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閲覧履歴

デュファストン錠5mg

レトロ・プロゲステロン製剤

1錠 29円

添付文書番号

2478003F1031_4_01

企業コード

671450

作成又は改訂年月

2022年9月改訂
(第5版、効能変更、用法変更)

日本標準商品分類番号

872478

薬効分類名

レトロ・プロゲステロン製剤

承認等

販売名

デュファストン錠5mg

販売名コード

2478003F1031

販売名英字表記

Duphaston Tablets

販売名ひらがな

でゅふぁすとんじょう5mg

承認番号等

承認番号
22000AMX02234

販売開始年月

1965年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
4年

基準名

日本薬局方
ジドロゲステロン錠

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ジドロゲステロン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

重篤な肝障害・肝疾患のある患者

組成・性状

組成

デュファストン錠5mg
有効成分
1錠中 日局 ジドロゲステロン 5mg
添加剤
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、タルク、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

デュファストン錠5mg
外形
上面
下面
側面
直径
7.0mm
厚さ
2.6mm
重量
130mg
識別コードM17
色調等
白色
素錠
割線入り

効能又は効果

無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経困難症、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、子宮内膜症、切迫流早産、習慣性流早産、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止、生殖補助医療における黄体補充

効能又は効果に関連する注意

〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
  1. 妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む黄体ホルモン剤と卵胞ホルモン剤の併用で調節卵巣刺激の開始時期の調整を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性を考慮して慎重に判断すること。
〈調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉
  1. 新鮮胚移植を予定していない場合のみに用いること。

用法及び用量

〈無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経困難症、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、子宮内膜症、切迫流早産、習慣性流早産〉
ジドロゲステロンとして、通常成人1日5~15mgを1~3回に分割経口投与する。子宮内膜症には1日5~20mgを経口投与する。
〈調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉
ジドロゲステロンとして、通常、月経周期2~5日目より1日20mgを1又は2回に分割経口投与する。
〈生殖補助医療における黄体補充〉
ジドロゲステロンとして、通常、1回10mgを1日3回経口投与する。

用法及び用量に関連する注意

〈調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉
  1. 本剤の投与は卵胞成熟の誘発当日まで継続すること。
〈生殖補助医療における黄体補充〉
  1. 通常、本剤の投与期間は、以下のいずれかとする。
    • 新鮮胚移植の場合は、本剤を採卵日から妊娠成立(妊娠4~7週)まで投与する。
    • 自然周期での凍結融解胚移植の場合は、本剤を排卵日から妊娠成立(妊娠4~7週)まで投与する。
    • ホルモン補充周期での凍結融解胚移植の場合は、本剤を、卵胞ホルモン剤の投与により子宮内膜が十分な厚さになった時点から最長妊娠12週まで投与する。

重要な基本的注意

〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、黄体機能不全による不妊症、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止、生殖補助医療における黄体補充〉
本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心疾患のある患者又はその既往歴のある患者
    黄体ホルモンは電解質代謝に影響を及ぼし、ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。
  2. ポルフィリン症の患者
    症状が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎疾患のある患者又はその既往歴のある患者
    黄体ホルモンは電解質代謝に影響を及ぼし、ナトリウム又は体液の貯留があらわれることがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
    投与しないこと。本剤は肝臓にて代謝されるため、肝機能障害が悪化するおそれがある。
  2. 肝障害のある患者(重篤な肝障害・肝疾患のある患者を除く)
    症状が悪化するおそれがある。

妊婦

黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
皮膚
発疹、蕁麻疹
肝臓
肝機能異常
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、鼓腸、便秘
精神神経系
頭痛、眠気、浮動性めまい
生殖系及び乳房障害
膣出血、乳房痛
その他
浮腫、倦怠感、体重増加

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
調節卵巣刺激の前周期に低用量卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤を投与した場合の生産率及び継続妊娠率は、投与しなかった場合と比較して低かったとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

健康成人5例にジドロゲステロン10mgを単回経口投与した場合、血漿中にジドロゲステロンはほとんど検出されず、20α-hydroxy-9β,10α-pregna-4,6-dien-3-one(DHD)及びDHD-glucuronideが主代謝物として存在した。これらの血漿中濃度推移は投与後1時間で最高濃度DHD約85ng/mL、DHD-glucuronide約120ng/mLに達し、以後急速に減少し8時間後ではいずれも約10ng/mLとなった。

分布

去勢ラットに3H-ジドロゲステロンを経口投与した場合、24時間後では肝、腎、胃、肺、副腎の順に濃度が高く、他の臓器では差は認められていない。

代謝

In vitro試験において、主な薬理活性代謝物質であるDHDを生成させる主要代謝経路は、アルド-ケト還元酵素AKR1Cによるものであることが示された。また、ジドロゲステロンの代謝に関与するチトクロームP-450分子種は主としてCYP3A4であり、DHDはCYP3A4により複数の代謝物に代謝される。

排泄

子宮癌術後患者にジドロゲステロン10mgを経口投与した場合、尿中排泄率は1日後までに投与量の約20%であり、以後尿中排泄は急速に減少し、6日後までの累積排泄率は21~29%で7日後には排泄は認められなかった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)、月経困難症、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、子宮内膜症、切迫流早産、習慣性流早産〉
  1. 国内・海外試験
    無月経77.8%(541/695例)、月経周期異常83.3%(30/36例)、月経困難症70.6%(557/789例)、機能性子宮出血77.5%(300/387例)、黄体機能不全による不妊症51.4%(93/181例)、子宮内膜症88.5%(92/104例)、切迫流早産77.1%(827/1072例)、習慣性流早産88.1%(52/59例)に有効性が認められている。

薬効薬理

作用機序
ジドロゲステロンは、黄体ホルモンとしての作用を現す。生物学的には、プロゲステロンに近いジェスタージェンであるが、エストロゲンやアンドロゲンのようなホルモン作用は認められず、排卵や基礎体温上昇を抑制しない合成黄体ホルモンである。
子宮内膜に対する作用
ジドロゲステロンは子宮内膜に対して、天然プロゲステロンとほとんど同様の分泌期像をつくる,,。このため着床障害を起こすことなく、実際に本剤投与中でも妊娠例が認められている,,
排卵に対する作用
基礎体温の観察、投与中の妊娠成立,、開腹手術による新生黄体の確認等により、排卵の抑制は認められていない。また、無排卵性周期の患者に投与し、排卵の誘発を認め、本剤に排卵誘発作用のあることが認められている。
したがって、ジドロゲステロンは妊娠の可能性を保ちつつ、治療を行うことができる。
基礎体温に及ぼす作用
ジドロゲステロン投与中の患者の基礎体温の観察により上昇作用のないことが認められている,。このため、一相性の患者で、投与中に基礎体温の上昇が起これば、排卵したものと推定でき、ジドロゲステロンによる治療中でも基礎体温の観察により診断が可能である。
男性化作用
妊娠ラットにジドロゲステロンを投与し、雌胎児及び新生児の肛門性器間距離を調べた結果、男性化作用は認められていない。また、胎児男性化指数、副性器重量の成績でもジドロゲステロン使用による男性化作用は認められていない。
尿中プレグナンジオールの排泄
ジドロゲステロンは主にC20ケト基のみが還元された型で排泄され、生体内のプレグナンジオール排泄測定値に影響を与えないので、投与中でも生理的なプロゲステロンのみの測定が可能で、このため、治療中プレグナンジオールの測定により黄体機能が観察できる。
間脳・下垂体・性腺に対する作用
動物実験(ラット)において、ACTHや他のゴナドトロピンの分泌抑制作用は認められていない,
その他のホルモン作用
エストロゲン作用,,、コルチコイド作用,,等は認められていない。
調節卵巣刺激下の早発排卵を防止する作用
卵胞期においてエストラジオール依存的に下垂体から分泌される黄体形成ホルモン等の一過的上昇(LHサージ)は、調節卵巣刺激下の早発排卵の引き金となる。雌アカゲザル及び雌羊を用いたエストラジオール誘発性LHサージモデルにおいて、黄体ホルモン(プロゲステロン)はLHサージを抑制することが認められており,、黄体ホルモンと同様の作用を示すジドロゲステロン,,はLHサージを抑制することで調節卵巣刺激下の早発排卵を防止すると推定される。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ジドロゲステロン(Dydrogesterone)
化学名
9β,10α-Pregna-4,6-diene-3,20-dione
分子式
C21H28O2
分子量
312.45
性状
白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
クロロホルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
167~171℃

包装

100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

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Cochrane Database Syst Rev. 2017;5:CD006109
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Takasu A,et al.:J Chromatogr. 1983;272(2):243-250
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Beranic N,et al.:Chemico-biological interactions. 2011;191:227-233
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徳田源市ほか:デュファストン研究会報告集. 1966:27-31
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第十七改正 日本薬局方解説書. 廣川書店. 2016:C-2141-2144
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徳田源市ほか:産婦人科の実際. 1965;14(4):270-287
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小林隆ほか:産婦人科の世界. 1963;15(9):1097-1103
9
坂倉啓夫ほか:産婦人科の世界. 1964;16(4):515-521
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街風喜雄ほか:日本内分泌学会雑誌. 1963;39(3):213
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Schöler HFL,et al.:Acta Endocrinologica. 1961;38:128-136
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玉田太朗ほか:日本不妊学会雑誌. 1965;10(1):43-48
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楠田雅彦ほか:日本不妊学会雑誌. 1964;9(3):210-223
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Dierschke DJ,et al.:Endocrinology. 1973;92(5):1496-1501
16
Harris TG,et al.:Endocrinology. 1999;140(2):827-834

文献請求先及び問い合わせ先

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