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閲覧履歴

サアミオン錠5mg

脳循環・代謝改善剤

1錠 18.1円

添付文書番号

2190021B1095_1_10

企業コード

400315

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87219

薬効分類名

脳循環・代謝改善剤

承認等

販売名

サアミオン錠5mg

販売名コード

2190021F1348

販売名英字表記

SERMION Tablets

販売名ひらがな

さあみおんじょう

承認番号等

承認番号
21800AMX10273

販売開始年月

1988年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
ニセルゴリン錠

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

サアミオン散1%

販売名コード

2190021B1095

販売名英字表記

SERMION Powder

販売名ひらがな

さあみおんさん

承認番号等

承認番号
21800AMX10272

販売開始年月

1992年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
ニセルゴリン散

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ニセルゴリン錠・散

禁忌(次の患者には投与しないこと)

頭蓋内出血後、止血が完成していないと考えられる患者[出血を助長するおそれがある。]

組成・性状

組成

サアミオン錠5mg
有効成分
1錠中
日局 ニセルゴリン  5mg
添加剤
ケイ酸アルミニウム、酢酸ビニル樹脂、酸化チタン、ステアリン酸カルシウム、タルク、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、マクロゴール6000、D-マンニトール
サアミオン散1%
有効成分
1g中
日局 ニセルゴリン  10mg
添加剤
二酸化ケイ素、乳糖水和物、白糖

製剤の性状

サアミオン錠5mg
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
6.2mm
大きさ(厚さ)
3.0mm
質量0.085g
識別コードTA129
性状・剤形
白色・フィルムコーティング錠
サアミオン散1%
識別コードTA504(分包包装コード)
性状・剤形
白色・散剤

効能又は効果

脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害による意欲低下の改善

用法及び用量

ニセルゴリンとして、通常成人1日量15mgを3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。
  2. 成人1日量の剤形換算は、以下のとおりである。
    成人1日量(15mg)
    3錠
    1.5g

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎児及び出生児の発育抑制が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~1%未満
頻度不明
消化器
食欲不振、下痢、便秘、悪心、腹痛、口渇
肝臓
肝機能障害
循環器
めまい、立ちくらみ
動悸、ほてり
精神神経系
眠気、倦怠感、頭痛、耳鳴
不眠
過敏症
発疹、そう痒
蕁麻疹

適用上の注意

薬剤交付時の注意
〈錠〉
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

外国人のデータでは健康成人に本剤15mgを経口投与した場合、吸収は速やかで、血漿中濃度(総放射活性)は投与2~4時間後に最高(57~96ng eq./mL)に達した。

分布

  1. 組織移行性
    3H-ニセルゴリン(5mg/kg)をSD系雄ラットに経口投与した時、全身の放射能は投与後30~60分の時点で最高値を示し、肝臓、唾液腺、腎臓、肺及び心筋で高く、血液及び筋肉では中程度、脳では低かった。
  2. 蛋白結合率
    ヒト血漿蛋白への3H-ニセルゴリンの結合率は10~100ng/mLの濃度範囲で93~95%であった(in vitro、限外濾過法)。

排泄

健康成人に本剤5mg 8錠を経口投与したとき、大部分が代謝物として排泄され、24時間までの尿中排泄率は51%であった。
注)本剤の承認用法及び用量は、通常成人1日量15mgを3回に分けて経口投与である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内再評価試験
    プラセボを対照薬とする二重盲検比較試験において、本剤の脳梗塞後遺症に伴う意欲低下及び精神症候全般改善度に有意差が認められた。
    評価項目
    薬剤群
    改善以上(%)
    検定
    精神症候
    全般改善度
    サアミオン
    プラセボ
    30/87(34.5)
    12/89(13.5)
    P=0.000
    意欲低下
    全般改善度
    サアミオン
    プラセボ
    26/87(29.9)
    8/85(9.4)
    P=0.003

薬効薬理

作用機序
脳血管を選択的に拡張し脳血流を増加させると共に、血小板凝集抑制作用、赤血球変形能改善作用及びPAF産生能抑制作用等により血液流動性を改善し脳循環を改善する。また、脳内アセチルコリン系及びドーパミン系の神経伝達機能を促進し、脳虚血時のグルコース、ATP及びピルビン酸等の各種脳エネルギー関連物質の代謝改善作用により脳代謝を改善する,,,,,,,
脳循環改善作用
  1. 脳血管障害患者において、内頸及び椎骨動脈の血流量増加,が、また、虚血病巣部での脳血流増加が認められている。
  2. ネコの内顎動脈血流量を用量依存的に増加させる。
血液流動性改善作用
健康成人及び脳血管障害患者において、ADP、コラーゲン等による血小板凝集抑制作用及び赤血球変形能亢進作用が認められている。
神経伝達系に対する作用
  1. ラットにおいて、加齢により低下した脳内コリンアセチルトランスフェラーゼ(CAT)活性及びムスカリン性アセチルコリン受容体の結合能を大脳皮質及び海馬において回復させる。
  2. ラットにおいて、加齢により低下した海馬のアセチルコリン遊離を回復させる。
  3. アセチルコリンエステラーゼ(AChE)に選択的なコリンエステラーゼ阻害活性を有し、マウスにおいて、脳内AChE活性阻害と海馬アセチルコリン量の増加作用を示す。
  4. ラットにおいて、連続経口投与によりドーパミンの代謝回転の促進作用が認められている。
脳エネルギー代謝改善作用
  1. マウスの脳虚血モデル及び低酸素モデルにおいて、脳エネルギー代謝障害に対し改善作用を示す。
  2. 成熟及び老齢ラットの脳梗塞モデルにおいて、グルコースの取込み及び消費に対し改善作用を示す。
脳神経機能改善作用
  1. マウスの脳虚血モデル及び低酸素モデルにおいて、脳障害に対し保護作用を示す。
  2. ラット海馬CA1領域神経細胞において、低閾値(T-type)カルシウムチャンネル遮断作用を示す。
  3. スナネズミの一過性脳虚血モデルにおいて、海馬CA1領域神経細胞の遅発性壊死を抑制する。
  4. 老齢ラットの脳梗塞モデル及びマウスのスコポラミンによる健忘症モデルにおいて、学習・記憶障害に対し改善作用を示す。
脳波改善作用
脳血管障害患者において、脳波異常の改善が認められている。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ニセルゴリン(Nicergoline)
化学名
[(8R,10S)-10-Methoxy-1,6-dimethylergolin-8-yl]methyl 5-bromopyridine-3-carboxylate
分子式
C24H26BrN3O3
分子量
484.39
性状
白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトニトリル、エタノール(99.5)又は無水酢酸にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に淡褐色となる。
化学構造式
融点
約136℃(分解).

取扱い上の注意

〈散〉
容器開封後は遮光し湿気を避けて保存すること。

包装

〈サアミオン錠5mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]
〈サアミオン散1%〉
100g[乾燥剤入り]

主要文献

1
藤原充雄, 他:応用薬理. 1986;32(1):31-48
2
河合喜孝, 他:基礎と臨床. 1986;20(2):1054-1064
3
葛谷文男, 他:薬理と治療. 1983;11(9):3627-3635
4
Matsuoka Y, et al.:Basic, Clinical, and Therapeutic Aspects of Alzheimer's and Parkinson's Diseases. 1990;Vol.2:415-419
5
Moretti A, et al.:Proof of Therapeutical Effectiveness of Nootropic and Vasoactive Drugs. 1985;103-110
6
新冨敬一, 他:日薬理誌. 1986;87(4):427-434
7
田辺三菱製薬(株):ニセルゴリンの血管平滑筋に対する作用特性(社内資料)
8
Moretti A.:Arzneimittelforschung. 1979;29(8a):1213-1223
9
Nagakawa Y, et al.:Arzneimittelforschung. 1990;40(8):862-864
10
仲村恒敬, 他:医学のあゆみ. 1990;154(7):447-448
11
宮崎 学:薬理と治療. 1984;12(1):401-407
12
宮崎 学:薬理と治療. 1985;13(11):6817-6821
13
谷本道則, 他:薬理と治療. 1985;13(4):2075-2084
14
新冨敬一, 他:日薬理誌. 1986;87(5):537-549
15
浮田義一郎, 他:薬理と治療. 1985;13(4):2085-2096
16
小川紀雄, 他:Geriatric Medicine. 1989;27(8):1198-1204
17
Carfagna N, et al.:Neurosci Lett. 1995;197(3):195-198
18
新冨敬一, 他:日薬理誌. 1986;87(4):445-456
19
Le Poncin-Lafitte M, et al.:Gerontology. 1984;30(2):109-119
20
Takahashi K, et al.:Br J Pharmacol. 1990;100(4):705-710
21
岩崎 仁, 他:薬理と治療. 1990;18(5):1995-2004
22
工藤幸司, 他:薬理と治療. 1985;13(11):6489-6493

文献請求先及び問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280

製造販売業者等

製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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