添付文書番号
2616707Q3039_1_10
企業コード
800012
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
872616
薬効分類名
外用殺菌消毒剤
承認等
販売名
ヤクゾールE液0.1
販売名コード
販売名英字表記
Yakuzol E Solution
販売名ひらがな
やくぞーるEえき0.1
承認番号等
販売開始年月
貯法、有効期間
一般的名称
エタノール8%添加ベンザルコニウム塩化物0.1%液
組成・性状
組成
ヤクゾールE液0.1
有効成分 | 100mL中 濃ベンザルコニウム塩化物液50 0.190g ベンザルコニウム塩化物として 0.100g |
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添加剤 | エタノール(8vol%) |
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製剤の性状
ヤクゾールE液0.1
剤形・性状 | 無色澄明の液で、特異なにおいがある。 振ると強く泡立つ。 滅菌製剤 |
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効能又は効果
手指・皮膚の消毒
手術部位(手術野)の皮膚の消毒
医療機器の消毒
手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒
用法及び用量
〈手指・皮膚の消毒〉
通常石けんで十分に洗浄し、水で石けん分を十分に洗い落した後、ベンザルコニウム塩化物0.05~0.1%溶液に浸して洗い、滅菌ガーゼあるいは布片で清拭する。術前の手洗いの場合には、5~10分間ブラッシングする。
〈手術部位(手術野)の皮膚の消毒〉
手術前局所皮膚面をベンザルコニウム塩化物0.1%溶液で約5分間洗い、その後ベンザルコニウム塩化物0.2%溶液を塗布する。
〈医療機器の消毒〉
ベンザルコニウム塩化物0.1%溶液に10分間浸漬するか、または厳密に消毒する際は、器具を予め2%炭酸ナトリウム水溶液で洗い、その後ベンザルコニウム塩化物0.1%溶液中で15分間煮沸する。
〈手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒〉
ベンザルコニウム塩化物0.05~0.1%溶液を布片で塗布・清拭するか、または噴霧する。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤で消毒したカテーテルで採取した尿は、スルホサリチル酸法による尿蛋白試験で偽陽性を示すことがある。
適用上の注意
薬剤調製時の注意
本剤は、濃度に注意して使用すること。
炎症又は易刺激性の部位(陰股部等)に使用する場合には、正常の部位に使用するよりも低濃度とすることが望ましい。
希釈水溶液を調製する場合は、滅菌精製水を使用すること。
水や容器は微生物汚染を受けやすく、まれに消毒液に抵抗性を示す微生物が含まれることがあるので、本剤を取扱う容器類は常に清潔なものを使用し、希釈水溶液は、調製後直ちに使用すること。
繊維、布(綿、ガーゼ、ウール、レーヨン等)は本剤の成分であるベンザルコニウム塩化物を吸着するので、これらを溶液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下とならないように注意すること。
金属器具を長時間浸漬する必要がある場合には、腐食を防止するためにベンザルコニウム塩化物0.1%溶液に0.5~1.0%の亜硝酸ナトリウムを添加すること。
薬剤使用時の注意
経口投与しないこと。
眼に入らないよう注意すること。入った場合には水でよく洗い流すこと。
皮膚の刺激症状があらわれることがあるので、注意すること。
全身吸収による筋脱力を起こすおそれがあるので、炎症部位に長期間又は広範囲に使用しないこと。
密封包帯、ギプス包帯、パックに使用すると刺激症状があらわれることがあるので、使用しないことが望ましい。
血清、膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は、十分に洗い落としてから使用すること。
石けん類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石けん分を洗い落としてから使用すること。
皮膚消毒に使用する綿球、ガーゼ等は滅菌保存し、使用時に溶液に浸すこと。
合成ゴム製品、合成樹脂製品、光学器具、鏡器具、塗装カテーテル等を変質させることがあるので、注意すること。
皮革製品の消毒に使用すると、変質させることがあるので、使用しないこと。
吸引カテーテルの浸漬消毒に使用する本剤の溶液は、少なくとも毎日新しい溶液と取り換えること。
薬効薬理
作用機序
タンパク質変性及び酵素の切断、糖の分解と乳酸の酸化など代謝への作用、膜透過性障害による溶菌、リン及びカリウムの漏出、解糖の促進、原形質膜の活動を支える酵素に対する作用などが考えられている。
殺菌作用
グラム陽性、陰性菌のみならず、芽胞のない細菌やカビ類といった真菌類に対しても殺菌作用を有する。結核菌及び大部分のウイルスに対する殺菌効果は期待できない。
供試菌株に対するヤクゾールE液0.1の最小発育阻止濃度(MIC)及び最小殺菌濃度(MBC)は以下のとおりであった。
供試菌株 | MIC (μg/mL※) | MBC (μg/mL※) |
Staphylococcus aureus IFO 13276 | 3.9 | 15.6 |
Escherichia coli IFO 3972 | 31.3 | 31.3 |
Pseudomonas aeruginosa IFO 13275 | 125 | 125 |
Serratia marcescens IFO 3759 | 125 | 250 |
Burkholderia cepacia IFO 14595 | 125 | 125 |
Candida albicans IFO 1594 | 7.8 | 15.6 |
ベンザルコニウム塩化物耐性セラチアに対する消毒効果
ヤクゾールE液0.1、0.1%ベンザルコニウム塩化物水溶液(0.1%水溶液)はいずれも30秒以内に標準菌株を死滅させた。一方、0.1%水溶液との60分間の接触で生残した耐性獲得菌株に対し、ヤクゾールE液0.1は10分間の接触で生残菌数を約1000分の1に減少させ、30分間で完全に死滅させた。
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称
ベンザルコニウム塩化物(Benzalkonium Chloride)
化学名
Ammonium,alkyldimethyl(phenylmethyl)-,chloride
分子式
[C6H5CH2N(CH3)2R] Cl
R:C8H17~C18H37で主としてC12H25及びC14H29からなる
分子量
354.01(C22H40ClNとして)
性状
白色~黄白色の粉末又は無色~淡黄色のゼラチン状の小片、ゼリー様の流動体若しくは塊で、特異なにおいがある。
水又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
水溶液は振ると強く泡立つ。
化学構造式
R:C8H17~C18H37で主としてC12H25及びC14H29からなる
取扱い上の注意
開封時及び開封後は、微生物による汚染に注意すること。
本剤は滅菌製剤のため、開封後は速やかに使用すること。
包装
主要文献
1
第十八改正日本薬局方解説書.廣川書店.2021:C5320-C5324
2
ヤクハン製薬株式会社 社内資料:殺菌効果
3
ヤクハン製薬株式会社 社内資料:耐性菌消毒効果
文献請求先及び問い合わせ先
製造販売業者等