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メプチンキッドエアー5μg吸入100回

定量噴霧式気管支拡張剤

1キット 792.7円

添付文書番号

2259704G8037_1_09

企業コード

180078

作成又は改訂年月

2019年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872259

薬効分類名

定量噴霧式気管支拡張剤

承認等

販売名

メプチンキッドエアー5μg吸入100回

販売名コード

2259704G8037

販売名英字表記

Meptin kid air 5μg 100 puffs

販売名ひらがな

めぷちんきっどえあー5μgきゅうにゅう100かい

承認番号等

承認番号
22200AMX00288

販売開始年月

2010年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
36箇月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

プロカテロール塩酸塩水和物エアゾール

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

メプチンキッドエアー5μg吸入100回
有効成分
1g中プロカテロール塩酸塩水和物  143μg
添加剤
無水エタノール、オレイン酸、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)
本品は1回の噴射でプロカテロール塩酸塩水和物5μgが噴霧される。
1容器(2.5mL)の噴霧回数:100回

製剤の性状

メプチンキッドエアー5μg吸入100回
性状
本剤はエアゾール容器にカウンター付きアクチュエーターを装着した吸入型エアゾール剤である。キャップをとり、よく振り混ぜた後、プッシュボタンを押すとき、微細な霧状となり、カウンターの表示が1つ減る。本剤の本体は青色で、キャップはうすい青色である。

効能又は効果

下記疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫

効能又は効果に関連する注意

本剤は喘息発作に対する対症療法剤であるので、本剤の使用は発作発現時に限ること。

用法及び用量

プロカテロール塩酸塩水和物として、通常成人1回20μg(4吸入)、小児1回10μg(2吸入)を吸入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

成人1回4吸入、小児1回2吸入の用法及び用量を守り、1日4回(原則として成人16吸入、小児8吸入)までとすること。

重要な基本的注意

  1. 本剤の使用は、患者又は保護者が適正な使用方法について十分に理解しており、過量投与になるおそれのないことが確認されている場合に限ること。
  2. 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には使用が過度になりやすいので十分に注意すること。また、患者又は保護者に対し、過度の使用による危険性を理解させ、7.の注意及びその他必要と考えられる注意を与えること。
  3. 投与にあたっては、過度の使用を防止するために、用法及び用量を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、気道炎症の増悪が疑われ、本剤の効果が認められないままに過度の使用になる可能性があるので、本剤の投与を中止し、他の適切な治療法に切り替えること。
  4. 発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう注意を与えること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 甲状腺機能亢進症の患者
    甲状腺機能亢進症が増悪することがある。
  2. 高血圧の患者
    血圧が上昇することがある。
  3. 心疾患の患者
    動悸、不整脈、症状の増悪等があらわれることがある。
  4. 糖尿病の患者
    糖尿病が増悪することがある。
  5. 低酸素血症の患者
    血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

小児等

  1. 小児に対する投与は、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
  2. 低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カテコールアミン製剤
アドレナリン
イソプレナリン等
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
アドレナリン、イソプレナリン等のカテコールアミン製剤の併用によりアドレナリン作動性神経刺激の増大が起こる。そのため不整脈を起こすことが考えられる。
キサンチン誘導体
テオフィリン
アミノフィリン水和物
ジプロフィリン等
低カリウム血症、心・血管症状(頻脈、不整脈等)等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下、心・血管症状等を増強することが考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である。
ステロイド剤
ベタメタゾン
プレドニゾロン
ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム等
利尿剤
フロセミド等
血清カリウム値が低下し、低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
  2. 重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)
    キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
動悸、頻脈、心電図異常、血圧上昇、ほてり等
上室性期外収縮・上室性頻拍・心室性期外収縮等、顔面蒼白、血圧低下
精神神経系
振戦、頭痛・頭重感、手のしびれ感、めまい
冷汗、眠気等
筋痙直、神経過敏
消化器
嘔気・嘔吐等
呼吸器
気管・咽喉頭部異常感
鼻閉、呼吸困難等
過敏症
発疹、そう痒感等
その他
脱力感、聴覚異常、血小板減少等
全身倦怠感、一過性(吸入後1~2時間)の血清カリウム値の低下

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤はアレルゲンによる皮膚反応に抑制的に作用するので、皮膚テストを実施する場合には、12時間前より本剤の投与を中止することが望ましい。

過量投与

  1. 症状
    本剤の過度の使用により心室性不整脈(心室頻拍、心室細動等)、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性がある。
    過量投与により、頻脈、低カリウム血症、高血糖、乳酸アシドーシスがあらわれることがある。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. 吸入前
    1. 本剤の効果を十分にあらわすためには正しい使い方をすることが大切である。患者には添付の携帯袋及び使用説明書(メプチンキッドエアー5μg吸入100回を正しくお使いいただくために)を渡し、使用方法を指導すること。
    2. よく振ってから使用すること。
  2. 保管時
    1. マウスピース(吸入口)は時々取り外し、温水でよく洗い、清潔に保管すること(本体は絶対に水洗いしないこと)。
    2. 吸入時以外は、吸入口にキャップを付け、携帯袋に入れること。
    3. 小児の手の届かない所に保管するよう注意すること。
    4. 強い衝撃を与えたり、本体を分解しないこと。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
  1. プロカテロール塩酸塩水和物の経口投与毒性試験(ラット、イヌ)において、他のβ刺激薬と同様に心筋障害が認められた。
  2. ラットを用いた104週間混餌投与試験において、薬物投与により、卵巣間膜腫が出現した。この腫瘍はラットに特異的なものであると考えられており、また、各種β刺激薬を長期間反復投与することにより発現することが報告されている。

薬物動態

血中濃度

健康成人男性6例にメプチンエアーを4吸入(プロカテロール塩酸塩水和物として40μg)注)投与した時、投与後15分で128pg/mLの血漿中濃度を示し、その後減衰した。

代謝

デスイソプロピルプロカテロールの生成には、主としてCYP3A4分子種が関与する(in vitro)。ヒトにおける主要な代謝経路はグルクロン酸抱合体への抱合反応と考えられた。

排泄

メプチンエアーを4吸入(プロカテロール塩酸塩水和物として40μg)注)投与した時の投与後24時間までの累積尿中プロカテロール排泄率は投与量の14.36%であった。
注)本剤の承認された成人の用量は1回20μgである。また、本剤での薬物動態試験は実施していないので、参考として添加物が異なるメプチンエアー(クロロフルオロカーボン類(特定フロン)等を含有)の成績を示している。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

本剤での臨床試験は実施していないので、参考として添加物が異なるメプチンキッドエアー(クロロフルオロカーボン類(特定フロン)等を含有)の成績を以下に示す。
  1. 国内臨床試験
    国内延べ47施設で総計202例について実施された二重盲検比較試験を含む臨床試験(1回5又は10μg)注)において、気管支喘息に対する有効率は50.5%(102/202例)であった,。また、二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。
    注)本試験は小児を対象とした試験であり、本剤の承認された小児の用量は1回10μgである。

薬効薬理

作用機序
プロカテロール塩酸塩水和物は気管支平滑筋のβ2受容体を選択的に刺激し、気管支拡張作用を発現する。
気管支拡張作用
  1. イヌ、ネコ及びモルモットでのヒスタミン等による気道抵抗増大に対する抑制効果でみると、プロカテロール塩酸塩水和物の気管支拡張作用はイソプレナリンと同等かそれ以上の強さで、サルブタモール硫酸塩及びオルシプレナリン硫酸塩より強いことが確認された,,,,
  2. 無麻酔モルモットや麻酔イヌにおけるプロカテロール塩酸塩水和物吸入時の気管支拡張効果の発現は、吸入後1~5分で、経口投与に比べて速やかであった,
  3. プロカテロール塩酸塩水和物吸入により、小児気管支喘息患者の中枢気道のみならず末梢気道も拡張させることが確認された。
気管支拡張作用持続時間
  1. イヌ、ネコ及びモルモットで検討したプロカテロール塩酸塩水和物の気管支拡張作用持続時間は、イソプレナリン、トリメトキノール、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩より長いことが確認された,,,
  2. 麻酔イヌでのプロカテロール塩酸塩水和物10μg吸入によるヒスタミン気道抵抗増大に対する抑制効果は、サルブタモール硫酸塩200μgの吸入と同程度の抑制効果を示し、作用持続時間は長かった。
β2受容体への選択性
心循環器系のβ受容体と気道系のβ受容体への臓器選択性をイヌ、ネコ及びモルモットで検討したところ、プロカテロール塩酸塩水和物はイソプレナリン、トリメトキノール、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩よりも優れた臓器選択性を示した,,,
抗アレルギー作用
モルモットあるいはラットでのレアギン性の気道抵抗増大、PCA反応及び肺からのヒスタミン遊離、成人気管支喘息患者での皮膚反応及びアレルゲン吸入誘発に対する抑制を指標としたプロカテロール塩酸塩水和物の抗アレルギー作用はイソプレナリン、オルシプレナリン硫酸塩及びサルブタモール硫酸塩より強いことが確認された,,,,
気道分泌系に対する作用
プロカテロール塩酸塩水和物はハトの気道繊毛運動を亢進した。
実験的誘発喘息発作抑制作用
プロカテロール塩酸塩水和物はトレッドミル又はエルゴメーター運動負荷やメサコリン吸入により誘発された気管支喘息患者の喘息発作を抑制した,,
その他
気管支喘息患者を対象に実施した肺機能(FEV1.0)を指標とした薬力学的試験において本剤と同一組成であるメプチンエアー10μgとメプチンエアー(クロロフルオロカーボン類(特定フロン)等を含有)の気管支拡張作用は同等であった。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
プロカテロール塩酸塩水和物
〔Procaterol Hydrochloride Hydrate(JAN)〕
化学名
8-Hydroxy-5-{(1RS,2SR)-1-hydroxy-2-[(1-methylethyl)amino]butyl}quinolin-2(1H)-one monohydrochloride hemihydrate
分子式
C16H22N2O3・HCl・1/2H2O
分子量
335.83
性状
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水、ギ酸又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは4.0~5.0である。光によって徐々に着色する。水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
化学構造式
融点
約195℃(分解)

取扱い上の注意

空になった容器は、火中に投じないこと。

包装

2.5mL×10個

主要文献

1
社内資料:妊娠ラットにおける胎盤通過性及び乳汁移行
2
Jack, D. et al.:Toxicology.1983;27:315-320.
3
田代信也 ほか:薬理と治療.1998;26(2):185-195.
4
社内資料:P-450発現系ミクロゾームによるin vitro代謝試験
5
根本紀夫 ほか:Prog Med.1985;5(11):3015-3023.
6
根本俊彦 ほか:Prog Med.1985;5(11):3001-3014.
7
Yabuuchi, Y. et al.:J Pharmacol Exp Ther.1977;202(2):326-336.
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Himori, N. et al.:Br J Pharmac.1977;61(1):9-17.
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Yamashita, S. et al.:J Pharm Pharmac.1978;30(5):273-279.
10
河村公太郎 ほか:社内資料(イヌにおける気道抵抗増大抑制効果).1979.
11
Tei, S. et al.:Pharmacometrics.1979;17(3):335-343.
12
河村公太郎 ほか:薬理と治療.1986;14(10):6095-6100.
13
飯倉洋治 ほか:小児科.1986;27(9):1219-1224.
14
江田昭英 ほか:アレルギー.1979;28(5):417-422.
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伊藤和彦 ほか:新薬と臨床.1978;27(12):2127-2133.
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中沢次夫 ほか:現代の診療.1979;21(1):35-39.
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信太隆夫 ほか:社内資料(即時型皮内反応に対する抑制効果).1979.
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加瀬佳年 ほか:応用薬理.1978;15(4):705-720.
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赤坂 徹 ほか:小児科診療.1981;44(2):239-247.
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西間三馨 ほか:小児科診療.1985;48(9):1664-1670.
22
Adachi, M. et al.:Current Therapeutic Research.1986;40(3):624-633.

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