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閲覧履歴

ソグルーヤ皮下注10mg

長時間作用型ヒト成長ホルモンアナログ製剤

1キット 48732円

添付文書番号

2412403G1020_1_04

企業コード

620023

作成又は改訂年月

2022年4月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872412

薬効分類名

長時間作用型ヒト成長ホルモンアナログ製剤

承認等

販売名

ソグルーヤ皮下注5mg

販売名コード

2412403G1020

販売名英字表記

Sogroya Subcutaneous Injection 5mg

販売名ひらがな

そぐるーやひかちゅう5みりぐらむ

承認番号等

承認番号
30300AMX00025000

販売開始年月

2021年12月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け、2~8℃に保存
有効期間
24ヵ月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ソグルーヤ皮下注10mg

販売名コード

2412403G2026

販売名英字表記

Sogroya Subcutaneous Injection 10mg

販売名ひらがな

そぐるーやひかちゅう10みりぐらむ

承認番号等

承認番号
30300AMX00026000

販売開始年月

2021年12月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け、2~8℃に保存
有効期間
24ヵ月

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ソグルーヤ皮下注15mg

販売名コード

2412403G3022

販売名英字表記

Sogroya Subcutaneous Injection 15mg

販売名ひらがな

そぐるーやひかちゅう15みりぐらむ

販売開始年月

2024年2月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け、2~8℃に保存
有効期間
24ヵ月

規制区分

処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ソマプシタン(遺伝子組換え)

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため。]
  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

組成・性状

組成

ソグルーヤ皮下注5mg
有効成分
ソマプシタン(遺伝子組換え)  5mg
添加剤
L-ヒスチジン  1.02mg
D-マンニトール  66mg
ポリオキシエチレン(160) ポリオキシプロピレン(30) グリコール  1.5mg
フェノール  6.0mg
塩酸  適量
水酸化ナトリウム  適量
ソグルーヤ皮下注10mg
有効成分
ソマプシタン(遺伝子組換え)  10mg
添加剤
L-ヒスチジン  1.02mg
D-マンニトール  66mg
ポリオキシエチレン(160) ポリオキシプロピレン(30) グリコール  1.5mg
フェノール  6.0mg
塩酸  適量
水酸化ナトリウム  適量
ソグルーヤ皮下注15mg
有効成分
ソマプシタン(遺伝子組換え)  15mg
添加剤
L-ヒスチジン  1.02mg
D-マンニトール  66mg
ポリオキシエチレン(160) ポリオキシプロピレン(30) グリコール  1.5mg
フェノール  6.0mg
塩酸  適量
水酸化ナトリウム  適量
本剤は大腸菌を用いて製造される。

製剤の性状

ソグルーヤ皮下注5mg
剤形注射剤
pH6.5 - 7.1
浸透圧比約1.0
(生理食塩液に対する比)
性状
本剤は澄明~僅かに濁った無色~微黄色の液であり、微粒子を認めない。
ソグルーヤ皮下注10mg
剤形注射剤
pH6.5 - 7.1
浸透圧比約1.0
(生理食塩液に対する比)
性状
本剤は澄明~僅かに濁った無色~微黄色の液であり、微粒子を認めない。
ソグルーヤ皮下注15mg
剤形注射剤
pH6.5 - 7.1
浸透圧比約1.0
(生理食塩液に対する比)
性状
本剤は澄明~僅かに濁った無色~微黄色の液であり、微粒子を認めない。

効能又は効果

<5mg・10mg>
○成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)
<5mg・10mg・15mg>
○骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症

効能又は効果に関連する注意

<成人成長ホルモン分泌不全症>
  1. 本剤の適用は、成人成長ホルモン分泌不全症と診断された患者のうち、重症の基準に該当する患者に限定すること。診断及び重症の基準は、最新の「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き」の病型分類を参照すること。
<成長ホルモン分泌不全性低身長症>
  1. 本剤の適用は、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断と治療の手引き」を参照すること。

用法及び用量

<成人成長ホルモン分泌不全症>
通常、ソマプシタン(遺伝子組換え)として1.5mgを開始用量とし、週1回、皮下注射する。なお、開始用量は患者の状態に応じて適宜増減する。その後は、患者の臨床症状及び血清インスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度等の検査所見に応じて適宜増減するが、最高用量は8.0mgとする。
<成長ホルモン分泌不全性低身長症>
通常、ソマプシタン(遺伝子組換え)として0.16mg/kgを、週1回、皮下注射する。

用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
  1. 本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
  2. 投与を忘れた場合は、あらかじめ定めた投与日から3日以内であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。投与日から3日を超えていれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の定めた曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも4日間以上間隔を空けること。
<成人成長ホルモン分泌不全症>
  1. 開始用量は、患者の年齢、性別、合併症等の患者の状態に応じて適宜増減すること。通常は1.5mgから投与を開始するが、60歳超の患者では1.0mg、経口エストロゲン服用中の女性患者では2.0mgを目安に投与を開始すること。中等度の肝機能障害患者では、低用量から投与を開始する等、慎重に投与すること。
  2. 投与量は、臨床症状及び血清IGF-I 濃度により調整すること。投与開始後、2~4週間に1回を目安に投与量の調整を行い、増量する場合は1回あたり0.5mg~1.5mgを目安とする。その後も定期的に血清IGF-I濃度を測定し、基準範囲上限を超えないようにする。副作用の発現や血清IGF-I 濃度が基準範囲上限を超えた場合は、投与量の減量、一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。
  3. 加齢に伴い生理的な成長ホルモンの分泌量や血清IGF-I 濃度が低下することが知られている。本剤投与による症状の改善が認められなくなり、かつ本剤を投与しなくても血清IGF-I 濃度が基準範囲内にある場合は、投与中止を考慮すること。

重要な基本的注意

<効能共通>
  1. 成長ホルモンは、インスリン感受性を低下させるため、本剤の投与により血糖値、HbA1cの上昇があらわれることがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、異常が認められた場合は、投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。
  2. 甲状腺機能低下が顕在化又は悪化する可能性があるので、甲状腺機能を定期的に検査すること。必要に応じて、適切な治療を行うこと。
  3. 本剤の投与により良性頭蓋内圧亢進の症状が悪化又は再発する可能性があるので、患者の状態を十分に観察すること。視覚異常、頭痛、悪心又は嘔吐が認められた場合は、本剤の投与を中止するか、投与量を減量するとともに、視神経乳頭浮腫の有無を確認するために眼底検査の実施を検討すること。
  4. 本剤の投与中に副腎皮質機能が低下し、血清コルチゾール値の低下や中枢性(二次性)副腎皮質機能低下症が顕在化することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。
  5. 本剤と本剤以外のホルモン剤を併用する場合には、併用するホルモン剤が血清IGF-I濃度に影響を及ぼすことがあるので、慎重に血清IGF-I濃度をモニタリングすること。
  6. 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
  • 投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
  • 全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
  • 添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
<成人成長ホルモン分泌不全症>
  1. 本剤の投与により浮腫、関節痛等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与量の減量又は投与中止を考慮すること。
  2. 本剤の治療は、内分泌専門医もしくはその指導の下で行うこと。
<成長ホルモン分泌不全性低身長症>
  1. 本剤の投与中は、血清IGF-I濃度が基準範囲上限を超えないよう、定期的に検査を実施し、必要な場合は投与量の減量を考慮すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 糖尿病患者、耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者
    糖尿病患者では、投与開始前に血糖(血糖値、HbA1c等)及び糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)の病勢をコントロールしておくこと。投与開始後は定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、また、糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)を含め、患者の状態を注意深く観察すること。必要に応じて、糖尿病用薬の投与量の調整を行うこと。投与開始後に糖尿病の症状の顕在化又は悪化が認められた場合は、本剤の投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。
    耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者(肥満、家族歴に糖尿病を持つ患者等)では、慎重に観察すること。糖尿病が顕在化することがある。
  2. 脳腫瘍の既往のある患者
    定期的に画像診断を実施し、脳腫瘍の発現や再発の有無を注意深く観察すること。成長ホルモンは、細胞増殖作用を有し、国内及び海外臨床試験において成長ホルモン投与後に脳腫瘍の再発が報告されている。
  3. 心疾患を有する患者
    ときに一過性の浮腫があらわれることがある。

腎機能障害患者

成人成長ホルモン分泌不全症では、低用量での治療が望ましい。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。重度(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害患者は有効性及び安全性を指標とした臨床試験では除外されている。

肝機能障害患者

  1. 重度(Child-Pugh 分類クラスC)の肝機能障害患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。重度の肝機能障害患者は臨床試験では除外されている。
  2. 中等度(Child-Pugh 分類クラスB)の肝機能障害患者
    成人成長ホルモン分泌不全症では、通常用量(1.5mg)より低用量から投与を開始する等、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、中等度の肝機能障害患者は有効性及び安全性を指標とした臨床試験では除外されている。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
ラットでは、成人成長ホルモン分泌不全症に対する本剤の最大臨床用量における推定曝露量の5倍で胎児の重量高値(5%)、260倍で長骨の短小、長骨及び肋骨の肥厚及び彎曲が認められている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
ラットにおいて、最大で血漿中濃度の50%のソマプシタン関連物質が母乳中に認められたが、出生児動物における血漿中本薬濃度は定量下限未満であり、母動物における血漿中濃度の1/250以下であった。ヒトでの乳汁移行に関するデータ及びヒトの哺乳中の児への影響に関するデータはない。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。また、成人成長ホルモン分泌不全症患者における成長ホルモン維持用量は加齢に伴い減少することが報告されている。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
主にCYP3Aで代謝される薬剤
性ホルモン製剤
抗てんかん薬
シクロスポリン 等
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、これらの薬剤の用量に注意すること。
成長ホルモンがCYP3Aにより代謝される化合物のクリアランスを増加させる可能性があるため。
糖質コルチコイド
血清コルチゾール濃度が低下することがあるので、糖質コルチコイドの用量に注意すること。
成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため。
糖質コルチコイド
成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。
糖質コルチコイドが成長抑制作用を有するため。
経口エストロゲン
成長ホルモンの作用が抑制されることがある。成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者では本剤の増量を検討すること。
エストロゲンがIGF-I産生を抑制するため。
糖尿病用薬
インスリン製剤
ビグアナイド系薬剤
スルホニルウレア剤
速効型インスリン分泌促進薬
α-グルコシダーゼ阻害剤
チアゾリジン系薬剤
DPP-4阻害剤
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤 等
本剤投与により、血糖値が上昇することがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、これらの薬剤の投与量の調整を行うこと。
成長ホルモンがインスリン感受性を低下させるため。
甲状腺ホルモン
本剤投与により甲状腺機能低下が顕在化又は悪化することがあるので、甲状腺ホルモンの用量に注意すること。
成長ホルモンの投与により、中枢性(二次性)甲状腺機能低下症があらわれることがあるため。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 甲状腺機能亢進症(頻度不明)
  2. 糖尿病(頻度不明)
    耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがある。
  3. 痙攣(頻度不明)
  4. ネフローゼ症候群(頻度不明)

その他の副作用

<成人成長ホルモン分泌不全症>
1%以上
1%未満
頻度不明
内分泌障害
副腎皮質機能不全
代謝及び栄養障害
高リン酸塩血症
高血糖
神経系障害
頭痛、浮動性めまい、感覚鈍麻
錯感覚
手根管症候群
胃腸障害
下痢
皮膚及び皮下組織障害
脂肪肥大症
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛
全身障害及び投与部位状態
疲労、末梢性浮腫
無力症、注射部位反応
臨床検査
体重増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加
グリコヘモグロビン増加
<成長ホルモン分泌不全性低身長症>
1%以上
1%未満
頻度不明
内分泌障害
甲状腺機能低下症
副腎皮質機能不全
代謝及び栄養障害
高血糖
神経系障害
頭痛
胃腸障害
嘔吐
筋骨格系及び結合組織障害
四肢痛、関節痛
全身障害及び投与部位状態
疲労、注射部位内出血、注射部位疼痛、注射部位血腫
末梢性浮腫、注射部位腫脹

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 投与時
    (1) 本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。
    (2) 本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
    (3)1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。
    (4) カートリッジにひびが入っている場合又は使用中に液が変色した場合は使用しないこと。
    (5) 投与量が1回に設定できる量を超える場合は、複数回に分けて投与を行うこと。各製剤の1回の最大設定量は、ソグルーヤ皮下注5mgでは2mg、ソグルーヤ皮下注10mgでは4mg及びソグルーヤ皮下注15mgでは8mgである。
  2. 投与部位
    上腕、大腿部、腹部、臀部に皮下注射すること。注射箇所は毎回変更し、同一部位に短期間に繰り返し注射しないこと。
  3. その他
    (1) 他の医薬品と混合しないこと。
    (2) 注射後には、注射針は廃棄すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 小児がんの既往を有する患者にヒト成長ホルモンを投与した場合、二次性腫瘍の発現リスクが上昇するとの報告がある。
  2. ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病があらわれたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。白血病、悪性腫瘍を発生しやすい先天異常、免疫不全症候群等の基礎疾患のある患者、脳腫瘍などによる放射線治療歴のある患者、抗がん薬や免疫抑制薬の投与歴のある患者、治療開始時の血液像に異常がある患者に投与する場合には、特に患者の状態を観察すること。

薬物動態

血中濃度

  1. 健康成人被験者を対象とした皮下投与
    日本人健康成人男性被験者24例に本薬0.02、0.08、0.16及び0.24mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与1週目及び4週目における薬物動態パラメータ及び投与4週目の平均血清中濃度-時間推移を以下に示す。投与4週目におけるAUC0-168hの累積率(平均値)は1.3~2.9であった 。
    <投与4週目の平均血清中本薬濃度-時間推移>
    用量
    (mg/kg)
    平均投与量
    (mg/週)
    評価時点
    AUC0-168h
    (ng·h/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    tmax
    (h)
    t1/2
    (h)
    0.02
    (6例)
    1.26
    投与
    1週目
    352(57.7)
    6.3
    (72.8)
    5.0
    (2.0;20.0)
    50
    (21.6)
    投与
    4週目
    445(45.2)
    11.5
    (63.9)
    8.0
    (4.0;12.0)
    83
    (29.1)
    0.08
    (6例)
    5.15
    投与
    1週目
    1755(66.7)
    54.7
    (79.6)
    9.0
    (4.0;16.0)
    73
    (30.8)
    投与
    4週目
    2862(61.2)
    102.7
    (62.0)
    14.0
    (6.0;16.0)
    65
    (37.1)
    0.16
    (6例)
    9.94
    投与
    1週目
    7165(72.0)
    174.6
    (112.4)
    12.0
    (4.0;30.0)
    69
    (49.4)
    投与
    4週目
    16238(33.9)
    439.0
    (45.5)
    16.0
    (12.0;26.0)
    60
    (22.7)
    0.24
    (6例)
    15.63
    投与
    1週目
    13742(50.4)
    406.6
    (45.5)
    16.0
    (12.0;20.0)
    73
    (47.4)注1)
    投与
    4週目
    18087(63.5)
    390.0
    (52.4)
    16.0
    (12.0;30.0)
    55
    (36.8)
    本剤の承認最高用量は8.0mgである。
    AUC0-168h、Cmax及びt1/2は幾何平均値(変動係数%)、tmaxは中央値(最小値;最大値)
    注1)5例
  2. 成人成長ホルモン分泌不全症患者を対象とした皮下投与
    成人成長ホルモン分泌不全症患者22例に本薬0.02、0.04、0.08及び0.12mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与4週目における薬物動態パラメータを以下に示す。本薬の曝露量は、本薬投与後1~2週間で定常状態に達したと考えられた。投与4週目におけるAUC0-168hの累積率(平均値)は1.0~2.0であった。また、成人成長ホルモン分泌不全症患者8例注2) にノルディトロピン(平均用量:0.004mg/kg)を1日1回反復皮下投与したときの投与22日目におけるAUC0-24h(幾何平均値)は17ng・h/mL、Cmax(幾何平均値)は1.5ng/mL、tmax(中央値)は2.8時間、終末相における半減期(幾何平均値)は6.8時間であった(外国人データ) 。
    注2)終末相における半減期は7例。
    用量
    (mg/kg)
    平均投与量
    (mg/週)
    AUC0-168h
    (ng·h/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    tmax
    (h)
    t1/2
    (h)
    0.02
    (6例)
    1.69
    666(70.9)
    14.4(193.2)
    6.0(2.0;30.0)
    49(37.4)
    0.04
    (5例)
    3.52
    986(93.3)
    20.6(201.2)
    4.0(1.0;12.0)
    76(39.7)
    0.08
    (5例)
    6.23
    2085(102.2)
    45.4(127.6)
    8.0(2.0;36.0)
    52(30.2)
    0.12
    (6例)
    9.63
    5431(61.7)
    114.8(113.3)
    11.9(4.0;35.8)
    52(19.3)
    本剤の承認最高用量は8.0mgである。
    AUC0-168h、Cmax及びt1/2は幾何平均値(変動係数%)、tmaxは中央値(最小値;最大値)
  3. 成長ホルモン分泌不全性低身長症患者を対象とした皮下投与
    成長ホルモン分泌不全性低身長症患者24例(年齢範囲:6~11歳)に本薬0.02、0.04、0.08及び0.16mg/kgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータを以下に示す。また、成長ホルモン分泌不全性低身長症患者8例注3) にノルディトロピン0.03mg/kgを1日1回7日間反復皮下投与したときの投与後1日目におけるAUC0-24h(幾何平均値)は108ng・h/mL、Cmax(幾何平均値)は10.6ng/mL、tmax(中央値)は4.0時間、終末相における半減期(幾何平均値)は4.9時間であった(外国人データ) 。
    注3)終末相における半減期は6例。
    用量
    (mg/kg)
    AUC0-168h
    (ng·h/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    tmax
    (h)
    t1/2
    (h)
    0.02
    (6例)
    606(72.5)
    21.8(122.2)
    8.0(4.0;8.0)
    45(34.6)
    0.04
    (6例)
    1840(61.7)
    71.9(68.1)
    11.7(8.0;12.2)
    41(10.4)
    0.08
    (6例)
    6288(39.5)
    278.0(30.7)
    12.0(7.9;12.3)
    37(17.1)
    0.16
    (6例)
    25512(23.2)
    458.4(30.7)
    25.5(8.0;48.3)
    34(21.4)注4)
    AUC0-168h、Cmax及びt1/2は幾何平均値(変動係数%)、tmaxは中央値(最小値;最大値)
    注4)4例

分布

本薬の血漿タンパクに対するin vitro結合率は99%超であった。
成人成長ホルモン分泌不全症患者330例から得られた血清中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析及び成長ホルモン分泌不全性低身長症患者210例から得られた血清中本薬濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、分布容積(V/F)は成人成長ホルモン分泌不全症患者で14.6L、成長ホルモン分泌不全性低身長症患者で1.7Lと推定された,

代謝

健康成人男性被験者7例に放射能標識した本薬を単回皮下投与したとき、本薬は排泄前に広範に代謝され、尿及び糞中に未変化体は確認されず、代謝物が尿中に81%、糞中に13%確認された(外国人データ) 。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害者
    腎機能障害の程度の異なる被験者〔糸球体濾過量(GFR)の測定値に基づいて分類〕における本薬0.08mg/kgを週1回反復皮下投与したときの定常状態(投与3回目)での薬物動態を、腎機能が正常な被験者(GFR 90mL/min以上)と比較検討した結果を以下に示す。また、腎機能が正常な被験者に対するIGF-IのAUC0-168hの比の推定値は、それぞれ1.14(軽度)、1.35(中等度)、1.40(重度)及び1.24(血液透析を必要とする被験者)であった(外国人データ) 。
    腎機能
    AUC0-168h
    Cmax
    比の推定値
    [90%信頼区間]
    比の推定値
    [90%信頼区間]
    軽度(GFR 60~90mL/min未満)/正常
    1.25[0.74;2.11]
    1.31[0.71;2.39]
    中等度(GFR 30~60mL/min未満)/正常
    1.27[0.77;2.07]
    1.40[0.79;2.47]
    重度(GFR 30mL/min未満)/正常
    1.75[1.00;3.06]
    1.47[0.77;2.81]
    血液透析を必要とする被験者/正常
    1.63[1.01;2.61]
    1.34[0.77;2.32]
    被験者数:正常(13例)、軽度(8例)、中等度(8例)、重度(5例)、血液透析を必要とする被験者(8例)
  2. 肝機能障害者
    肝機能障害の程度の異なる被験者(Child-Pugh scoresに基づいて分類)における本薬0.08mg/kgを週1回反復皮下投与したときの定常状態(投与3回目)での薬物動態を、肝機能が正常な被験者と比較検討した結果を以下に示す。また、肝機能が正常な被験者に対するIGF-IのAUC0-168hの比の推定値は、0.85(軽度)及び0.75(中等度)であった(外国人データ) 。
    肝機能
    AUC0-168h
    Cmax
    比の推定値
    [90%信頼区間]
    比の推定値
    [90%信頼区間]
    軽度 (Child-Pugh分類クラスA)/正常
    1.08[0.66;1.75]
    0.95[0.52;1.74]
    中等度 (Child-Pugh分類クラスB)/正常
    4.69[2.92;7.52]
    3.52[1.97;6.31]
    被験者数:正常(16例)、軽度(9例)、中等度(9例)

PharmacokineticsEtc

  1. 成人成長ホルモン分泌不全症患者を対象とした皮下投与
    成人成長ホルモン分泌不全症患者22例に本薬0.02、0.04、0.08及び0.12mg/kgを週1回反復皮下投与したときの投与4週目における薬力学パラメータを以下に示す。また、成人成長ホルモン分泌不全症患者8例にノルディトロピン(平均用量:0.004mg/kg)を1日1回反復皮下投与したときの投与4週目におけるIGF-IのAUC0-168h(幾何平均値)は28502ng・h/mL、IGF-IのCmax(幾何平均値)は191.4ng/mL、IGF-Iのtmax(中央値)は83.9時間であった(外国人データ) 。
用量
(mg/kg)
平均投与量
(mg/週)
IGF-I AUC0-168h
(ng·h/mL)
IGF-I Cmax
(ng/mL)
IGF-I tmax
(h)
0.02
(6例)
1.69
25842(32.8)
189.3(24.6)
59.8(24.1;119.9)
0.04
(5例)
3.52
28839(32.1)
203.4(29.1)
47.9(12.4;167.9)
0.08
(5例)
6.23
39097(65.1)
283.6(60.2)
71.2(47.8;71.8)
0.12
(6例)
9.63
77808(34.4)
559.3(39.0)
83.7(47.8;95.9)
本剤の承認最高用量は8.0mgである。
IGF-IのAUC0-168h及びCmaxは幾何平均値(変動係数%)、IGF-Iのtmaxは中央値(最小値;最大値)
  1. 成長ホルモン分泌不全性低身長症患者を対象とした皮下投与
    成長ホルモン分泌不全性低身長症患者24例(年齢範囲:6~11歳)に本薬0.02、0.04、0.08及び0.16mg/kgを単回皮下投与したときの薬力学パラメータを以下に示す。また、成長ホルモン分泌不全性低身長症患者8例にノルディトロピン0.03mg/kgを1日1回7日間反復皮下投与したときの投与後1日目におけるIGF-IのAUC0-24h(幾何平均値)は34989ng・h/mL、IGF-IのCmax(幾何平均値)は244.8ng/mL、IGF-Iのtmax(中央値)は95.1時間であった(外国人データ) 。
    用量
    (mg/kg)
    IGF-I AUC0-168h
    (ng・h/mL)
    IGF-I Cmax
    (ng/mL)
    IGF-I tmax
    (h)
    0.02
    (6例)
    16153(57.0)
    121.4(52.7)
    30.0(12.0;48.0)
    0.04
    (6例)
    24199(86.6)
    204.6(71.9)
    36.0(23.9;71.5)
    0.08
    (6例)
    42218(28.1)
    368.8(28.3)
    41.8(35.6;47.9)
    0.16
    (6例)
    34350(13.5)
    317.7(7.0)
    71.5(47.2;95.8)
    IGF-IのAUC0-168h及びCmaxは幾何平均値(変動係数%)、IGF-Iのtmaxは中央値(最小値;最大値)

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国際共同第III相試験
(1)主要試験期間
ヒト成長ホルモン製剤で未治療の重症成人成長ホルモン分泌不全症患者300例を対象として35週間(1週間の後観察期間を含む)のプラセボ対照(二重盲検)及び実薬対照(非盲検)試験を実施した〔本剤週1回投与群120例(日本人18例)、プラセボ週1回投与群61例(日本人10例)及びノルディトロピン1日1回投与群119例(日本人18例)〕。本剤及びノルディトロピンの開始用量は以下のとおりとした。投与開始後8週間は用量調整期間とされ、IGF-I SDスコアの目標値(-0.5超1.75以下)に従って、用量調整する日の前の投与(ノルディトロピンは用量調整する日の1週間前の投与)から3日後に測定したIGF-I値に基づき、本剤は0.1~8.0mg、ノルディトロピンは0.05~1.1mg(日本人は0.05~1.0mg)の範囲で2週毎に投与量が調整された。
グループ
本剤
ノルディトロピン注1)
60歳以下の被験者
1.5mg/週
0.2mg/日
経口エストロゲンを投与している女性被験者(年齢によらない)
2.0mg/週
0.3mg/日
60歳超の被験者
1.0mg/週
0.1mg/日
注1)ノルディトロピンの承認用法・用量は、1週間に体重kgあたり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.021mg~0.084mgである。
プラセボ群の被験者に対する開始用量及び用量調整法は、本剤群の被験者と同一とした。
主要評価項目〔躯幹部体脂肪率(%)のベースラインから投与後34週までの変化量(DXAにより測定)〕は以下のとおりであり、本剤週1回投与のプラセボに対する優越性が検証された〔群差(本剤群-プラセボ群)の両側95%信頼区間の上限が0未満〕。
項目
投与群
ベースライン注2)
投与後34週注2)
ベースラインからの変化量注2)
群差の推定値
[95%信頼区間]注3)
躯幹部
体脂肪率
(%)
本剤群
39.11±8.81
(119)
37.80±9.04
(116)
-1.17±2.89
(116)
-1.53
[-2.68;-0.38]
プラセボ群
36.90±8.98
(60)
37.86±8.94
(56)
0.49±3.31
(56)
ノルディトロピン群
38.10±9.65
(119)
35.50±10.42
(111)
-2.39±4.48
(111)
注2)平均±標準偏差(被験者数)
注3)本剤群‐プラセボ群。共分散分析(34週の全ての観測値)。34週の欠測値を多重補完法を用いて補完。
投与後34週における体組成に関連するパラメータ及びIGF-I SDスコアは以下のとおりである 。
項目
評価時点
プラセボ群
本剤群
ノルディトロピン群
内臓脂肪
組織(cm2)
ベースライン
105.81±61.84
(57)
138.31±78.02
(107)
125.35±69.80
(110)
投与34週時の
変化量
4.41±13.81
(53)
-11.61±23.93
(105)
-9.68±21.37
(104)
総脂肪量
(g)
ベースライン
24820.88±11364.09
(60)
27559.38±10803.67
(119)
27260.57±11967.97
(119)
投与34週時の
変化量
305.47±2689.06
(56)
-85.47±3022.71
(116)
-855.71±3167.06
(111)
体肢骨格
筋量(g)
ベースライン
18956.27±5488.96
(60)
20303.95±6583.47
(119)
20353.44±7018.30
(119)
投与34週時の
変化量
-76.22±1006.58
(56)
565.21±1011.18
(116)
482.76±1246.89
(111)
総除脂肪
体重(g)
ベースライン
42530.26±11011.48
(60)
45477.71±13112.08
(119)
45658.60±14323.08
(119)
投与34週時の
変化量
334.43±2048.01
(56)
1395.88±2139.32
(116)
1359.33±2359.11
(111)
IGF-I
SDスコア
ベースライン
-2.64±1.28
(60)
-2.54±1.26
(117)
-2.53±1.27
(117)
投与34週時の
変化量
0.05±0.59
(56)
2.37±1.33
(116)
2.28±1.32
(113)
平均±標準偏差(被験者数)
本剤週1回投与群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。プラセボ週1回投与群の副作用の発現頻度は本剤週1回投与群及びノルディトロピン1日1回投与群と比較して低かった。本剤週1回投与群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(5.0%、6/120例)及び関節痛(3.3%、4/120例)であった 。
(2)延長期間
35週間の主要試験期間を完了した重度成人成長ホルモン分泌不全症患者272例が、53週間(全投与期間:86週)の延長期間(非盲検)に移行した。プラセボ週1回投与群の被験者は本剤週1回投与群に移行し、ノルディトロピン1日1回投与群の被験者は本剤週1回投与群又はノルディトロピン1日1回投与群のいずれかに再度無作為割り付けされた。本剤週1回投与群の被験者は、延長期間でも本剤の投与を継続した〔本剤週1回投与継続群114例(日本人18例)、ノルディトロピン1日1回投与継続群52例(日本人9例)、プラセボ週1回投与から本剤週1回投与移行群55例(日本人10例)及びノルディトロピン1日1回投与から本剤週1回投与移行群51例(日本人8例)〕。本剤及びノルディトロピンの開始用量及び用量調整方法は主要試験期間と同様であった。投与後87週までにおける躯幹部体脂肪率(%)及びIGF-I SDスコアは以下のとおりである 。
項目
評価時点
プラセボから
本剤移行群
本剤継続群
ノルディトロピンから
本剤移行群
ノルディトロピン継続群
躯幹部
体脂肪率
(%)
ベースライン
37.00±8.89
(60)
39.12±8.81
(119)
38.26±9.59
(51)
38.16±9.46
(52)
投与34週時の
変化量
0.38±3.14
(56)
-1.18±2.87
(116)
-2.28±3.99
(51)
-2.53±4.76
(52)
投与87週時の
変化量
-2.16±3.94
(52)
-1.63±3.65
(109)
-0.96±4.51
(47)
-2.63±4.65
(48)
IGF-I
SDスコア
ベースライン
-2.64±1.28
(60)
-2.54±1.26
(117)
-2.75±1.20
(50)
-2.33±1.28
(52)
投与34週時の
変化量
0.05±0.59
(56)
2.36±1.34
(117)
2.32±1.23
(51)
2.45±1.26
(52)
投与87週時の
変化量
2.36±1.55
(54)
2.29±1.39
(110)
2.35±1.54
(47)
2.07±1.12
(47)
平均±標準偏差(被験者数)
本剤週1回投与継続群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与継続群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。本剤週1回投与継続群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(5.0%、6/120例)、末梢性浮腫(4.2%、5/120例)及び関節痛(3.3%、4/120例)であった 。
  1. 国内第III相試験
    ヒト成長ホルモン製剤で治療中の日本人重症成人成長ホルモン分泌不全症患者62例を対象として53週間(1週間の後観察期間を含む)の非盲検、実薬対照試験を実施した(本剤週1回投与群46例及びノルディトロピン1日1回投与群16例)。本剤及びノルディトロピンの開始用量は17.1.1国際共同第III相試験と同様である。投与開始後20週間は用量調整期間とされ、IGF-I SDスコアの目標値(0超2以下)に従って、用量調整する日の前の投与(ノルディトロピンは用量調整する日の1週間前の投与)から3日後に測定したIGF-I値に基づき、本剤は0.1~8.0mg、ノルディトロピンは0.05~1.0mgの範囲で4週毎に投与量が調整された。投与後52週における脂肪組織パラメータ(CTスキャンにより測定)及びIGF-I SDスコアは以下のとおりである 。
    項目
    評価時点
    本剤群
    ノルディトロピン群
    TAT
    (cm2)
    ベースライン
    347.987±220.256
    (46)
    276.488±111.225
    (16)
    投与52週
    313.498±179.485
    (43)
    271.543±74.326
    (14)
    投与52週時の変化量
    -7.091±58.893
    (43)
    7.450±32.177
    (14)
    SAT
    (cm2)
    ベースライン
    238.750±167.025
    (46)
    185.919±79.368
    (16)
    投与52週
    212.251±129.823
    (43)
    183.336±50.689
    (14)
    投与52週時の変化量
    -5.033±40.735
    (43)
    6.779±22.900
    (14)
    VAT
    (cm2)
    ベースライン
    109.237±77.229
    (46)
    90.569±38.988
    (16)
    投与52週
    100.976±66.529
    (45)
    88.207±30.042
    (14)
    投与52週時の変化量
    -2.618±29.123
    (45)
    0.671±15.284
    (14)
    IGF-I SDスコア
    ベースライン
    0.64±0.72
    (46)
    0.88±0.82
    (16)
    投与52週
    0.61±0.68
    (45)
    0.52±0.57
    (14)
    投与52週時の変化量
    -0.02±0.78
    (45)
    -0.30±1.03
    (14)
    平均±標準偏差(被験者数)
    TAT:総脂肪組織、SAT:皮下脂肪組織、VAT:腹腔内又は内臓脂肪組織
    本剤週1回投与群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン1日1回投与群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。本剤週1回投与群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、上咽頭炎(4.3%、2/46例)及び関節痛(4.3%、2/46例)であった 。
<成長ホルモン分泌不全性低身長症>
  1. 国際共同第III相試験
    ヒト成長ホルモン製剤で未治療の成長ホルモン分泌不全性低身長症患者200例(年齢範囲:2.5~11歳、平均年齢:6.4歳)を対象として52週間の実薬対照(非盲検)試験を実施した〔本剤0.16mg/kg週1回投与群132例(日本人19例)及びノルディトロピン0.034mg/kg 1日1回投与注4) 群68例(日本人11例)〕。
    52週間の主要試験期間を完了した患者199例が、52週間の安全性延長期間に移行した(全投与期間:104週)。ノルディトロピン0.034mg/kg 1日1回投与群の被験者は、本剤0.16mg/kg週1回投与に切り替え、本剤0.16mg/kg週1回投与群の被験者は、本剤の投与を継続した〔本剤週1回投与継続群131例(日本人19例)及びノルディトロピン1日1回投与から本剤週1回投与移行群68例(日本人11例)〕。
    注4)ノルディトロピンの承認用法・用量は、1週間に体重kgあたり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgである。

    主要評価項目〔52週の年間成長速度(cm/年)〕は以下のとおりであり、本剤のノルディトロピンに対する非劣性が検証された(非劣性マージン:-1.8cm/年)。投与後52週及び104週の身長に関する評価項目及びIGF-I SDスコアの結果は以下のとおりである 。
    項目
    評価時点
    本剤継続群注6)
    ノルディトロピンから
    本剤移行群注6)
    群差の推定値
    [95%信頼区間]注7)
    年間
    成長速度
    (cm/年)
    ベース
    ライン注5)
    4.3±1.4
    (132)
    4.1±1.4
    (68)
    -
    投与後52週注5),注8)
    11.2±2.5
    (132)
    11.8±2.9
    (68)
    -0.5[-1.1;0.2]
    投与後104週注5),注8)
    8.4±1.5
    (127)
    8.7±1.8
    (67)
    -
    身長SD
    スコア
    ベース
    ライン注5)
    -2.99±1.02
    (132)
    -3.47±1.52
    (68)
    -
    投与後52週注5)
    -1.78±0.95
    (132)
    -2.09±1.12
    (68)
    -
    投与後104週注5)
    -1.23±0.91
    (127)
    -1.47±0.94
    (67)
    -
    IGF-I SD
    スコア
    ベース
    ライン注5)
    -2.03±0.97
    (132)
    -2.33±1.03
    (68)
    -
    投与後52週注5)
    0.28±1.28
    (132)
    0.10±1.09
    (67)
    -
    投与後104週注5)
    -0.27±1.06
    (127)
    -0.25±1.25
    (66)
    -
    注5)平均±標準偏差(被験者数)
    注6)本剤継続群では、主要試験期間の本剤0.16mg/kg週1回投与群の被験者が本剤の投与を104週間継続した。ノルディトロピンから本剤移行群では、主要試験期間のノルディトロピン0.034mg/kg1日1回投与群の被験者が投与後52週にノルディトロピンから本剤0.16mg/kg週1回投与に切り替えた。
    注7)本剤0.16mg/kg週1回投与群‐ノルディトロピン0.034mg/kg 1日1回投与群。性別、年齢、地域、GH頂値、性別と年齢と地域の交互作用及びベースライン時の身長で調整した共分散分析(52週の全ての観測値)。
    注8)成長速度の算出にあたって用いたベースラインの身長は、52週までは0週の身長を、52週より後から104週までは52週の身長を用いた。
    本剤群の安全性プロファイルは、ノルディトロピン群と同様であり、特別な安全性の懸念はみられなかった。52週間の投与期間で本剤群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(3.8%、5/132例)であった。104週間の投与期間で本剤継続群において高頻度(3%以上)で報告された副作用は、頭痛(4.5%、6/132例)及び四肢痛(3.8%、5/132例)であった 。

薬効薬理

作用機序
主に肝臓に働き、IGF-I分泌を促進する。また、脂肪、筋肉、骨組織の成長ホルモン受容体を介して標的細胞に直接作用し、脂肪組織を減少させ、筋肉や骨組織の成長を刺激する。内因性アルブミンとの結合により、本薬の排出が遅延し、in vivoでの消失半減期(t1/2)が延長するため、その作用が持続化する 。
体組成改善・身体成長促進作用
成長ホルモン分泌不全症に対しては、体組成(体脂肪量の減少、除脂肪体重の増加)及び代謝作用を正常化する。また、成長ホルモン欠損下垂体摘出ラットに本薬を週1回投与した結果、体重の増加、血中IGF-I濃度の増加、除脂肪体重の増加、骨成長の促進、体脂肪量の減少等が認められた 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ソマプシタン(遺伝子組換え) (JAN)
Somapacitan (Genetical Recombination)(JAN)
分子式
C1038H1609N273O319S9
分子量
23,305.10
化学構造式
アミノ酸配列及びジスルフィド結合
C101:アルキル化部位
アルキル化部位の構造
*C101の硫黄原子
本質
ソマプシタンは、遺伝子組換えヒト成長ホルモン類縁体であり、101番目のロイシン残基がシステイン残基に置換され、16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカン酸及び4-カルボキシプロピルスルホンアミドが、1個のε-アミノ基がアシル化されたリシン、2個の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸及び2個のグルタミン酸から構成されるリンカーを介して101番目のシステイン残基に結合している。ソマプシタンは、191個のアミノ酸残基からなる修飾タンパク質である。

取扱い上の注意

  1. 凍結を避け、冷蔵庫(2~8℃)で保管すること。使用開始後は、6週間以内に使用すること。
  2. 冷蔵庫で保管ができない場合は、使用開始前又は開始後にかかわらず、一時的に室温で保管することもできるが、直射日光を避け、キャップ等により遮光して、通算3日間(72時間)までとすること。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

<5mg>
1.5mL[1本]
<10mg>
1.5mL[1本]
<15mg>
1.5mL[1本]

主要文献

1
社内資料:第I相臨床試験(NN8640-3915)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
2
社内資料:第I相臨床試験(NN8640-3947)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
3
社内資料:第I相臨床試験(NN8640-4042)(202x年xx月xx日承認 CTD2.7.2.3)
4
社内資料:2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3.1.9
5
社内資料:202x年xx月xx日承認 CTD2.7.2.3.1.6
6
社内資料:第I相臨床試験(NN8640-4237)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
7
社内資料:第I相臨床試験(NN8640-4297)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
8
社内資料:第I相臨床試験(NN8640-4298)(2021年1月22日承認 CTD2.7.2.3)
9
社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4054)(2021年1月22日承認CTD2.7.3.2及び2.7.3.3)
10
社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4054)(2021年1月22日承認 CTD2.7.6.6)
11
社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4054)(2021年1月22日承認 CTD2.7.3.5)
12
社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4054)(2021年1月22日承認 CTD2.7.6.7)
13
社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4244)(2021年1月22日承認CTD2.7.3.2及び2.7.3.3)
14
社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4244)(2021年1月22日承認 CTD2.7.6.9)
15
社内資料:第III相臨床試験(NN8640-4263)(202x年xx月xx日承認 CTD2.7.3.2、2.7.3.3、2.7.3.5、2.7.6.6及び2.7.6.7)
16
社内資料:2021年1月22日承認 CTD2.4.1.1
17
社内資料:2021年1月22日承認 CTD2.6.2.1

文献請求先及び問い合わせ先

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 ノボケア相談室
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1
Tel 0120-180363(フリーダイアル)

製造販売業者等

製造販売元
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
東京都千代田区丸の内2-1-1
www.novonordisk.co.jp

(参考情報)

ソグルーヤ®、Sogroya®及びノルディトロピン®はNovo Nordisk Health Care AGの登録商標です。ペンニードル®はNovo Nordisk A/Sの登録商標です。

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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