作成又は改訂年月
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2022年4月改訂
(第14版)
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2021年11月改訂
日本標準商品分類番号
日本標準商品分類番号等
1997年6月
薬効分類名
承認等
販売名
エリスパン錠0.25mg
販売名コード
承認・許可番号
21800AMX10838
Erispan
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
基準名
規制区分
向精神薬
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分
1錠中日局フルジアゼパム0.25mg
添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、硬化油
性状
色・剤形 | 白色の素錠 |
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外形 | |
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大きさ | 直径 約6mm 厚さ 約2.6mm 重さ 約80mg |
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識別コード | @017 |
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禁忌
急性閉塞隅角緑内障の患者〔抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。〕
重症筋無力症の患者〔筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。〕
効能又は効果
心身症(消化器疾患、高血圧症、心臓神経症、自律神経失調症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ及び焦躁、易疲労性、睡眠障害
用法及び用量
通常、成人にはフルジアゼパムとして1日0.75mgを3回に分け経口投与する。なお、年令・症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
心障害のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
肝障害、腎障害のある患者〔排泄が遅延するおそれがある。〕
脳に器質的障害のある患者〔作用が強くあらわれることがある。〕
乳児、幼児〔作用が強くあらわれるおそれがある。〕
高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
衰弱患者〔副作用があらわれやすい。〕
中等度又は重篤な呼吸不全のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕
重要な基本的注意
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。〔「重大な副作用」の項参照〕
相互作用
併用注意
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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中枢神経抑制剤 フェノチアジン誘導体 バルビツール酸誘導体 等 | 作用が増強されることがある。併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。 | ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強することが考えられている。 |
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アルコール(飲酒) | 作用が増強されることがある。併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。 | ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強することが考えられている。 |
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モノアミン酸化酵素阻害剤 | 作用が増強されることがある。併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。 | 機序不明 |
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副作用
副作用等発現状況の概要
承認までの臨床試験における調査症例1017例中287例(28.2%)、承認後の使用成績調査8752例中224例(2.6%)、計9769例中511例(5.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。その主な副作用は眠気332件(3.4%)、めまい・ふらつき68件(0.7%)、倦怠感57件(0.6%)、脱力感32件(0.3%)、口渇21件(0.2%)等であった。
重大な副作用
依存性(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
刺激興奮、錯乱等(頻度不明)
刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
精神神経系
0.1〜5%未満
眠気、めまい・ふらつき、頭痛・頭重
精神神経系
0.1%未満
発揚、焦躁感、振戦、ぼんやり、起床時不快感、眼症状(調節障害、複視、羞明)、立ちくらみ、せん妄、物忘れ、不眠、多夢、言語障害
肝臓
0.1%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇、黄疸
消化器
0.1〜5%未満
口渇、食欲不振、悪心・嘔気、腹部不快感・膨満感、便秘
消化器
0.1%未満
下痢、軟便、流涎増加、胸やけ
過敏症※
0.1〜5%未満
発疹
過敏症※
0.1%未満
そう痒
骨格筋
0.1〜5%未満
疲労・倦怠・脱力感
骨格筋
0.1%未満
筋弛緩
その他
0.1%未満
性欲減退、排尿困難、しゃがれ声、喉のつまり感、舌先のぴりぴり感、手のしびれ、発汗、微熱、腋窩のはれ、尿失禁、月経前緊張、抜毛
※このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者へ投与する場合は、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。〔運動失調等の副作用があらわれやすい。〕
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤を服用していた患者が出産した新生児において、口唇裂、口蓋裂等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。〕
妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。〔ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。〕
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
過量投与
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
薬物動態
血中濃度
健常成人に1回0.25mgを経口投与した場合、未変化体の血清中濃度の最高値(5.8±0.4ng/mL)は、服薬1時間目にみられ、生物学的半減期は約23時間であった。
代謝
ヒトでの主要な代謝体は1-デスメチル体、1-デスメチル-3-ヒドロキシ体であった。
分布・排泄
(参考)
ラットに14C-フルジアゼパム5mg/kgを1回経口投与した場合、14C濃度は高い方から肝、腎、血清、脳の順であった。
また、ラットに14C-フルジアゼパム2mg/kgを1回経口投与後、48時間までの排泄率は尿中13.9%、糞中69.4%で糞中排泄の比率が高かった。
臨床成績
二重盲検比較試験を含む臨床試験成績等の概要は次のとおりである。1,2)
心身症
消化器疾患、高血圧症、心臓神経症
各心身症に対する有効率は以下のとおりである。(表1)
また二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。
自律神経失調症
自律神経失調症に対しては有効率76.4%(362例/474例)を示した。
その他
神経症に対しては、ジアゼパム等に比し特に優れた特徴は見られなかった。
臨床成績の表
| | 症例数 | 有効以上 | 有効率 |
心身症 | 消化器疾患 | 2043例 | 1558例 | 76.3% |
| 高血圧症 | 1262例 | 899例 | 71.2% |
| 心臓神経症 | 204例 | 145例 | 71.1% |
薬効薬理
抗不安作用
不安・葛藤状態寛解作用(ラット)
抗不安作用と最も相関性が高いとされている抗コンフリクト行動実験で、ジアゼパムに比し約8倍強い効力を示す。3)
馴化作用(マウス)
電撃により誘発した闘争行動抑制試験で、ジアゼパムより6.5倍強い効力を示す。4)
鎮静・催眠作用
自発運動抑制作用(マウス)
隔離時の自発運動量の抑制はジアゼパムに比し約1/4と弱い。4)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
フルジアゼパム(Fludiazepam)
化学名
7-Chloro-5-(2-fluorophenyl)-1-methyl-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one
構造式
分子式
C16H12ClFN2O
分子量
302.73
性状
白色〜淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
クロロホルムに極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
融点
91〜94℃
包装
エリスパン錠0.25mg:
[PTP]100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)、1,000錠(10錠×100)
[バラ]1,000錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1
長谷川直義ほか:臨床と研究,54:2075,1977.
2
大沢温臣ほか:基礎と臨床,16:5313,1982.
3
福島英明ほか:日薬理誌,72:1033,1976.
4
Asami,Y.et al.:Arzneim-Forsch.,24:1563,1974.
**製品に関するお問い合わせ先・文献請求先
住友ファーマ株式会社
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
くすり情報センター
TEL 0120-034-389
投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投薬は1回30日分を限度とされています。
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**製造販売元
住友ファーマ株式会社
大阪市中央区道修町2-6-8