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ロトリガ粒状カプセル2g

EPA・DHA製剤

1包 202.4円

添付文書番号

2189019M1020_1_06

企業コード

400256

作成又は改訂年月

2023年6月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872189

薬効分類名

EPA・DHA製剤

承認等

販売名

ロトリガ粒状カプセル2g

販売名コード

2189019M1020

販売名英字表記

LOTRIGA Granular Capsules 2g

販売名ひらがな

ろとりがりゅうじょうかぷせる

承認番号等

承認番号
22400AMX01385

販売開始年月

2013年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

オメガ-3脂肪酸エチル粒状カプセル

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[止血が困難となるおそれがある。]
  2. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ロトリガ粒状カプセル2g
有効成分
1包中
オメガ-3脂肪酸エチル 2g
有効成分中にd-α-トコフェロール、ダイズ油を含有
添加剤
カプセル本体:ゼラチン、濃グリセリン、D-ソルビトール液

製剤の性状

ロトリガ粒状カプセル2g
剤形軟カプセル
色調無色~淡黄色透明
識別コード2001
形状
直径約4mmの球形

効能又は効果

高脂血症

効能又は効果に関連する注意

適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症であることを確認すること。

用法及び用量

通常、成人にはオメガ-3脂肪酸エチルとして1回2gを1日1回、食直後に経口投与する。ただし、トリグリセライド高値の程度により1回2g、1日2回まで増量できる。

重要な基本的注意

  1. あらかじめ生活習慣の改善指導を行い、更に高血圧、喫煙、糖尿病等の冠動脈疾患の危険因子の軽減等も十分に考慮すること。
  2. 本剤投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する効果が認められない場合には投与を中止すること。
  3. 本剤投与中にLDLコレステロール値上昇の可能性があるため、投与中はLDLコレステロール値を定期的に検査すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 出血の危険性の高い患者(重度の外傷、手術等)
    出血を助長するおそれがある。

肝機能障害患者

肝機能検査(AST、ALT等)を行うことが望ましい。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物試験(ラット)で乳汁中に移行することが知られている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝固薬
ワルファリンカリウム等
抗血小板薬
アスピリン等
観察を十分に行い、出血等の副作用に注意すること。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するので、出血を助長するおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
    AST、ALT、AL-P、γ-GTP、LDH、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、薬疹、そう痒
代謝
高血糖
痛風
神経系障害
めまい、頭痛
味覚異常
血管障害
低血圧
呼吸器
鼻出血
消化器
下痢
悪心、腹痛、おくび、腹部膨満、便秘、鼓腸
消化不良、胃食道逆流性疾患、嘔吐、胃腸出血
肝臓
肝機能障害(AST、ALTの上昇)

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. 本剤は空腹時に投与すると吸収が悪くなるため食直後に服用させること。
  2. 本剤は噛まずに服用させること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
外国で実施された疫学研究において、オメガ-3脂肪酸エチル4g/日の用量で、心房細動又は心房粗動リスクの増加を示唆する報告がある,

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男性(11例)にオメガ-3脂肪酸エチル注)として2g又はプラセボを朝食直後に単回経口投与した時のイコサペント酸及びドコサヘキサエン酸の薬物動態パラメータは以下のとおりである。
    AUC0-24(μg・h/mL)
    Cmax(μg/mL)
    Tmax(h)
    イコサペント酸
    本剤(8例)
    916.0±186.4
    58.1±18.5
    6.0(4-6)
    プラセボ(3例)
    411.3±59.5
    20.7±2.3
    1.0(0-2)
    ドコサヘキサエン酸
    本剤(8例)
    2,254.0±348.0
    115.0±21.0
    6.0(1-24)
    プラセボ(3例)
    1,883.0±225.5
    89.7±12.2
    1.0(0-1)
    平均値±標準偏差、ただしTmaxは中央値(最小値-最大値)
  2. 反復投与
    血清中トリグリセライドが高値の患者(415例)にオメガ-3脂肪酸エチル注)として1回2gを1日1回又は1日2回12週間経口投与した時、イコサペント酸及びドコサヘキサエン酸の血漿中濃度はいずれの投与方法においても投与前と比べて投与4週後には増加を示し、4週以降ほぼ一定に推移した。

分布

  1. 蛋白結合率
    14C]イコサペント酸及び[14C]ドコサヘキサエン酸を20及び200μg/mLの濃度でヒト血漿に添加した時の蛋白結合率は[14C]イコサペント酸及び[14C]ドコサヘキサエン酸ともに99%以上であった(in vitro)。

代謝

  1. イコサペント酸エチル及びドコサヘキサエン酸エチルは小腸において加水分解を受けた後、トリグリセライドやリン脂質等に構成脂肪酸として取り込まれ各組織へ移行する,,,
  2. イコサペント酸及びドコサヘキサエン酸(2〜200μmol/L)はCYP2C9及びCYP2C19に対し阻害作用を示すとの報告があるが、ヒト血漿中の総イコサペント酸及び総ドコサヘキサエン酸に占める遊離脂肪酸の割合は低く、臨床上問題となる影響を及ぼす可能性は低いと考えられた。
    また、イコサペント酸及びドコサヘキサエン酸のCYP1A及びCYP3A誘導作用を検討した結果、イコサペント酸及びドコサヘキサエン酸ともに最高濃度の500μg/mLまでCYP誘導作用は認めなかった(in vitro,

排泄

主としてミトコンドリアにおけるβ酸化によりアセチルコエンザイムA(アセチルCoA)に代謝されTCA回路を経由して最終的にCO2及びH2Oとなり、主に呼気から体外に排泄される,,

薬物相互作用

オメガ-3脂肪酸エチルとシンバスタチン、アトルバスタチン又はロスバスタチンとの薬物間相互作用を空腹時単回投与により検討したが、オメガ-3脂肪酸エチルはいずれのHMG-CoA還元酵素阻害薬の血中濃度にも影響を及ぼさなかった,,(外国人データ)。
注)薬物動態の評価はイコサペント酸エチル及びドコサヘキサエン酸エチルの代謝物であるイコサペント酸及びドコサヘキサエン酸を用いた。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験
    血清中トリグリセライドが高値の患者を対象に、オメガ-3脂肪酸エチルとして2g/日(1回2g、朝食直後)、4g/日(1回2g、朝食及び夕食直後)又はイコサペント酸エチルとして1.8g/日(1回0.6g、毎食直後)を12週間経口投与した実薬対照二重盲検比較試験を実施した。各群の空腹時トリグリセライドの投与前値(-4週、-2週及び0週の平均値±標準偏差)はオメガ-3脂肪酸エチル2g/日投与群で269.0±77.5mg/dL、4g/日投与群で277.5±97.3mg/dL、イコサペント酸エチル1.8g/日投与群で271.8±91.5mg/dLであった。
    オメガ-3脂肪酸エチル4g/日投与群とイコサペント酸エチル1.8g/日投与群の空腹時トリグリセライド変化率の差は−11.35%(-15.94−-6.76)〔点推定値(95%信頼区間)〕であり、有意なトリグリセライド低下作用が認められた(主解析)。また、オメガ-3脂肪酸エチル2g/日投与群とイコサペント酸エチル1.8g/日投与群の空腹時トリグリセライド変化率の差は0.37%(-4.25−4.98)〔点推定値(95%信頼区間)〕であり、非劣性(許容限界:7%)がみられた(副解析)。
    トリグリセライド変化率
    その他脂質パラメータ変化率
    オメガ-3脂肪酸エチル
    イコサペント酸エチル
    1.8g(分3)
    2g(分1)
    4g(分2)
    投与前値
    (mg/dL)
    変化率
    (%)
    投与前値
    (mg/dL)
    変化率
    (%)
    投与前値
    (mg/dL)
    変化率
    (%)
    総コレステロール
    211.9±31.2
    -2.7±8.3
    212.0±30.2
    -3.7±9.6
    215.2±33.8
    -4.3±8.9
    HDLコレステロール
    45.8±9.9
    2.4±9.2
    45.7±10.0
    4.3±11.2
    45.6±10.2
    1.6±9.4
    LDLコレステロール
    127.4±29.1
    -2.1±14.4
    125.7±28.5
    -1.1±16.7
    130.1±30.5
    -4.2±13.3
    non-HDLコレステロール
    166.1±30.1
    -4.2±10.1
    166.2±28.4
    -5.9±11.9
    169.7±33.0
    -5.7±11.2
    平均値±標準偏差、ただし投与前値は-4週、-2週及び0週の平均値±標準偏差
    副作用発現頻度は、オメガ-3脂肪酸エチル2g/日投与群で4.9%(10/205)、4g/日投与群で8.1%(17/210)、イコサペント酸エチル1.8g/日投与群で5.1%(10/195)であり、主な副作用は、オメガ-3脂肪酸エチル2g/日投与群で下痢2.0%(4/205)、4g/日投与群で下痢2.9%(6/210)であった。
  2. 国内第Ⅲ相試験(長期投与試験)
    血清中トリグリセライドが高値の患者を対象に、オメガ-3脂肪酸エチルとして1回2gを1日1回(165例)又は1日2回(171例)食直後に52週間経口投与した結果は以下のとおりであり、いずれの投与方法においても安定した空腹時トリグリセライドの低下作用が認められた。
    投与前値(mg/dL)
    変化率(%)
    オメガ-3脂肪酸エチル2g(分1)
    254.7±97.8
    -13.9±30.3
    オメガ-3脂肪酸エチル4g(分2)
    270.0±101.2
    -25.5±28.1
    平均値±標準偏差
    副作用発現頻度は、オメガ-3脂肪酸エチル2g/日投与群で13.3%(22/165)、4g/日投与群で9.9%(17/171)であり、主な副作用は、オメガ-3脂肪酸エチル2g/日投与群で下痢、血中クレアチンホスホキナーゼ増加がいずれも1.8%(3/165)、4g/日投与群で下痢、便秘、肝機能検査異常、血中ブドウ糖増加及び血中尿酸増加がいずれも1.2%(2/171)であった。

薬効薬理

作用機序
オメガ-3脂肪酸エチルは肝臓からのトリグリセライド分泌を抑制し、さらに血中からのトリグリセライド消失を促進することによりトリグリセライドを低下させる。また、イコサペント酸エチル及びドコサヘキサエン酸エチルは肝臓のトリグリセライド含量を低下させ、脂肪酸・トリグリセライド合成経路の酵素活性を低下させる。
血漿トリグリセライド及び血漿総コレステロールの低下作用
肥満を伴う高脂血症モデルであるWistar Fattyラット等の複数の試験系において、オメガ-3脂肪酸エチルの投与により、血漿トリグリセライド及び血漿総コレステロールの低下作用が認められた,,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
オメガ-3脂肪酸エチル注)
性状
オメガ-3脂肪酸エチルは淡黄色の液であり、2,2,4-トリメチルペンタン、エタノール(95)及びテトラヒドロフランに混和し、水にほとんど溶けない。
注)本品はイコサペント酸エチルとドコサヘキサエン酸エチルを主成分として構成される。以下にイコサペント酸エチルとドコサヘキサエン酸エチルを示す。
〈イコサペント酸エチル〉
化学名
ethyl (5Z,8Z,11Z,14Z,17Z) -icosa-5,8,11,14,17-pentaenoate
分子式
C22H34O2
分子量
330.50
化学構造式
〈ドコサヘキサエン酸エチル〉
化学名
ethyl (4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z) -docosa-4,7,10,13,16,19-hexaenoate
分子式
C24H36O2
分子量
356.54
化学構造式

包装

56包、280包

主要文献

1
Bhatt DL, et al.:N Eng J Med. 2019;380:11-22.
2
Nicholls SJ, et al.:JAMA. 2020;324:2268–2280.
3
オメガ-3脂肪酸エチルの薬物動態試験成績(2012年9月28日承認、CTD 2.7.6.1)
4
オメガ-3脂肪酸エチルの臨床試験成績①(2012年9月28日承認、CTD 2.7.6.6)
5
イコサペント酸及びドコサヘキサエン酸の蛋白結合に関する検討(2012年9月28日承認、CTD 2.6.4.4)
6
Harris WS, et al.:Atherosclerosis. 2008;197:12-24.
7
原健次:生理活性脂質EPA・DHAの生化学と応用. 幸書房. 1996;14-19.
8
Ishiguro J, et al.:Chem Pharm Bull(Tokyo). 1988;36(6):2158-2167.
9
原健次:生理活性脂質EPA・DHAの生化学と応用. 幸書房. 1996;139-146.
10
Yao HT, et al.:Life Sciences. 2006;79:2432-2440.
11
イコサペント酸及びドコサヘキサエン酸の代謝に関する検討(2012年9月28日承認、CTD 2.6.4.5)
12
McKenney JM, et al.:J Clin Pharmacol. 2006;46(7):785-791.
13
Di Spirito M, et al.:Expert Opin Pharmacother. 2008;9(17):2939-2945.
14
Gosai P, et al.:Expert Opin Pharmacother. 2008;9(17):2947-2953.
15
オメガ-3脂肪酸エチルの臨床試験成績②(2012年9月28日承認、CTD 2.7.6.7)
16
Ikeda I, et al.:Biosci Biotechnol Biochem. 1998;62(4):675-680.
17
オメガ-3脂肪酸エチルの非臨床薬理試験成績①(2012年9月28日承認、CTD 2.6.2.2)
18
オメガ-3脂肪酸エチルの非臨床薬理試験成績②(2012年9月28日承認、CTD 2.6.2.2)
19
オメガ-3脂肪酸エチルの非臨床薬理試験成績③(2012年9月28日承認、CTD 2.6.2.2)
20
オメガ-3脂肪酸エチルの非臨床薬理試験成績④(2012年9月28日承認、CTD 2.6.2.2)

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