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閲覧履歴

トビエース錠4mg

過活動膀胱・神経因性膀胱治療剤

1錠 137.2円

添付文書番号

2590015G1021_2_05

企業コード

672212

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第4版)

日本標準商品分類番号

87259

薬効分類名

過活動膀胱・神経因性膀胱治療剤

承認等

販売名

トビエース錠4mg

販売名コード

2590015G1021

販売名英字表記

Toviaz Tablets

販売名ひらがな

とびえーすじょう4mg

承認番号等

承認番号
22400AMX01484

販売開始年月

2013年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

トビエース錠8mg

販売名コード

2590015G2028

販売名英字表記

Toviaz Tablets

販売名ひらがな

とびえーすじょう8mg

承認番号等

承認番号
22400AMX01485

販売開始年月

2013年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

フェソテロジンフマル酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 尿閉を有する患者[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
  2. 眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障の患者[眼圧の上昇を招き、症状が悪化するおそれがある。]
  3. 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者及び麻痺性イレウスのある患者[抗コリン作用により胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
  4. 胃アトニー又は腸アトニーのある患者[抗コリン作用により消化管運動が低下するため症状が悪化するおそれがある。]
  5. 重症筋無力症の患者[抗コリン作用により筋緊張の低下がみられ症状が悪化するおそれがある。]
  6. 重度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類C)
  7. 重篤な心疾患の患者[抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
  8. 本剤の成分あるいは酒石酸トルテロジンに対して過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

トビエース錠4mg
有効成分
1錠中
フェソテロジンフマル酸塩  4.0mg
添加剤
キシリトール、乳糖水和物、結晶セルロース、ヒプロメロース、グリセリン脂肪酸エステル、タルク、ポリビニルアルコール、酸化チタン、マクロゴール4000、大豆レシチン、青色2号アルミニウムレーキ
トビエース錠8mg
有効成分
1錠中
フェソテロジンフマル酸塩  8.0mg
添加剤
キシリトール、乳糖水和物、結晶セルロース、ヒプロメロース、グリセリン脂肪酸エステル、タルク、ポリビニルアルコール、酸化チタン、マクロゴール4000、大豆レシチン、青色2号アルミニウムレーキ

製剤の性状

トビエース錠4mg
剤形徐放錠
色調淡青色
外形
上面
側面
識別コードFS
トビエース錠8mg
剤形徐放錠
色調青色
外形
上面
側面
識別コードFT

効能又は効果

  • 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
  • 神経因性膀胱における排尿管理

効能又は効果に関連する注意

〈過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁〉
  1. 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌などの下部尿路における新生物等)があることに留意し、尿検査等により除外診断を実施すること。なお、必要に応じて専門的な検査も考慮すること。
  2. 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療を優先させること。
  3. 認知症、認知機能障害患者で過活動膀胱の自覚症状の把握が困難な場合は、本剤の投与対象とならない。
〈神経因性膀胱における排尿管理〉
  1. 本剤の薬理作用(排尿筋の収縮の抑制)を踏まえて、本剤投与の適否を判断すること。

用法及び用量

〈過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁〉
通常、成人にはフェソテロジンフマル酸塩として4mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じて1日1回8mgまで増量できる。
〈神経因性膀胱における排尿管理〉
通常、体重25kg超の小児にはフェソテロジンフマル酸塩4mgを開始用量として1日1回経口投与する。投与開始から1週間後以降に、患者の状態に応じて1日1回8mgまで増量できる。

用法及び用量に関連する注意

重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者、中等度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類B)、又は強力なチトクロムP450(CYP)3A4阻害薬を投与中の患者では、1日投与量はフェソテロジンフマル酸塩として4mgとし、8mgへの増量は行わないものとする。

重要な基本的注意

  1. 眼調節障害(霧視等)、めまい、眠気等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
  2. 本剤投与で効果が認められない場合、漫然と使用すべきではない。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者
    本剤投与前に残尿量測定を実施し、必要に応じて、専門的な検査をすること。投与後は残尿量の増加に注意し、十分な経過観察を行うこと。抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。
  2. 消化管運動が低下する危険性のある患者
    腸管の閉塞を招くおそれがある。
  3. 潰瘍性大腸炎の患者
    中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
  4. 眼圧が調整可能な閉塞隅角緑内障の患者
    眼圧の上昇を招き、症状が悪化するおそれがある。
  5. 狭心症等の虚血性心疾患のある患者
    抗コリン作用により頻脈が生じ、症状を増悪させるおそれがある。
  6. 甲状腺機能亢進症の患者
    抗コリン作用により、頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。
  7. パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者
    症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
  8. 認知症、認知機能障害のある患者
    抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者
    本剤の活性代謝物トルテロジン5-ヒドロキシメチル体(5-HMT)の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
  2. 腎障害のある患者(重度の腎障害のある患者を除く)
    活性代謝物5-HMTの血漿中濃度が上昇する可能性がある。

肝機能障害患者

  1. 重度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類C)
    投与しないこと。血中濃度が過度に上昇するおそれがある。
  2. 中等度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類B)
    活性代謝物5-HMTの血漿中濃度が上昇する可能性がある。
  3. 軽度の肝障害のある患者(Child-Pugh分類A)
    活性代謝物5-HMTの血漿中濃度が上昇する可能性がある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験において、臨床曝露量注)を超える高い血漿中濃度(AUCで6~27倍(マウス)及び3~11倍(ウサギ)、Cmaxで77倍(マウス)及び19倍(ウサギ))において軽度の胚・胎児毒性(吸収胚数の増大及びそれに関連した生存胎児数の減少並びに胎児の骨化遅延(ウサギのみ))が認められた。
注)臨床最大推奨用量でのCYP2D6の代謝酵素活性が欠損しているヒトにおける摂食下での曝露量(最も曝露量が高くなる条件)

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
フェソテロジンがヒトの乳汁中に移行するかは不明である。活性代謝物が同一である類薬トルテロジンでは、動物実験(マウス)で乳汁中への移行がわずかに認められている。

小児等

  1. 低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 体重が低いほど、本剤の活性代謝物5-HMTの血漿中濃度が上昇する可能性がある。

相互作用

本剤の代謝にはCYP2D6及びCYP3A4が関与している。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗コリン作用を有する薬剤
三環系抗うつ剤
フェノチアジン系薬剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。
抗コリン作用が増強されるおそれがある。
CYP3A4阻害薬
アタザナビル、クラリスロマイシン、インジナビル、イトラコナゾール、ネルフィナビル、リトナビル(ブースト療法における全てのリトナビル投与を含む)、サキナビル、テリスロマイシン等
活性代謝物5-HMTの血漿中濃度の上昇に伴い効果や副作用の増強が予想される。
併用薬剤の強力なCYP3A4阻害作用による。
CYP3A4誘導薬
フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン、フェノバルビタール等
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
活性代謝物5-HMTの血漿中濃度の低下に伴い効果が減弱する可能性がある。
これらの薬剤及びセイヨウオトギリソウのCYP3A4誘導作用による。
CYP2D6阻害薬
キニジン、パロキセチン等
活性代謝物5-HMTの血漿中濃度が上昇する可能性があることから、4mgから8mgへの増量に際しては患者の状況を十分に観察しながら慎重に行うこと。
併用薬剤の強力なCYP2D6阻害作用による。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 尿閉(2.0%)
  2. 血管性浮腫(頻度不明)
    顔面浮腫、口唇腫脹、舌腫脹、喉頭浮腫、咽頭腫脹、咽頭浮腫等があらわれることがある。
  3. QT延長(頻度不明)、心室性頻拍(頻度不明)、房室ブロック(頻度不明)、徐脈(頻度不明)

その他の副作用

10%以上
1~10%未満
0.3~1%未満
頻度不明
眼障害
眼乾燥
霧視
神経系障害
頭痛、めまい
傾眠、味覚異常
感覚鈍麻
精神障害
錯乱状態
心臓障害
心電図QT延長、頻脈、動悸注)
血管障害
高血圧
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
咽喉乾燥
鼻乾燥、咳嗽、口腔咽頭痛、鼻出血
肝胆道系障害
AST増加注)、ALT増加、γ-GTP増加
胃腸障害
口内乾燥(36.5%)
便秘、消化不良、腹痛、悪心、下痢
胃食道逆流性疾患、腹部不快感、腹部膨満、嘔吐、胃炎、鼓腸注)
腎及び尿路障害
排尿困難、尿路感染
膀胱炎、排尿躊躇、尿流量減少、残尿、尿失禁
皮膚及び皮下組織障害
皮膚乾燥、発疹、そう痒症
蕁麻疹、血管性浮腫
全身障害及び投与局所様態
CK増加、疲労、浮腫
注)発現頻度は0.3%未満であった

過量投与

  1. 症状
    重度の中枢性抗コリン作用(例、幻覚、重度の興奮)、痙攣、著しい興奮、呼吸不全、頻脈、尿閉、散瞳
  2. 処置
    胃洗浄及び活性炭の投与を行い、必要に応じて以下のような適切な処置を行うこと。
    1. 重度の中枢性抗コリン作用(例、幻覚、重度の興奮)に対してはネオスチグミンを投与する。
    2. 痙攣及び著しい興奮に対してはベンゾジアゼピン系薬剤を投与する。
    3. 呼吸不全に対しては人工呼吸を実施する。
    4. 頻脈に対してはβ遮断薬を投与する。
    5. 尿閉に対しては導尿を実施する。
    6. 散瞳に対してはピロカルピン点眼薬による治療を行うか、暗い部屋に移す。あるいは両方の処置を行う。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 湿気、高温を避けて保存し、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
  3. 本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、血中濃度が上昇するおそれがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男性に、本剤を用いてフェソテロジンフマル酸塩4、8及び16mg注)を単回経口投与した時の活性代謝物5-HMTの薬物動態パラメータを表に示す。本剤単回経口投与後、血漿中の5-HMT濃度は投与量にかかわらず約5時間で最高血漿中濃度(Cmax)に達し、見かけの消失半減期(t1/2)の平均値は約7~10時間であった。4、8及び16mg注)単回経口投与時のCmaxの平均値は2.68、5.65及び11.1ng/mL、血漿中濃度曲線下面積(AUC0-∞)の平均値は27.1、57.6及び116ng・h/mLであり、投与量に比例して増加した。
    日本人健康成人男性に本剤を用いてフェソテロジンフマル酸塩4、8及び16mg注)を単回経口投与した時の活性代謝物5-HMTの薬物動態パラメータ(n=8、平均値±標準偏差)
    薬物動態パラメータ
    4mg
    8mg
    16mg注)
    Cmax(ng/mL)
    2.68±1.18
    5.65±1.27
    11.1±2.56
    tmax(h)
    5.00
    (4.0-5.0)
    5.00
    (5.0-6.0)
    5.00
    (5.0-6.0)
    AUC0-∞(ng・h/mL)
    27.1±9.69
    57.6±16.3
    116±27.8
    t1/2(h)
    9.84±2.14
    9.55±1.81
    7.62±1.06
    tmaxは中央値(最小値-最大値)
    注)本剤の承認最大用量は1日1回8mgである。
  1. 反復投与
    健康成人男性に、フェソテロジンフマル酸塩4及び8mgを含有する本剤を24時間毎に反復経口投与した時の活性代謝物5-HMTの薬物動態パラメータを表に、平均血漿中濃度推移を図に示す。本剤4及び8mgを24時間毎に反復投与した時の5-HMTのCmaxの平均値は2.55及び3.77ng/mL、投与間隔での血漿中濃度曲線下面積(AUCτ)の平均値は25.7及び35.1ng・h/mLであり、投与量に伴って増加した。また、反復投与時のトラフ濃度は、投与開始48時間後には一定であり、血漿中5-HMT濃度は48時間以内に定常状態に達していると考えられた。
    日本人健康成人男性に本剤4及び8mgを1日1回5日間反復経口投与した時の活性代謝物5-HMTの薬物動態パラメータ(n=8、平均値±標準偏差)
    薬物動態パラメータ
    4mg
    8mg
    Cmax(ng/mL)
    2.55±1.19
    3.77±1.25
    tmax(h)
    5.0
    (2.0-5.0)
    5.0
    (5.0-5.0)
    AUCτ(ng・h/mL)
    25.7±11.9
    35.1±13.1
    t1/2(h)
    5.13±2.54
    4.86±1.69
    tmaxは中央値(最小値-最大値)
    a)初回投与後、b)第2日目~5日目の投与前値、c)最終投与後
    日本人健康成人男性に本剤4及び8mgを1日1回5日間反復経口投与した時の活性代謝物5-HMTの平均血漿中濃度推移(n=8)

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人男性に、絶食時及び高脂肪食摂取後に本剤8mgを単回経口投与した時、活性代謝物5-HMTのtmaxの中央値は絶食時、食後ともに5時間であった。絶食時と比較して、食後にCmaxは16%上昇したが、AUC36の上昇は10%であり、臨床上問題となる影響はないと考えられた。
  2. バイオアベイラビリティ
    外国人健康成人男性に本剤を経口投与した時、血漿中にフェソテロジンは定量されなかった(定量下限:0.02ng/mL)。フェソテロジンは経口投与後、非特異的エステラーゼによって速やかにかつそのほとんどが加水分解を受け活性代謝物に変換されると考えられる。フェソテロジン静脈内投与時に対する、本剤経口投与時の活性代謝物5-HMTのバイオアベイラビリティは52%である, (外国人データ)。

分布

活性代謝物5-HMTの血漿蛋白非結合率は約50%であり、主としてヒト血清アルブミンとα1-酸性糖蛋白に結合する。5-HMTを定速静脈内投与した時の定常状態の分布容積の平均値は169Lである, (外国人データ)。

代謝

本剤を経口投与後、フェソテロジンは速やかにかつそのほとんどが活性代謝物5-HMTに加水分解される。5-HMTはCYP2D6及びCYP3A4が関与する2つの主代謝経路を経てカルボキシ体、カルボキシ-N-脱イソプロピル体及びN-脱イソプロピル体に代謝される。CYP2D6の代謝酵素活性が欠損している人(PM)では代謝酵素活性が正常な人(EM)と比較して、5-HMTのCmax及びAUCはそれぞれ1.7倍及び2倍に増加した,,,,(外国人データ)。

排泄

活性代謝物5-HMTの排泄には主として肝代謝と腎排泄が関与している。本剤を経口投与後、投与量の約70%が尿中に回収され、その内訳は5-HMT(16%)、カルボキシ体(34%)、カルボキシ-N-脱イソプロピル体(18%)及びN-脱イソプロピル体(1%)であった。また、少量(7%)が糞中に回収された。5-HMT静脈内投与時の真の消失半減期は約4時間であり、本剤経口投与時のt1/2は約7時間であることから、製剤からの溶出が律速過程になっていると考えられる,,(外国人データ)。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害者
    軽度又は中等度の腎機能障害を有する人(クレアチニンクリアランス:30~80mL/min)に、本剤4mgを単回経口投与した時、活性代謝物5-HMTのCmax及びAUCは健康成人と比べてそれぞれ1.5倍及び1.8倍まで増加した。重度の腎機能障害を有する人(クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)では、Cmax及びAUCがそれぞれ2.0倍及び2.3倍に増加した(外国人データ)。
  2. 肝機能障害者
    中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する人に本剤8mgを単回経口投与した時、活性代謝物5-HMTのCmax及びAUCは健康成人と比べてそれぞれ1.4倍及び2.1倍に増加した(外国人データ)。
  3. 年齢及び性差
    健康非高齢男性(21~36歳)、健康高齢男性(65歳以上)及び健康高齢女性(65歳以上)に本剤8mgを単回経口投与した時、体重で補正した活性代謝物5-HMTのCmax及びAUCは3群で同様であった(外国人データ)。
  4. 小児
    体重25kg超の小児神経因性排尿筋過活動患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験で得られた血漿中濃度を用いて母集団薬物動態解析を実施したところ、本剤4mg群及び本剤8mg群での活性代謝物5-HMTの定常状態における薬物動態パラメータ(推定値)[幾何平均値(%CV)]は以下の表の通りであった。
    国際共同第Ⅲ相試験の本剤4mg群及び8mg群での活性代謝物5-HMTの定常状態における薬物動態パラメータ(推定値)[幾何平均値(%CV)]
    投与群
    症例数
    Cmax,ss(ng/mL)
    AUCτ,ss(ng・h/mL)
    本剤4mg群注1)
    32
    4.88(48.2)
    59.1(51.7)
    本剤8mg群注2)
    39
    8.47(41.6)
    103(46.2)
    Cmax,ss:定常状態時の最高血漿中濃度
    AUCτ,ss:定常状態時の投与間隔における血漿中濃度曲線下面積
    注1)本剤4mg/日を反復経口投与
    注2)本剤4mg/日を反復経口投与、1週間後に8mg/日に増量して反復経口投与

薬物相互作用

  1. ケトコナゾール(CYP3A4阻害薬)
    ケトコナゾール200mg1日2回投与と本剤8mgを併用投与した時、CYP2D6のEMでは活性代謝物5-HMTのCmax及びAUCはそれぞれ2.0倍及び2.3倍に増加した。CYP2D6のPMではCmax及びAUCはそれぞれ2.1倍及び2.5倍に増加した(外国人データ)。
  2. リファンピシン(CYP3A4誘導薬)
    リファンピシン600mg1日1回投与と本剤8mgを併用投与した時、活性代謝物5-HMTのCmax及びAUCはそれぞれ約70%及び75%減少した。t1/2に変化はみられなかった(外国人データ)。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁〉
  1. 国際共同第Ⅱ相試験
    日本を含むアジアで実施された過活動膀胱患者を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験では、本剤4mg、8mgあるいはプラセボを1日1回12週間投与し、有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である24時間あたりの平均切迫性尿失禁回数の変化量、副次評価項目である24時間あたりの平均排尿回数の変化量及び24時間あたりの平均尿意切迫感回数の変化量に関して本剤4mg群、8mg群ともプラセボ群に比し統計的に有意な減少が認められた。また、プラセボ群に比べ本剤で多く発現した因果関係を否定できない主な有害事象は、口内乾燥、便秘、膀胱炎、排尿困難、残尿であり、その多くは軽度あるいは中等度であった,
    最終評価時(12週後)の24時間あたりの平均切迫性尿失禁回数の変化量
    投与群
    症例数
    投与前
    12週後(投与前からの変化量)
    平均値
    (標準偏差)
    最小二乗平均値
    最小二乗平均のプラセボ群との差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    プラセボ
    309
    2.24
    (1.872)
    -1.01
    -
    -
    -
    フェソテロジン4mg/日
    314
    2.23
    (1.814)
    -1.35
    -0.34
    -0.56
    -0.13
    フェソテロジン8mg/日
    306
    2.26
    (1.788)
    -1.40
    -0.39
    -0.60
    -0.17
    最終評価時(12週後)の24時間あたりの平均排尿回数の変化量
    投与群
    症例数
    投与前
    12週後(投与前からの変化量)
    平均値
    (標準偏差)
    最小二乗平均値
    最小二乗平均のプラセボ群との差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    プラセボ
    309
    11.13
    (2.494)
    -0.59
    -
    -
    -
    フェソテロジン4mg/日
    314
    11.32
    (2.576)
    -1.15
    -0.56
    -0.91
    -0.22
    フェソテロジン8mg/日
    306
    11.36
    (2.560)
    -1.25
    -0.66
    -1.01
    -0.32
    最終評価時(12週後)の24時間あたりの平均尿意切迫感回数の変化量
    投与群
    症例数
    投与前
    12週後(投与前からの変化量)
    平均値
    (標準偏差)
    最小二乗平均値
    最小二乗平均のプラセボ群との差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    プラセボ
    309
    5.05
    (3.406)
    -1.00
    -
    -
    -
    フェソテロジン4mg/日
    314
    4.81
    (3.123)
    -1.65
    -0.65
    -1.07
    -0.22
    フェソテロジン8mg/日
    306
    5.01
    (3.538)
    -1.66
    -0.66
    -1.09
    -0.23
    因果関係を否定できない主な有害事象a)
    プラセボ群
    フェソテロジン4mg/日
    フェソテロジン8mg/日
    評価例数
    318
    320
    313
    有害事象発現例数(%)
    因果関係を否定できない有害事象
    81(25.5)
    150(46.9)
    192(61.3)
    口内乾燥
    29(9.1)
    89(27.8)
    155(49.5)
    便秘
    14(4.4)
    16(5.0)
    33(10.5)
    排尿困難
    0
    2(0.6)
    13(4.2)
    膀胱炎
    3(0.9)
    11(3.4)
    3(1.0)
    残尿
    5(1.6)
    7(2.2)
    2(0.6)
    例数(%)
    a)いずれかの投与群で2%以上の被験者に認められた事象
  2. 海外第Ⅲ相試験
    外国で実施された過活動膀胱患者を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験では、本剤4mg、8mgあるいはプラセボを1日1回12週間投与し、有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である24時間あたりの平均切迫性尿失禁回数の変化量及び24時間あたりの平均排尿回数の変化量、副次評価項目である24時間あたりの平均尿意切迫感回数の変化量に関して本剤4mg群、8mg群ともプラセボ群に比し統計的に有意な減少が認められた。また、プラセボ群に比べ本剤で多く発現した因果関係を否定できない主な有害事象は、口内乾燥、便秘、眼乾燥であり、その多くは軽度あるいは中等度であった。
    最終評価時(12週後)の24時間あたりの平均切迫性尿失禁回数の変化量
    投与群
    症例数
    投与前
    12週後 (投与前からの変化量)
    平均値
    (標準偏差)
    最小二乗平均値
    最小二乗平均のプラセボ群との差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    プラセボ
    205
    3.7
    (3.33)
    -0.96
    -
    -
    -
    フェソテロジン4mg/日
    228
    3.9
    (3.51)
    -1.65
    -0.69
    -1.14
    -0.24
    フェソテロジン8mg/日
    218
    3.9
    (3.32)
    -2.28
    -1.32
    -1.78
    -0.87
    最終評価時(12週後)の24時間あたりの平均排尿回数の変化量
    投与群
    症例数
    投与前
    12週後(投与前からの変化量)
    平均値
    (標準偏差)
    最小二乗平均値
    最小二乗平均のプラセボ群との差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    プラセボ
    266
    12.2
    (3.66)
    -1.08
    -
    -
    -
    フェソテロジン4mg/日
    267
    12.9
    (3.86)
    -1.61
    -0.53
    -1.02
    -0.04
    フェソテロジン8mg/日
    267
    12.0
    (3.31)
    -2.09
    -1.01
    -1.50
    -0.52
    最終評価時(12週後)の24時間あたりの平均尿意切迫感回数の変化量
    投与群
    症例数
    投与前
    12週後(投与前からの変化量)
    平均値
    (標準偏差)
    最小二乗平均値
    最小二乗平均のプラセボ群との差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    プラセボ
    266
    11.4
    (3.77)
    -0.79
    -
    -
    -
    フェソテロジン4mg/日
    267
    12.5
    (4.05)
    -1.91
    -1.13
    -1.67
    -0.59
    フェソテロジン8mg/日
    267
    11.6
    (3.72)
    -2.30
    -1.52
    -2.05
    -0.98
    因果関係を否定できない主な有害事象b)
    プラセボ群
    フェソテロジン4mg/日
    フェソテロジン8mg/日
    評価例数
    271
    282
    279
    有害事象発現例数(%)
    因果関係を否定できない有害事象
    52(19.2)
    83(29.4)
    130(46.6)
    口内乾燥
    19(7)
    45(16)
    97(35)
    便秘
    7(3)
    14(5)
    18(7)
    眼乾燥
    0
    2(1)
    9(3)
    頭痛
    7(3)
    7(3)
    6(2)
    例数(%)
    b)いずれかの投与群で2%以上の被験者に認められた事象
  3. 国内長期投与試験
    国内で実施された過活動膀胱患者を対象とした非盲検長期投与試験では、52週間投与による有効性及び安全性を検討した。本剤4mg(1日1回投与)から投与を開始し、投与4週時点で8mg/日へ増量可能とした。また、投与8週時点で8mg/日から4mg/日へ減量可能とした。24時間あたりの平均切迫性尿失禁回数の変化量、24時間あたりの平均排尿回数の変化量及び24時間あたりの平均尿意切迫感回数の変化量に関して改善の大部分は投与8週後までに認められ、その後、投与52週後まで効果は持続した,
    24時間あたりの平均切迫性尿失禁回数の変化量
    投与時期
    症例数
    平均値
    標準偏差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    実測値
    投与前
    101
    1.6
    1.48
    -
    -
    投与前からの変化量
    投与8週後
    100
    -1.15
    1.293
    -1.40
    -0.89
    投与52週後(LOCF)
    101
    -1.35
    1.521
    -1.65
    -1.05
    LOCF:Last observation carried forward法
    24時間あたりの平均排尿回数の変化量
    投与時期
    症例数
    平均値
    標準偏差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    実測値
    投与前
    150
    11.3
    2.85
    -
    -
    投与前からの変化量
    投与8週後
    148
    -2.11
    1.946
    -2.42
    -1.79
    投与52週後(LOCF)
    150
    -2.49
    2.172
    -2.84
    -2.14
    LOCF:Last observation carried forward法
    24時間あたりの平均尿意切迫感回数の変化量
    投与時期
    症例数
    平均値
    標準偏差
    両側95%
    信頼区間
    下限
    上限
    実測値
    投与前
    150
    4.5
    3.40
    -
    -
    投与前からの変化量
    投与8週後
    148
    -2.44
    2.194
    -2.80
    -2.08
    投与52週後(LOCF)
    150
    -2.61
    2.885
    -3.08
    -2.15
    LOCF:Last observation carried forward法
    因果関係を否定できない主な有害事象c)
    全体
    評価例数
    152
    因果関係を否定できない有害事象
    102(67.1)
    合計
    軽度
    中等度
    重度
    口内乾燥
    77(50.7)
    68
    9
    0
    便秘
    16(10.5)
    15
    1
    0
    排尿困難
    6(3.9)
    5
    1
    0
    胃炎
    5(3.3)
    4
    1
    0
    下痢
    4(2.6)
    4
    0
    0
    浮動性めまい
    4(2.6)
    3
    1
    0
    尿流量減少
    4(2.6)
    4
    0
    0
    ALT増加
    3(2.0)
    2
    1
    0
    AST増加
    3(2.0)
    3
    0
    0
    例数(%)
    c)投与群全体で2%以上の被験者に認められた事象
〈神経因性膀胱における排尿管理〉
  1. 国際共同第Ⅲ相臨床試験(A0221047試験)
    日本人を含む小児神経因性排尿筋過活動患者(年齢6歳~17歳)を対象とした無作為化、非盲検、並行群間比較試験で、体重25kgを超える被験者における本剤4mg及び8mgの有効性及び安全性を検討した。12週間の有効性評価期間と12週間の安全性評価延長期間の2つのパートで構成した。なお、本剤8mg群の開始用量は4mg/日とし、1週間後に8mg/日に増量した。
    主要評価項目である投与12週目の最大膀胱容量(膀胱内圧検査における最大膀胱容量、又は排尿/尿失禁開始時若しくは40cmH2O時の容量)のベースラインからの変化量(全体集団及び日本人集団)を以下に示す。
    有効性評価期間及び安全性評価延長期間の両期間ともに本剤の投与を受けた症例(本剤4mg群30例、及び本剤8mg群37例)における主な副作用は、口内乾燥(10.0%、10.8%)、便秘(3.3%、8.1%)、下痢(3.3%、0%)及び腹痛(0%、2.7%)であった。
    投与12週目の最大膀胱容量のベースラインからの変化量(mL、全体集団)
    投与群
    症例数
    投与前
    12週後(投与前からの変化量)
    最大膀胱容量の
    平均値
    (標準偏差)
    最小二乗平均値注1,2)
    (標準誤差)
    95% CI
    P値注3)
    本剤4mg群
    41
    195.1
    (100.75)
    58.12
    (14.78)
    (28.84,87.39)
    0.0001
    本剤8mg群
    41
    173.3
    (104.45)
    83.36
    (14.71)
    (54.22,112.49)
    <0.0001
    注1)投与群を因子とし、最大膀胱容量のベースライン値及び体重のベースライン値を共変量とした共分散分析
    注2)LOCF(Last observation carried forward)法を適用した
    注3)有意水準両側0.05、投与群毎の検定の多重性は調整されていない
    投与12週目の最大膀胱容量のベースラインからの変化量(mL、日本人集団)
    投与群
    症例数
    投与前
    12週後(投与前からの変化量)
    最大膀胱容量の
    平均値
    (標準偏差)
    最小二乗平均値注1,2)
    (標準誤差)
    95% CI
    本剤4mg群
    10
    193.4
    (93.68)
    51.72
    (25.23)
    (-0.74,104.18)
    本剤8mg群
    10
    197.1
    (85.88)
    85.98
    (25.32)
    (33.32,138.64)
    注1)投与群を因子とし、最大膀胱容量のベースライン値及び体重のベースライン値を共変量とした共分散分析
    注2)LOCF(Last observation carried forward)法を適用した

その他

  1. QT間隔に対する影響
    本剤の定常状態における心電図に対する影響を検討することを目的として、二重盲検下で健康被験者に本剤4mg/日又は28mg/日注)、モキシフロキサシン400mg/日又はプラセボを3日間投与した。モキシフロキサシン400mg/日投与後にはQTc間隔の延長(3日目の時間平均QTcFの延長:8.6msec)が認められたが、本剤4mg/日及び28mg/日注)又はプラセボの投与後にはQTc間隔がわずかに短縮し、フェソテロジン群とプラセボ群間で有意差は認められなかった(外国人データ)。
    定常状態におけるQTcFd)のベースライン値との比較
    投与群
    例数
    平均値
    (標準偏差)
    中央値
    最小値,
    最大値
    95% CIe)
    プラセボ
    64
    -4.7
    (5.89)
    -3.8
    -20.2,11.6
    (-6.2,-3.2)
    フェソテロジン
    4mg/日
    64
    -4.6
    (6.71)
    -4.9
    -18.5,11.9
    (-6.3,-2.9)
    フェソテロジン
    28mg/日注)
    64
    -5.0
    (7.85)
    -5.3
    -20.8,16.3
    (-6.9,-3.0)
    モキシフロキサシン
    400mg/日
    64
    8.6
    (5.94)
    7.7
    -2.7,21.2
    (7.1,10.1)
    d)Friderica補正QT
    e)平均値の信頼性区間
    注)本剤の承認最大用量は1日1回8mgである。

薬効薬理

作用機序
フェソテロジンは経口投与後、速やかに活性代謝物である5-HMTに加水分解される。フェソテロジン及び5-HMTはいずれもムスカリン受容体に選択的な結合親和性を有するが、5-HMTのムスカリン受容体に対する親和性はフェソテロジンと比べ100倍以上強く、また、ヒトにおいてフェソテロジンは経口投与後に血漿中で検出されない。したがってフェソテロジン投与による膀胱収縮抑制作用は、5-HMTが膀胱平滑筋のムスカリン受容体を阻害することにより発現すると考えられる。
なお、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に発現させた5種のヒトムスカリン受容体サブタイプ(M1~M5)に対する5-HMTのKi値は1.0~6.3 nMであり、すべてのムスカリン受容体サブタイプに対しほぼ同程度の高い親和性を示した。
膀胱に対する作用
  1. 生体位膀胱機能
    5-HMTは、無麻酔ラットにおいて、膀胱内への生理食塩液注入によって誘発される膀胱収縮を用量依存的に抑制した(ID50=7.5μg/kg、静脈内投与)。また、10μg/kg(静脈内投与)で排尿圧力の抑制、最大膀胱容量の増加及び収縮間隔の延長を惹起した。さらに、麻酔ネコにおいてアセチルコリンによる膀胱収縮を用量依存的に抑制した。
    麻酔ネコにおける膀胱収縮抑制作用に対し、電気刺激による唾液分泌の抑制にはより高用量が必要であったことから、5-HMTの抗ムスカリン作用は唾液腺より膀胱筋に対する組織選択性が高いと考えられる,,,
  2. 摘出膀胱収縮
    5-HMTはラット及びヒト摘出膀胱のカルバコールによる収縮を濃度依存的に抑制し、pA2値はそれぞれ8.8及び9.0であった。また、5-HMTはラット及びヒト摘出膀胱における電場刺激による収縮も0.01~1μMで濃度依存的に抑制した,,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
フェソテロジンフマル酸塩(Fesoterodine Fumarate)
化学名
2-{(1R)-3-[Bis(1-methylethyl)amino]-1-phenylpropyl}-4-(hydroxymethyl)phenyl 2-methylpropanoate monofumarate
分子式
C26H37NO3・C4H4O4
分子量
527.65
性状
フェソテロジンフマル酸塩は白色の粉末である。水、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。
化学構造式

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

〈トビエース錠4mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
〈トビエース錠8mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
社内資料:母集団薬物動態解析結果(承認年月:2022.9、申請資料概要2.7.2.3.2)
2
社内資料:日本人健康男性での単回投与試験(SP857)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.5.3.1.1)[L20120627049]
3
社内資料:日本人健康男性での反復投与試験(A0221004)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.5.3.1.2)[L20120627050]
4
社内資料:日本人健康男性での食事の影響試験(A0221052)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.1.2.1.2)[L20120627051]
5
社内資料:外国人健康男性での反復投与試験(SP566)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.2.2.2)[L20120627052]
6
社内資料:外国人健康男性でのマスバランス及びバイオアベイラビリティ試験(SP567)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.1.2.2.1、2.7.2.2.2.2.2、2.7.2.3.2)[L20120627053]
7
社内資料:in vitroでのタンパク結合率の検討試験(BA 496-02)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.1.1)[L20120627054]
8
社内資料:in vitroでの代謝検討試験(DHGY1009)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.1.2、2.6.4.5)[L20120627055]
9
社内資料:in vitroでの代謝検討試験(DHGY1030)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.1.2、2.6.4.5)[L20120627056]
10
社内資料:in vitroでの代謝検討試験(DHGY1029)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.1.2、2.6.4.5)[L20120627057]
11
社内資料:外国人健康男性での単回投与試験(SP565)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.2.2.2)[L20120627058]
12
社内資料:外国人での腎機能障害の影響検討試験(SP568)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.2.2.3)[L20120627059]
13
社内資料:外国人での肝機能障害の影響検討試験(SP569)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.2.2.3)[L20120627060]
14
社内資料:外国人での年齢・性別の影響検討試験(SP570)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.2.2.3)[L20120627061]
15
社内資料:外国人でのケトコナゾールとの薬物相互作用試験(SP684)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.2.2.4)[L20120627062]
16
社内資料:外国人でのリファンピシンとの薬物相互作用試験(SP683)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.2.2.2.4)[L20120627063]
17
Yamaguchi, O. et al.:LUTS. 2011; 3(1):43-50
18
社内資料:アジア共同第2相試験(A0221005)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.3.2.1.1、2.7.6(A0221005))[L20120627068]
19
社内資料:米国第3相試験(SP584)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.5.4.5.1、2.7.3.2.2.1.2、2.7.6(SP584))[L20120627083]
20
武田正之ほか:泌尿器外科. 2012; 25(1):55-68
21
社内資料:国内長期投与試験(A0221006)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.3.2.1.2、2.7.6(A0221006))[L20120627069]
22
国内外の小児神経因性排尿筋過活動患者での有効性及び安全性を検討する試験(A0221047)(承認年月:2022.9、申請資料概要2.7.6)
23
社内資料:外国人健康男女での心電図に対する影響を検討した試験(SP686)(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.7.2.4)[L20120627064]
24
社内資料:ムスカリン受容体に対する作用(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.6.2.2)[L20120627065]
25
Modiri AR et al.:Urology. 2002; 59(6):963-968
26
社内資料:ラット尿流動態及び摘出膀胱に対する作用(承認年月日:2012.12.25、申請資料概要2.6.2.2)[L20120627066]
27
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