医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

笑気ガス(住友精化)

全身麻酔剤

1g 2.9円

作成又は改訂年月

**
2013年9月改訂
(第4版)
*
2006年4月改訂
(第3版 薬事法改正に伴う改訂)

日本標準商品分類番号

871116

日本標準商品分類番号等

1974年11月

薬効分類名

全身麻酔剤

承認等

販売名

笑気ガス(住友精化)

販売名コード

1116700X1037

承認・許可番号

*28A1X00005

薬価基準収載年月

1960年6月

販売開始年月

1955年9月

貯法・使用期限等

*貯法 
40℃以下で保存する。
耐圧金属製密封容器

基準名

日本薬局方
亜酸化窒素

規制区分

*処方せん医薬品
注意-医師等の処方せんにより使用すること

組成

本剤は亜酸化窒素(N2O)を99.999V/V%以上含む。

性状

本剤は高圧ガス容器に充填された液化ガスで、室温、大気圧下において無色・無臭のガスである。

一般的名称

亜酸化窒素
Nitrous Oxide

効能又は効果

全身麻酔・鎮痛

用法及び用量

本剤は酸素と併用し、酸素の吸気中濃度は必ず20%以上に保つこと。
使用目的、患者の状態に応じ、適宜酸素濃度を増加させること。

使用上の注意

慎重投与

ビタミンB12欠乏症の患者[本剤の副作用が強くあらわれるおそれがある。]1)2)
造血機能障害のある患者[本剤の副作用が強くあらわれるおそれがある。]1)2)
耳管閉塞、気胸、腸閉塞、気脳症等、体内に閉鎖腔のある患者[閉鎖腔内容量及び内圧が変化する。]3)4)5)

重要な基本的注意

ビタミンB12の不活性化により造血機能障害や神経障害を起こすことがあるので、患者の観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合にはビタミンB12を投与するなど適切な処置を行うこと1)2)
麻酔を行う際には原則としてあらかじめ絶食させておくこと。
麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。
麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。
麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。
**タンポナーデに用いられた気体(パーフルオロプロパン、六フッ化硫黄等)が硝子体内に存在している眼手術後の患者には、本剤を使用しないこと。本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により眼圧が急激に上昇し、失明するおそれがある6)7)8)

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
プロポフォール麻酔作用が増強されたり、収縮期血圧、拡張期血圧、平均動脈圧及び心拍出量が低下することがあるので、併用する場合には、プロポフォールの投与速度を減速するなど慎重に投与すること9)相互に作用(麻酔作用)を増強させる9)

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、頻度は不明である(再審査対象外)。

重大な副作用

造血機能障害(顆粒球や血小板の減少等)(頻度不明)
顆粒球や血小板の減少等、造血機能障害があらわれることがあるので、長期にわたって連用する場合には血液検査を行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

その他の副作用

消化器(覚醒時)
頻度不明
嘔気・嘔吐10)
精神神経系
頻度不明
末梢神経障害1)2)

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦(3ヶ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されている11)

適用上の注意

麻酔開始時
吸気中酸素濃度は30%を越えることが望ましい。
麻酔開始のときには、亜酸化窒素の肺内残気による希釈を防ぐために十分な脱窒素を行う。
麻酔終了時
麻酔終了と同時に空気呼吸を開始すると、酸素欠乏症に陥ることがあるので、5分以上の100%酸素を吸入させることが望ましい。

その他の注意

亜酸化窒素は反復摂取の体験により、依存性が生じることがあるので注意が必要である12)
本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により、中耳内圧の上昇が起こり、鼓膜破裂に至ったとの報告がある3)
亜酸化窒素の長期間(3ヶ月〜数年)の摂取下で、亜急性脊髄変性様の神経障害が観察されている1)2)13)
仰臥位での開頭術において、本剤の体内閉鎖腔内圧上昇作用により術後に緊張性気脳症が発症したとの報告がある5)
ヒトにおいては持続吸入開始4日目に顆粒球や血小板の減少等の骨髄機能障害が認められるが14)、吸入を中止すれば3〜4日で寛解がみられるとの報告がある15)
総じてヒトにおける連続吸入は、48時間以内にとどめるのが望ましいとされている15)16)17)

薬物動態

1
吸収18)19)
本剤の吸収は他の麻酔剤より大きい。吸入開始直後は大量(約1L/分)に吸収されるが、時間の経過とともに急減し、20〜30分でほぼ飽和に達し、以後はごくわずかしか吸収されない(手術患者)。
2
排泄18)19)
吸収と同じパターンをとる。最初大量の呼気への排泄があり、10分以内に約半分に減少する。その後長時間排泄は続く(手術患者)。

薬効薬理

1
麻酔・鎮痛作用20)
血液/ガス分配係数が0.47と小さいため、麻酔の導入・覚醒が速やかである。MAC104と麻酔効果は弱い(手術患者、マウス)が、聴覚、視覚、触覚や特に痛覚を抑制する(手術患者、サル)。鎮痛効果の発現は早く強力なので術後の鎮痛を得るために用いられる16)
単独使用では、手術刺激により麻酔深度が浅くなる(手術患者)傾向があるので、他の静脈麻酔薬21)22)または吸入麻酔薬と併用されている22)
2
呼吸器系への影響20)
嗅覚を抑制する。鼻喉頭気管の感受性を低めるので、喉頭けいれんの危険も少ない。気管支粘膜の分泌腺は刺激されず気管支せん毛運動を抑制しない。
3
循環器への影響20)
低酸素症や高炭酸ガス血症がない限り、心拍数、心拍出量、血圧に変化はなく、心筋層感応性エピネフリンに対する感受性亢進もない(手術患者)。
4
消化器への影響20)
麻酔導入初期には唾液の分泌が増加するが、麻酔が深くなるに伴い減少する。また低酸素症がない限り、食道と胃腸の蠕動は影響を受けず消化液の分泌も影響を受けない(ウサギ)。
5
泌尿器系への影響20)
腎機能、尿管蠕動、膀胱緊張力及び尿形成は影響を受けない。

有効成分に関する理化学的知見

化学名
亜酸化窒素,Nitrous Oxide
一般名
笑気ガス,Laughing Gas
分子式
N2O(分子量 44.01)
比重
1.53(空気=1)
沸点
−88.5℃(1.013×105Pa)
融点
−102.3℃(同上)
臨界温度
36.5℃
臨界圧力
7.26MPa
ガス1Lの重量
1.968g(15℃)
ガス1kgの容積
(理想気体として)
温度(℃)0℃では容積(L)509L
温度(℃)10℃では容積(L)528L
温度(℃)20℃では容積(L)546L
温度(℃)25℃では容積(L)556L
温度(℃)30℃では容積(L)565L
溶解性
本剤1mLは温度20℃、大気圧で水1.5mL又はエタノール0.4mLに溶け、エーテル又は脂肪油にやや溶けやすい。
燃性
本剤は不燃性で室温では安定であるが、高温(520℃以上)で熱分解して酸素を遊離し支燃性を有す。
腐食性
化学的には不活性で、腐食性はほとんどない。
蒸気圧
5.10MPa(20℃)

取扱い上の注意

ガスの吸入にあたっての注意
本剤のカフ内への拡散によりカフ内圧が高まり、カフの変形、破裂、その他のトラブルが生じる23)24)ことがあるので十分注意すること。
ガスの暴露にあたっての注意
職業的に、数年にわたり本剤に暴露された女性で、自然流産率が高いことが報告されている25)26)ので、本剤の使用に際しては換気等に十分注意すること。
ガスの使用にあたっての注意
亜酸化窒素が高濃度で存在し、かつ可燃物が存在する部位では、電気メス、レーザーメス等の火気を使用しないこと27)28)
使用にあたっては換気に注意すること。
使用時は必ず容器を直立させ、転倒しないように固定すること。
容器バルブのガス取り出し口、その他ガスの直接触れる所には油脂、有機物等が付着しないように注意すること。
圧力調整器の取付部、および配管設備等ガス洩れの恐れのある箇所は使用に先立って石鹸水・発泡液(スヌープ)等で必ず漏れチェックをすること。
容器バルブのネック部あるいは安全弁からガスが洩れている場合は、直ちに使用を中止して火気のない通風のよい安全な場所に容器を移動し、販売店に連絡すること。
容器の取扱いにあたっての注意
衝撃を与えたり、転倒させないこと。
容器は炉、ラジエーター、暖房等の高温にさらされるような熱源の近くに置かないこと。
パッキン類は必ず所定のものを使用すること。
容器バルブの開閉操作は静かに行い、全開状態で使用すること。
使用後は容器バルブをしっかり閉め、アウトレットキャップ、バルブ保護キャップを取付けて空容器置場に保管すること。
容器の貯蔵にあたっての注意
容器置場の周囲2m以内には、火気又は引火性もしくは発火性の物を置かないこと。
貯蔵場所内は関係者以外の立ち入りを禁止すること。
充填容器と使用済容器とは、明確に区別して保管すること。
容器は常に40℃以下(望ましくは室温)で保ち、直射日光、裸火、暖房、ボイラーの近くをさけ、特に夏季は容器温度の上昇に注意すること。
容器は転倒を防止する措置(チェーン、ロープ等による緊縛、あるいは容器立てに収納)及び容器バルブの損傷を防止する措置を講じること。
容器置場には、作業に必要な用具以外の物を置かないこと。
麻酔器への容器の脱着にあたっての注意
容器バルブのガス取り出し口のキャップを取り外し、容器を立てたまま麻酔器に取り付けること。容器を横にして使用すると、液体が容器バルブから流れ出て流量が不安定になるだけでなく、液体を浴びて凍傷になるおそれがある。
容器への取り付けに際して、必ず新しいパッキンを用いること。
この場合、パッキンに油、ワセリン等を絶対に付けないこと。
容器バルブは徐々に開き、必ず全開にすること。全開しないときはグランドよりガスの漏れることがある。
使用後麻酔器から容器を取り外すときは、容器バルブをしっかり閉めてから行うこと。取り外した後はガス取り出し口にキャップを付けること。

包装

耐圧金属製密封容器(2.5kg、7kg、7.5kg、30kg)
笑気ガス(住友精化)の容器には、上部を「国際色の青色」に、下部を「ねずみ色」とし胴部にガス名(『液化亜酸化窒素』)を白文字で表示している。

主要文献

1
Flippo TS,Holder WD Jr:Arch Surg,128:1391 -1395,1993
2
Chanarin I:CRC Critical Reviews in Toxicology:179-213,1982
3
Vohra SB,Mason CJ:J Laryngol Otol,108(7):582-583,1994
4
奥田隆彦:臨床麻酔,15(1):95-96,1991
5
吉田一博 ら:日臨麻会誌,4(3):235-238,1984
6
森田一之 ら:第40回北日本眼科学会予稿集,2002,p52
7
Yang YF,et al:Br Med J, 325:533-534,2002
8
**大路正人 ら:日眼会誌,114(2),110-115,2010
9
盛生倫夫 ら:麻酔と蘇生,29(1):45-56,1993
10
Bodman RI,et al:Br Med J,30:1327-1330,1960
11
Fink BR,et al:Nature,214:146-148,1967
12
鈴木勝昭 ら:臨床精神医学,23(12):1531-1535,1994
13
清水貴子 ら:臨床神経学,29(9):1129-1135,1989
14
Lassen HCA,et al:Lancet,270:527-530,1956
15
Green CD:Clinical Anesthesia(nitrous oxide):37-44,1964
16
Parbrook GD:Br J Anaesth, 39:730-735,1967
17
Parbrook GD:Br Med J, 2:480-482,1964
18
上久保康夫:麻酔, 7(3):273-277,1958
19
上塚昭逸:熊本医学会雑誌,33(8):1522-1528,1959
20
Eastwood DW:Clin Anesthesia(The Pharmacology of Nitrous Oxide):21-35,1964
21
今井利和:麻酔, 9(7):476-496,1960
22
山村秀夫 ら:麻酔, 8(3):211-220,1959
23
藤井一維 ら:日歯麻誌,23(1):150-158,1995
24
重松久夫 ら:日歯麻誌,19(3):602-606,1991
25
Baird PA:N Engl J Med,327(14):1026-1027,1992
26
Rowland AS,et al:N Engl J Med, 327(14):993-997,1992
27
粕谷由子 ら:岐阜県医師会医学雑誌,6(1)347-349,1993
28
土田真奈美 ら:麻酔,46(7):959-961,1997

文献請求先

住友精化株式会社 ガス事業部ファインガス部
〒541-0041 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 (住友ビル 4階)
**06(6220)8537

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

住友精化株式会社
兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL