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閲覧履歴

ヒダントールF配合錠

抗てんかん剤

1錠 5.9円

添付文書番号

1139103X1036_1_15

企業コード

670126

作成又は改訂年月

2023年8月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871139

薬効分類名

抗てんかん剤

承認等

販売名

ヒダントールD配合錠

販売名コード

1139103X1036

販売名英字表記

HYDANTOL COMBINATION TABLETS

販売名ひらがな

ひだんとーるでぃーはいごうじょう

承認番号等

承認番号
22100AMX01709

販売開始年月

1959年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

劇薬
向精神薬
習慣性医薬品 注1)
注1)注意―習慣性あり
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ヒダントールE配合錠

販売名コード

1139104X1030

販売名英字表記

HYDANTOL COMBINATION TABLETS

販売名ひらがな

ひだんとーるいーはいごうじょう

承認番号等

承認番号
22100AMX01696

販売開始年月

1959年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

劇薬
向精神薬
習慣性医薬品 注3)
注3)注意―習慣性あり
処方箋医薬品 注4)
注4)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ヒダントールF配合錠

販売名コード

1139105X1035

販売名英字表記

HYDANTOL COMBINATION TABLETS

販売名ひらがな

ひだんとーるえふはいごうじょう

承認番号等

承認番号
22100AMX01697

販売開始年月

1959年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

劇薬
向精神薬
習慣性医薬品 注5)
注5)注意―習慣性あり
処方箋医薬品 注6)
注6)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

フェニトインフェノバルビタール

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分、ヒダントイン系化合物又はバルビツール酸系化合物に対して過敏症の患者
  2. 重篤な心障害のある患者[血圧降下や心拍数が減少するおそれがある。]
  3. 重篤な腎機能障害のある患者
  4. 重篤な肝機能障害のある患者
  5. 重篤な肺障害のある患者[呼吸抑制を起こすおそれがある。]
  6. 急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]
  7. ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、ドラビリン、イサブコナゾニウム、ルラシドン、エンシトレルビル、ミフェプリストン・ミソプロストール、リルピビリン、ニルマトレルビル・リトナビル、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、ソホスブビル、レジパスビル・ソホスブビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビル、レナカパビルを投与中の患者

組成・性状

組成

ヒダントールD配合錠
1錠中の有効成分
フェニトイン(日局)
16.667mg
フェノバルビタール(日局)
8.333mg
安息香酸ナトリウムカフェイン(日局)
16.667mg
添加剤
乳糖水和物、バレイショデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム
ヒダントールE配合錠
1錠中の有効成分
フェニトイン(日局)
20.833mg
フェノバルビタール(日局)
8.333mg
安息香酸ナトリウムカフェイン(日局)
16.667mg
添加剤
乳糖水和物、バレイショデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム
ヒダントールF配合錠
1錠中の有効成分
フェニトイン(日局)
25mg
フェノバルビタール(日局)
8.333mg
安息香酸ナトリウムカフェイン(日局)
16.667mg
添加剤
乳糖水和物、バレイショデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

ヒダントールD配合錠
剤形
素錠
白色
外形
直径
(mm)

9.1
厚さ
(mm)

3.8
重さ
(mg)

250
識別コード
ヒダントールE配合錠
剤形
素錠
白色
外形
直径
(mm)

9.1
厚さ
(mm)

3.8
重さ
(mg)

250
識別コード
ヒダントールF配合錠
剤形
素錠
白色
外形
直径
(mm)

9.1
厚さ
(mm)

3.8
重さ
(mg)

250
識別コード

効能又は効果

○てんかんのけいれん発作
強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)、焦点発作(ジャクソン型発作を含む)
○自律神経発作、精神運動発作

用法及び用量

通常成人1日6~12錠を分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

眼振、構音障害、運動失調、眼筋麻痺等の症状はフェニトインの過量投与の徴候であることが多いので、このような症状があらわれた場合には、至適有効量まで徐々に減量すること。
用量調整をより適切に行うためには、フェニトインの血中濃度測定を行うことが望ましい。

重要な基本的注意

  1. 混合発作型では、単独投与により小発作の誘発又は増悪を招くことがある。
  2. 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
  3. 連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。
  4. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
  5. 長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続した血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  6. 複視、視覚障害、眼振、白内障があらわれることがあるので、定期的に視力検査を行うことが望ましい。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 虚弱者
    呼吸抑制を起こすことがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。
  2. 呼吸機能の低下している患者
    呼吸抑制を起こすことがある。
  3. 頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症の患者
    本剤の作用が強くあらわれることがある。
  4. 心障害のある患者(重篤な心障害のある患者を除く)
    血圧降下や心拍数が減少するおそれがある。
  5. 血液障害のある患者
    血液障害が悪化するおそれがある。
  6. 消化性潰瘍のある患者
    潰瘍が悪化するおそれがある。
  7. 甲状腺機能低下症の患者
    甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。
  8. アルコール中毒のある患者
    中枢抑制作用が増強される。
  9. 薬物依存の傾向又は既往歴のある患者
    精神依存及び身体依存を示すおそれがある。
  10. 重篤な神経症の患者
    依存を示すおそれがある。
  11. 糖尿病の患者
    2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。

腎機能障害患者

  1. 重篤な腎機能障害のある患者
    投与しないこと。症状の悪化、血中濃度上昇のおそれがある。
  2. 腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)
    症状の悪化、血中濃度上昇のおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝機能障害のある患者
    投与しないこと。症状の悪化、血中濃度上昇のおそれがある。
  2. 肝機能障害のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
    症状の悪化、血中濃度上昇のおそれがある。

妊婦

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中にフェニトイン、フェノバルビタールを投与された患者の中に、奇形を有する児(口唇裂、口蓋裂、心奇形、大動脈縮窄症等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。
  2. 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り他の抗てんかん剤と併用しないことが望ましい。妊娠中にフェニトインを他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用して投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例がフェニトイン単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。
  3. 妊娠中の投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。
  4. 妊娠中の投与により、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。
  5. 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。
  6. 妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。

授乳婦

授乳を避けさせること。フェノバルビタールはヒト乳汁中へ移行し、新生児、乳児に傾眠、哺乳量低下を起こすことがある。

高齢者

  1. 少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。なお、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。呼吸抑制、興奮、抑うつ、錯乱等があらわれやすい。
  2. 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。

相互作用

フェニトインは、主として薬物代謝酵素CYP2C9及び一部CYP2C19で代謝され、また、CYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する。フェノバルビタールは、CYP3A等の誘導作用を有する。

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ボリコナゾール
(ブイフェンド)
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある。
(2)ボリコナゾールの代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。
(1)ボリコナゾールが肝代謝を抑制する。
(2)フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用による。
タダラフィル
(肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ)
マシテンタン
(オプスミット)
チカグレロル
(ブリリンタ)
アルテメテル・ルメファントリン
(リアメット配合錠)
ダルナビル・コビシスタット
(プレジコビックス配合錠)
ドラビリン
(ピフェルトロ)
イサブコナゾニウム
(クレセンバ)
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
ルラシドン
(ラツーダ)
エンシトレルビル
(ゾコーバ)
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
ミフェプリストン・ミソプロストール
(メフィーゴ)
ミフェプリストンの代謝が促進され、血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
リルピビリン
(エジュラント)
リルピビリンの血中濃度が低下することがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
ニルマトレルビル・リトナビル
(パキロビッド)
ニルマトレルビル及びリトナビルの血中濃度が低下し、抗ウイルス作用の消失や耐性出現のおそれがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン
(オデフシィ配合錠)
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
(ビクタルビ配合錠)
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
(シムツーザ配合錠)
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
(ゲンボイヤ配合錠)
エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ソホスブビル・ベルパタスビル
(エプクルーサ配合錠)
ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下することがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ソホスブビル
(ソバルディ)
レジパスビル・ソホスブビル
(ハーボニー配合錠)
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある。
フェニトインのP糖蛋白誘導作用による。
ドルテグラビル・リルピビリン
(ジャルカ配合錠)
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下することがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
カボテグラビル
(ボカブリア)
カボテグラビルの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。
フェニトイン、フェノバルビタールのUGT1A1誘導作用によると考えられる。
レナカパビル
(シュンレンカ)
レナカパビルの血中濃度が低下するため、効果が減弱し耐性発現のおそれがある。
フェニトイン、フェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用、P糖蛋白誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ゾニサミド
トピラマート
クロラムフェニコール
タクロリムス
テラプレビル
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
(1)これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている。タクロリムス、テラプレビルの機序は不明である。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用によると考えられている。
ルフィナミド
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
(1)、(2)機序不明
クロバザム
(1)フェニトイン、フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある注1)
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
(1)機序不明
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
スチリペントール
(1)フェニトイン、フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある注1)
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
(1)スチリペントールが肝代謝を抑制する。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
カルバマゼピン
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)
(3)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
(1)カルバマゼピンが肝代謝を抑制する。
(2)カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
ネルフィナビル
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)
(3)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
(1)ネルフィナビルが肝代謝を抑制すると考えられている。
(2)機序不明
(3)機序は不明であるが、本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用等が考えられている。
バルプロ酸
(1)フェニトイン、フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある注1)
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)
(3)バルプロ酸の血中濃度が低下することがある注2)
(4)バルプロ酸による高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある 。
(1)バルプロ酸が肝代謝を抑制する。
(2)バルプロ酸による蛋白結合からの置換により、遊離フェニトイン濃度が上昇し、肝代謝が促進すると考えられている。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
(4)機序不明
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、トランキライザー等
抗ヒスタミン剤
ジフェンヒドラミン等
アルコール
相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。
フェノバルビタールとの相加的中枢神経抑制作用による。
MAO阻害剤
相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。
機序不明
三環系抗うつ剤
イミプラミン等
四環系抗うつ剤
マプロチリン等
トラゾドン
(1)相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。
(2)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
(3)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
(1)フェノバルビタールとの相加的中枢神経抑制作用による。
(2)機序不明
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
(2)クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがある。
(3)クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがある。
通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること。
(1)クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する。
(2)フェニトインによる蛋白結合からの置換により、クマリン系抗凝血剤の血中濃度が上昇する。
(3)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
メチルフェニデート
フェニトイン、フェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある注1)
メチルフェニデートが肝代謝を抑制するためと考えられている。
CYP2C9又はCYP2C19を阻害する薬剤
アミオダロン
シメチジン
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
チクロピジン
フルコナゾール
フルボキサミン
ホスフルコナゾール
ミコナゾール
セリチニブ
アシミニブ
ニチシノン
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。
アロプリノール
イソニアジド
エトスクシミド
オメプラゾール
ジスルフィラム
ジルチアゼム
スルチアム
パラアミノサリチル酸
エソメプラゾール
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。
フルオロウラシル系薬剤
テガフール製剤、ドキシフルリジン等
フェニトインの血中濃度が上昇することがある注1)
機序不明
テオフィリン
アミノフィリン水和物
(1)フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)
(2)テオフィリンの血中濃度が低下することがある注2)
(1)機序不明
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
リファンピシン
アパルタミド
レテルモビル
フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
ジアゾキシド
シスプラチン
ビンカアルカロイド
ビンクリスチン等
シプロフロキサシン
ビガバトリン
フェニトインの血中濃度が低下することがある注3)
機序不明
イリノテカン
イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
主にCYP3Aの基質となる薬剤
アゼルニジピン
イグラチモド
イトラコナゾール
イマチニブ
オンダンセトロン
キニジン
クエチアピン
ジソピラミド
ニソルジピン
ニフェジピン
フェロジピン
プラジカンテル
ベラパミル
モンテルカスト

副腎皮質ホルモン剤
デキサメタゾン等
卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤
ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等
PDE5阻害剤
タダラフィル(勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合:シアリス、ザルティア)、シルデナフィル、バルデナフィル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
パロキセチン
フレカイニド
メキシレチン
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
CYP3A及びP糖蛋白の基質となる薬剤
アピキサバン
ミラベグロン
レンバチニブ等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
P糖蛋白の基質となる薬剤
グレカプレビル・ピブレンタスビル
テノホビル アラフェナミド
ニンテダニブ等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
本剤のP糖蛋白誘導作用による。
ラモトリギン
デフェラシロクス
カナグリフロジン
ラルテグラビル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
本剤がこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。
ポサコナゾール
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
フェニトインのUGT1A4誘導作用及び/又はP糖蛋白誘導作用による。
シクロスポリン
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用、又はフェニトインの吸収阻害作用が考えられている。
甲状腺ホルモン剤
レボチロキシン等
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
機序不明
カスポファンギン
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注2)
フェニトインがカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている。
ドルテグラビル
ドルテグラビル・ラミブジン
ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン
ドルテグラビルの血中濃度が低下することがある。
本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
アルベンダゾール
アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。
機序不明
ドキシサイクリン
ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
非脱分極性筋弛緩剤
ベクロニウム等
フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある。
機序不明
血糖降下剤
インスリン、経口血糖降下剤
血糖降下剤の作用が減弱され、高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意すること。
フェニトインのインスリン分泌抑制作用による。
利尿剤
チアジド系降圧利尿剤等
起立性低血圧が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。
機序は不明であるが、高用量のフェノバルビタールは血圧を低下させることがある。
アセタゾラミド
くる病、骨軟化症があらわれやすい。
本剤によるビタミンDの不活性化促進、又はアセタゾラミドによる腎尿細管障害、代謝性アシドーシス等が考えられている。
アセトアミノフェン
本剤の長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。
本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
フェニトイン、フェノバルビタールの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導作用によると考えられている。
注1)フェニトインの中毒症状があらわれることがあるので、このような場合には、減量するなど注意すること。
注2)これらの薬剤の作用が減弱することがあるので、用量に注意すること。また、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること。
注3)本剤の作用が減弱することがあるので、けいれん等のてんかん発作の発現に注意すること。また、これらの薬剤を減量又は中止する場合には、フェニトインの血中濃度の上昇に注意すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)
    発熱、紅斑、水疱・びらん、瘙痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  2. 過敏症症候群(頻度不明)
    初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が、投与中止後も再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
  3. SLE様症状(頻度不明)
    発熱、紅斑、関節痛、肺炎、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等のSLE様症状があらわれることがある。
  4. 依存性(頻度不明)
    連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、不眠、けいれん、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱又は抑うつ状態等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
  5. 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、単球性白血病、血小板減少、溶血性貧血、赤芽球癆(いずれも頻度不明)
  6. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    劇症肝炎、著しいAST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  7. 間質性肺炎(頻度不明)
    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(肺臓炎)があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  8. 呼吸抑制(頻度不明)
  9. 悪性リンパ腫、リンパ節腫脹(いずれも頻度不明)
  10. 小脳萎縮(頻度不明)
    長期投与例であらわれることがある。
  11. 横紋筋融解症(頻度不明)
    筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれることがある。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
  12. 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)
  13. 悪性症候群(頻度不明)
    発熱、意識障害、筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれた場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
猩紅熱様発疹、麻疹様発疹、中毒疹様発疹
血液
血小板減少、巨赤芽球性貧血
肝臓
AST・ALT・γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸
腎臓注1)
蛋白尿等の腎障害
精神神経系
不随意運動[ジスキネジア、舞踏病アテトーゼ、アステリキシス(asterixis)等]、ニューロパシー、眩暈、運動失調、注意力・集中力・反射運動能力等の低下、眠気、不眠、頭痛、せん妄、昏迷、鈍重、構音障害、知覚異常、精神機能低下、神経過敏、けいれん・てんかん増悪、興奮、多動
注2)
複視、視覚障害、眼振、白内障
消化器
歯肉増殖注1)、食欲不振、悪心・嘔吐、便秘
骨・歯
くる病注3),注4)、骨軟化症注3),注4)、歯牙の形成不全注3)、低カルシウム血症
内分泌系
甲状腺機能検査値(血清T3、T4値等)の異常、高血糖
その他
発熱、多毛、血清葉酸値の低下、ヘマトポルフィリン尿注1)、CK上昇、免疫グロブリン低下(IgA、IgG等)
注1)連用によりあらわれることがある。
注2)
注3)連用によりあらわれることがあるので、異常(血清アルカリフォスファターゼ値の上昇、血清カルシウム・無機リンの低下等)があらわれた場合には、減量又はビタミンDの投与等適切な処置を行うこと。
注4)


過量投与

  1. 症状
    初期症状は、呼吸抑制、眼振、構音障害、運動失調、眼筋麻痺等である。その他の徴候として振戦、過度の緊張亢進、嗜眠、言語障害、嘔気、嘔吐がみられる。重症の場合は、昏睡状態、血圧低下になり、呼吸障害、血管系の抑制、肺の合併症、腎障害により死亡することがある。
  2. 処置
    炭酸水素ナトリウム投与による尿アルカリ化、利尿剤投与により薬物の排泄を促進させる。重症の場合は、血液透析や血液灌流を考慮すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 血清免疫グロブリン(IgA、IgG等)の異常があらわれることがある。
  2. 経腸栄養剤を投与中の患者で、フェニトインの血中濃度が低下したとの報告がある。
  3. フェニトイン、フェノバルビタールと他の抗てんかん薬(カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。
  4. 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。
非臨床試験に基づく情報
フェノバルビタールをラット及びマウスに長期間大量投与(ラット:25mg/kg、マウス:75mg/kg)したところ、対照群に比較して肝腫瘍の発生が有意に増加したとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

ヒダントールF配合錠8錠(フェニトインとして200mg)を健康成人男子5名に食後単回経口投与して得られた薬物動態は下記のとおりである。
AUC(0-24hr)
(hr・μg/mL)
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
71.0±10.7
4.3±0.5
3.2±1.1
17.0±4.6
(Mean±S.D.,n=5)

分布

  1. 血漿・血清蛋白結合率
    フェニトイン:約90%(in vitro、ヒト血漿、約20μg/mL、限外ろ過法)
    フェノバルビタール:約45%(in vitro、ヒト血清、約21~83μg/mL、限外ろ過法)

代謝

  1. 主な代謝産物及び代謝経路
    主として肝臓でフェニトイン,はフェニル基の一つが水酸化され、5-(p-hydroxyphenyl)-5-phenylhydantoin(HPPH)が生成した後、大部分はグルクロン酸抱合され、フェノバルビタールはフェニル基が水酸化され、5-ethyl-5-(p-hydroxyphenyl)Barbituric acid(p-HPB)が生成した後、一部はグルクロン酸又は硫酸抱合される。
  2. 代謝酵素
    フェニトイン:主としてCYP2C9及び一部CYP2C19

排泄

  1. 排泄経路
    主として尿中
  2. 排泄率
    フェニトイン投与後6日間における排泄率は、尿中に総HPPHとして96.9~99.0%、フェニトインとして0.4~0.7%、糞中に総HPPHとしてtrace~1.2%、フェニトインとして0.5%であった(健康成人、フェニトイン100mg 1回経口投与)。フェノバルビタール投与後24時間における尿中排泄率は、フェノバルビタールとして25%、総p-HPBとして17%であった(てんかん患者、フェノバルビタール30~90mg反復投与)(外国人データ)。

薬物相互作用

フェニトインはCYP3A、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有し、フェノバルビタールはCYP3A等の誘導作用を有する。

PharmacokineticsEtc

  1. 有効血中濃度
    てんかんの重症度の違いや症例によって違いはあるが、一般にフェニトインは10~20μg/mL(成人の強直間代発作),が、また、フェノバルビタールは10~30μg/mLが目安として示されている。
  2. 投与量と血中濃度との関係
    定常状態におけるフェニトイン血中濃度と投与量の関係はMichaelis-Menten式[C=Km・D/(Dmax-D)]を用いた曲線(図)で近似され、有効血中濃度付近では、投与量の増減が血中濃度に及ぼす影響は極めて大きい。
    また、定数Dmax、Kmの個人差は大きく、さらに成人に比較して年少児ほどDmaxの値は大きくなる。このため、フェニトインの血中濃度測定が、至適投与量の検討ないしは中毒症状発現防止に役立てられている。

薬効薬理

作用機序
  1. フェノバルビタールは、最小電撃けいれん閾値上昇作用、ペンテトラゾールけいれん閾値上昇作用のほか、最大電撃けいれん抑制作用も示し、一方、フェニトインには前二者の作用はほとんど認められないが、最大電撃けいれんに対しては強い抑制作用を示す,(マウス、ラット)。
  2. フェニトインとフェノバルビタールの併用効果を最大電撃けいれん法を用い、抗けいれん作用発現の有無と各薬物の血中濃度の関係から検討した結果、両薬物の薬力学的相乗作用が示唆された(マウス、ウサギ)。
抗けいれん効果
ddY系雄性マウスを用い、最大電撃けいれん法によってヒダントールD配合錠、E配合錠、F配合錠の成分であるフェニトイン、フェノバルビタール及び安息香酸ナトリウムカフェインの経口投与による抗けいれん効果並びにそれらの配合効果を検討した。薬物は0.3%C.M.C.に懸濁して経口投与し、ED50、LD50並びに95%信頼限界はLitchfield-Wilcoxon法により算出した。
フェニトイン単独のED50は10.4mg/kg、フェノバルビタールは19.5mg/kgであったが、安息香酸ナトリウムカフェインは抗けいれん作用を示さなかった。フェニトイン、フェノバルビタールを配合した場合、ヒダントールF配合錠の配合比率を換算するとそのED50は13.87mg/kgであるが、実験によるED50は11.5mg/kgであり、またヒダントールD配合錠の配合比率の換算ED50は15.6mg/kgであるが、実験によるED50は12.8mg/kgで、フェニトイン、フェノバルビタールの配合による効果の増強を認めた。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 フェニトイン
一般的名称
フェニトイン(Phenytoin)
化学名
5,5-Diphenylimidazolidine-2,4-dione
分子式
C15H12N2O2
分子量
252.27
性状
白色の結晶性の粉末又は粒で、におい及び味はない。
エタノール(95)又はアセトンにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
水酸化ナトリウム試液に溶ける。
化学構造式
融点
約296℃(分解)
19.2 フェノバルビタール
一般的名称
フェノバルビタール(Phenobarbital)
化学名
5-Ethyl-5-phenylpyrimidine-2,4,6(1H,3H,5H)-trione
分子式
C12H12N2O3
分子量
232.24
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、エタノール(95)又はアセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
水酸化ナトリウム試液に溶ける。
飽和水溶液のpHは5.0~6.0である。
化学構造式
融点
175~179℃

包装

〈ヒダントールD配合錠〉
(瓶:バラ) 1,000錠
(PTP)   100錠(10錠×10)
〈ヒダントールE配合錠〉
(瓶:バラ) 1,000錠
(PTP)   100錠(10錠×10)
〈ヒダントールF配合錠〉
(瓶:バラ) 1,000錠
(PTP)   100錠(10錠×10) 1,000錠(10錠×100)

主要文献

1
藤永製薬社内資料:体内動態に関する資料
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Hooper WD., et al.:Clin Pharmacol Ther. 1974;15:276-282
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Maynert EW.:J Pharmacol Exp Ther. 1960;130:275-284
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Butler TC.:J Pharmacol Exp Ther. 1956;116:326-336
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Masuda Y., et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1981;217:805-811
19
藤永製薬社内資料:配合効果に関する資料

文献請求先及び問い合わせ先

藤永製薬株式会社 くすり相談室
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-14-1
フロントプレイス日本橋
TEL:03-6327-2478 FAX:03-6327-2479

保険給付上の注意

投薬期間制限に関する情報
本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、1回90日分を限度として投薬する。

製造販売業者等

製造販売元
藤永製薬株式会社
東京都中央区日本橋2-14-1
販売元
第一三共株式会社
東京都中央区日本橋本町3-5-1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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