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チアトンカプセル10mg

キノリジジン系抗ムスカリン剤

1カプセル 10.5円

添付文書番号

1231013M1040_2_01

企業コード

671450

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871231

薬効分類名

キノリジジン系抗ムスカリン剤

承認等

販売名

チアトンカプセル5mg

販売名コード

1231013M1040

販売名英字表記

Thiaton Capsules

販売名ひらがな

ちあとんかぷせる5mg

承認番号等

承認番号
21700AMZ00114

販売開始年月

1984年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

販売名

チアトンカプセル10mg

販売名コード

1231013M2179

販売名英字表記

Thiaton Capsules

販売名ひらがな

ちあとんかぷせる10mg

承認番号等

承認番号
21700AMZ00113

販売開始年月

1984年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

一般的名称

チキジウム臭化物

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 前立腺肥大による排尿障害のある患者[膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により排尿困難を悪化させるおそれがある。]
  3. 重篤な心疾患のある患者[心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。]
  4. 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
  5. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

チアトンカプセル5mg
有効成分
1カプセル中 チキジウム臭化物  5mg
添加剤
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム
(カプセル本体)
ゼラチン、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、カルナウバロウ
チアトンカプセル10mg
有効成分
1カプセル中 チキジウム臭化物  10mg
添加剤
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム
(カプセル本体)
ゼラチン、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、カルナウバロウ

製剤の性状

チアトンカプセル5mg
外形

5号硬カプセル
識別コードHC902
色調等
頭部:白色
胴部:白色
チアトンカプセル10mg
外形

5号硬カプセル
識別コードHC903
色調等
頭部:白色
胴部:白色

効能又は効果

下記疾患における痙攣ならびに運動機能亢進
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、腸炎、過敏性大腸症候群、胆のう・胆道疾患、尿路結石症

用法及び用量

チキジウム臭化物として、通常成人1回5~10mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

羞明等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 前立腺肥大のある患者(ただし前立腺肥大による排尿障害のある患者を除く)
    膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により排尿困難を悪化させるおそれがある。
  2. 甲状腺機能亢進症の患者
    心悸亢進等の症状を悪化させるおそれがある。
  3. うっ血性心不全のある患者(ただし重篤な心疾患のある患者を除く)
    心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。
  4. 不整脈のある患者(ただし重篤な心疾患のある患者を除く)
    心拍数を増加させ、心臓に過負荷をかけるおそれがある。
  5. 潰瘍性大腸炎の患者
    中毒性巨大結腸があらわれることがある。
  6. 高温環境にある患者
    汗腺分泌を抑制し、体温調節を障害するおそれがある。
  7. 開放隅角緑内障の患者
    抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続及び中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

一般に前立腺肥大を伴っている場合が多い。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
三環系抗うつ剤
アミトリプチリン
イミプラミン等
フェノチアジン系薬剤
プロクロルペラジン
クロルプロマジン等
抗ヒスタミン剤
クロルフェニラミン
ジフェンヒドラミン等
本剤の作用が増強されることがある。
本剤及びこれらの薬剤はともに抗コリン作用を持つ。
モノアミン酸化酵素阻害剤
本剤の作用が増強されるおそれがある。
MAO阻害剤は抗コリン作用を増強させるおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    血圧低下、呼吸困難、発赤、蕁麻疹、血管浮腫等があらわれることがある。
  2. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
羞明
精神神経系
頭重感、耳鳴
頭痛
消化器
口渇、便秘、下痢、悪心・嘔吐
胸やけ、胃不快感、食欲不振
腹部膨満感
循環器
心悸亢進
泌尿器
排尿障害
頻尿

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

健康成人12例に本剤(チキジウム臭化物5mg、10mg及び20mg)を単回経口投与したときの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
注)本剤の承認された成人の1回用量は5~10mgである。
経口投与時の血清中濃度推移
経口投与時の薬物動態パラメータ
投与量
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC(ng・hr/mL)
5mg
3.4±1.0
2.1±0.1
6.9±2.5
10mg
10.9±4.4
1.5±0.4
22.6±8.2
20mg
21.3±3.9
1.0±0.2
45.2±5.7
平均値±標準誤差、n=4

分布

  1. ラットに14C-チキジウム臭化物10mg/kgを経口投与したところ、小腸、胃、肝、大腸、腎などに高い分布が認められたが、時間の経過とともに速やかに各臓器より消失し、いずれの部位にも蓄積性は認められなかった。また、中枢神経系には放射活性はほとんど認められなかった。
  2. ヒト血漿での血漿蛋白結合率は46.5%であった(in vitro)。

代謝

健康成人22例に本剤(チキジウム臭化物20mg)を1日1回2日間経口投与したとき、尿中には未変化体、主要代謝物としてチオフェン環-O-スルフェート、微量ながらチオフェン環-O-グルクロナイドが検出された。
注)本剤の承認された成人の1回用量は5~10mgである。

排泄

健康成人12例に本剤(チキジウム臭化物5mg、10mg及び20mg)を単回経口投与したとき、未変化体の尿中排泄は速やかであり、6時間までに総排泄量の90%以上が排泄され、24時間までの総排泄量は投与量の0.6~0.9%であった。
注)本剤の承認された成人の1回用量は5~10mgである。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    承認時における有効性評価対象例は1,363例であり、その臨床成績は以下の通りであった。
    疾患名
    改善率(中等度改善以上)
    胃炎
    胃・十二指腸潰瘍
    腸炎
    過敏性大腸症候群
    胆のう・胆道疾患
    尿路結石症
    68.8%(260/378例)
    62.9%(173/275例)
    61.8%( 34/ 55例)
    65.9%(145/220例)
    50.5%( 50/ 99例)
    71.1%(239/336例)
    承認時における安全性評価対象例1,609例中、副作用は86例(5.34%)、95件に認められ、その主なものは口渇37件(2.30%)、便秘25件(1.55%)であった。また、本剤に起因すると考えられる臨床検査値の異常変動は認められなかった。

薬効薬理

作用機序
摘出標本及び生体位において強力な抗アセチルコリン作用を有し、神経節遮断作用をほとんど示さないことから、副交感神経末端で抗ムスカリン作用をあらわすと考えられる,,,
攣縮緩解作用
  1. マウス、ラット又はイヌにチキジウム臭化物を経口投与あるいは静脈内投与したとき、迷走神経刺激による胃攣縮あるいは腸管輸送能に対して抑制作用を示した,
  2. イヌにチキジウム臭化物を静脈内投与したとき、Oddi筋からの灌流量の顕著な増加並びに胆のう内圧の減少が認められ、また迷走神経刺激による胆のう攣縮に対しても抑制作用を示した。
  3. イヌにチキジウム臭化物を静脈内投与したとき、尿管から導出される自発筋電図に対して抑制作用を示した。
  4. 健康成人5名に本剤(チキジウム臭化物10mg)を経口投与し、胃の蠕動運動及びバリウム排出に及ぼす影響を検討したところ、非投与時と比較して著しい運動抑制作用を示したが、バリウムの排出遅延は認められなかった。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
チキジウム臭化物(Tiquizium Bromide)
化学名
(5RS,9aRS)-3-(Di-2-thienylmethylene)octahydro-5-methyl-2H-quinolizinium bromide
分子式
C19H24BrNS2
分子量
410.43
性状
白色の結晶性の粉末である。
メタノール又はクロロホルムにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、水又は無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
クロロホルム溶液(1→40)は旋光性を示さない。
化学構造式
融点
約272℃(分解)
分配係数
1.00[pH7.0、クロロホルム/緩衝液]

包装

〈チアトンカプセル5mg〉
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
500カプセル[10カプセル(PTP)×50]
〈チアトンカプセル10mg〉
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]
500カプセル[10カプセル(PTP)×50]
1,000カプセル[10カプセル(PTP)×100]
1,000カプセル[瓶、バラ]

主要文献

1
山田健久ほか:薬学雑誌. 1983;103(12):1319-1322
2
高原義男ほか:応用薬理. 1982;23(5):795-802
3
社内資料:生体内動態(血漿蛋白結合率)
4
社内資料:生体内動態(尿中代謝物)
5
久保信治ほか:薬学雑誌. 1981;101(2):174-181
6
山崎光雄ほか:応用薬理. 1982;23(3):423-431
7
Oshita M,et al.:Jpn J Pharmacol. 1987;44(2):222-224
8
久保信治ほか:日薬理誌. 1981;78:483-490
9
久保信治ほか:応用薬理. 1982;23(3):461-468
10
久保信治ほか:日薬理誌. 1981;77(1):87-98
11
森川宏二ほか:薬理と治療. 1987;15(7):2783-2786
12
中村忍ほか:新薬と臨牀. 1982;31(4):541-546

文献請求先及び問い合わせ先

ヴィアトリス製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目11番2号
フリーダイヤル 0120-419-043

製造販売業者等

製造販売元
ヴィアトリス製薬株式会社
東京都港区虎ノ門5丁目11番2号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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