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リティンパ耳科用250μgセット

鼓膜穿孔治療剤

1セット 32628.8円

添付文書番号

1329713X1025_1_03

企業コード

620095

作成又は改訂年月

2023年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871329

薬効分類名

鼓膜穿孔治療剤

承認等

販売名

リティンパ耳科用250μgセット

販売名コード

1329713X1025

販売名英字表記

Retympa

販売名ひらがな

りてぃんぱじかよう250μgせっと

承認番号等

承認番号
30100AMX00244000

販売開始年月

2019年12月

貯法、有効期間

貯法
冷所保存
有効期間
36箇月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

トラフェルミン(遺伝子組換え)

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 耳内に悪性腫瘍のある患者又はその既往歴のある患者[本剤が細胞増殖促進作用を有するため]

組成・性状

組成

リティンパ耳科用250μgセット
有効成分
〈凍結乾燥品〉
1バイアル中にトラフェルミン(遺伝子組換え)  250μg(30万国際標準単位)を含有する。
添加剤
〈凍結乾燥品〉
エデト酸ナトリウム水和物、白糖、pH調整剤
〈添付溶解液〉
ベンザルコニウム塩化物
〈鼓膜用ゼラチンスポンジ〉

製剤の性状

リティンパ耳科用250μgセット
性状
〈凍結乾燥品〉
白色の塊又は粉末である。
〈添付溶解液〉
無色澄明の液で、振ると泡立つ。
〈鼓膜用ゼラチンスポンジ〉
白色~淡黄褐色の凍結乾燥した多孔性のゼラチンスポンジ
円柱状:直径約1.5cm、厚さ約1cm
重量の約30倍以上の水を吸収する。
〈溶解後〉
凍結乾燥品を添付溶解液で溶解したとき、液は無色澄明である。
浸透圧比:0.9~1.3(250μg/2.5mL添付溶解液)
pH:4.8~5.4(250μg/2.5mL添付溶解液)

効能又は効果

鼓膜穿孔

効能又は効果に関連する注意

  1. 鼓膜の穿孔期間、穿孔状態等から、穿孔した鼓膜の自然閉鎖が見込まれない患者を本剤の投与対象とすること。
  2. 熱傷、放射線治療等により鼓膜が障害されている患者で、障害部位から鼓膜の再生が期待されない場合は、有効性が期待できないため、投与しないこと。
  3. 外耳道及び中耳内に活動性の炎症、感染症又は耳漏を有する患者には、有効性が期待できないため、投与しないこと。

用法及び用量

鼓膜用ゼラチンスポンジに100μg/mLトラフェルミン(遺伝子組換え)溶液全量を浸潤させて成形し、鼓膜穿孔縁の新鮮創化後、鼓膜穿孔部を隙間なく塞ぐように留置する。

用法及び用量に関連する注意

  1. トラフェルミン(遺伝子組換え)を浸潤させた鼓膜用ゼラチンスポンジは、厚さ5mmとした後に、以下を目安に鼓膜穿孔部の大きさ・形状にあわせて成形すること。
    鼓膜穿孔部の大きさ
    鼓膜用ゼラチンスポンジの直径
    1/3未満
    約3mm
    1/3以上、2/3未満
    約7mm
    2/3以上
    約10mm
  2. 本剤の投与4週間後を目安に鼓膜穿孔の閉鎖の有無を確認し、完全に閉鎖しなかった場合は、必要に応じて片耳あたり合計4回まで同様の投与を行うことができる。
    ただし、再投与にあたっては、各投与前に鼓膜、鼓室等の状態を確認した上で、穿孔の閉鎖傾向が認められない等、本剤による鼓膜の閉鎖が見込まれない場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。
  3. 両耳の鼓膜穿孔に対して、両耳への同時投与を行った場合の有効性及び安全性は確立していない。

重要な基本的注意

  1. 本剤は、耳外科手術の経験のある医師が使用すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 鼓室形成手術の実施歴のある患者
    鼓室形成手術の実施歴のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    全身発赤、呼吸困難、血圧低下等があらわれることがある。

その他の副作用

10%以上
耳漏

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. トラフェルミン(遺伝子組換え)250μgのバイアルに添付溶解液2.5mLを加えて用時溶解する(100μg/mLトラフェルミン(遺伝子組換え)溶液)。
  2. 14.1.1で調製した薬液全量を鼓膜用ゼラチンスポンジの入った専用容器に加え、薬液を浸潤させて、浸潤ゼラチンスポンジとする。
  3. 浸潤ゼラチンスポンジを鼓膜穿孔部の大きさ・形状を考慮して成形する。また、留置部の隙間を埋めるため複数に小さくカットしたものも準備する。
  4. 鼓膜穿孔縁の新鮮創化後、鼓膜穿孔部を隙間なく塞ぐように留置する。留置部の隙間を埋めるために小さくカットした複数の浸潤ゼラチンスポンジを詰めてもよい。
  5. 留置部の全体を覆うように組織接着剤で被覆する。
  6. 残った薬液及び浸潤ゼラチンスポンジは廃棄する。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
  1. モルモットの中耳腔へ臨床用量を超える高用量のトラフェルミン(遺伝子組換え)溶液を直接投与した場合、蝸牛管の外有毛細胞の消失又は外有毛細胞の不動毛の消失が認められた 。

薬物動態

血中濃度

モルモット鼓膜穿孔モデルにおいて、鼓膜穿孔部位にトラフェルミン(遺伝子組換え)(0.84、2.80、8.40μg)を浸潤させたゼラチンスポンジを留置し、血清中濃度を測定したところ、循環血中への移行は認められなかった 。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第III相試験
    鼓膜穿孔後6ヵ月以上経過した自然閉鎖が見込まれない鼓膜穿孔患者20例を対象に、非盲検、非対照、多施設共同試験を実施した。鼓膜穿孔部位にトラフェルミン(遺伝子組換え)(100μg/mL)浸潤ゼラチンスポンジを留置し、投与4週間後に鼓膜閉鎖の有無を確認した。完全に閉鎖しなかった場合は、鼓膜閉鎖するまで4週間毎に最大4回まで投与した。その結果、投与16週間後における鼓膜閉鎖割合は、75.0%(95%信頼区間:50.9~91.3%)であった。副作用は、耳漏6例(30.0%)であった 。

薬効薬理

作用機序
本剤は、主に鼓膜の上皮層に存在しているbFGF注) 受容体に作用して 、内皮細胞、線維芽細胞及びケラチノサイトの増殖や分化を刺激し、上皮下結合組織の迅速な増殖を促すことで穿孔した鼓膜を修復すると考えられている,, 。また、鼓膜の血管新生作用も有しており 、鼓膜への血流量を増加させることで、障害を受けた鼓膜の修復をさらに促進すると推測されている。
鼓膜閉鎖
モルモット鼓膜穿孔モデルにおいて、鼓膜穿孔部位にトラフェルミン(遺伝子組換え)を浸潤させたゼラチンスポンジを留置したところ、鼓膜閉鎖が認められた,
注)塩基性線維芽細胞成長因子:basic Fibroblast Growth Factor

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
トラフェルミン(遺伝子組換え)
Trafermin(genetical recombination)
本質
ヒト由来の塩基性線維芽細胞成長因子ゲノム遺伝子の発現により組換え体で産生される154個(C764H1201N217O219S6;分子量:17,122.42)及び153個(C761H1196N216O218S6;分子量:17,051.35)のアミノ酸残基からなるタンパク質(N末端;Ala-Ala:65%以上、Ala;35%以下)

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

1セット(凍結乾燥品1バイアル・添付溶解液1本・鼓膜用ゼラチンスポンジ1個)

主要文献

1
社内資料:モルモット聴器毒性試験(2019年9月20日承認、申請資料概要 2.6.6.7.1)
2
社内資料:モルモット用量設定試験(2019年9月20日承認、申請資料概要 2.6.2.2.2)
3
社内資料:国内第III相多施設共同医師主導治験(2019年9月20日承認、申請資料概要 2.7.6.2)
4
Kakigi A et al. J Otorhinolaryngol Relat Spec 2010;71
5
Mondain M, Ryan A. Laryngoscope 1993;103:312-8
6
Delapp NW, Dieckman DK. J Invest Dermatol 1990;94:777-80
7
Ledoux D et al. Prog Growth Factor Res 1992;4:107-20
8
Mondain M, Ryan A. Am J Otolaryngol 1994;15:344-50
9
社内資料:モルモット鼓膜再生試験(2019年9月20日承認、申請資料概要 2.6.2.2.3)

文献請求先及び問い合わせ先

ノーベルファーマ株式会社 カスタマーセンター
〒104-0033 東京都中央区新川1-17-24
フリーダイヤル:0120-003-140

製造販売業者等

製造販売元
ノーベルファーマ株式会社
東京都中央区新川1-17-24

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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