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モーバー錠100mg

抗リウマチ剤(DMARD)

1錠 39.8円

添付文書番号

1149031F1022_3_07

企業コード

400315

作成又は改訂年月

2022年11月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871149

薬効分類名

抗リウマチ剤(DMARD)

承認等

販売名

モーバー錠100mg

販売名コード

1149031F1022

販売名英字表記

MOVER Tablets

販売名ひらがな

もーばーじょう

承認番号等

承認番号
20600AMZ00928

販売開始年月

1994年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

アクタリット錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性、授乳婦

組成・性状

組成

モーバー錠100mg
有効成分
(1錠中)
アクタリット  100mg
添加剤
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、シリコーン樹脂、カルナウバロウ

製剤の性状

モーバー錠100mg
剤形フィルムコーティング錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
7.6mm
大きさ(厚さ)
4.1mm
質量185mg
識別コードMKC 101

効能又は効果

関節リウマチ

効能又は効果に関連する注意

  1. 本剤は比較的発症早期の関節リウマチ患者に使用することが望ましい。

用法及び用量

通常、他の消炎鎮痛剤等とともに、アクタリットとして成人1日300mgを3回に分割経口投与する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 本剤は鎮痛消炎作用を持たないため本剤投与前から投与している消炎鎮痛剤等を併用すること。ただし、本剤を6ヵ月間継続投与しても効果があらわれない場合は投与を中止すること。

重要な基本的注意

  1. 本剤の投与に際しては、関節リウマチの治療法に十分精通し、患者の病態並びに副作用の出現に注意しながら使用すること。
  2. 本剤投与中は臨床症状を十分観察するとともに、定期的に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 消化性潰瘍又はその既往歴のある患者
    消化性潰瘍が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎機能障害又はその既往歴のある患者
    腎機能障害が悪化するおそれがある。

肝機能障害患者

肝機能障害が悪化するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児への移行が認められている。

授乳婦

投与しないこと。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

低用量(例えば1回1錠1日2回)から投与を開始するなど注意すること。なお、定期的に臨床症状の観察、臨床検査(肝機能・腎機能検査等)を行い、異常が認められた場合には、減量か又は休薬等の適切な処置を行うこと。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ネフローゼ症候群(0.1%未満)、急性腎障害(頻度不明)
  2. 間質性肺炎(0.1%未満)、肺線維症(頻度不明)
    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
  3. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
  4. 肝機能障害(頻度不明)
    AST、ALT、ALPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
  5. 消化性潰瘍、出血性大腸炎(いずれも頻度不明)
    消化性潰瘍(出血を伴うことがある)、出血性大腸炎があらわれることがある。
注)発現頻度は、製造販売後調査の結果を含む。

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
腎臓
腎機能異常(蛋白尿、BUN、クレアチニン、尿中NAGの上昇等)
血尿
肝臓
肝機能異常(AST、ALT、ALPの上昇等)
血液
白血球減少、顆粒球減少
貧血、血小板減少
消化器
腹痛、嘔気・嘔吐、口内炎、舌炎、食欲不振、消化不良、下痢、胃潰瘍、口内乾燥、口唇腫脹
皮膚
発疹、そう痒感、湿疹
脱毛、紅斑性発疹、蕁麻疹
精神神経系
頭痛、めまい、しびれ感、傾眠
その他
浮腫、倦怠感、発熱、耳鳴、視力異常、複視、味覚異常、動悸

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

健康成人男性(4例)に本剤1錠(アクタリットとして100mg)を単回経口投与したときの血中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである。
健康成人男性(n=4)
Cmax(μg/mL)
2.24±0.49
tmax(h)
1.88±0.25
t1/2(h)
0.86±0.15
AUC0-∞(μg・h/mL)
4.56±0.65
(平均値±S.D.)

吸収

健康成人男性に本剤100mgを食後及び絶食時に単回経口投与した場合の速度論的パラメータは以下のとおりである。
状態
例数
Cmax(μg/mL)
tmax(h)
t1/2(h)
AUC0-∞(μg・h/mL)
食後
4
2.24±0.49
1.88±0.25
0.86±0.15
4.56±0.65
絶食時
16
2.09±0.70
1.47±0.50
1.13±0.38
4.16±0.61
(平均値±S.D.)

分布

  1. 組織移行
    14C-アクタリット10mg/kgをラットに単回経口投与した場合、組織内放射能濃度は投与後0.5~1時間で最高値に達し、投与後8時間で各組織内放射能濃度は最高濃度の約17%以下となった。投与後24時間でほとんどの臓器で検出限界以下となり、組織残留性は認められなかった。
  2. 血漿蛋白結合率
    17~20%である(in vitro)。

代謝

本剤は代謝を受けない。

排泄

健康成人男性(4例)に本剤1錠(アクタリットとして100mg)を単回経口投与したとき、本剤投与後24時間までに未変化体として尿中にほぼ100%排泄される。

特定の背景を有する患者

  1. 血液透析患者
    血液透析が必要な関節リウマチ患者(3例)における透析クリアランスはおおよそ110mL/minであり、アクタリットの透析膜通過性は良好であった。その際、健康成人に比し吸収遅延、Cmax及びAUCの増大が認められたが、分布容積はほぼ同等であった。また、16週間連続投与(2例:透析前夜に1錠経口投与)において、透析終了時における血中濃度は下表のとおりであり、蓄積性は認められていない。
    透析終了時における血中濃度の推移(μg/mL)
    開始時
    8週時
    16週時
    症例1
    1.16
    1.07
    1.61
    症例2
    3.11
    2.19
    1.75

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    関節リウマチを対象として全国の医療施設で実施した臨床試験において、評価対象総計467例の臨床成績は次のとおりである,,,,,,,,,
    対象疾患名
    改善率(%)[改善以上]
    関節リウマチ
    38.1(178例/467例)

薬効薬理

作用機序
血管新生の抑制、細胞接着の抑制及び炎症性サイトカイン・蛋白分解酵素の産生抑制作用により、抗リウマチ作用を示す(in vitro)。
関節リウマチの類似疾患モデルに対する作用
  1. アジュバント関節炎
    免疫系が関与する二次炎症に基づく関節炎を抑制する。この作用はインドメタシン等の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用により増強される,,(ラット)。
  2. コラーゲン関節炎
    コラーゲンに対するⅣ型(遅延型)アレルギー反応を抑制することにより、Ⅱ型コラーゲン関節炎を抑制する(マウス)。
  3. MRL/lpr
    自然発症自己免疫疾患モデル動物であるMRL/lprマウスの関節炎、リンパ節腫大等の諸症状を抑制し、更にリウマチ因子、抗DNA抗体などの免疫パラメータに対し抑制作用を示す,,
抗リウマチ作用
  1. 抗アレルギー作用
    Ⅲ型(アルサス型)及びⅣ型(遅延型)アレルギー反応を抑制する,(マウス)。
  2. サイトカイン・蛋白分解酵素の産生抑制作用
    関節リウマチ患者の培養滑膜細胞からのIL-1β、IL-6、TNF-α及びMMP-1の産生を抑制する(in vitro)。
  3. 血管新生抑制作用
    ヒトVEGFレセプターであるFlt-1の発現を抑制することにより血管新生を抑制する(in vitro)。
  4. 細胞接着抑制作用
    ヒトT細胞と血管内皮細胞及び関節リウマチ患者の培養滑膜細胞との接着を抑制する(in vitro)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
アクタリット(Actarit)
化学名
4-Acetylaminophenylacetic Acid
分子式
C10H11NO3
分子量
193.20
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノールに溶けやすく、エタノール又は無水エタノールにやや溶けやすく、アセトンにやや溶けにくく、水に溶けにくく、エーテルに極めて溶けにくい。
化学構造式

包装

100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
塩川優一, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):19-35
2
杉原勝広, 他:Arzneimittelforschung. 1990;40(7):800-805
3
浜田勝生:Progress in Medicine. 1995;15(9):1687-1691
4
浜田勝生:Progress in Medicine. 1997;17(6):1652-1657
5
塩川優一, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):37-49
6
塩川優一, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):51-81
7
塩川優一, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):83-112
8
塩川優一, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):113-147
9
塩川優一, 他:臨床医薬. 1991;7(6):1309-1346
10
菅原幸子, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):149-169
11
延永 正, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):171-197
12
太田善介, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):199-219
13
小坂志朗, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):221-245
14
荒川正昭, 他:臨床医薬. 1991;7(Suppl. 2):247-263
15
藤沢 広, 他:Arzneimittelforschung. 1990;40(6):693-697
16
西村健志, 他:薬理と治療. 1993;21(10):3651-3656
17
藤沢 広, 他:応用薬理. 1990;39(6):587-593
18
藤沢 広, 他:Arzneimittelforschung. 1994;44(1):64-68
19
吉田博次, 他:Int J Immunotherapy. 1987;Ⅲ(4):261-264
20
藤沢 広, 他:炎症. 1986;6(3):285-290
21
中川喜雄, 他:Int J Immunotherapy. 1990;Ⅵ(3):131-140
22
中川喜雄, 他:Int J Immunotherapy. 1990;Ⅵ(3):141-148
23
Takeba Y, et al.:J Rheumatol. 1999;26(1):25-33
24
松原 司:医学のあゆみ. 1998;186(2):129-132
25
木谷 敦:中部リウマチ. 1998;29(1):26-27

文献請求先及び問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280

製造販売業者等

製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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