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閲覧履歴

ロペミンカプセル1mg

止瀉剤

1カプセル 14.4円

添付文書番号

2319001C2060_1_09

企業コード

800155

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872319

薬効分類名

止瀉剤

承認等

販売名

ロペミンカプセル1mg

販売名コード

2319001M1213

販売名英字表記

LOPEMIN Capsules 1mg

販売名ひらがな

ろぺみんかぷせる1mg

承認番号等

承認番号
21800AMX10315000

販売開始年月

1981年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
4年

販売名

ロペミン細粒0.1%

販売名コード

2319001C2060

販売名英字表記

LOPEMIN Fine Granules 0.1%

販売名ひらがな

ろぺみんさいりゅう0.1%

承認番号等

承認番号
21800AMX10286000

販売開始年月

1987年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

ロペラミド塩酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な感染性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがある。]
  2. 抗生物質の投与に伴う偽膜性大腸炎の患者[症状の悪化、治療期間の延長を来すおそれがある。]
  3. 低出生体重児、新生児及び6ヵ月未満の乳児[外国で、過量投与により、呼吸抑制、全身性痙攣、昏睡等の重篤な副作用の報告がある。]
  4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ロペミンカプセル1mg
有効成分
(1カプセル中)
ロペラミド塩酸塩  1mg
添加剤
(内容物中)トウモロコシデンプン、乳糖水和物、タルク、ステアリン酸マグネシウム
(カプセル中)ラウリル硫酸ナトリウム、酸化チタン
ロペミン細粒0.1%
有効成分
(1g中)
ロペラミド塩酸塩  1mg
添加剤
乳糖水和物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

ロペミンカプセル1mg
色・剤形
白色不透明の4号硬カプセル剤
外形
大きさ
長さ(mm)
14.2
厚さ(mm)
キャップ5.3
ボディ5.1
重さ(g)
0.22
識別コード
JP302
ロペミン細粒0.1%
色・剤形
白色の細粒剤
におい・味
においはなく、味は初め甘く、後にわずかに苦い。

効能又は効果

下痢症

用法及び用量

ロペラミド塩酸塩として、通常、成人に1日1~2mgを、1~2回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 止瀉剤による治療は下痢の対症療法であるので、脱水症状がみられる場合、輸液等適切な水・電解質の補給に留意すること。
  2. 本薬の薬理作用上、便秘が発現することがあるので、用量に留意し、便秘が発現した場合は投与を中止すること。
  3. 眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 感染性下痢の患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長を来すおそれがある。
  2. 潰瘍性大腸炎の患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。中毒性巨大結腸を起こすおそれがある。
  3. 肛門疾患等の患者
    特に便秘を避けなければならないため、注意して投与すること。本薬の薬理作用上、便秘が発現することがある。

肝機能障害患者

  1. 重度の肝機能障害患者
    本剤の代謝及び排泄が遅延するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

授乳を避けさせること。ヒトで母乳中に移行することが報告されている。

小児等

  1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 6ヵ月以上2歳未満の乳幼児
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。外国で、乳幼児(特に2歳未満)に過量投与した場合、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告がある。

高齢者

用量に留意するなど、注意して投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。

相互作用

本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2C8で代謝されることから、CYP3A4又はCYP2C8を阻害する薬剤と併用した際、本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤はP糖蛋白の基質である。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ケイ酸アルミニウム
タンニン酸アルブミン
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、投与間隔をあけるなど注意すること。
これらの薬剤により、本剤が吸着されることが考えられる。
リトナビル
キニジン
本剤の血中濃度が上昇することがある。
これらの薬剤のP糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の排出が阻害されると考えられる。
イトラコナゾール
本剤の血中濃度が上昇することがある。
イトラコナゾールのCYP3A4及びP糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。
デスモプレシン(経口)
デスモプレシンの血中濃度が上昇することがある。
本剤の消化管運動抑制作用により、デスモプレシンの消化管吸収が増加すると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. イレウス(0.1%未満)、巨大結腸(頻度不明)
    消化器症状とともにイレウス、巨大結腸があらわれることがある。
  2. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(0.1%未満)
  3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
血管浮腫
中枢神経系
頭痛、傾眠傾向、鎮静、筋緊張低下、意識レベルの低下、筋緊張亢進、意識消失、昏迷、協調運動異常
肝臓
AST、ALT、γ-GTPの上昇
消化器注1)
腹部膨満
腹部不快感、悪心、腹痛、嘔吐、食欲不振
消化不良、口内不快感、味覚の変調、便秘、鼓腸
皮膚
発疹
蕁麻疹、そう痒感
多形紅斑、水疱性皮膚炎
泌尿器
尿閉
その他
口渇、眠気、めまい、発汗、倦怠感
疲労、体温低下、発熱、散瞳、縮瞳
注)発現頻度は使用成績調査を含む。
注1)

過量投与

  1. 症状
    外国で、過量投与により昏睡、呼吸抑制、縮瞳、協調異常、筋緊張低下、傾眠、尿閉等の中毒症状が報告されている。また、腸管壊死に至る麻痺性イレウスにより死亡に至った例、QT延長、Torsade de Pointesを含む重篤な心室性不整脈、Brugada症候群の顕在化が報告されている。
  2. 処置
    中毒症状がみられた場合にはナロキソン塩酸塩を投与する。本剤の作用持続性に比べ、ナロキソン塩酸塩の作用は短時間しか持続しないので、必要な場合にはナロキソン塩酸塩を反復投与する。また、QT延長のリスクがあるため、心電図異常に注意すること。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
乱用、誤用、又は故意により過量投与した患者において、休薬後に薬物離脱症候群の症例が認められたとの報告があるので、観察を十分に行い、用量に注意すること。
非臨床試験に基づく情報
動物実験において、大量投与で薬物依存性が認められているので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意すること。

薬物動態

血中濃度

健康成人、非空腹時2mg 1回投与
Tmax(h)
Cmax(ng/mL)
t1/2(h)
4~6
0.33
11.6

吸収

14C-ロペラミドをラットに単回投与したところ、14C-ロペラミドは投与量の約30%が未吸収で排泄され、約70%が腸管組織に一旦取り込まれた。腸管組織に取り込まれた後、投与量の約30%(腸管吸収量の約40%)以上に相当する代謝物が腸管腔内に直接排泄され、残りの投与量の約40%(腸管吸収量の約60%)が門脈を経て肝臓へ移行した。しかし、肝臓へ移行した大部分は肝臓から胆汁中に排泄され、結果的に全身循環への移行量は極めて少なかった。

分布

血漿蛋白結合率:96.5%(in vitro、ヒト血漿)

代謝

ロペラミドのN-ジメチルアミド基の脱メチル化で、モノデスメチルロペラミド(弱い活性あり)及びジデスメチルロペラミド(弱い活性あり)を生成する,
代謝酵素(チトクロームP450)の分子種:CYP3A4、CYP2C8

排泄

排泄経路:主として糞便中
排泄率:投与後7日間の尿中には投与放射活性の10%が、また投与後8日間の糞便中には42%が排泄され、未変化体はそれぞれ投与量の1%、12%であった。(健康成人(外国人)、3H-ロペラミド塩酸塩2mg 1回投与)

薬物相互作用

健康成人を対象とした薬物相互作用の検討結果を以下に示す。(外国人データ)
  1. リトナビル
    本剤16mg注)とリトナビル200mg 1日2回を経口併用投与したとき、ロペラミドのCmaxとAUCがそれぞれ83%及び121%増加した。
  2. キニジン
    本剤16mg注)とキニジン600mgを経口併用投与したとき、ロペラミドのCmaxとAUCがそれぞれ141%及び148%増加した。
  3. イトラコナゾール
    本剤4mg注)とイトラコナゾール100mgを経口併用投与したとき、ロペラミドのCmaxとAUCがそれぞれ185%及び281%増加した。
  4. デスモプレシン
    本剤4mg注)とデスモプレシン400μgを経口併用投与したとき、デスモプレシンのCmaxとAUCがそれぞれ130%及び210%増加した。
    注)本剤の承認された用法及び用量は、1日1~2mgである。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    二重盲検比較試験を含む総計1,288例について実施された臨床試験の成績は次のとおりである。
    対象疾患
    改善率
    下痢症
    76%(984/1,288)
    下痢の経過分類では、急性の場合の改善率は89%(440/492)で、慢性は68%(501/733)であった。,,

薬効薬理

作用機序
  1. 止瀉作用
    マウス及び成熟ラットにおけるヒマシ油又はプロスタグランジン誘発下痢を強く抑制する,
消化管輸送能抑制作用
マウスの小腸輸送能を用量依存的に抑制する。健康成人において硫酸バリウムの消化管内通過時間を延長させる。また、成人下痢患者(外国人)の小腸通過時間を服薬前に比較して有意に延長した。,,,
蠕動抑制作用
成熟モルモットの摘出回腸並びに生体位小腸及び結腸の蠕動を抑制する。成熟モルモットを用いたin vitro実験から、本剤の蠕動抑制作用には、腸壁内コリン作動性ニューロンの機能の抑制及び腸管の輪状筋方向の伸展によるアセチルコリンとプロスタグランジンの放出の抑制が関与していると考えられている。,,
抗分泌作用
成熟ラットを用いた実験で、プロスタグランジン又はコレラトキシンの投与によって起こる水、Na及びClの腸管腔内への分泌を吸収の方向へ逆転させた,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ロペラミド塩酸塩(Loperamide Hydrochloride)
化学名
4-[4-(p-chlorophenyl)-4-hydroxy-1-piperidyl]-N,N-dimethyl-2,2-diphenylbutyramide hydrochloride
分子式
C29H33ClN2O2・HCl
分子量
513.50
性状
白色~微黄色の結晶性の粉末である。
化学構造式
融点
約225℃(分解)
分配係数
26.7(クロロホルム/水系溶媒、pH 7.0, 25℃)
溶解性
酢酸(100)又はクロロホルムに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水、無水酢酸又は2-プロパノールに溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。

包装

〈ロペミンカプセル1mg〉
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
500カプセル[10カプセル(PTP)×50]
〈ロペミン細粒0.1%〉
100g[ボトル]

主要文献

1
Mukwaya G, et al.:Antimicrob Agents Chemother. 2005;49:4903-4910
2
Sadeque AJM, et al.:Clin Pharmacol Ther. 2000;68:231-237
3
Niemi M, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 2006;62:463-472
4
Callreus T, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 1999;55:305-309
5
社内資料:ロペラミド塩酸塩の薬物動態の検討
6
社内資料:ロペラミドの血漿蛋白結合率の検討
7
社内資料:ロペラミド塩酸塩の代謝の検討
8
Kim K-A, et al.:Eur J Clin Pharmacol. 2004;60:575-581
9
Heykants J, et al.:Arzneim-Forsch/Drug Res. 1974;24:1649-1653
10
川上澄, ほか:診断と治療. 1980;68:197-206
11
増田正典, ほか:医学のあゆみ. 1978;107:468-488
12
中島敏夫, ほか:薬理と治療. 1979;7:145-157
13
荘司行伸, ほか:日本薬理学雑誌. 1978;74:145-154
14
社内資料:ロペラミド塩酸塩の止瀉作用
15
爲近義夫, ほか:臨床薬理. 1976;7:309-314
16
里見匡迪, ほか:薬理と治療. 1978;6:2265-2274
17
Corbett CL, et al.:Gut. 1981;22:836-840
18
荘司行伸, ほか:日本薬理学雑誌. 1978;74:155-163
19
荘司行伸, ほか:日本薬理学雑誌. 1978;74:213-223
20
Yagasaki O, et al.:Jpn J Pharmacol. 1978;28:873-882
21
Sandhu B, et al.:Lancet. 1979;2:689-690
22
Sandhu BK, et al.:Gut. 1981;22:658-662

文献請求先及び問い合わせ先

ヤンセンファーマ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2
フリーダイヤル 0120-183-275
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製造販売業者等

製造販売元
ヤンセンファーマ株式会社
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-5-2

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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