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閲覧履歴

アンカロン注150

不整脈治療剤

1管 3154円

作成又は改訂年月

**
2015年9月改訂
(第11版)
*
2013年5月改訂

日本標準商品分類番号

872129

日本標準商品分類番号等

2013年5月
1966年12月

薬効分類名

不整脈治療剤

承認等

販売名

アンカロン注150

販売名コード

2129410A1028

承認・許可番号

21900AMX00049
Ancaron

薬価基準収載年月

2007年6月

販売開始年月

2007年6月

貯法・使用期限等

貯  法
凍結を避け、25℃以下に遮光して保存
使用期限
外箱に表示

規制区分

*劇薬
処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分:日局アミオダロン塩酸塩
1アンプル(3mL)中:150mg
添加物:ベンジルアルコール
1アンプル(3mL)中:60mg
添加物:ポリソルベート80
1アンプル(3mL)中:300mg

性状

性状・剤形 淡黄色澄明の液(注射剤)
pH 3.5〜4.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比) 約0.6

一般的名称

アミオダロン塩酸塩製剤

警告

施設の限定
本剤の使用は致死的不整脈治療の十分な経験のある医師に限り、諸検査の実施が可能で、CCU、ICUあるいはそれに準ずる体制の整った、緊急時にも十分に対応できる施設でのみ使用すること。
患者の限定
致死的不整脈患者で、難治性かつ緊急を要する場合にのみ使用すること。
本剤では新たな不整脈や不整脈の増悪等を含む重篤な心障害が報告されており、ときに致死的な場合もあるので、CCU、ICU等で心電図及び血圧の連続監視下で使用すること。なお、血圧については可能な限り動脈内圧を連続監視することが望ましい。
本剤投与後24時間以内に重篤な肝機能障害が生じ、肝不全や死亡に至る場合もある(海外症例の副作用報告)ので、患者の状態を慎重に観察するなど、十分に注意すること。[「2.重要な基本的注意」、「4.副作用」の項参照]

禁忌

洞性徐脈、洞房ブロック、重度伝導障害(高度な房室ブロック、二束ブロック又は三束ブロック)又は洞不全症候群があり、ペースメーカーを使用していない患者[洞停止のリスクがある。]
循環虚脱又は重篤な低血圧のある患者(血行動態不安定な心室細動又は心室頻拍発作発現中を除く)
本剤の成分又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者
**リトナビル、サキナビル、サキナビルメシル酸塩、インジナビル硫酸塩エタノール付加物、ネルフィナビルメシル酸塩、クラスIa及びクラスIII(ソタロール、ニフェカラント)の抗不整脈薬、ベプリジル塩酸塩水和物、スパルフロキサシン、モキシフロキサシン塩酸塩、エリスロマイシン(注射剤)、ペンタミジンイセチオン酸塩、トレミフェンクエン酸塩、テラプレビル、フィンゴリモド塩酸塩又はエリグルスタット酒石酸塩を投与中の患者[「3.相互作用」の項参照]
重篤な呼吸不全のある患者
*ただし、心停止時はこの限りでない。

原則禁忌

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
甲状腺機能障害又はその既往歴のある患者[甲状腺機能障害を増悪させることがある]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

生命に危険のある下記の不整脈で難治性かつ緊急を要する場合
心室細動、血行動態不安定な心室頻拍
*電気的除細動抵抗性の心室細動あるいは無脈性心室頻拍による心停止

用法及び用量

*心室細動、血行動態不安定な心室頻拍で難治性かつ緊急を要する場合
通常、成人には以下のとおり点滴静注により投与する。
なお、症状に応じて適宜増減あるいは追加投与を行う。ただし、最大量として1日の総投与量は1250mgを超えないこと及び投与濃度は2.5mg/mLを超えないこと。
投与方法(48時間まで)
初期急速投与
アミオダロン塩酸塩として125mg(2.5mL)を5%ブドウ糖液100mLに加え、容量型の持続注入ポンプを用い、600mL/時(10mL/分)の速度で10分間投与する。
負荷投与
アミオダロン塩酸塩として750mg(15mL)を5%ブドウ糖液500mLに加え、容量型の持続注入ポンプを用い33mL/時の速度で6時間投与する。
維持投与
17mL/時の速度で合計42時間投与する。
6時間の負荷投与後、残液を33mL/時から17mL/時に投与速度を変更し、18時間投与する。
アミオダロン塩酸塩として750mg(15mL)を5%ブドウ糖液500mLに加え、容量型の持続注入ポンプを用い17mL/時の速度で24時間投与する(アミオダロン塩酸塩として600mg)
追加投与
血行動態不安定な心室頻拍あるいは心室細動が再発し、本剤投与が必要な場合には追加投与できる。1回の追加投与は本剤125mg(2.5mL)を5%ブドウ糖液100mLに加え、容量型の持続注入ポンプを用い、600mL/時(10mL/分)の速度で10分間投与する。
継続投与(3日以降)
48時間の投与終了後、本剤の継続投与が必要と判断された場合は、継続投与を行うことができる。
アミオダロン塩酸塩として750mg(15mL)を5%ブドウ糖液500mLに加え、容量型の持続注入ポンプを用い17mL/時の速度で投与する(アミオダロン塩酸塩として600mg/24時間)。
*電気的除細動抵抗性の心室細動あるいは無脈性心室頻拍による心停止
アミオダロン塩酸塩として300mg(6mL)又は5mg/kg(体重)を5%ブドウ糖液20mLに加え、静脈内へボーラス投与する。心室性不整脈が持続する場合には、150mg(3mL)又は2.5mg/kg(体重)を5%ブドウ糖液10mLに加え、追加投与することができる。

用法及び用量に関連する使用上の注意

*心室細動、血行動態不安定な心室頻拍で難治性かつ緊急を要する場合
注射部位反応を避けるため、可能な限り本剤は中心静脈より点滴により投与すること。また、投与には容量型の持続注入ポンプを用いること。[「2.重要な基本的注意」の項参照]
初期急速投与及び追加投与時は、1アンプル(3mL)から本剤2.5mLを注射筒で抜き取り調製すること。
継続投与に関し、国内においては最長7日間までの投与経験しかなく、継続投与の期間については十分注意すること。
追加投与に関し、国内においては3回までの投与経験しかなく、追加投与については十分注意すること。
低体重の患者及び高齢者では血圧の変動を来たしやすいと考えられるため、これらの患者に投与する場合には減量又は投与速度の調節を考慮すること。

使用上の注意

慎重投与

低血圧及び非代償性心筋症のある患者
重篤な心不全のある患者[心不全を増悪させるおそれがある。]
心電図上QT延長の見られる患者[活動電位持続時間延長作用により、心電図上QT時間を過度に延長させるおそれがある。]
間質性肺炎、肺胞炎、肺線維症のある患者及び肺拡散能の低下した患者並びに肺に既往歴のある患者[重篤な肺障害を増悪させるおそれがある。]
重篤な肝、腎機能低下のある患者[肝、腎機能を悪化させるおそれがある。]
低体重の患者[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照]
高齢者[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉、「5.高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

本剤の投与に際しては、副作用に十分留意し(「4.副作用」の項参照)、頻回に患者の状態を観察すること。
*本剤の初期急速投与時及びボーラス投与時には、血圧低下に特に注意し、2〜3分毎に血圧の確認を行うこと。さらにボーラス投与時には、心拍再開後の徐脈の発現にもあわせて注意すること。
本剤投与後24時間以内に重篤な肝機能障害が生じ、肝不全や死亡に至るおそれがあるので、本剤投与開始後よりAST(GOT)及びALT(GPT)等の肝機能の慎重なモニタリングを行い、異常が認められた場合には、減量あるいは投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、追加投与あるいは継続投与の有無に関わらず、投与開始から3日間は1日2回以上の頻度で肝機能のモニタリングを実施すること。[【警 告】、「4.副作用」の項参照]
不整脈停止後は心電図の連続監視下で患者の状態を十分に観察しながら徐々に経口剤に切り替える等の方法で、出来るだけ速やかに経口投与による維持療法に切り替えること。
甲状腺機能障害がある患者又は既往歴のある患者は可能であれば本剤投与開始前に甲状腺機能検査を実施すること。
本剤と全身麻酔を併用した場合、ハロゲン化吸入麻酔薬の心筋抑制因子及び伝導障害に対する感受性が高くなると考えられること、また、アトロピンが不奏効の徐脈、低血圧、伝導障害、心拍出量低下といった潜在的に重度の合併症が報告されている。さらに、非常にまれであるがときに高酸素濃度との関係と考えられる致命的な急性呼吸窮迫症候群が認められていることから、本剤と全身麻酔を併用する場合には、厳密な周術期モニタリングを行うこと。また、手術前に患者が本剤を投与されていることを麻酔医に連絡すること。
*本剤の点滴静注による投与には必ず容量型の持続注入ポンプを使用すること。本剤溶液の表面特性の変化により、液滴サイズが縮小することがあり、滴下型の注入セットを用いた場合、過少投与となるおそれがある。また、注射部位反応を避けるため、可能な限り本剤は中心静脈より投与すること。
Brugada症候群及びカテコラミン誘発性多形性心室頻拍に対する本剤の効果は確認されていない。
**本剤とレジパスビル/ソホスブビル配合剤の併用投与により、徐脈等の不整脈があらわれるおそれがあり、海外の市販後において死亡例も報告されていることから、本剤とレジパスビル/ソホスブビル配合剤の併用は可能な限り避けること。ただし、やむを得ず併用する場合には、患者又はその家族に対して併用投与により徐脈等の重篤な不整脈が発現するリスクがあること等を十分説明するとともに、不整脈の徴候又は症状(失神寸前の状態又は失神、浮動性めまい、ふらつき、倦怠感、脱力、極度の疲労感、息切れ、胸痛、錯乱、記憶障害等)が認められた場合には、速やかに担当医師に連絡するよう指導すること。

相互作用

相互作用の概略

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。また、本剤の半減期が長いことから、薬物相互作用は併用薬だけでなく、本剤中止後に使用される薬剤についても注意すること。[【薬物動態】の項参照]

併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リトナビル
 ノービア
サキナビル
 フォートベイス
サキナビルメシル酸塩
 インビラーゼ
インジナビル硫酸塩
エタノール付加物
 クリキシバン
重篤な副作用(不整脈等)を起こすおそれがある。 左記薬剤のCYP3A4に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度が大幅に上昇するおそれがある。
ネルフィナビルメシル酸塩
 ビラセプト
重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(QT延長、Torsades de pointes等の不整脈や持続的な鎮静等)を起こすおそれがある。 左記薬剤のCYP3A4に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度が大幅に上昇するおそれがある。
クラスIa抗不整脈薬
 プロカインアミド
 キニジン等
クラスIII抗不整脈薬
 ソタロール(ソタコール)
 ニフェカラント(シンビット)
ベプリジル塩酸塩水和物
 ベプリコール
併用によりTorsades de pointesを起こすことがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加することがある。
エリスロマイシン(注射剤)
 注射用エリスロシン
ペンタミジンイセチオン酸塩
 ベナンバックス
併用によりTorsades de pointesのリスクが増加する。 併用によりQT延長作用が相加的に増加することがある。
スパルフロキサシン
 スパラ
モキシフロキサシン塩酸塩
 アベロックス
QT延長、心室性不整脈を起こすことがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加することがある。
トレミフェンクエン酸塩
 フェアストン
QT延長を増強し、心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)等を起こすおそれがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加することがある。
テラプレビル
 テラビック
重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象(不整脈等)を起こすおそれがある。 併用により、本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇し、作用の増強や相加的なQT延長を起こすおそれがある。
フィンゴリモド塩酸塩
 イムセラ
 ジレニア
併用によりTorsades de pointes等の重篤な不整脈を起こすおそれがある。 フィンゴリモド塩酸塩の投与により心拍数が低下するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。
**エリグルスタット酒石酸塩
 サデルガ
**併用によりQT延長等を生じるおそれがある。 **併用によりQT延長作用が増強すると考えられる。本剤のCYP2D6及びCYP3A阻害作用によりエリグルスタット酒石酸塩の代謝が阻害されるおそれがある。
併用禁忌に関する注意
*ただし、心停止時はこの限りでない。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
PDE5阻害薬
 バルデナフィル
 シルデナフィル
QT延長を起こすことがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増加すると考えられる。
抗凝固剤
 ワルファリン
プロトロンビン時間の延長、重大な又は致死的な出血が生じることが報告されている。 *本剤によるCYP2C9阻害が考えられる。
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩本薬の経口剤では、血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強することが報告されている。 本薬の経口剤において、ダビガトランの血中濃度を上昇させるとの報告がある。
P糖蛋白を基質とするXa阻害剤
 エドキサバントシル酸塩水和物
血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強することが報告されている。 本剤によるP糖蛋白阻害が考えられる。
ジゴキシンジゴキシン血中濃度が上昇し、臨床的な毒性(洞房ブロック、房室ブロック、憂鬱、胃腸障害、精神神経障害等)を生じることが報告されているため、本剤の投与を開始するときはジギタリス治療の必要性を再検討し、ジギタリス用量を1/2に減量するか又は投与を中止すること。 本剤による腎外クリアランスの低下、消化管吸収の増加が考えられる。
CYP3A4で代謝される薬剤
 シクロスポリン
 タクロリムス
 ジヒドロエルゴタミン
 エルゴタミン
 トリアゾラム
 ミダゾラム等
左記薬剤の血中濃度を上昇させるとの報告がある。 本剤によるCYP3A4阻害が考えられる。
フレカイニド
アプリンジン
左記薬剤の血中濃度を上昇させるとの報告がある。 本剤によるCYP2D6阻害が考えられる。
テオフィリン左記薬剤の血中濃度を上昇させるとの報告がある。 本剤によるCYP1A2阻害が考えられる。
フェニトインフェニトインの血中濃度上昇による精神神経障害があらわれることがある。観察を十分に行い、過量投与の症状があらわれた場合には速やかにフェニトイン投与量を減らすこと。 本剤によるCYP2C9阻害が考えられる。
CYP3A4で代謝されるHMG‐CoA還元酵素阻害剤
 シンバスタチン等
併用により筋障害のリスクが増加するとの報告がある。 本剤によるCYP3A4阻害により、血中濃度が上昇することがある。
リドカイン洞停止、洞房ブロックを発現したとの報告がある。 本剤による洞結節の相加的抑制、代謝阻害が考えられる。
β遮断薬
 メトプロロール
 プロプラノロール
徐脈、心停止を発現したとの報告がある。 本剤がメトプロロール、プロプラノロールの肝代謝を抑制し、初回通過効果を低下させることが考えられる。
Ca‐拮抗剤
 ジルチアゼム
 ベラパミル
心停止、房室ブロックを発現したとの報告がある。 本剤はこれらの薬剤との併用で洞房と房室結節伝導を遅延させ、心筋収縮力を相加的に低下させることが考えられる。
フェンタニル血圧低下、徐脈を発現したとの報告がある。 本剤とフェンタニルには、血圧低下、徐脈作用があり併用により作用が増強されることが考えられる。
全身麻酔剤ハロゲン化吸入麻酔薬の心筋抑制因子及び伝導障害に対する感受性が高くなることがあり、また、アトロピンが不奏効の徐脈、低血圧、伝導障害、心拍出量低下といった潜在的に重度の合併症が報告されている。さらに、非常にまれであるがときに致命的な急性呼吸窮迫症候群が通常手術直後に認められている。 機序不明。
局所麻酔剤心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。 併用により作用が増強されることが考えられる。
低カリウム血症を起こす薬剤
 利尿剤
 副腎皮質ステロイド剤
 アムホテリシンB
 ACTH(テトラコサクチド)
Torsades de pointesを起こすことがある。 機序不明。
低カリウム血症が惹起された場合、本剤のQT延長作用が増加されることが考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 セイヨウオトギリソウにより本剤の代謝酵素が誘導され、代謝が促進されることが考えられる。
**レジパスビル/ソホスブビル配合剤**徐脈等の不整脈があらわれるおそれがあることから、やむを得ず本剤と併用する場合は、不整脈の徴候の発現等に注意して十分に観察し、異常が認められた場合には適切な対応を行うこと。 **機序不明。
**ヒドロキシクロロキン硫酸塩**心室性不整脈を起こすおそれがある。 **機序不明。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認時
総症例47例中、副作用は35例(74.5%)に認められた。主な副作用は、血圧低下7例(14.9%)、血中甲状腺刺激ホルモン増加及び心電図QT延長各5例(10.6%)、不眠症4例(8.5%)、血中ビリルビン増加、心不全及び徐脈各3例(6.4%)であった。

重大な副作用

間質性肺炎(頻度不明注1)
間質性肺炎があらわれることがあり、致死的な場合もある。胸部レントゲン検査や胸部CT検査にて異常陰影が出現した場合、また咳、呼吸困難及び捻髪音等が認められた場合には上記副作用を疑い、投与を中止し、必要に応じてステロイド療法等の適切な処置を行うこと。
肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全(頻度不明注2)
AST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎等の重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量あるいは投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、肝不全や死亡に至った例も報告されている。
既存の不整脈の重度の悪化、Torsades de pointes、心停止(頻度不明注2))、血圧低下(14.9%)、徐脈(6.4%)、心不全(6.4%)
既存の不整脈を重度に悪化させることがあるほか、Torsades de pointes、心不全、徐脈からの心停止、完全房室ブロック、血圧低下及び徐脈があらわれることがあるので、心電図の連続監視を十分に行い、異常が認められた場合は、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
甲状腺機能亢進症(頻度不明注1)
甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、必要に応じ甲状腺機能検査を行うなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用の注意
注1)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。
注2)海外の自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

その他の副作用

精神神経系
10%未満〜5%以上
不眠症
消化器
5%未満
嘔吐、悪心
全身障害及び投与局所障害
5%未満
発熱、投与部位反応
循環器
10%以上
血圧低下、心電図QT延長
循環器
5%未満
心房粗動、心室性頻脈、血管障害、低血圧、ほてり
呼吸器
5%未満
鼻出血
血液
5%未満
白血球減少
肝臓
10%未満〜5%以上
血中ビリルビン増加
肝臓
5%未満
AST(GOT)上昇、LDH上昇
腎臓
5%未満
尿蛋白
神経障害
5%未満
頭痛
内分泌系(甲状腺)
10%以上
甲状腺機能検査値異常(rT3の上昇、TSHの上昇及び低下、T3の低下、T4の上昇及び低下)
その他の副作用の注意
上記副作用のほか海外において以下の副作用が認められている。
急性呼吸窮迫症候群、気管支痙攣、無呼吸、アナフィラキシーショック、血管神経性浮腫、虚脱、発汗、良性頭蓋内圧亢進(偽性脳腫瘍)、血小板減少症、蕁麻疹、背部痛

高齢者への投与

高齢者では、呼吸機能や肝・腎機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があるなど、副作用が発現しやすいので、投与に際しては投与量に十分注意するとともに、心電図、胸部レントゲン検査(必要に応じて肺機能検査)等を定期的に行い、患者の状態をよく観察すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

下記のことが報告されているため、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること。
妊娠中の経口投与により、新生児に先天性の甲状腺腫、甲状腺機能低下症及び甲状腺機能亢進症を起こしたとの報告がある。
動物実験では催奇形作用は認められていない(ラット、ウサギ)が、胚・胎児発生への影響に関する動物実験(ラット)において、胎児に軽微な体重減少、生存胎児数の減少及び骨化遅延が認められている。
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[ヒトで経口投与により乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立されていない。
本剤は、添加物としてベンジルアルコールを含有する(【組成・性状】の項参照)。添加物のベンジルアルコールを含有する静注薬を投与後の新生児(生後1ヵ月未満)に致死的な「あえぎ症候群」が報告されている。

過量投与

本剤の過量投与に関する情報は得られていない。
過量投与の場合は、全身支持療法以外に対症療法を施すこと。
アミオダロン塩酸塩とその代謝産物は、いずれも透析不可能である。

適用上の注意

調製時
沈殿を生じるので、生理食塩液と配合しないこと。
投与時
ポリ塩化ビニル製の輸液セット等の使用を避けること。[アミオダロン塩酸塩はポリ塩化ビニル製の輸液セット等に吸着する。また、可塑剤としてDEHP[di‐(2‐ethylhexyl)phthalate]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合DEHPが溶出する。]
同一のラインで他剤を注入しないこと。
*同一のシリンジで他剤を混合しないこと。

その他の注意

国内経口投与において、ペースメーカー使用中の患者で心臓ペーシング閾値が上昇したとの報告がある。また、植込み型除細動器(ICD)を使用中の患者で、ICDの治療対象の不整脈が発現したが、本剤の徐拍化作用により不整脈が検出されずICDによる治療が行われなかったとの報告がある。

薬物動態

血清中濃度
日本人健康成人男子10人にアンカロン注150を5mg/kgで15分間単回静脈内投与した時のデータを示す1)
日本人患者における薬物動態2)
日本人患者45例にアンカロン注150を三段階注入法(初期急速投与:0〜10分125mg、負荷投与:10分〜6時間300mg及び維持投与:6時間〜24時間450mg+24時間〜48時間600mg)にて静脈内投与した時のデータを示す。なお、有効性評価期間中にHDVT/VFが再発した場合は、アンカロン注150 125mgの追加投与を可とした。なお、3日目以降はアンカロン注150の投与が必要な場合は更に、最大1週間まで延長して(1日量として最大1250mg)継続投与が可とされた。
ノンコンパートメントモデル解析
アミオダロン及び代謝物のデスエチルアミオダロン(DEA)における薬物動態パラメータを以下の表に示した。なお、血清中のアミオダロンとDEAの24時間及び48時間までの比率を見積もると、それぞれ0.0422及び0.0659であった。
母集団解析
アミオダロンの消失プロファイルは3‐コンパートメントモデルによく合致した。共変量の検討を行った結果、最終モデルに反映される影響因子はなかった。最終モデルから得られた母集団パラメータを以下の表に示した。最終モデルにおけるCLの個人間変動は27.8%であった。
分布1,3)
血清からの消失半減期は、平均14.6日(6.8〜32.8日)と極めて長かった。これは、deep stock compartmentである脂肪からの緩慢な消失による。脂肪の他に、肝、肺及びリンパ節に高く分布し、脳への移行は低かった。
代謝3)
アミオダロンは、5つの代謝経路すなわち脱ヨウ素化、O‐脱アルキル化、N‐脱アルキル化、水酸化及びグルクロン酸抱合あるいは硫酸抱合により代謝を受けると推定される。
排泄3)
(参考)外国人による成績
胆汁を介した糞排泄が主排泄経路と考えられた。

薬物動態の表

血清中濃度:日本人健康成人男子10人にアンカロン注150を5mg/kgで15分間単回静脈内投与した時
被験者数 Cmax
(μg/mL)
AUC0‐96
(μg・hr/mL)
AUC
(μg・hr/mL)
T1/2
(day)
CL
(mL/hr/kg)
10 13.7 16.6 28.1 14.6 200.0
血清中濃度:日本人患者における薬物動態 ノンコンパートメントモデル解析
パラメータ   症例数 アミオダロン
最小値−最大値/平均値
±標準偏差(CV%)
デスエチルアミオダロン(DEA)
最小値−最大値/平均値
±標準偏差(CV%)
Cmaxa) (ng/mL) 39 2184−13406 5.5−514.9
C24hb) (ng/mL/mg) 30 1.15±0.354
(30.8)
0.0854±0.0453
(53.0)
C48hb) (ng/mL/mg) 25 0.842±0.246
(29.2)
0.08±0.035
(43.2)
AUC24hb) (ng・h/mL/mg) 30 31.8±7.40
(23.2)
1.29±0.765
(59.4)
AUC48hb) (ng・h/mL/mg) 25 37.2±9.13
(24.6)
2.30±1.082
(47.1)
C24hAUC24h及びC48hAUC48hの症例数:24時間及び48時間までの血清中濃度値がなかった症例は除外した。
a):初回急速静脈内投与直後に採血を行わなかった症例を除く。
b):C24hC48hAUC24h及びAUC48hをそれぞれ投与量1mgあたりに標準化した値として示した。
血清中濃度:日本人患者における薬物動態 母集団解析
  CL
(L/h)
t1/2λ1
(min)
t1/2λ2
(h)
t1/2λz
(h)
VSS
(L)
Kel
(h-1)
母集団パラメータ 15.6 3.10 2.12 55.1 791 2.30
CL:血清クリアランス、t1/2λ1:消失第1相目の半減期、t1/2λ2:消失第2相目の半減期、t1/2λz:消失第3相目の半減期、VSS:定常状態の分布容積、Kel:消失速度

臨床成績

下記の疾患に対して一般臨床試験を行い、本剤の有効性が認められた。4)

臨床成績の表

疾患名 発作非発現率
(%:Kaplan‐Meier推定値)
[症例数]
生命に危険のある下記の不整脈で他の抗不整脈薬(リドカイン、プロカインアミド等)が無効か又は使用できない場合
・心室細動
・血行動態の不安定な心室頻拍
53.9
[41例]

薬効薬理

抗不整脈作用
アミオダロン塩酸塩は、イヌにおけるアコニチン、ウアバイン、アドレナリン及び電気刺激誘発による心室性不整脈を抑制した5,6)。また、イヌの心筋梗塞モデルにおいて心室細動の誘発を抑制し、心突然死を予防した7)
電気生理学的作用
モルモットの心室筋細胞においてアミオダロン塩酸塩は、活動電位持続時間の延長と最大立ち上がり速度の減少を示した8)。また、ウサギの洞房結節において洞周期長を延長した9)
アミオダロン塩酸塩は、イヌの心房、房室結節及び心室の不応期を延長した10)
心電図及び心血行動態への作用
アミオダロン塩酸塩はイヌにおいてQT間隔の中等度延長と心拍数の減少を示した10)。また、イヌにおいて、アドレナリンによる昇圧反応、並びにイソプレナリンによる心拍数の増加及び血圧の低下を抑制した11)
作用機序
アミオダロン塩酸塩は、Vaughan Williams分類のクラスIIIに属する不整脈治療剤であり、作用機序は心筋のK+チャネル遮断作用である12,13)。また、Na+チャネル遮断作用、Ca2+チャネル遮断作用及び抗アドレナリン作用を併せ持つ11,14,15)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
アミオダロン塩酸塩
(Amiodarone Hydrochloride)
化学名
(2‐Butylbenzofuran‐3‐yl){4‐[2‐(diethylamino)ethoxy]‐3,5‐diiodophenyl}methanone monohydrochloride
分子式
C25H29I2NO3・HCl
分子量
681.77
構造式
性 状
本品は白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。
本品は80℃の水に極めて溶けやすく、ジクロロメタンに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
融 点
約161℃(分解)

承認条件

*心室細動、血行動態不安定な心室頻拍で難治性かつ緊急を要する場合
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の有効性及び安全性等に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

10アンプル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
社内資料:健康成人における単回静脈内投与時の安全性及び薬物動態[ANC−02]
2
社内資料:致死性心室性不整脈に対する第II相臨床試験[ANC−01]
3
Harris, L., et al.: AMIODARONE (Medecine et Sciences Internationales), Paris, 1986[ANC0006]
4
Katoh, T., et al.: J. Arrhythmia, 23(2), 131, 2007[ANC2223]
5
Charlier, R., et al.: J. Pharmacol., 1(2), 175, 1970[ANC0004]
6
Winslow, E., et al.: J. Cardiovasc. Pharmacol., 16(6), 896, 1990[ANC1764]
7
Patterson, E., et al.: Circulation, 68(4), 857, 1983[ANC1765]
8
Pallandi, R. T., et al.: Br. J. Pharmacol., 92(1), 97, 1987[ANC0020]
9
社内資料:ウサギ洞房結節の活動電位に対する急性作用[ANC−03]
10
社内資料:麻酔イヌの電気生理学的パラメータに対する急性作用[ANC−06]
11
Hodeige, D., et al.: Eur. J. Pharmacol., 279(1), 25, 1995[ANC1761]
12
Kamiya, K., et al.: Circulation, 103(9), 1317, 2001[ANC0725]
13
Guillemare, E., et al.: J. Cardiovasc. Pharmacol., 36(6), 802, 2000[ANC0719]
14
Lalevee, N., et al.: J. Cardiovasc. Electrophysiol., 14(8), 885, 2003[ANC1762]
15
Nishimura, M., et al.: J. Pharmacol. Exp. Ther., 251(2), 650, 1989[ANC1763]

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

サノフィ株式会社 コールセンター くすり相談室
〒163‐1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
フリーダイヤル 0120‐109‐905
(03)6301‐3010

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製造販売
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提携
大正富山医薬品株式会社

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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