作成又は改訂年月
**
2012年12月改訂
(第11版)
*
2011年8月改訂
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
1998年3月1991年8月
薬効分類名
承認等
販売名
**ジピリダモール錠25mg「日新」
販売名コード
承認・許可番号
**22400AMX00841000
Dipyridamole Tablets 25mg“NISSIN”
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
規制区分
処方せん医薬品(注意−医師等の処方せんにより使用すること)
組成
有効成分・含量
**ジピリダモール錠25mg「日新」は、1錠中に日本薬局方ジピリダモール25mgを含有
添加物
乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、白糖、沈降炭酸カルシウム、アラビアゴム、ゼラチン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、カルナウバロウ、サラシミツロウ、黄色5号、赤色102号
性状
性状 | 赤橙色の糖衣錠 |
---|
識別コード | NS25 |
---|
大きさ | 錠径:6.8mm 錠厚:3.5mm 重量:120mg |
---|
外形 | |
---|
一般的名称
禁忌
効能又は効果
用法及び用量
1狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患、うっ血性心不全
2ワーファリンとの併用による心臓弁置換術後の血栓・塞栓の抑制
3つぎの疾患における尿蛋白減少:ステロイドに抵抗性を示すネフローゼ症候群
1狭心症、心筋梗塞、その他の虚血性心疾患、うっ血性心不全の場合
ジピリダモールとして、通常成人1回25mgを1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
2血栓・塞栓の抑制の場合
ジピリダモールとして、通常成人1日300〜400mgを3〜4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
3尿蛋白減少を目的とする場合
ジピリダモールとして、通常成人1日300mgを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
投薬開始後、4週間を目標として投薬し、尿蛋白量の測定を行い、以後の投薬継続の可否を検討する。
尿蛋白量の減少が認められない場合は、投薬を中止するなど適切な処置をとること。
尿蛋白量の減少が認められ投薬継続が必要な場合は、以後定期的に尿蛋白量を測定しながら投薬すること。
使用上の注意
慎重投与
1低血圧の患者[更に血圧を低下させることがある。]
2重篤な冠動脈疾患(不安定狭心症、亜急性心筋梗塞、左室流出路狭窄、心代償不全等)のある患者[症状を悪化させることがある。]
重要な基本的注意
1腎疾患への適応にあたっては、以下の点に留意すること。
1病態の急速な進展がみられる場合には、中止又は他の療法を考慮するなど適切な処置を行うこと。
2尿蛋白が減少した場合でも、腎機能が低下することがあるので、定期的に腎機能を検査するなど注意すること。
2本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合、本剤の作用が増強され、副作用が発現するおそれがあるので、併用しないこと(「過量投与」の項参照)。
3本剤との併用によりアデノシンの有害事象が増強されることから、本剤を投与されている患者にアデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は、12時間以上の間隔をあけること(「相互作用」の項参照)。
相互作用
併用禁忌
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|
アデノシン(アデノスキャン) | 完全房室ブロック、心停止等が発現することがある。本剤の投与を受けた患者にアデノシン(アデノスキャン)を投与する場合には少なくとも12時間の間隔をおく。もし完全房室ブロック、心停止等の症状があらわれた場合はアデノシン(アデノスキャン)の投与を中止する。 | 本剤は体内でのアデノシンの血球、血管内皮や各臓器での取り込みを抑制し、血中アデノシン濃度を増大させることによりアデノシンの作用を増強する。 |
---|
併用注意
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|
キサンチン系製剤(テオフィリン、アミノフィリン) | 本剤の作用が減弱されるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | テオフィリン等のキサンチン系製剤は、本剤のアデノシンを介した作用を阻害する。 |
---|
アデノシン三リン酸二ナトリウム | 本剤はアデノシンの血漿中濃度を上昇させ、心臓血管に対する作用を増強するので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | 本剤は体内でのアデノシンの血球、血管内皮や各臓器での取り込みを抑制し、血中アデノシン濃度を増大させることによりアデノシンの作用を増強する。 |
---|
降圧剤 | 本剤は降圧剤の作用を増強することがあるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | 本剤の血管拡張作用により、降圧剤の作用が増強されることがある。 |
---|
*抗凝固剤(ダビガトランエテキシラート、ヘパリン等) | 出血傾向が増強するおそれがあるので、併用にあたっては患者の状態を十分に観察するなど注意すること。 | これら薬剤は抗凝固作用を有するためと考えられる。 |
---|
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1狭心症状の悪化(頻度不明):狭心症状が悪化することがあるので、このような場合には、投与を中止すること。
2出血傾向(頻度不明):眼底出血、消化管出血、脳出血等の出血傾向があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3血小板減少(頻度不明):血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4過敏症(頻度不明):気管支痙攣、血管浮腫等の過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
過敏症注)
頻度不明
発疹、蕁麻疹
精神神経系
頻度不明
頭痛、めまい、熱感、のぼせ感、ほてり、倦怠感、脱力感、しびれ感、肩こり
循環器
頻度不明
心悸亢進、頻脈、血圧低下、潮紅
消化器
頻度不明
悪心、嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、便秘、腹痛、下痢、腹部膨満感
*肝臓
頻度不明
肝機能検査値異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)
その他
頻度不明
異和感、胸痛、発汗、耳鳴、筋肉痛、鼻出血、皮下出血
注) 発現した場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(マウス)でわずかに胎児への移行が報告されている。]
2授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ウサギ)で母乳中へ移行することが報告されている。]
過量投与
1症状:本剤の過量服用により熱感、顔面潮紅、発汗、不穏、脱力感、めまい、狭心様症状、血圧低下、頻脈があらわれることがある。
2処置:一般的な対症療法が望ましいが、過量服用の可能性がある場合は、必要に応じ胃洗浄を行うこと。激しい胸痛が発現した場合は、アミノフィリンの静注等の適切な処置を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
その他の注意
1海外において慢性安定狭心症の患者を対象にβ遮断剤、カルシウム拮抗剤、及び長時間型硝酸剤投与中の本剤の追加投与の効果を検討するため、二重盲検法にてジピリダモール徐放カプセル(1回200mg1日2回)又はプラセボを24週間追加投与したところ、「運動耐容時間」に対する本剤の追加投与の効果は認められなかったとの試験成績がある。
2少数例ではあるが、非抱合型ジピリダモールが胆石中に取り込まれていたことを示す症例が報告されている。
薬物動態
**溶出挙動1)
**ジピリダモール錠25mg「日新」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたジピリダモール25mg錠の溶出規格に適合していることが確認されている。
薬効薬理
1冠循環改善作用2)〜5)
冠血管を選択的にかつ長時間に拡張し、心筋への酸素供給を十分にして冠血流を改善する。
2血栓・塞栓抑制作用2)〜5)
1大脳皮質動脈の損傷ウサギにジピリダモールを1.5mg/kg以上静注した時、血栓形成を抑制した。
2ラットの腸間膜動脈での電気刺激による血栓・塞栓形成を抑制した。
3犬の静脈移植後、明らかな血栓防止効果を示し、血小板粘着能も低下させた。
3尿蛋白減少作用2)〜5)
ラットのアミノヌクレオシド腎炎、プロタミン腎炎、抗糸球体基底膜型腎炎、ウサギの急性血清病腎炎において尿蛋白を減少させた。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ジピリダモール(Dipyridamole)
化学名
2,2',2'',2'''-{[4,8-Di(piperidin-1-yl)pyrimido [5,4-d] pyrimidine-2,6-diyl] dinitrilo} tetraethanol
分子式
C24H40N8O4
分子量
504.63
構造式
性 状
本品は黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。クロロホルムに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融 点
165〜169℃
取扱い上の注意
**安定性試験6)
**ジピリダモール錠25mg「日新」は、最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度80%、6ヵ月)の結果、室温保存において3年間安定であることが推測された。また、最終包装製品を用いた長期保存試験(室温保存、3年)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、室温保存における3年間の安定性が確認された。
包装
**ジピリダモール錠25mg「日新」:(PTP包装)100錠、1000錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1
日新製薬株式会社 社内資料:溶出試験に関する資料
2
安藤鶴太郎:優秀処方とその解説
3
P. R. Emmons et al. : NATURE 255(1965)
4
Paul Didisheim : Thrombus Riathes, Haemorrh 20,257(1968)
5
Koji Kimura et al. : The Journal of Toxicological Sciences 4,1(1978)
6
日新製薬株式会社 社内資料:安定性に関する資料
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994−0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
TEL 023-655-2131 FAX 023-655-3419
E-mail:d-info@yg-nissin.co.jp
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
日新製薬株式会社
山形県天童市清池東二丁目3番1号