作成又は改訂年月
※※
2018年10月改訂
(第10版、副作用の項)
※
2013年6月改訂
(第9版)
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
販売名
※ファモチジン注用10mg「トーワ」
販売名コード
承認・許可番号
承認番号 ※22500AMX00425
欧文商標名 FAMOTIDINE FOR INJECTION 10mg “TOWA”
薬価基準収載年月
販売開始年月
使用期限等
基準名
規制区分
処方箋医薬品注1)
注1)注意−医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分
1管中 日局 ファモチジン…10mg
添加物
L-アスパラギン酸…4mg D-マンニトール…20mg pH調整剤(塩酸、水酸化Na)
性状
白色の多孔性の塊又は粉末
pH
4.9〜5.5(20mg/mL注射用水)
浸透圧比
約1.1(20mg/mL注射用水、生理食塩液に対する比)
販売名
※ファモチジン注用20mg「トーワ」
販売名コード
承認・許可番号
承認番号 ※22500AMX00426
欧文商標名 FAMOTIDINE FOR INJECTION 20mg “TOWA”
薬価基準収載年月
販売開始年月
使用期限等
基準名
規制区分
処方箋医薬品注1)
注1)注意−医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分
1管中 日局 ファモチジン…20mg
添加物
L-アスパラギン酸…8mg D-マンニトール…40mg pH調整剤(塩酸、水酸化Na)
性状
白色の多孔性の塊又は粉末
pH
4.9〜5.5(20mg/mL注射用水)
浸透圧比
約1.1(20mg/mL注射用水、生理食塩液に対する比)
一般的名称
禁忌
効能・効果
上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、Zollinger-Ellison症候群、侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制、麻酔前投薬
用法・用量
○上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、Zollinger-Ellison症候群、侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制
通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液20mLにて溶解し、1日2回(12時間毎)緩徐に静脈内投与する。又は輸液に混合して点滴静注する。
又は、ファモチジンとして1回20mgを日局注射用水1〜1.5mLに溶解し、1日2回(12時間毎)筋肉内投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
上部消化管出血及びZollinger-Ellison症候群では、一般的に1週間以内に効果の発現をみるが、内服可能となった後は経口投与に切りかえる。
侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、 集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制では、術後集中管理又は集中治療を必要とする期間(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他の侵襲ストレスは7日間程度)の投与とする。
○麻酔前投薬
通常、成人にはファモチジンとして1回20mgを日局注射用水1〜1.5mLに溶解し、麻酔導入1時間前に筋肉内投与する。
又は、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液20mLにて溶解し、麻酔導入1時間前に緩徐に静脈内投与する。
用法・用量に関連する使用上の注意
腎機能低下患者への投与法
ファモチジンは主として腎臓から未変化体で排泄される。腎機能低下患者にファモチジンを投与すると、腎機能の低下とともに血中未変化体濃度が上昇し、尿中排泄が減少するので、次のような投与法を目安とする。
使用上の注意
慎重投与
薬物過敏症の既往歴のある患者
腎障害のある患者[血中濃度が持続するので、投与量を減ずるか投与間隔をあけて使用すること。]
心疾患のある患者[心血管系の副作用を起こすおそれがある。]
肝障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
「侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制」については、手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷により、ストレス潰瘍が発症する可能性が考えられる場合 に限り使用すること。なお、広範囲熱傷はBurn Index 10以上の熱傷を目安とすること。
治療にあたっては経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用(手術侵襲ストレスは3日間程度、その他は7日間程度) にとどめ、本剤で効果がみられない場合には他の療法に切りかえること。なお、血液像、肝機能、腎機能等 に注意すること。
相互作用
併用注意
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 アゾール系抗真菌薬 イトラコナゾール 上記の薬剤の血中濃度が低下する。 本剤の胃酸分泌抑制作用が上記薬剤の経口吸収を低下させる。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用(頻度不明)
※※ショック、 アナフィラキシー :ショック、アナフィラキシー (呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫〈顔面浮腫、咽頭浮腫等〉、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少 :再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(初期症状として全身けん怠感、脱力、皮下・粘膜下出血、発熱等)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群) :皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸 :AST(GOT)・ALT(GPT)等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症 :横紋筋融解症があらわれることがあるので、高カリウム血症、ミオグロビン尿、血清逸脱酵素の著明な上昇、筋肉痛等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、心室細動 :QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、心室細動があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者においてあらわれやすいので、投与後の患者の状態に十分注意すること。
意識障害、痙攣 :意識障害、全身痙攣(痙直性、間代性、ミオクローヌス性)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。特に腎機能障害を有する患者においてあらわれやすいので、注意すること。
間質性腎炎、急性腎不全 :間質性腎炎、急性腎不全があらわれることがあるので、初期症状として発熱、皮疹、腎機能検査値異常(BUN・クレアチニン上昇等)等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎 :発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
重大な副作用(類薬)
不全収縮 :他のH2 受容体拮抗剤で不全収縮があらわれるとの報告がある。
その他の副作用
過敏症 注2)
頻度不明
発疹・皮疹、蕁麻疹(紅斑)、顔面浮腫
血液 注2)
頻度不明
白血球減少、好酸球増多
消化器
頻度不明
便秘、下痢・軟便、口渇、悪心・嘔吐、腹部膨満感、食欲不振、口内炎等
循環器
頻度不明
血圧上昇、顔面潮紅、耳鳴、徐脈、頻脈、房室ブロック
肝臓
頻度不明
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、総ビリルビン上昇、LDH上昇、肝機能異常、黄疸等
精神神経系
頻度不明
全身けん怠感、無気力感、頭痛、眠気、不眠、可逆性の錯乱状態、うつ状態、痙攣、意識障害
内分泌系 注2)
頻度不明
月経不順、女性化乳房
注2)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者では、本剤を減量するか投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。[本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、腎機能が低下していることが多いため血中濃度が持続するおそれがある。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦等 :妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳婦 :授乳婦に投与するときは授乳させないよう注意すること。[母乳中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)
適用上の注意
筋肉内注射時 :筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に配慮すること。
筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。同一部位への反復注射は行わないこと。特に新生児、低出生体重児、幼児、小児には注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意すること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
アンプルカット時 :本剤はワンポイントカットアンプルであるが、異物の混入を避けるため、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
その他の注意
本剤の投与が胃癌による症状を隠蔽することがあるので、悪性でないことを確認のうえ投与すること。
薬物動態
生物学的同等性試験
※ファモチジン注用10mg「トーワ」
ファモチジン注用10mg「トーワ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1管(ファモチジンとして10mg)健康成人男子(n=12)に絶食単回筋肉内投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された1) 。
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
※ファモチジン注用20mg「トーワ」
ファモチジン注用20mg「トーワ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1管(ファモチジンとして20mg)健康成人男子(n=12)に絶食単回筋肉内投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2) 。
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
薬効薬理
胃粘膜細胞のヒスタミンH2 受容体を遮断し、胃酸分泌及びペプシン分泌を抑制する。イヌ胃酸分泌、モルモット摘出心房の心拍数、ラット摘出子宮収縮の作用濃度を指標にした場合、H2 受容体拮抗作用は、シメチジンの10〜148倍強力である。ラットの実験潰瘍(インドメタシン、アスピリン、プレドニゾロン、ストレス、エピリゾールによる胃潰瘍及びシステアミン、エピリゾールによる十二指腸潰瘍)の発生に対してシメチジンよりも強い抑制効果を持つ3) 。
有効成分に関する理化学的知見
構造式:
一般名:ファモチジン(Famotidine)
化学名:N -Aminosulfonyl-3-{[2-(diaminomethyleneamino)-1, 3-thiazol-4-yl]methylsulfanyl}propanimidamide
分子式:C8 H15 N7 O2 S3
分子量:337.45
性 状:白色〜帯黄白色の結晶である。酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、水に極めて溶けにくい。0.5mol/L塩酸試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
融 点:約164℃(分解)
取扱い上の注意
注意
本剤はワンポイントカットアンプルを使用しているので、アンプル頭部の●マークを上にして反対方向に折りとること。
※安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、ファモチジン注用10mg「トーワ」及びファモチジン注用20mg「トーワ」は通常の市場流通下においてそれぞれ3年間安定であることが推測された4)5) 。
包装
※ファモチジン注用10mg「トーワ」 :5管
※ファモチジン注用20mg「トーワ」 :10管、50管
主要文献及び文献請求先
主要文献
1
東和薬品株式会社 社内資料:生物学的同等性試験(注用10mg)
2
保田 国伸ほか:医学と薬学,51(6),903,2004
3
第十五改正日本薬局方解説書,C-3433,2006
4
東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験(注用10mg)
5
東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験(注用20mg)
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい。
東和薬品株式会社 学術部DIセンター(24時間受付対応)
〒571-8580 大阪府門真市新橋町2番11号
0120-108-932 TEL 06-6900-9108 FAX 06-6908-5797
http://www.towayakuhin.co.jp/forstaff
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号