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フラボキサート塩酸塩錠200mg「サワイ」

頻尿治療剤

1錠 6円

添付文書番号

2590002F1517_1_02

企業コード

300119

作成又は改訂年月

2024年1月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87259

薬効分類名

頻尿治療剤

承認等

販売名

フラボキサート塩酸塩錠200mg「サワイ」

販売名コード

2590002F1517

販売名英字表記

FLAVOXATE HYDROCHLORIDE Tablets [SAWAI]

販売名ひらがな

ふらぼきさーとえんさんえんじょう

承認番号等

承認番号
22600AMX00699000

販売開始年月

1987年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

フラボキサート塩酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 幽門、十二指腸及び腸管が閉塞している患者[弱い副交感神経抑制作用により、腸管運動が抑制される。]
  2. 下部尿路に高度の通過障害のある患者[弱い副交感神経抑制作用があるので、排尿筋を弛緩、膀胱括約筋を収縮させるおそれがある。]

組成・性状

組成

フラボキサート塩酸塩錠200mg「サワイ」
有効成分
日局フラボキサート塩酸塩  200mg
添加剤
カルナウバロウ、カルメロース、酸化チタン、ステアリン酸Mg、トウモロコシデンプン、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、マクロゴール6000

製剤の性状

フラボキサート塩酸塩錠200mg「サワイ」
剤形フィルムコーティング錠
外形


大きさ
大きさ(直径)
9.2mm
大きさ(厚さ)
4.9mm
質量約258mg
識別コードSW 601
性状
白色

効能又は効果

下記疾患に伴う頻尿、残尿感
神経性頻尿、慢性前立腺炎、慢性膀胱炎

用法及び用量

通常成人1回1錠、1日3回経口投与する。
年令、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 緑内障の患者
    弱い副交感神経抑制作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 肝障害あるいはその既往歴のある患者
    副作用として肝障害が報告されている。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス、ラット)で胎児毒性が認められている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

投与しないことが望ましい。小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に、生理機能が低下していることが多い。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    蕁麻疹、冷汗、呼吸困難、喉頭浮腫、血圧低下等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTP、Al-P、ビリルビンの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、全身倦怠感、食欲不振、発熱、そう痒、眼球黄染等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
胃部不快感、食欲不振、悪心、口渇、下痢、便秘
嘔吐、胃痛、腹痛、胸やけ
過敏症
発疹、そう痒感等の過敏症状
精神神経系
ねむけ、不眠、頭痛、めまい、頭部のふらふら感、しびれ感
つかれ目、眼圧亢進、調節障害
血液
好酸球増多、白血球減少
泌尿器
排尿困難、尿閉
その他
下腹部膨満感、顔面熱感
動悸、胸部不快感、熱感、咽頭部異和感、嗄声

副作用の共通の注釈

注)発現頻度は使用成績調査を含む。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 生物学的同等性試験
    フラボキサート塩酸塩錠200mg「サワイ」とブラダロン錠200mgを健康成人男子にそれぞれ1錠(フラボキサート塩酸塩として200mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、フラボキサート塩酸塩の代謝物〔3-methylflavone-8-carboxylic acid(MFCA)〕の血清中濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
    各製剤1錠投与時の薬物動態パラメータ
    Cmax
    (μg/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    AUC0-24hr
    (μg・hr/mL)
    フラボキサート塩酸塩錠200mg「サワイ」
    9.5±3.5
    1.6±0.7
    2.8±2.2
    31.3±11.8
    ブラダロン錠200mg
    9.5±2.8
    1.4±0.4
    3.3±2.2
    32.0±11.0
    (Mean±S.D.)
    血清中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内二重盲検比較試験
    主に神経性頻尿、膀胱炎、前立腺炎等を対象とし、ブチルスコポラミン臭化物、プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、フラボキサート塩酸塩の頻尿、残尿感、尿意促迫、排尿時不快感等に対する有効性が認められている。
    副作用発現頻度は、ブチルスコポラミン臭化物対照試験では、フラボキサート塩酸塩投与群で18.9%(10/53例)であった。主な副作用は、胃腸障害11.3%(6/53例)であった。プラセボ対照試験では、フラボキサート塩酸塩投与群60例において副作用は認められなかった。

薬効薬理

作用機序
中枢性の排尿反射抑制作用、膀胱平滑筋に対するカルシウム拮抗作用やホスホジエステラーゼ阻害による直接弛緩作用により頻尿や残尿感を改善すると推察される。
膀胱排尿運動に対する作用
フラボキサート塩酸塩は膀胱充満時の律動収縮を抑制し、膀胱三角部における筋放電作用を減弱する(ラット、ウサギ)。またCystometryによって、フラボキサート塩酸塩は膀胱容量の増大、尿意発現の遅延、排尿回数の減少をもたらすことが明らかにされている(イヌ、ヒト),,,,
中枢性の排尿反射抑制作用
フラボキサート塩酸塩は側脳室内に投与したときに等容量性の膀胱収縮を消失させる(ラット)。また、橋の排尿抑制野領域に微量投与したときに等容量性の膀胱収縮を消失させ(ラット)、膀胱容量を増大する(ネコ),
刺激膀胱緩解作用
フラボキサート塩酸塩は膀胱支配神経である骨盤神経及び下腹神経による電気刺激による膀胱収縮を抑制するとともに、薬物誘起による膀胱過敏状態をも改善する(ネコ、イヌ、ヒト),
膀胱平滑筋に対する作用
フラボキサート塩酸塩は膀胱平滑筋に対し弛緩作用を示す一方、平滑筋に対する直接作用によりその緊張性を保ち、排尿力を低下することなく正常排尿力を保持する(in vitro,。これら膀胱平滑筋に対するフラボキサート塩酸塩の作用は抗コリン剤やパパベリンとは明らかに異なる。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
フラボキサート塩酸塩(Flavoxate Hydrochloride)
化学名
2-(Piperidin-1-yl)ethyl 3-methyl-4-oxo-2-phenyl-4H-chromene-8-carboxylate monohydrochloride
分子式
C24H25NO4・HCl
分子量
427.92
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)又はクロロホルムにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に溶けにくく、アセトニトリル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式

包装

PTP:100錠(10錠×10)

主要文献

1
社内資料:生物学的同等性試験
2
新島端夫他:泌尿紀要, 1975;21(6):557-578
3
赤坂裕他:泌尿紀要, 1975;21(6):523-556
4
Tomoda, T. et al.:Br. J. Pharmacol., 2005;146(1):25-32
5
Conti, M. et al.:Arch. Int. Pharmacodyn., 1975;213:186-189
6
三浦朗他:応用薬理, 1975;9(6):937-946
7
宮崎重他:泌尿紀要, 1975;21(9):847-851
8
宮崎重他:泌尿紀要, 1975;21(9):853-859
9
中新井邦夫他:泌尿紀要, 1974;20(4):275-279
10
加世田正和他:臨床生理, 1975;5(6):540-547
11
Kimura, Y. et al.:Int. J. Urol., 1996;3:218-227
12
Nishijima, S. et al.:J. Urol., 2005;173:1812-1816
13
第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-4815-4818

文献請求先及び問い合わせ先

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
TEL:0120-381-999 FAX:06-7708-8966

製造販売業者等

製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

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後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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