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メドロキシプロゲステロン酢酸エステル錠2.5mg「F」

経口黄体ホルモン製剤

1錠 15.2円

添付文書番号

2478002F1100_1_03

企業コード

670109

作成又は改訂年月

2024年1月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872478

薬効分類名

経口黄体ホルモン製剤

承認等

販売名

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル錠2.5mg「F」

販売名コード

2478002F1100

販売名英字表記

MEDROXYPROGESTERONE ACETATE tablets

販売名ひらがな

めどろきしぷろげすてろんさくさんえすてるじょう

承認番号等

承認番号
23000AMX00872

販売開始年月

1974年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
4年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 脳梗塞、心筋梗塞、血栓静脈炎等の血栓性疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
  2. 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
  3. 診断未確定の性器出血、尿路出血のある患者[病因を見のがすおそれがある。]
  4. 稽留流産の患者[妊娠維持作用により子宮内で死亡している胎児の排泄が困難になるおそれがある。]
  5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル錠2.5mg「F」
有効成分
1錠中 日局 メドロキシプロゲステロン酢酸エステル 2.5mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、タルク、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル錠2.5mg「F」
外形
大きさ
大きさ(直径)
7.0mm
大きさ(厚さ)
2.3mm
質量
120mg
識別コードFJ31
色・剤形
白色の割線入り素錠

効能又は効果

無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止

効能又は効果に関連する注意

〈切迫流早産、習慣性流早産〉
  1. 本剤を妊娠維持の目的で投与する場合は、黄体機能不全によると考えられる流早産にとどめること。また、妊娠状態が継続しているか否か確かめること。
〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
  1. 妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む黄体ホルモン剤と卵胞ホルモン剤の併用で調節卵巣刺激の開始時期の調整を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性を考慮して慎重に判断すること。
〈調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉
  1. 新鮮胚移植を予定していない場合のみに用いること。

用法及び用量

〈無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)又は生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症、切迫流早産、習慣性流早産〉
メドロキシプロゲステロン酢酸エステルとして、通常成人1日2.5~15mgを1~3回に分割経口投与する。
〈調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉
メドロキシプロゲステロン酢酸エステルとして、通常、月経周期2~5日目より1日10mgを1又は2回に分割経口投与する。患者の状態により1日5mgまで減量できる。

用法及び用量に関連する注意

〈調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉
本剤の投与は卵胞成熟の誘発当日まで継続すること。

重要な基本的注意

〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、黄体機能不全による不妊症、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止〉
本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心疾患のある患者又はその既往歴のある患者
    ナトリウム又は体液の貯留作用により、症状が悪化するおそれがある。
  2. うつ病又はその既往歴のある患者
    症状が悪化するおそれがある。
  3. てんかん又はその既往歴のある患者
    副腎皮質ホルモン様作用により、症状が悪化するおそれがある。
  4. 片頭痛、喘息、慢性の肺機能障害又はその既往歴のある患者
    症状が悪化するおそれがある。
  5. 糖尿病の患者
    症状が悪化するおそれがある。
  6. ポルフィリン症の患者
    症状が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎疾患のある患者又はその既往歴のある患者
    ナトリウム又は体液の貯留作用により、症状が悪化するおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
    投与しないこと。症状が悪化するおそれがある。

生殖能を有する者

〈無月経、月経周期異常(稀発月経、多発月経)、月経量異常(過少月経、過多月経)、機能性子宮出血、黄体機能不全による不妊症〉
問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分確認すること。

妊婦

  1. 大量又は長期投与を避けること。妊娠初期・中期に投与した場合、女子胎児の外性器の男性化又は男子胎児の女性化が起こることがある。
  2. 黄体ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。

授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ホルモン剤
黄体ホルモン
卵胞ホルモン
副腎皮質ホルモン等
血栓症を起こすおそれが高くなる。
ともに血栓症をおこすおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 血栓症(頻度不明)
    脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、腸間膜塞栓症、網膜血栓症、血栓性静脈炎等があらわれることがある。
  2. うっ血性心不全(頻度不明)
  3. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
    呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、じん麻疹等のアナフィラキシーを伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。
  4. 乳頭水腫(頻度不明)
    視力の低下又は消失、眼球突出、複視、片頭痛が急にあらわれた場合には投与を一時中断し、眼科的検査を実施すること。その結果、乳頭水腫であると診断された場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹
肝臓
肝機能の異常、黄疸
電解質代謝
浮腫、体重増加
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐、腹痛、腹部膨満、下痢
精神神経系
めまい、頭痛、眠気、神経過敏、不眠、抑うつ
内分泌
乳房痛、月経異常、子宮出血、乳汁漏出、満月様顔貌、無月経、子宮腟部糜爛、帯下の変化
糖代謝
耐糖能異常
全身症状
倦怠感、発熱、悪寒
皮膚・粘膜
脱毛、多毛、ざ瘡、そう痒感、じん麻疹

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤の投与により、下記の検査値が低値を示す可能性がある。
  • 血清又は尿中ステロイドホルモン(コルチゾール、エストロゲン、プロゲステロン等)
  • 血清又は尿中ゴナドトロピン(黄体形成ホルモン等)
  • 性ホルモン結合グロブリン

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 経口製剤での臨床試験成績はないが、外国において、本剤有効成分を含有する筋注製剤の長期投与で骨密度の減少が認められたとの報告がある。
  2. 調節卵巣刺激の前周期に低用量卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤を投与した場合の生産率及び継続妊娠率は、投与しなかった場合と比較して低かったとの報告がある 。
非臨床試験に基づく情報
ビーグル犬に投与すると乳房に小結節が生じ、そのうちいくつかは悪性であったという報告及びサルに投与すると子宮内膜癌を生じたという報告がある。

薬効薬理

作用機序
  1. 子宮内膜分泌化作用
    卵巣摘出患者における子宮内膜に対する分泌化作用はプロゲステロンの80~120倍である,
  2. 妊娠維持作用
    卵巣摘出ラットにおける妊娠維持作用はプロゲステロンの50倍以上である,
  3. 調節卵巣刺激下における早発排卵の防止作用
    プロゲステロン投与により黄体形成ホルモン(LH)サージが抑制されること(マウス、ラット、ヒツジ、サル),,, 、その抑制は視床下部前腹側室周囲核へのプロゲステロンレセプター阻害薬の投与下では認められないことが報告されている(ラット) 。
    本剤は、プロゲステロンと同様に、視床下部前腹側室周囲核のプロゲステロンレセプターに結合し、LHサージを抑制することで、調節卵巣刺激下における早発排卵を防止すると考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
メドロキシプロゲステロン酢酸エステル
(Medroxyprogesterone Acetate)
化学名
6α-Methyl-3,20-dioxopregn-4-en-17-yl acetate
分子式
C24H34O4
分子量
386.52
性状
白色の結晶性の粉末である。
アセトンにやや溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
204~209℃

包装

100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
Farquhar C, et al.: Cochrane Database Syst Rev 2017:CD006109
2
Boschann, H. W. et al.:Brook Lodge Symposium Progesterone. 1961;133-145
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Goldzieher, J. W.:Tex State J Med. 1961;57(12):962-967
4
Suchowsky, G. K.:Acta Endocrinol(Copenh). 1963;42:533-536
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Liu Y, et al.: Endocrinology. 2020; 161: bqaa036
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Le WW, et al.: Brain Res. 1997; 778: 272-280
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Kasa-Vubu JZ, et al.: Endocrinology. 1992; 131: 208-212
8
Dierschke DJ, et al.: Endocrinology. 1973; 92: 1496-1501
9
He W, et al.: Sci Rep. 2017; 7: 8096

文献請求先及び問い合わせ先

富士製薬工業株式会社 くすり相談室
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(TEL)0120-956-792
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製造販売業者等

製造販売元
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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