医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

ナジフロキサシンローション1%「トーワ」

新キノロン系外用抗菌剤

1mL 22.3円

添付文書番号

2639700Q1063_1_02

企業コード

480235

作成又は改訂年月

2023年6月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872639

薬効分類名

新キノロン系外用抗菌剤

承認等

販売名

ナジフロキサシンローション1%「トーワ」

販売名コード

2639700Q1063

販売名英字表記

NADIFLOXACIN LOTION 1% “TOWA”

承認番号等

承認番号
22500AMX01137

販売開始年月

2005年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ナジフロキサシンローション

組成・性状

組成

ナジフロキサシンローション1%「トーワ」
有効成分
1mL中
有効成分
ナジフロキサシン…  10mg
添加剤
イソプロパノール、ヒプロメロース、水酸化ナトリウム、グリシン、乳酸ナトリウム

製剤の性状

ナジフロキサシンローション1%「トーワ」
剤形
色調淡黄色澄明

効能又は効果

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、アクネ菌
〈適応症〉
ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)

用法及び用量

本品の適量を1日2回、洗顔後、患部に塗布する。

用法及び用量に関連する注意

4週間で効果の認められない場合は使用を中止すること。また、炎症性皮疹が消失した場合には継続使用しないこと。

重要な基本的注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の適用にとどめること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

小児等

低出生体重児、新生児、乳児又は幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1%以上
頻度不明
皮膚
刺激感(10.6%)
そう痒感、発赤、潮紅、丘疹、顔面の熱感、接触皮膚炎、皮膚乾燥、ほてり感

適用上の注意

薬剤投与時の注意
皮膚のみに使用し、眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
誤って眼に入った場合は速やかに水でよく洗い流すこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
キノロン系合成抗菌剤の経口剤で光線過敏症が報告されている。
非臨床試験に基づく情報
微生物による復帰変異試験、チャイニーズハムスター由来培養細胞による遺伝子変異試験及び染色体異常試験は陰性であった。培養ヒト末梢血リンパ球による染色体異常試験は陽性であったが、マウスを用いる小核試験は陰性であった。また、光学異性体S(-)-ナジフロキサシンは染色体異常試験、小核試験において陽性であった。なお、他のニューキノロン剤でも染色体異常誘発性が認められるとの報告がある,,,

薬物動態

血中濃度

  1. 単回塗布
    健康成人男性6例の背部にナジフロキサシンローション1%10mLを単回塗布した時の血漿中濃度は各個体間で塗布後4時間から48時間までに最高血漿中濃度を示すなどバラツキが認められ、最高血漿中濃度は0.58~2.12ng/mLであった。
  2. 反復塗布
    健康成人男性6例の背部にナジフロキサシンローション1%5mLを1日2回、7日間反復塗布した時の血漿中濃度は3日目以降ほぼ一定となり、最終塗布後の血漿中濃度は塗布後6時間に最高値1.79ng/mLを示し、以後半減期66.1時間で減少した。

分布

ヒト血漿蛋白結合率は、75~81%であった(in vitro、限外ろ過法、0.05~5μg/mL)。

排泄

健康成人男性6例の背部にナジフロキサシンローション1%10mLを単回塗布した時の塗布後48時間までの尿中排泄率は0.031%であった。また、ナジフロキサシンローション1%5mLを1日2回、7日間反復塗布した時の最終塗布後の尿中排泄率は0.003%であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内一般臨床試験
    多発性炎症性皮疹を有する尋常性ざ瘡〔ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)〕患者172例を対象にナジフロキサシンローション1%を1日2回朝・夕、洗顔後、患部に4週間塗布した一般臨床試験における有効率(有効以上)は、84.4%(135/160例)であり、炎症性皮疹の減少及び炎症程度の改善が認められた。また、塗布前後で実施した細菌学的検査の結果、ナジフロキサシンローション1%に対する耐性化は認められなかった。副作用発現頻度は170例中18例(10.6%)であり、副作用は全例とも塗布時の刺激感であった。

その他

  1. 第Ⅰ相試験(皮膚刺激性)
    本邦パッチテスト研究班の基準に基づき、健康成人30例で上背部傍脊椎側の無傷皮膚表面にナジフロキサシンローション1%及び基剤を用いたクローズドパッチテスト並びに光パッチテストを実施した結果、ナジフロキサシンローション1%の皮膚刺激性の弱いこと、また、光過敏反応を示さないことが確認された。

薬効薬理

作用機序
細菌のDNAジャイレースに作用し、DNA複製を阻害することにより殺菌的に作用する。
抗菌スペクトラム
ナジフロキサシンはアクネ菌及び表皮ブドウ球菌を含む、好気性グラム陽性菌、陰性菌及び嫌気性菌に対し、強い抗菌力と広い抗菌スペクトラムを有し、その作用は殺菌的である。
ナジフロキサシンはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対し、MSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)と同様の強い抗菌力を示し、また、キノロン耐性MRSAに対しても良好な抗菌力を示し、既存のニューキノロン剤との間に交叉耐性はほとんど認められなかった(in vitro)。
動物モデルにおける抗菌活性
ナジフロキサシンローション1%はアクネ菌及び表皮ブドウ球菌を用いた実験的マウス皮膚感染症モデルに対し、ローション基剤よりも優れた治療効果を示した。また、ナジフロキサシンクリーム1%との生物学的同等性が確認された。
耐性
継代培養による耐性獲得試験において、既存のニューキノロン系の合成抗菌剤に比べ、耐性が獲得されにくいことが認められた。また、自然耐性菌の出現頻度は、10-8以下と低率であった(in vitro)。
薬力学的試験
マウスを用いた各菌種(Staphylococcus aureusStaphylococcus epidermidis及びPropionibacterium acnes)による皮膚感染症モデル(1群10匹)におけるナジフロキサシンローション1%「トーワ」とアクアチムローション1%(菌接種日は0.2mL×1回、その翌日からは0.2mL×2回)の感染部皮膚の生菌数を比較検討した。
その結果、いずれも有効な抗菌作用を示し、両剤の効果は生物学的に同等と判断された。,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ナジフロキサシン(Nadifloxacin)
化学名
(±)-9-fluoro-6,7-dihydro-8-(4-hydroxy-1-piperidyl)-
5-methyl-1-oxo-1H,5H-benzo[ij]quinolizine-2-
carboxylic acid
分子式
C19H21FN2O4
分子量
360.38
性状
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、アセトニトリル、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶けやすい。
化学構造式
融点
246~250℃(分解)

取扱い上の注意

他の容器に移す場合には、遮光すること。

包装

20mL×10本[ボトル]

主要文献

1
上出良一:皮膚科の臨床.1992;34(9)特32:1369-1377.
2
青儀 巧 ほか:医薬品研究.1990;21(4):626-635.
3
Takahashi,N.et al.:Arzneim-Forsh/Drug Res.1994;44(Ⅱ)(11):1265-1268.
4
前川健郎 ほか:変異原性試験.1993;2(3):154-161.
5
Shimada,H.et al.:Arzneim-Forsh/Drug Res.1992;42(Ⅰ) (3a):378-385.
6
由良明彦 ほか:薬理と治療.1998;26(4):577-587.
7
小池正己 ほか:医薬品研究.1990;21(5):998-1021.
8
原田昭太郎 ほか:西日本皮膚科.1998;60(3):364-371.
9
早川律子 ほか:皮膚.1998;40(2):165-171.
10
田中千賀子 ほか:NEW薬理学 改訂第7版 南江堂.2017:567
11
河端繁勝 ほか:Chemotherapy.1989;37(9):1160-1178.
12
山田博明 ほか:医薬品研究.2000;31(8):525-528.
13
社内資料:薬力学的試験(マウス:Staphylococcus aureus)
14
社内資料:薬力学的試験(マウス:Staphylococcus epidermidis)
15
社内資料:薬力学的試験(マウス:Propionibacterium acnes)

文献請求先及び問い合わせ先

東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
0120-108-932 FAX 06-7177-7379

製造販売業者等

製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL