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閲覧履歴

エカード配合錠HD

持続性アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/利尿薬配合剤

1錠 71.7円

添付文書番号

2149111F1028_2_06

企業コード

400061

作成又は改訂年月

2022年11月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872149

薬効分類名

持続性アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬/利尿薬配合剤

承認等

販売名

エカード配合錠LD

販売名コード

2149111F1028

販売名英字表記

ECARD Combination Tablets

販売名ひらがな

えかーどはいごうじょうLD

承認番号等

承認番号
22100AMX00403

販売開始年月

2009年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
カンデサルタン シレキセチル・ヒドロクロロチアジド錠

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

エカード配合錠HD

販売名コード

2149111F2024

販売名英字表記

ECARD Combination Tablets

販売名ひらがな

えかーどはいごうじょうHD

承認番号等

承認番号
22100AMX00404

販売開始年月

2009年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
カンデサルタン シレキセチル・ヒドロクロロチアジド錠

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

カンデサルタンシレキセチル・ヒドロクロロチアジド錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分あるいは他のチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
  2. 無尿の患者又は血液透析中の患者[ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない。]
  3. 急性腎不全の患者
  4. 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[ヒドロクロロチアジドは低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。]
  5. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  6. アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)
  7. デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者

組成・性状

組成

エカード配合錠LD
有効成分
1錠中:
カンデサルタン シレキセチル  4mg
有効成分
ヒドロクロロチアジド  6.25mg
添加剤
トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール6000、黄色三二酸化鉄、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物
エカード配合錠HD
有効成分
1錠中:
カンデサルタン シレキセチル  8mg
有効成分
ヒドロクロロチアジド  6.25mg
添加剤
トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール6000、三二酸化鉄、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物

製剤の性状

エカード配合錠LD
外形
大きさ
大きさ(長径)
8.6mm
大きさ(短径)
5.1mm
大きさ(厚さ)
約3.0mm
質量130mg
識別コード 293
色・剤形
ごくうすい黄色の素錠
エカード配合錠HD
外形
大きさ
大きさ(長径)
8.6mm
大きさ(短径)
5.1mm
大きさ(厚さ)
約3.0mm
質量130mg
識別コード 294
色・剤形
ごくうすい紅色の素錠

効能又は効果

高血圧症

効能又は効果に関連する注意

  1. 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
  2. 原則として、カンデサルタン シレキセチル4mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgの投与を、カンデサルタン シレキセチル8mg、又はカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド4mg/6.25mgで効果不十分な場合にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド8mg/6.25mgの投与を検討すること。

用法及び用量

成人には1日1回1錠(カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして4mg/6.25mg又は8mg/6.25mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

重要な基本的注意

  1. 本剤は、カンデサルタン シレキセチル4mgあるいは8mgとヒドロクロロチアジド6.25mgとの配合剤であり、カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
  2. ヒドロクロロチアジドは低カリウム血症あるいは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、定期的に血清カリウム値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。
  3. ヒドロクロロチアジドの利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意すること。
  4. 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
  5. 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。
  6. 夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。カンデサルタン シレキセチルは腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
  2. 高カリウム血症の患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
    カンデサルタン シレキセチルは高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
    また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
  3. 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者
    ヒドロクロロチアジドにより高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。
  4. 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
    ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  5. 下痢、嘔吐のある患者
    ヒドロクロロチアジドにより電解質失調を起こすおそれがある。
  6. 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
    ヒドロクロロチアジドは血清カルシウムを上昇させるおそれがある。
  7. 減塩療法中の患者
    ヒドロクロロチアジドにより低ナトリウム血症を起こすおそれがある。また、厳重な減塩療法中の患者では、本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと。
    カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性の意識消失や腎機能の低下を起こすおそれがある。
  8. 交感神経切除後の患者
    ヒドロクロロチアジドの降圧作用が増強される。
  9. 低ナトリウム血症の患者
    本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと。
    カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性の意識消失や腎機能の低下を起こすおそれがある。
  10. 心不全を合併する患者
    本剤の成分であるカンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと。
    カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性の意識消失や腎機能の低下を起こすおそれがある。
  11. 薬剤過敏症の既往歴のある患者

腎機能障害患者

  1. 血液透析中の患者
    投与しないこと。ヒドロクロロチアジドの効果が期待できない。
  2. 急性腎不全の患者
    投与しないこと。ヒドロクロロチアジドは腎機能を更に悪化させるおそれがある。
  3. 血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
  4. 腎障害のある患者
    • ヒドロクロロチアジド又はカンデサルタン シレキセチルによる腎血流量の低下あるいは過度の降圧により腎機能が悪化するおそれがある。
    • 定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがある。
    • カンデサルタン シレキセチルの用量を少量より開始し、増量する場合は血圧、腎機能及び患者の状態を十分に観察しながら行うこと。カンデサルタン シレキセチルの投与により、まれに血圧が急激に低下し、ショック、失神、一過性の意識消失や腎機能の低下を起こすおそれがある。

肝機能障害患者

  • 少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。カンデサルタン シレキセチルは肝機能を悪化させるおそれがある。また、活性代謝物カンデサルタンのクリアランスが低下することが推定されている。
  • ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を起こすおそれがある。

生殖能を有する者

  1. 妊娠する可能性のある女性
    妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている,
    本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。
    1. 本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
    2. 次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
      • 妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
      • 妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
      • 妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
妊娠中期及び末期にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。
チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがある。また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮・胎盤血流量減少があらわれることがある。

授乳婦

授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期にカンデサルタン シレキセチルを強制経口投与すると、10mg/kg/日以上の群で出生児に水腎症の発生増加が認められている。なお、ラットの妊娠末期のみ、あるいは授乳期のみにカンデサルタン シレキセチルを投与した場合、いずれも300mg/kg/日で出生児に水腎症の増加が認められている。
ヒドロクロロチアジドはヒト母乳中に移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

以下の点に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
  • 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
  • ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
  • 特に心疾患等で浮腫のある高齢者では、ヒドロクロロチアジドによる急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  • ヒドロクロロチアジドによる低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アリスキレンフマル酸塩
ラジレス
(糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
デスモプレシン酢酸塩水和物
ミニリンメルト
(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カリウム保持性利尿剤
スピロノラクトン
トリアムテレン等
エプレレノン
カリウム補給剤
血清カリウム値が上昇することがある。
カンデサルタン シレキセチルのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。
危険因子:特に腎機能障害のある患者
利尿剤
フロセミド
トリクロルメチアジド等
利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがあるので、少量から開始するなど慎重に投与すること。
利尿剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、カンデサルタン シレキセチルが奏効しやすい。
危険因子:特に最近利尿剤投与を開始した患者
バルビツール酸誘導体
起立性低血圧が増強することがある。
左記薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による。
あへんアルカロイド系麻薬
起立性低血圧が増強することがある。
あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。
アルコール
起立性低血圧が増強することがある。
血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強する可能性がある。
昇圧アミン
ノルアドレナリン
アドレナリン
昇圧アミンの作用が減弱することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。
チアジド系薬剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。
ツボクラリン及びその類似作用物質
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
パンクロニウム臭化物
ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用が増強することがある。
手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。
ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、左記薬剤の神経・筋遮断作用が増強すると考えられている。
降圧作用を有する他の薬剤
β-遮断剤
ニトログリセリン等
降圧作用が増強するおそれがある。
降圧剤の用量調節等に注意すること。
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。
アリスキレンフマル酸塩
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
ジギタリス剤
ジゴキシン
ジギトキシン
ジギタリスの心臓に対する作用が増強し、不整脈等が起こることがある。血清カリウム値に十分注意すること。
ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。
乳酸ナトリウム
チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症が増強することがある。
ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる。
炭酸リチウム
リチウム中毒が報告されている。
腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。
糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH
低カリウム血症が発現することがある。
ヒドロクロロチアジド及び左記薬剤ともカリウム排泄作用を持つ。
グリチルリチン製剤
血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。
左記薬剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがあり、ヒドロクロロチアジドとの併用により、低カリウム血症を増強させる可能性がある。
糖尿病用剤
SU剤
インスリン
糖尿病用剤の作用が著しく減弱することがある。
機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により、膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。
コレスチラミン
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。
左記薬剤の吸着作用によりチアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
インドメタシン等
降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤はプロスタグランジンの合成を阻害することから、血管拡張抑制等をきたし、降圧作用を減弱させる可能性があると考えられている。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
インドメタシン等
腎障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 血管浮腫(頻度不明)
    顔面、口唇、舌、咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。
  2. ショック、失神、意識消失(頻度不明)
    冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
  3. 急性腎障害(頻度不明)
  4. 高カリウム血症(頻度不明)
  5. 低ナトリウム血症(頻度不明)
    倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。高齢者であらわれやすい。
  6. 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTPの上昇等の肝機能障害があらわれることがある。
  7. 無顆粒球症(頻度不明)
  8. 横紋筋融解症(頻度不明)
    筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  9. 間質性肺炎(頻度不明)
    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  10. 低血糖(頻度不明)
    脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止すること。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。
  11. 再生不良性貧血、溶血性貧血(頻度不明)
    定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
  12. 壊死性血管炎(頻度不明)
  13. 肺水腫、急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)
    肺水腫があらわれることがある。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある,,,
  14. 全身性エリテマトーデスの悪化(頻度不明)
  15. アナフィラキシー(頻度不明)
  16. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)
  17. 間質性腎炎(頻度不明)
  18. 急性近視、閉塞隅角緑内障(頻度不明)
    急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障があらわれることがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、速やかに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、光線過敏症
そう痒、湿疹、蕁麻疹、呼吸困難、顔面紅潮
循環器
めまい注)、動悸、ほてり、期外収縮
起立性低血圧、心房細動、ふらつき注)、立ちくらみ注)
精神神経系
頭痛
頭重感、不眠、眠気、舌のしびれ感、四肢のしびれ感、知覚異常
代謝異常
血中尿酸上昇
血中カリウム上昇、血清脂質上昇、総コレステロール上昇、高血糖症
低カリウム血症、低マグネシウム血症、低クロール性アルカローシス、血清カルシウムの上昇等の電解質失調、血清総タンパク減少
消化器
悪心、口内炎、味覚異常、便秘、口渇
腹部不快感、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、心窩部痛、下痢、腹部疝痛、膵炎、唾液腺炎
肝臓
ALT、LDH、Al-P、γ-GTPの上昇
ASTの上昇
皮膚
皮膚エリテマトーデス
血液
白血球増多、貧血
白血球減少、好酸球増多、血小板減少、紫斑
腎臓
BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿
その他
倦怠感、頻尿、浮腫、咳、血中CK上昇、CRP上昇、勃起不全、視力異常(霧視等)
鼻出血、脱力感、腰背部痛、筋肉痛、筋痙攣、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、鼻閉、黄視症、耳鳴
注)このような場合には減量、休薬するなど適切な処置を行うこと。

臨床検査結果に及ぼす影響

ヒドロクロロチアジドは甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがある。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. ヒドロクロロチアジドの含有量が本剤の承認用量の倍量である12.5mgを用いたカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジド配合剤の国内臨床試験において、血中尿酸上昇が146例中16例(11%)に認められている。
  2. 海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている,

薬物動態

血中濃度

  1. 反復投与
    本態性高血圧症患者に1日1回カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mgを15日間反復投与した時、血中には活性代謝物カンデサルタン、非活性代謝物M-Ⅱ及びヒドロクロロチアジドが検出されるが、未変化体であるカンデサルタン シレキセチルはほとんど検出されない。投与1日目及び15日目のカンデサルタン及びヒドロクロロチアジドの血中濃度の推移は下図のとおりである。
    測定物質
    投与日
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (h)
    AUC0-24h
    (ng・h/mL)
    T1/2
    (h)
    カンデサルタン
    1日目
    131.4±47.2
    4.0±1.2
    1186.9±425.8
    5.6±0.9
    15日目
    142.9±63.5
    3.8±0.7
    1390.4±631.0
    6.9±1.5
    M-Ⅱ
    1日目
    18.3±7.2
    6.6±2.8
    294.4±120.7
    17.6±7.3
    15日目
    28.0±14.5
    5.1±2.1
    478.4±245.0
    15.7±4.2
    ヒドロクロロチアジド
    1日目
    62.3±16.4
    1.8±0.7
    338.6±96.1
    6.0±3.1
    15日目
    61.0±14.6
    2.0±0.5
    377.4±119.7
    7.9±3.9
    (平均値±標準偏差、n=8)
  2. 血中カンデサルタン濃度測定値を用いたPopulation Pharmacokinetics(PPK)解析
    カンデサルタン シレキセチルを投与した健康成人男子延べ168例、本態性高血圧症及び高齢本態性高血圧症患者延べ30例、腎障害を伴う高血圧症患者18例、肝障害を伴う高血圧症患者8例、計224例から得られた2,886時点の血中カンデサルタン濃度測定値を用いて、性、年齢、体重、肝機能指標(AST、ALT)、腎機能指標(血清クレアチニン、BUN)、血中アルブミン値及び高血圧の有無とカンデサルタンのクリアランス、分布容積、相対的バイオアベイラビリティとの関連性を検討した結果、肝障害患者(AST値>40又はALT値>35)におけるクリアランスが45%低下することが推定されている。

吸収

健康成人(12例)にカンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mgを食後投与した時、絶食下投与と比較してCmaxは活性代謝物カンデサルタンでは上昇し、ヒドロクロロチアジドでは低下したが、AUCは活性代謝物カンデサルタンでは差はなく、ヒドロクロロチアジドでは17.6%の低下であり、臨床的に問題となるものではないと考えられる。

分布

14C]カンデサルタンをヒトの血清、4%ヒト血清アルブミン溶液に添加した時の蛋白結合率は、ともに99%以上である(in vitro)。
ヒドロクロロチアジドのヒト血清蛋白結合率は20.8〜24.0%である(in vitro)。

代謝

カンデサルタン シレキセチルはカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物カンデサルタンに代謝され、さらに一部がCYP2C9により非活性代謝物M-Ⅱに代謝されるが、本態性高血圧症患者にカンデサルタン シレキセチルを投与したときのM-Ⅱの血中濃度及び尿中排泄率はカンデサルタンの血中濃度及び尿中排泄率に比べ低く、CYP2C9の遺伝的多型によるカンデサルタンの血中濃度への影響は少ないと考えられる。
また、カンデサルタンはCYP1A1、1A2、2A6、2B6、2C8、2C9-Arg、2C19、2D6、2E1、3A4の代謝活性を阻害しない(in vitro)。

排泄

本態性高血圧症患者10例に1日1回カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mgを15日間反復投与した時、尿中には未変化体であるカンデサルタン シレキセチルは検出されず、活性代謝物カンデサルタン、非活性代謝物M-Ⅱ及びヒドロクロロチアジドが排泄される。投与24時間までの尿中カンデサルタン+M-Ⅱ及びヒドロクロロチアジド未変化体の累積尿中排泄率はカンデサルタン+M-Ⅱが投与1日目12.3%、15日目15.8%、ヒドロクロロチアジド未変化体が投与1日目71.1%、15日目80.4%である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験
    本態性高血圧症患者を対象に、1日1回カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして8mg/6.25mg、4mg/6.25mg、8mg/0mg又は0mg/6.25mgを8週間投与した二重盲検比較試験の結果は次表のとおりである。
    トラフ時坐位拡張期血圧変化量については、8mg/6.25mg群は8mg/0mg群に比べ有意な差が認められている。トラフ時坐位収縮期血圧変化量については、8mg/6.25mg群及び4mg/6.25mg群ともに8mg/0mg群に比べ有意な差が認められている。
    投与群
    トラフ時坐位収縮期血圧変化量(mmHg)
    トラフ時坐位拡張期血圧変化量(mmHg)
    8mg/6.25mg
    (n=148)
    -20.74±12.359
    -14.49±7.169
    4mg/6.25mg
    (n=146)
    -18.08±12.944
    -12.60±8.172
    8mg/0mg
    (n=148)
    -14.80±12.352
    -12.22±8.085
    0mg/6.25mg
    (n=74)
    -8.28±9.903
    -6.95±8.101
    (平均値±標準偏差)
    副作用発現率は、8mg/6.25mg群で18.2%(27/148例)、4mg/6.25mg群で16.9%(25/148例)、8mg/0mg群で14.2%(21/148例)、0mg/6.25mg群で20.3%(15/74例)であり、投与群間に有意な差はなかった(χ2 検定)。
  2. 国内第Ⅲ相試験(長期投与試験)
    本態性高血圧症患者152例を対象に、1日1回カンデサルタン シレキセチル/ヒドロクロロチアジドとして4mg/6.25mg又は8mg/6.25mgを52週間投与した臨床試験の結果は次表のとおりである。
    トラフ時坐位収縮期
    血圧変化量(mmHg)
    トラフ時坐位拡張期
    血圧変化量(mmHg)
    -18.20±13.200
    -11.82±8.847
    (平均値±標準偏差)
    副作用発現率は25.0%(38/152例)であり、その主なものは血中尿酸増加6.6%(10例)、高尿酸血症3.3%(5例)、頻尿2.6%(4例)であった。副作用発現率は、投与期間を通して大きな違いはみられなかった。

薬効薬理

作用機序
〈カンデサルタン シレキセチル〉
  1. カンデサルタン シレキセチルの降圧作用は、生体内で吸収過程において速やかに加水分解され活性代謝物カンデサルタンとなり、主に血管平滑筋のアンジオテンシンⅡタイプ1(AT1)受容体においてアンジオテンシンⅡと拮抗し、その強力な血管収縮作用を抑制することによって生ずる末梢血管抵抗の低下による。さらに、AT1受容体を介した副腎でのアルドステロン遊離に対する抑制作用も降圧作用に一部関与していると考えられる,,in vitroin vivo(ラット))。
〈ヒドロクロロチアジド〉
  1. ヒドロクロロチアジドの降圧作用機序は明らかではない。投与初期には細胞外液量及び心拍出量を減少させる。しかし、長期投与時の持続的な降圧効果は血管抵抗の低下によるものであり、細胞外液量は幾分か減少したままではあるが、心拍出量は治療開始前値に戻る。僅かではあるが細胞外液量の減少を伴う体内Na+量減少、血管平滑筋細胞内Na+濃度減少により二次的に細胞内Ca2+濃度が低下し、血管収縮ホルモンに対する血管平滑筋細胞の反応性が減弱し、末梢血管抵抗が減少することによる機序が考えられる。
カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの併用による降圧作用
高血圧自然発症ラットにおいて、カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの併用により、カンデサルタン シレキセチルの降圧作用の増強が認められている。また、カンデサルタン シレキセチルによるヒドロクロロチアジドの利尿作用への影響は認められていない。
レニン-アンジオテンシン系に及ぼす影響
高血圧症患者74例(本態性高血圧症56例、腎障害を伴う高血圧症患者18例)を対象に、カンデサルタン シレキセチル1日1回1~12mgの反復投与試験の結果、血漿レニン活性、血漿アンジオテンシンⅠ濃度及び血漿アンジオテンシンⅡ濃度の上昇がみられている,,,,

有効成分に関する理化学的知見

〈カンデサルタン シレキセチル〉
一般的名称
カンデサルタン シレキセチル(Candesartan Cilexetil)
化学名
(1RS)-1-(Cyclohexyloxycarbonyloxy)ethyl 2-ethoxy-1-{[2’-(1H-tetrazol-5-yl)biphenyl-4-yl]methyl}-1H-benzimidazole-7-carboxylate
分子式
C33H34N6O6
分子量
610.66
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。酢酸(100)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。結晶多形が認められる。
化学構造式
〈ヒドロクロロチアジド〉
一般的名称
ヒドロクロロチアジド(Hydrochlorothiazide)
化学名
6-Chloro-3,4-dihydro-2H-1,2,4-benzothiadiazine-7-sulfonamide 1,1-dioxide
分子式
C7H8ClN3O4S2
分子量
297.74
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は僅かに苦い。アセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水又はエタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水酸化ナトリウム試液に溶ける。
化学構造式

包装

〈エカード配合錠LD〉
100錠[10錠(PTP)×10]、140錠[14錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、700錠[14錠(PTP)×50]
〈エカード配合錠HD〉
100錠[10錠(PTP)×10]、140錠[14錠(PTP)×10]、500錠[10錠(PTP)×50]、700錠[14錠(PTP)×50]

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