心臓,循環器系機能障害のある患者
[循環血液量を増やすことから心臓に負担をかけ,症状が悪化するおそれがある.]
腎障害のある患者
[水分,塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく,症状が悪化するおそれがある.]
尿崩症の患者
[本症には適切な水分,電解質管理が必要であり,本剤の投与により電解質等に影響を与え,症状が悪化するおそれがある.]
糖尿病の患者
[非ケトン性高浸透圧性昏睡があらわれることがある.]
フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(FBPase)欠損症の新生児,乳児,幼児に対して,脳浮腫あるいは代謝不全から誘発される脳浮腫予防のために本剤を投与して神経障害(痙攣,頻呼吸,嗜眠等)があらわれ,死亡したとの報告がある3).
新生児等の脳浮腫,原因不明の意識障害に対し,本剤を投与する際には,血糖値,血中乳酸値を測定し,糖新生系の異常,特にFBPase欠損症の可能性が疑われる場合には投与しないこと.さらに,本剤投与中,投与後においては,血糖低下傾向がないこと,及び意識障害に代表される神経症状,脳浮腫の悪化が生じないことを確認し,悪化がみられた場合は,このような患者への本剤の投与は中止すること.
成人発症II型シトルリン血症の患者に対して,脳浮腫治療のために本剤を投与して病態が悪化し,死亡したとの報告がある.
成人発症II型シトルリン血症 (血中シトルリンが増加する疾病で,繰り返す高アンモニア血症による異常行動,意識障害等を特徴とする) が疑われた場合には,本剤を投与しないこと.
急性の硬膜下・硬膜外血腫が疑われる患者には,出血源を処理し,再出血のおそれのないことを確認してから本剤を投与すること (血腫の存在を確認することなく本剤を投与すると,頭蓋内圧の下降により一時止血していたものが再び出血することがある).
本剤には塩化ナトリウムが含まれているので,食塩摂取制限の必要な患者に投与する場合には注意すること.
乳酸アシドーシスがあらわれることがあるので注意すること.