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グーフィス錠5mg

胆汁酸トランスポーター阻害剤

1錠 89.2円

添付文書番号

2359008F1025_1_06

企業コード

111890

作成又は改訂年月

2022年4月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872359

薬効分類名

胆汁酸トランスポーター阻害剤

承認等

販売名

グーフィス錠5mg

販売名コード

2359008F1025

販売名英字表記

GOOFICE Tablets

販売名ひらがな

ぐーふぃすじょう5みりぐらむ

承認番号等

承認番号
23000AMX00013

販売開始年月

2018年4月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

エロビキシバット水和物錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 腫瘍、ヘルニア等による腸閉塞が確認されている又は疑われる患者[腸閉塞を悪化させるおそれがある。]

組成・性状

組成

グーフィス錠5mg
有効成分
1錠中エロビキシバット  5mg
エロビキシバット水和物として  5.13mg
添加剤
結晶セルロース、D-マンニトール、ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、マクロゴール6000、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、カルナウバロウ

製剤の性状

グーフィス錠5mg
剤形フィルムコーティング錠
色調淡黄色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
約6.1mm
大きさ(厚さ)
約3.9mm
質量約110.3mg

効能又は効果

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

効能又は効果に関連する注意

薬剤性及び症候性の慢性便秘症患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。

用法及び用量

通常、成人にはエロビキシバットとして10mgを1日1回食前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、最高用量は1日15mgとする。

重要な基本的注意

本剤投与中は腹痛や下痢があらわれるおそれがあるので、症状に応じて減量、休薬又は中止を考慮し、本剤を漫然と継続投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害のある患者
    胆道閉塞や胆汁酸分泌が低下している患者等では本剤の効果が期待できない場合がある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で大量経口投与により、母体毒性(1000mg/kg/日)並びに出生児の生存性、成長及び発達に影響(350mg/kg/日以上)がみられた。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。14C-エロビキシバットを用いた動物実験(ラット)で、放射能の乳汁中への移行が報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

本剤は、P-糖蛋白質の阻害作用を有する,

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
胆汁酸製剤
ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸
これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。
本剤の胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害作用により、胆汁酸製剤の再吸収が阻害されるおそれがある。
アルミニウム含有制酸剤
スクラルファート水和物、アルジオキサ等
本剤の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤は、消化管内で胆汁酸を吸着するため、本剤の作用が減弱するおそれがある。
コレスチラミン、コレスチミド
本剤の作用が減弱するおそれがある。
これらの薬剤は、胆汁酸を吸着するため、本剤の作用が減弱するおそれがある。
ジゴキシン、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。
本剤のP-糖蛋白質に対する阻害作用による。
ミダゾラム
ミダゾラムの血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
機序は不明である。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
肝臓
肝機能異常(ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、Al-P増加、LAP増加)
LDH増加
精神神経系
浮動性めまい
頭痛
循環器
ほてり
消化器
腹痛(23.2%)、下痢(14.4%)
下腹部痛、腹部膨満、悪心、上腹部痛、腹部不快感、軟便
口内炎、口渇
鼓腸、便意切迫、嘔吐、胃腸音異常、便秘、虚血性大腸炎、下血、排便回数増加、変色便、肛門失禁、食欲減退
過敏症
じん麻疹
発疹
血液
貧血
ビタミンE増加
好酸球数増加
その他
CK増加
月経困難症

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    日本人慢性便秘患者を対象に、本剤5mg、10mg、15mgを朝食前に単回経口投与した時の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
    用量
    5mg
    10mg
    15mg
    例数
    10
    10
    10
    Cmax(pg/mL)
    186.8±87.1
    386.4±215.4
    389.7±103.6
    AUC0-∞(pg・h/mL)
    837.8±572.9
    1272.5±656.2
    1632.2±475.8
    Tmax(h)
    1.8±1.6
    1.9±1.6
    1.8±0.6
    t1/2(h)
    3.3±3.1
    2.5±1.5
    3.2±1.5
    平均値±標準偏差
    外国人健康成人男性6名に、14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を朝食前に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
    パラメータ
    5mg 14C-エロビキシバット
    Cmax(nmol/L)
    0.5±0.3
    AUC0-∞(nmol・h/L)
    1.2±0.4(n=3)
    Tmax(h)
    0.8(0.5-2.0)
    t1/2(h)
    0.8±0.2(n=3)
    平均値±標準偏差
    中央値(範囲)

吸収

  1. 食事の影響
    日本人慢性便秘患者60名を対象に、クロスオーバー法で、本剤単回経口投与後の食事摂取の有無による薬物動態への影響を評価した。食前投与時のCmax及びAUC0-∞は、食事非摂取時の約20~30%であった。

分布

エロビキシバットのin vitroにおけるヒト血漿蛋白質との結合率は99%以上であり、ヒト血球移行率は5%未満であった。

代謝

外国人健康成人男性6名に14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を単回経口投与したときの血漿中には代謝物は認められなかった。投与24~48時間後までのプールした糞便中には未変化体及びモノヒドロキシエロビキシバットが認められたが、放射能の割合はそれぞれ96.06%及び3.16%であり、ほとんどが未変化体であった。

排泄

日本人慢性便秘患者に本剤を絶食下で単回経口投与した時、投与144時間後までの累積尿中薬物排泄率は投与量の0.01%程度であり、尿中への薬物の排泄はほとんど認められなかった。
外国人健康成人男性6名に14C-エロビキシバット5mg(約2.75MBq)を単回経口投与したとき、投与144時間後の糞便中には投与量の103.1%の放射能が排泄され、尿中には投与量の0.00~0.02%の放射能が排泄された。

薬物相互作用

Caco-2細胞においてP-糖蛋白質の基質であるジゴキシンの輸送に対するエロビキシバットのIC50値は2.65μmol/Lであり、P-糖蛋白質阻害作用を示した。
外国人健康成人男女25名を対象に本剤10mgを1日1回5日間経口投与し、ダビガトランエテキシラート150mg/回/日を1日目に、ミダゾラム2mg/回/日を1日目及び5日目に併用して、それぞれの単独投与時と比較した。その結果、P-糖蛋白質の基質であるダビガトランのAUC0-t及びCmaxは、単独投与時と比較してそれぞれ1.17倍(90%信頼区間:1.00-1.36)、1.13倍(90%信頼区間:0.96-1.33)であり、90%信頼区間の上限値がいずれも基準値の1.25を超えた。ミダゾラム5日目のAUC0-t及びCmaxは、単独投与時と比較してそれぞれ0.78倍(90%信頼区間:0.73-0.83)、0.94倍(90%信頼区間:0.87-1.01)であり、AUC0-tの90%信頼区間の下限値が基準値0.80を下回った。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検比較試験
    日本人慢性便秘患者132名を対象に、プラセボ又は本剤10mgを1日1回朝食前に経口投与したとき、本剤の「投与期間第1週の自発排便回数の観察期間からの変化量」はプラセボに対して有意に多く、プラセボに対する本剤の優越性が検証された(p<0.0001)。
    観察期間の自発排便回数を共変量とした共分散分析
    本剤の副作用発現率は30%(21/69例)であり、主な副作用は腹痛19%(13/69例)、下痢13%(9/69例)であった。
  2. 国内第Ⅲ相長期投与試験
    日本人慢性便秘患者340例を対象に、本剤10mgを1日1回(症状に応じて5mg~15mgに適宜増減)朝食前に52週間経口投与したとき、週当たりの自発排便回数は、投与期間第1週から増加し52週時点まで同程度で推移した。
    本剤の副作用発現率は48%(163/340例)であり、主な副作用は腹痛24%(82/340例)、下痢15%(50/340例)、下腹部痛5%(17/340例)、腹部膨満3%(11/340例)、悪心及び肝機能検査異常各3%(10/340例)、腹部不快感2%(7/340例)であった。

薬効薬理

作用機序
エロビキシバットは回腸末端部の上皮細胞に発現している胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害し、胆汁酸の再吸収を抑制することで、大腸管腔内に流入する胆汁酸の量を増加させる。胆汁酸は、大腸管腔内に水分および電解質を分泌させ、さらに消化管運動を亢進させる為、本剤の便秘治療効果が発現する,,
ロペラミド誘発ラット便秘モデルにおけるエロビキシバットの作用
ロペラミドにより誘発したラット便秘モデルにおいてエロビキシバットは単回経口投与により便秘改善作用を示した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エロビキシバット水和物(Elobixibat Hydrate)[JAN]
化学名
[(2R)-2-(2-{[3,3-Dibutyl-7-(methylsulfanyl)-1,1-dioxo-5-phenyl-2,3,4,5-tetrahydro-1H-1,5-benzothiazepin-8-yl]oxy}acetamido)-2-phenylacetamido]acetic acid monohydrate
分子式
C36H45N3O7S2・H2O
分子量
713.90
性状
エロビキシバット水和物は白色の粉末である。本品は、N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、アセトニトリル又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式

取扱い上の注意

アルミ袋開封後は高温、湿気を避けて気密容器に保存すること。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

100錠(PTP、10錠×10)、500錠(PTP、10錠×50)

主要文献

1
EAファーマ株式会社:社内資料(毒性試験「生殖発生毒性試験」)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.6.6)
2
EAファーマ株式会社:社内資料(乳汁への移行性)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.4.6)
3
EAファーマ株式会社:社内資料(トランスポーターに関する検討)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
4
EAファーマ株式会社:社内資料(薬物相互作用の検討)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
5
EAファーマ株式会社:社内資料(慢性便秘患者を対象とした臨床薬理試験)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
6
EAファーマ株式会社:社内資料(外国臨床試験における代謝動態の確認)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
7
EAファーマ株式会社:社内資料(血漿蛋白結合率および血球移行率)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
8
EAファーマ株式会社:社内資料(排泄率の検討)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.7.2.2)
9
Nakajima A., et al.:Lancet Gastroenterol. Hepatol., 2018;3(8):537-547
10
EAファーマ株式会社:社内資料(胆汁酸トランスポーターに対する作用)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.2.2)
11
EAファーマ株式会社:社内資料(胆汁酸吸収に対する作用)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.2.2)
12
Acosta A., et al.:Ther. Adv. Gastroenterol., 2014;7(4):167-175
13
Iser J. H., et al.:Drugs, 1981;21(2):90-119
14
Mitchell W. D., et al.:Gut, 1973;14(5):348-353
15
EAファーマ株式会社:社内資料(ラットロペラミド誘発便秘モデルに対する作用)(2018年1月19日承認、申請資料概要2.6.2.2)

文献請求先及び問い合わせ先

EAファーマ株式会社
くすり相談室
〒104-0042 東京都中央区入船二丁目1番1号
フリーダイヤル 0120-917-719

製造販売業者等

製造販売元
EAファーマ株式会社
東京都中央区入船二丁目1番1号
プロモーション提携
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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