはアルクロメタゾン17-プロピオン酸エステル及びアルクロメタゾンが検出されたが、累積排泄率は単回塗布で使用量の0.004%、連続塗布で0.01%であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    承認時における比較試験を含む臨床試験での有効性評価対象例は1090例であり、有効率は78.3%(854例)であった。
    表17-1 臨床成績
    疾患名
    有効例数/有効性評価対象例数
    密封法
    (ODT)例数
    有効率
    (%)
    湿疹・皮膚炎群注1
    426/508
    13
    83.9
    乾癬
    51/81
    63.0
    痒疹群注2
    40/54
    74.1
    虫さされ
    48/56
    85.7
    掌蹠膿疱症
    35/57
    18
    61.4
    扁平苔癬
    30/42
    4
    71.4
    ジベル薔薇色粃糠疹
    47/51
    92.2
    紅斑症注3
    40/47
    85.1
    薬疹・中毒疹
    48/53
    90.6
    紅皮症
    37/54
    68.5
    特発性色素性紫斑注4
    29/51
    56.9
    慢性円板状エリテマトーデス
    23/36
    4
    63.9
    注1:進行性指掌角皮症を含む集計
    注2:ストロフルス、蕁麻疹様苔癬、固定蕁麻疹を含む集計
    注3:多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑のみ集計
    注4:シャンバーグ病、マヨッキー紫斑、紫斑性色素性苔癬様皮膚炎を含む集計

薬効薬理

作用機序
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。
その作用機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制することで、2量体の受容体と結合した場合、リポコルチン等の誘導を介して、炎症を制御すると考えられている。免疫抑制作用に関しては、リンパ球に対する直接的な機能抑制、アポトーシスの誘導によると考えられている。
薬理作用
  1. 皮膚血管収縮試験
    健康成人18例を対象とする皮膚蒼白度試験(肉眼的判定)において、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル軟膏は0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏に比べて、1.25~2.85倍の皮膚血管収縮能を示した。
    表18-1 ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏の効力を1としたときのアルクロメタゾンプロピオン酸エステル軟膏の効力比
    判定基準
    塗布方法
    効力比
    蒼白度(+)のみを陽性とする
    密封法(ODT)
    2.08
    単純塗布
    1.70
    蒼白度(+)及び(±)を陽性とする
    密封法(ODT)
    2.85
    単純塗布
    1.25
  2. 各種炎症に対する作用
    1. マウスのクロトン油耳殻浮腫、ラットのカラゲニン足蹠浮腫、paper disk肉芽腫、アジュバント関節炎、ヒスタミン血管透過性の各炎症モデルに対して、アルクロメタゾンプロピオン酸エステルはヒドロコルチゾン酪酸エステルに比較して、強い局所抗炎症作用を示した。
    2. アルクロメタゾンプロピオン酸エステルは、ヒドロコルチゾン酪酸エステルとのマウス(クロトン油耳殻浮腫抑制作用)、ラット(paper disk肉芽腫抑制作用)での比較試験において、局所抗炎症作用が強く、主作用(局所抗炎症作用)と副作用(皮膚萎縮、全身作用)との乖離性が大きかった。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
アルクロメタゾンプロピオン酸エステル
(Alclometasone Dipropionate)(JAN)[局外規]
化学名
(+)-7α-Chloro-11β,17,21-trihydroxy-16α-methyl-1,4-pregnadiene-3,20-dione 17,21-dipropionate
分子式
C28H37ClO7
分子量
521.04
性状
白色の結晶性の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
アセトンにやや溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
190~216℃(分解)
分配係数
クロロホルム又は酢酸エチルとpH2~10の各pH緩衝液との2層間の平衡状態における分配比を測定した結果、すべてのpH域において水層には分配しない。

取扱い上の注意

高温条件下で軟膏基剤中の低融点物質(液体)が滲出すること(Bleeding現象)がある。

包装

10本[5g(チューブ)×10]
50本[5g(チューブ)×50]
50本[10g(チューブ)×50]
200g[瓶]

主要文献

1
Vermeer, B. J. et al. : Dermatologica. 1974; 149: 299-304〔197400151〕
2
Zugerman, C. et al. : Arch. Dermatol. 1976; 112: 1326〔197600145〕
3
社内資料: ヒトにおける経皮吸収〔198603106〕
4
塩野義製薬集計: 石橋康正ほか: 基礎と臨床. 1987; 21: 1551-1559〔198700366〕ほか
5
片山一朗: アレルギー. 2006; 55: 1279-1283〔201900450〕
6
石原勝: 基礎と臨床. 1986; 20: 6995-7002〔198601965〕
7
中村益久ほか: 応用薬理. 1986; 32: 715-732〔198602748〕

文献請求先及び問い合わせ先

塩野義製薬株式会社 医薬情報センター
〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
電話0120-956-734
FAX 06-6202-1541
https://med.shionogi.co.jp/

製造販売業者等

製造販売元
シオノギファーマ株式会社
大阪府摂津市三島2丁目5番1号
販売元
塩野義製薬株式会社
大阪市中央区道修町3丁目1番8号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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