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ベネトリン吸入液0.5%

気管支拡張剤

1mL 18.4円

添付文書番号

2254700G2034_1_07

企業コード

340278

作成又は改訂年月

2021年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872254

薬効分類名

気管支拡張剤

承認等

販売名

ベネトリン吸入液0.5%

販売名コード

2254700G2034

販売名英字表記

Venetlin for Inhalation 0.5%

販売名ひらがな

べねとりんきゅうにゅうえき0.5%

承認番号等

承認番号
22000AMX02148

販売開始年月

1973年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

サルブタモール硫酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ベネトリン吸入液0.5%
有効成分
1mL中
日局サルブタモール硫酸塩  6mg
サルブタモールとして  5mg
添加剤
濃ベンザルコニウム塩化物液50、pH調節剤

製剤の性状

ベネトリン吸入液0.5%
剤形・性状
無色の吸入液剤
pH
2.3~5.0

効能又は効果

下記疾患の気道閉塞性障害にもとづく諸症状の緩解
  • 気管支喘息
  • 小児喘息
  • 肺気腫
  • 急・慢性気管支炎
  • 肺結核

用法及び用量

通常成人1回0.3~0.5mL(サルブタモールとして1.5~2.5mg)、小児は1回0.1~0.3mL(サルブタモールとして0.5~1.5mg)を深呼吸しながら吸入器を用いて吸入する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。なお、小児に投与する場合には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行うこと。
  2. 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあり、特に発作発現時の吸入投与の場合には使用が過度になりやすいので、十分に注意すること。患者又は保護者に対し、本剤の過度の使用による危険性を理解させ、次の事項及びその他必要と考えられる注意を与えること。
    • 用法及び用量を守ること。
    • 発作が重篤で吸入投与の効果が不十分な場合には、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求めること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 甲状腺機能亢進症の患者
    甲状腺ホルモンの分泌促進により症状を悪化させるおそれがある。
  2. 高血圧の患者
    α及びβ1作用により血圧を上昇させるおそれがある。
  3. 心疾患を有する患者
    β1作用により症状を悪化させるおそれがある。
  4. 糖尿病の患者
    グリコーゲン分解作用により症状を悪化させるおそれがある。
  5. 低酸素血症の患者
    血清カリウム値をモニターすることが望ましい。低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カテコールアミン
アドレナリン
イソプレナリン塩酸塩等
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。
アドレナリン、イソプレナリン塩酸塩等のカテコールアミン併用により、アドレナリン作動性神経刺激の増大が起きる。
そのため不整脈を起こすことがある。
キサンチン誘導体
ステロイド剤
利尿剤
低カリウム血症による不整脈を起こすおそれがある。
血清カリウム値のモニターを行うこと。
キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強することがある。
ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強することが考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 重篤な血清カリウム値低下(頻度不明)
    キサンチン誘導体、ステロイド剤及び利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。
  2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

その他の副作用

0.5~5%未満
0.5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、血管性浮腫、蕁麻疹、血圧低下
循環器
心悸亢進
脈拍増加、不整脈
血圧変動
精神神経系
頭痛、手指振戦
眠気、めまい
落ち着きのなさ
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐
呼吸器
気道刺激症状、気管支痙攣
その他
口渇、口内炎
潮紅、浮腫、筋痙攣
発現頻度は、新開発医薬品の副作用のまとめ(その31)に基づく。

過量投与

  1. 症状
    過量投与時にみられる最も一般的な症状は、一過性のβ作用を介する症状である。低カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値をモニターすること。また、海外で本剤の高用量投与により、乳酸アシドーシスを含む代謝性アシドーシスが報告されているので、呼吸状態等、患者の状態を十分に観察すること。
  2. 処置
    本剤の投与の中止を考慮し、心血管系症状(脈拍増加、心悸亢進等)がみられる患者では心臓選択性β遮断剤の投与等の適切な処置を検討すること。ただしβ遮断剤の使用にあたっては、気管支攣縮の既往のある患者では十分に注意すること。本剤の継続投与中にみられる過量投与の症状は、通常、投与の中止により消失する。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. 保管時
    1. 開封後は、異物混入や細菌汚染がないよう注意すること。
    2. 小児の手の届かない所に保管すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
外国において、ネブライザーによるサルブタモール硫酸塩とイプラトロピウム臭化物水和物の併用を行った患者で、吸入液が眼に入った場合に急性閉塞隅角緑内障があらわれたとの報告がある。

薬物動態

分布

ビーグル犬4匹に3H標識サルブタモール1000μgを吸入投与した時、投与量の64~70%はグラスchamberと気管導入管に残り、投与量の10~20%は肺葉内に分布し、0.4~1.5%は気管及び気管支に保持される。

代謝

ラットの経口投与実験では、肝臓でグルクロン酸抱合体となることが認められている。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験(成人及び小児)
    本剤の臨床試験は、二重盲検比較試験を含む10施設、総症例241例について成人では1日0.3~0.5mL、小児では1日0.1~0.5mLの吸入投与注)により実施された,,。このうち、効果の判定が行われた219例の臨床成績の概要は次のとおりである。
    本剤による自他覚症状、肺機能検査等の改善を総合的に観察した時の疾患別有効率は気管支喘息84.6%(77/91例)、小児喘息84.6%(66/78例)、肺気腫64.3%(9/14例)、肺結核53.1%(17/32例)であった。
    本剤の作用発現及び作用持続時間は吸入後5~10分からあらわれ、効果の持続は1~4時間認められた。
    注)本剤の承認用量は、成人で1回0.3~0.5mL、小児で1回0.1~0.3mLである。

薬効薬理

作用機序
サルブタモールは短時間作用性β2刺激剤であり、アデニル酸シクラーゼを活性化し細胞内の環状アデノシン一リン酸を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させる。
β2受容体選択性
モルモットにサルブタモールを吸入投与した実験においてサルブタモールは、β2受容体刺激による気管支拡張作用が強く、一方β1受容体刺激による心刺激作用は弱いことが明らかにされており、β2受容体に選択的に作用する性質を有する。
気管支拡張作用
無麻酔モルモットにアセチルコリン溶液を噴霧して誘発させた気管支痙攣に対し、サルブタモールの0.1mg/kg、1mg/kg吸入投与群では、イソプレナリン又はメタプロテレノールに比べ効力が強く、また持続時間も長い。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
サルブタモール硫酸塩(Salbutamol Sulfate)
化学名
(1RS)-2-(1,1-Dimethylethyl)amino-1-(4-hydroxy-3-hydroxymethylphenyl)ethanol hemisulfate
分子式
(C13H21NO3)2・H2SO4
分子量
576.70
性状
白色の粉末である。
水に溶けやすく、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
分配係数(logP)
溶媒\pH
3.9
7.1
10.7
1-オクタノール
-3.00
-2.15
-1.10

取扱い上の注意

薬剤の保管に際して以下の事項に注意するよう患者を指導すること。
  • 外箱開封後は遮光して保存すること。

包装

30mL

主要文献

1
Szabo KT,et al.:Teratology.1975;12:336-337
2
厚生省薬務局:医薬品副作用情報.1979;No.35
3
Martin LE,et al.:Eur J Pharmacol.1971;14:183-199
4
勝田満江ほか:日本胸部臨床.1972;31:247-257
5
三村文蔵ほか:新薬と臨牀.1971;20:1227-1231
6
中島春美ほか:小児科臨床.1976;29:1303-1312
7
Cullum VA,et al.:Br J Pharmacol.1969;35:141-151

文献請求先及び問い合わせ先

グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1
カスタマー・ケア・センター
TEL:0120-561-007(9:00~17:45/土日祝日及び当社休業日を除く)
FAX:0120-561-047(24時間受付)

製造販売業者等

製造販売元
グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1
http://jp.gsk.com

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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