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パパベリン塩酸塩注40mg「日医工」

血管拡張・鎮痙剤

1管 94円

添付文書番号

1243400A1059_1_02

企業コード

530169

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871243

薬効分類名

血管拡張・鎮痙剤

承認等

販売名

パパベリン塩酸塩注40mg「日医工」

販売名コード

1243400A1059

販売名英字表記

Papaverine Hydrochloride Injection

販売名ひらがな

ぱぱべりんえんさんえんちゅう40mg「にちいこう」

承認番号等

承認番号
21900AMX01774000

販売開始年月

1955年12月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
パパベリン塩酸塩注射液

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

パパベリン塩酸塩注射液

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 房室ブロックのある患者[完全房室ブロックに移行するおそれがある。]
  2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

パパベリン塩酸塩注40mg「日医工」
有効成分
1管(1mL)中
パパベリン塩酸塩  40mg
添加剤
1管中
DL-メチオニン 0.1mg、pH調節剤

製剤の性状

パパベリン塩酸塩注40mg「日医工」
pH3.0~5.0
浸透圧比約0.4
(生理食塩液に対する比)
剤形・性状
水性注射剤
無色澄明の液

効能又は効果

  • 下記疾患に伴う内臓平滑筋の痙攣症状
    胃炎、胆道(胆管・胆のう)系疾患
  • 急性動脈塞栓、急性肺塞栓、末梢循環障害、冠循環障害における血管拡張と症状の改善

用法及び用量

パパベリン塩酸塩として、通常、成人1回30~50mg、1日100~200mgを注射する。主として皮下注射するが、筋肉内注射することもできる。また、急性動脈塞栓には1回50mgを動脈内注射、急性肺塞栓には1回50mgを静脈内注射することができる。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

〈効能共通〉
  1. 通常投与量は以下のとおりである。
    1回投与量
    1日投与量
    0.75~1.25mL
    2.5~5mL
〈急性動脈塞栓、急性肺塞栓〉
  1. 急性動脈塞栓、急性肺塞栓の投与量は以下のとおりである。
    1回投与量
    急性動脈塞栓
    1.25mL
    急性肺塞栓
    1.25mL

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 緑内障の患者
    眼圧上昇作用により、緑内障を悪化させるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
レボドパ
レボドパの作用を減弱し、パーキンソン症状を悪化させることがある。
機序は不明である。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 呼吸抑制(頻度不明)

その他の副作用

頻度不明
肝臓
アレルギー性の肝障害
過敏症
発疹
循環器
心悸亢進、不整脈、血圧上昇
精神神経系
めまい、眠気、脱力感、頭痛
消化器
嘔気、便秘、口渇、食欲不振、心窩部痛
その他
顔面潮紅、発汗、持続勃起

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 投与時
    イオキサグル酸(X線造影剤)と混合すると沈殿を生じる可能性があるので、併用する場合には、別々に使用するか、又はカテーテル内を生理食塩液で洗浄するなど、直接混合しないよう注意すること。
  2. 筋肉内注射時
    組織・神経等への影響を避けるため、下記の点に注意すること。
    1. 同一部位への反復注射は避けること。
      なお、小児等には特に注意すること。
    2. 神経走行部位を避けるよう注意すること。
    3. 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
  3. 投与速度
    急激な静注による呼吸停止を避けるため、静脈内に投与する場合には、できるだけゆっくり注射すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
脳血管れん縮において動脈内注射した場合、一過性の神経麻痺や意識障害等が報告されている。

薬物動態

血中濃度

  1. 血漿中濃度
    成人男子にパパベリン塩酸塩3mg/kgを1回静脈内投与注)した場合の薬物動態パラメータは以下のとおりであった,(外国人データ)。
    薬物動態パラメータ
    t1/2(hr)
    0.37(α相)
    1.75(β相)

代謝

  1. 主な代謝産物及び代謝経路
    投与後、主として肝臓においてほぼ完全に代謝され、フェノール性代謝物及びそのグルクロン酸抱合体になる(外国人データ)。

排泄

主として尿中に排泄される。
成人男子にパパベリン塩酸塩10mg/kgを1回経口投与注)した場合、投与後48時間までの尿中において、未変化体はほとんど認められず、投与量の約64%はフェノール性代謝物のグルクロン酸抱合体として尿中排泄された,(外国人データ)。
注)本剤の成人における承認用法・用量は、通常成人1回30~50mgである。

薬効薬理

作用機序
各種平滑筋に直接作用して平滑筋の異常緊張及び痙れんを抑制する作用を有する。ことに平滑筋が痙れん性に収縮している場合に鎮痙作用は著しい。
基本的な薬理作用は、ホスホジエステラーゼの阻害による細胞内cAMP含量の増加とCa2+の細胞内への流入抑制である。主としてこの両作用により平滑筋弛緩作用を現す。
内臓平滑筋に対する弛緩、鎮痙作用
イヌの胃では、2~6mg/kgの筋肉内及び静脈内投与で、胃蠕動の停止を伴う緊張下降が常にあらわれ、1~3時間持続した。皮下投与の場合では、少量では作用は軽度であったが、大量では筋肉内及び静脈内投与時と同等の作用が認められている。
また、家兎及びイヌを用いた摘出胃幽門部あるいは生体胃幽門部における作用を検討し、いずれの場合にも運動振幅の縮小ないし運動抑制を認めている。
子ウシ摘出胆管では、BaCl2による痙攣に対する拮抗作用を認めている。
血管の拡張・血流量の増加作用
家兎耳殻血管灌流において灌流液量の著明な増加がみられ、また、家兎耳介動脈の拡張がみられた,
イヌの摘出脳、冠動脈においてパパベリン1~20μMはカルシウムによる収縮を用量依存性に阻害した。一方、腸管膜動脈においては、パパベリン1μMは効果がなく、5μM以上で有意に減弱させた。脳、冠、腸間膜動脈での平均ID50はそれぞれ3.5、4.9、12μMであった。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
パパベリン塩酸塩(Papaverine Hydrochloride)
化学名
6,7-Dimethoxy-1-(3,4-dimethoxybenzyl)isoquinoline monohydrochloride
分子式
C20H21NO4・HCl
分子量
375.85
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水又は酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式

取扱い上の注意

  1. 光によって分解するため、外箱開封後は遮光して保存すること。
  2. 経時したものは若干の着色がみられることがある。

包装

1mL×10管

主要文献

1
Axelrod J., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1958;124(1):9-15
2
Ritschel W. A. & Hammer G. V.:Int. J. Clin. Pharmacol. 1977;15(5):227-229
3
Belpaire F. M., et al.:Xenobiotica. 1978;8(5):297-300
4
相澤豊三:脳循環とその臨床 中外医学社 1966;239-245
5
第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店 2021;C4058-C4063
6
Gross E. G. & Slaughter D. H.:J. Pharmacol. 1931;43(3):551-562
7
本多淳子:医学研究. 1956;26(9):2567-2582
8
Crema A., et al.:Arch. Int. Pharmacodyn. 1966;161(1):116-119
9
長谷川八千代:久留米医学会雑誌. 1960;23(11):5185-5207
10
Hayashi S. & Toda N.:Br. J. Pharmacol. 1977;60(1):35-43

文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948

製造販売業者等

製造販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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